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満月の夜の殺人鬼編
困難に敷き詰められし道ーその①
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孝太郎は車をかつての東海林会の屋敷の前に停める。あれ程、勢いのあった屋敷は何処へやら。屋敷の壁は落書きと傷で覆われており、屋敷の中は手入れする人間がいないために、多くの家財に埃が積もっていた。一行はゴミ屋敷の中を進みながら、岡田武人の捕縛に踏み切った地下へと続く道に足を踏み入れる。地下水道は岡田武人の攻撃によって荒れ果てていたが、孝太郎は構う事なく進んで行く。孝太郎はあちこちにヒビが入った地下の部屋で一枚のメモとサファイアの指輪を拾い上げた。孝太郎はゆっくりとメモを開く。メモには次はネオ・シブヤの巨大駐車場に行けとと言う指示が記されてあった。孝太郎がメモを背広の上ポケットに仕舞おうとした時に、孝太郎はある異変に気が付く。何処かでカチカチと時計のなる音が響いていると言う事に。孝太郎が異変に気が付き、エレベーターに駆け込むように指示を出すのと同時に、大きな爆発音が地下の中で響く。そして、タイミングでも見計ったかのように地下の部屋が次々と崩れていく。
孝太郎は仲間達に走るように指示を出し、自分は殿を買って出る。仲間達は孝太郎に追い立てられるままに、エレベーターへと乗り込む。
孝太郎が乗り込もうとした瞬間に水が迫っている事に気が付く。孝太郎は地面を蹴って、エレベーターの中に転がり込む。エレベーターは水が到達するよりも前に、地上へと上昇していく。間一髪の所で助かったために、孝太郎は脚を押さえながら、荒く出ている息を整えていた。
その様子に頬をまだら色に染めたのは、聡子だった。聡子はエレベーターの壁を強く叩き、悪態を吐く。
「クソッタレ!あたしらが来るのを知ってて、爆弾を仕掛けやがったなッ!」
「……幸いだったのは孝ちゃんが爆弾の存在にいち早く気付いたことでしょうね。そうじゃなければ、あたし達今頃、水の中に揉まれて、土左衛門になっていたでしょうね……」
その言葉に聡子は改めてゾッとさせられた。未だに自分の両脚が恐怖のために震えている事に気が付く。
「今度は何処なんだ?メモに書かれている場所は何処なんだ?」
「ネオ・シブヤの駐車場だ。ビッグ・トーキョーでオレ達が大樹寺雫の狂った陰謀を止めた場所と言えば良いだろうか……」
聡子は少し前に起きたあの事件の事を思い返す。彼女は歯を軋ませながら、見知らぬ犯人への憎悪を叫ぶ。
「こんなふざけたゲームを仕込んだ奴は人間じゃあねーよ!許せないッ!」
叫んだ後に、意気消沈したと思われる聡子の肩を明美は優しくさすっていた。
屋敷を出て、屋敷の前に停めてあった車の中に乗り込む。孝太郎は車の後部座席の聡子と明美に宝石とメモを保存しておくように指示を出す。聡子は後部座席に手を伸ばし、車の中に置かれていたと思われる大きな黒色の鞄の中に証拠品を詰め込む。孝太郎はその様子を確信すると、車を次なる目的地へと走らせていく。
時間を遡る事、一時間、孝太郎達が東海林会の事務所へと足を伸ばしていた時の事。
「メモによるとここだよね?」
刈谷浩輔は大勢の人で溢れる白籠市の港を眺める。ここまで、タクシーを使って来たために、時間はそれ程経ってはいない。夕陽に照らされる港には大勢の人が溢れ、輸出品や輸入品を運んでいた。浩輔達五人が港を物色し、港の裏側にあるコンテナだけが積もれた寂れた場所に辿り着いていた。この場所には従業員の姿も見えない。多種多様の色のコンテナの山の中、その山の中から出っ張っていた赤い色のコンテナに腰掛けていた蜘蛛の糸の描かれたシャツと黒いのズボンを履いている少年が浩輔に声を掛けた。
「あんたかな?白籠市を現在支配する刈谷組の組長さんって言うのは?」
浩輔は右手を向けて、少年に向けて自分の右手を向ける。
「一体誰なんだい?キミは?」
少年は口元を右手で覆いう。だが、クックッと笑う声が全員の耳に入る。
「一体誰なんだい?浩輔くんよぉ~お前は自分の兄貴の所業によって、こうなった奴の事も知らんのか?お前の兄貴が刑務所に入れられた後に、奴から賄賂を受け取った事がバレて警官を首になった男だよ!あいつの悪事を見逃してやっただけなのに、捕まった後は逮捕かよ。オレはお前達刈谷家の一族を憎んだよ!だが、二年間の刑務所暮らしのためと、お前の居場所が分からなかったために、復讐の機会が無かった。刑務所から出て、この港で仕事をする中で、あるお方がやって来てな、オレにここでお前にこの二つを渡せと仰せられた……」
男はそう言って懐から一枚のメモと一つの銀色の指輪を取り出す。夕焼けに照らされて光る指輪を見て、宏子は叫ぶ。
「その指輪を返せッ!その指輪は優奈さんの物だッ!」
優奈の叫ぶ声にも男はニヤニヤとした笑いを引っ込めようとはしない。
彼は手の中の指輪を弄びながら、少年少女達を見つめ、唇を舐め回す。その姿に怯えてしまったのだろう。全員の顎と唇が震えているのを確認する。男はますます興奮して甲高い声で笑い始めた。
浩輔は唇と顎の震えを手で半ば強制的に抑えながら、相手を睨む。
「早くそれをぼくらに渡せ、そのためにお前は来たんだろ?」
浩輔の問いにも男は笑顔を保ちながら、相手を見つめていた。
男は顔に左手を当て、顔に微笑を浮かべながら、愉快そうな調子のまま浩輔の問いに向かって言葉を返す。
「ハッハッ、渡さないよォ!簡単には渡さないよォォォ~!!オレの出す条件を呑んでくれたら、お前達にこの指輪とメモを渡してやる」
この後の男の言葉を浩輔は覚えていない。ただ、彼の放った言葉が自分と友達を傷付ける言葉だった事だけはハッキリと覚えていた。浩輔は無言で体全体から電気を放電する。先程まで男が座っていた赤いコンテナに浩輔の電気が直撃する。コンテナ自体は真っ黒焦げになったのだが、肝心の男自体はその場から飛び降り、更に積まれたコンテナを腕と脚を使ってくっ付いていたために、浩輔の雷を浴びずに済んだらしい。浩輔はもう一度強く雷を鳴らす。浩輔の雷は真っ直ぐに男に向かって行くが、男は今度は手から糸を別のコンテナの山に向かって放出し、浩輔の電流を逃れた。男は糸を使ってコンテナに向かって行く時の衝撃を利用し、浩輔の雷から逃れたのだった。
浩輔が極度の興奮に駆られ、ありったけの雷を放電させようとした時に、それを見透かしたかのように大きな声で自分の魔法の特性を叫ぶ。
「オレの魔法は『蜘蛛の糸の教典』というのよ!特性は簡単に言えば、自分の身体を蜘蛛みてーに壁に引っ付いたりできんのよ!そして、一番の特性は……」
浩輔は男の話が終わるのと殆ど同じタイミングで、隣にいた淳太が大声で発した警告の言葉を聞く。浩輔は男の前から離れようと試みたが、その前に蜘蛛の糸に絡まれてしまう。
「悔しいか?クソガキィィィ~」
男の挑発の言葉も今の浩輔の耳には届かない。ひたすら、彼を睨むばかりだ。
孝太郎は仲間達に走るように指示を出し、自分は殿を買って出る。仲間達は孝太郎に追い立てられるままに、エレベーターへと乗り込む。
孝太郎が乗り込もうとした瞬間に水が迫っている事に気が付く。孝太郎は地面を蹴って、エレベーターの中に転がり込む。エレベーターは水が到達するよりも前に、地上へと上昇していく。間一髪の所で助かったために、孝太郎は脚を押さえながら、荒く出ている息を整えていた。
その様子に頬をまだら色に染めたのは、聡子だった。聡子はエレベーターの壁を強く叩き、悪態を吐く。
「クソッタレ!あたしらが来るのを知ってて、爆弾を仕掛けやがったなッ!」
「……幸いだったのは孝ちゃんが爆弾の存在にいち早く気付いたことでしょうね。そうじゃなければ、あたし達今頃、水の中に揉まれて、土左衛門になっていたでしょうね……」
その言葉に聡子は改めてゾッとさせられた。未だに自分の両脚が恐怖のために震えている事に気が付く。
「今度は何処なんだ?メモに書かれている場所は何処なんだ?」
「ネオ・シブヤの駐車場だ。ビッグ・トーキョーでオレ達が大樹寺雫の狂った陰謀を止めた場所と言えば良いだろうか……」
聡子は少し前に起きたあの事件の事を思い返す。彼女は歯を軋ませながら、見知らぬ犯人への憎悪を叫ぶ。
「こんなふざけたゲームを仕込んだ奴は人間じゃあねーよ!許せないッ!」
叫んだ後に、意気消沈したと思われる聡子の肩を明美は優しくさすっていた。
屋敷を出て、屋敷の前に停めてあった車の中に乗り込む。孝太郎は車の後部座席の聡子と明美に宝石とメモを保存しておくように指示を出す。聡子は後部座席に手を伸ばし、車の中に置かれていたと思われる大きな黒色の鞄の中に証拠品を詰め込む。孝太郎はその様子を確信すると、車を次なる目的地へと走らせていく。
時間を遡る事、一時間、孝太郎達が東海林会の事務所へと足を伸ばしていた時の事。
「メモによるとここだよね?」
刈谷浩輔は大勢の人で溢れる白籠市の港を眺める。ここまで、タクシーを使って来たために、時間はそれ程経ってはいない。夕陽に照らされる港には大勢の人が溢れ、輸出品や輸入品を運んでいた。浩輔達五人が港を物色し、港の裏側にあるコンテナだけが積もれた寂れた場所に辿り着いていた。この場所には従業員の姿も見えない。多種多様の色のコンテナの山の中、その山の中から出っ張っていた赤い色のコンテナに腰掛けていた蜘蛛の糸の描かれたシャツと黒いのズボンを履いている少年が浩輔に声を掛けた。
「あんたかな?白籠市を現在支配する刈谷組の組長さんって言うのは?」
浩輔は右手を向けて、少年に向けて自分の右手を向ける。
「一体誰なんだい?キミは?」
少年は口元を右手で覆いう。だが、クックッと笑う声が全員の耳に入る。
「一体誰なんだい?浩輔くんよぉ~お前は自分の兄貴の所業によって、こうなった奴の事も知らんのか?お前の兄貴が刑務所に入れられた後に、奴から賄賂を受け取った事がバレて警官を首になった男だよ!あいつの悪事を見逃してやっただけなのに、捕まった後は逮捕かよ。オレはお前達刈谷家の一族を憎んだよ!だが、二年間の刑務所暮らしのためと、お前の居場所が分からなかったために、復讐の機会が無かった。刑務所から出て、この港で仕事をする中で、あるお方がやって来てな、オレにここでお前にこの二つを渡せと仰せられた……」
男はそう言って懐から一枚のメモと一つの銀色の指輪を取り出す。夕焼けに照らされて光る指輪を見て、宏子は叫ぶ。
「その指輪を返せッ!その指輪は優奈さんの物だッ!」
優奈の叫ぶ声にも男はニヤニヤとした笑いを引っ込めようとはしない。
彼は手の中の指輪を弄びながら、少年少女達を見つめ、唇を舐め回す。その姿に怯えてしまったのだろう。全員の顎と唇が震えているのを確認する。男はますます興奮して甲高い声で笑い始めた。
浩輔は唇と顎の震えを手で半ば強制的に抑えながら、相手を睨む。
「早くそれをぼくらに渡せ、そのためにお前は来たんだろ?」
浩輔の問いにも男は笑顔を保ちながら、相手を見つめていた。
男は顔に左手を当て、顔に微笑を浮かべながら、愉快そうな調子のまま浩輔の問いに向かって言葉を返す。
「ハッハッ、渡さないよォ!簡単には渡さないよォォォ~!!オレの出す条件を呑んでくれたら、お前達にこの指輪とメモを渡してやる」
この後の男の言葉を浩輔は覚えていない。ただ、彼の放った言葉が自分と友達を傷付ける言葉だった事だけはハッキリと覚えていた。浩輔は無言で体全体から電気を放電する。先程まで男が座っていた赤いコンテナに浩輔の電気が直撃する。コンテナ自体は真っ黒焦げになったのだが、肝心の男自体はその場から飛び降り、更に積まれたコンテナを腕と脚を使ってくっ付いていたために、浩輔の雷を浴びずに済んだらしい。浩輔はもう一度強く雷を鳴らす。浩輔の雷は真っ直ぐに男に向かって行くが、男は今度は手から糸を別のコンテナの山に向かって放出し、浩輔の電流を逃れた。男は糸を使ってコンテナに向かって行く時の衝撃を利用し、浩輔の雷から逃れたのだった。
浩輔が極度の興奮に駆られ、ありったけの雷を放電させようとした時に、それを見透かしたかのように大きな声で自分の魔法の特性を叫ぶ。
「オレの魔法は『蜘蛛の糸の教典』というのよ!特性は簡単に言えば、自分の身体を蜘蛛みてーに壁に引っ付いたりできんのよ!そして、一番の特性は……」
浩輔は男の話が終わるのと殆ど同じタイミングで、隣にいた淳太が大声で発した警告の言葉を聞く。浩輔は男の前から離れようと試みたが、その前に蜘蛛の糸に絡まれてしまう。
「悔しいか?クソガキィィィ~」
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