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満月の夜の殺人鬼編
連続殺人事件の幕開け
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孝太郎はモヤモヤとした気持ちを抱えて、部屋を出ていく。孝太郎は落ち着かない気分を抑えるためにも、喫煙室でタバコを吸おうと、廊下を歩こうとした時だ、公安部の向こう側に存在する取調室から耳をつん裂くような大きな叫び声が聞こえた。
孝太郎は焦る気持ちを抱えて、取調室へと向かう。孝太郎が慌てて取調室を開けると、そこには殺人課の小田切士郎刑事が一人の容疑者を過剰に取り調べていた。彼は23世紀の時代において、容疑者の胸ぐらを掴み上げ、容疑者の男性に手を上げようとしていたのだ。孝太郎は部屋に押し入り、小田切の手を寸前の所で止める。
孝太郎は荒い息を吐きながら、小田切の暴走を止める。
「待ってください!何をしているんですか!?」
孝太郎の言葉にも小田切は暴力を止めようとはしない。反対に孝太郎に握られて振り上げようとしている手を振り解こうとしているばかりだ。
孝太郎は精一杯力を振り絞り、小田切をやっとの所で容疑者から引き離す。
容疑者は血相を変え、取調室を後にする。と、同時に待機していたと思われる監視の警察官が現れ、暴れる小田切を抑える。小田切は暴れながらも、自分の主張を叫び続ける。
「離せッ!あいつだッ!あいつこそが、オレがこの数年ずっと追いかけ続けていた、見えない怪物の正体に間違いないんだッ!」
その言葉に孝太郎は両眉を上げる。イル・マストロはかつての未解決事件の犯人のあだ名ではないか、被害者の体をズタズタにし、内臓を盗み取った様子が化け物のようであると噂され、マスコミはかつて、ロンバルディア王国がイタリア共和国だった時代に起きた連続殺人鬼イル・モストロに名付けて事件を報道したのが、その名前の由来だとも言われている。怪物は孝太郎の覚えている限りでは、五人の人間を殺害した凶悪な人間であり、かつての宇宙究明学会事件の際に被害者の会の会長を務めていた藤村誠弁護士が遺族の代表となっていた事も孝太郎は明確に覚えていた。
そして、殺人課の小田切士郎が長年に渡って、この事件の犯人を上げるために執念を燃やしていた事も。
孝太郎は目の前で暴れる小田切の気分を察し、いたたまれない気持ちになる。
「そう言えば、美弥、キャンドール・コーブの話は聞いた?」
美弥と呼ばれたがっしりとした体格の女はカウンターの向こうの女性の言葉に首を縦に振って答えた。
彼女は小中高の十二年間をバスケットボール部で過ごし、大学生活もスポーツ推薦で勝ち取っていたために、彼女はアスリートとしての理想の体格を感受できると言っても良いだろう。
美弥は自分と比べては細身で小さい身長の女性を眺める。長い髪を茶色く染めた女の名前は村田優奈。彼女の高校時代の同級生だ。小柄な体型で彼女とはクラスも別であったが、その事自体は大した事ではなかった。彼女たち二人は応援団だったのだ。彼女達二人が応援していたのは、クラスのマドンナ横山愛美。彼女は明るくて元気な性格であり、同時に女子バスケットボール部の部長を務める人間でもあったから、尚更、彼女を邪魔する人間が居てはいけなかったのだ。
そんな中で、愛美は自分の男を取られたとクラスの中でも地味な存在であった片桐雛子と言う女性を名指しで批判した。
二人からすれば、愛美は中世時代のヨーロッパにおける専制君主であり、20世紀末の英国市民がダイアナ妃と言う王女に抱いていたような憧れに等しい憧れを持っていたのだ。頼まれれば、断りはしない。早速のうちに雛子を女子バスケットボール部の連中で囲む。
体育館の隅に追いやられ、身震いする雛子に美弥はドスの効いた声で脅したものだった。
「いいかッ!あんたッ!これ以上、愛美の男に手を出すんじゃないよ!手を出したら、あたしらが承知しねーからな」
雛子は全身を震わせながらも、周りを取り囲む女子バスケットボール部のメンバーに自分は男の彼女だと主張した。
これに眉を顰めたのは美弥。美弥は彼女の整った制服の胸ぐらを強く掴む。
雛子は涙ぐましい視線で美弥を見つめた。その姿を見た美弥はどうしようもない怒りに襲われた。自分でも分からなかったのだが、目の前のお嬢様風を吹かせた雛子の様子が気に入らなかったと言っても良いだろう。美弥は大きな一撃を喰らわせた。それが、引き金となり、周りの女子達も加わっていく。
雛子はその日を境にクラスの全員に避けられ、激しいいじめを受けるようになった。それだけでは飽き足らず、親が社長だからと胸を張る愛美の言葉に従い、女子バスケットボール部の人間で雛子の家に押し掛け、雛子の両親が経営していた喫茶店を閉店に追い込む。愛美はその報告を聞いて大きく笑っていた。
女子バスケットボール部の女子達も全員が彼女同様に笑っていた。雛子が学校に来なくなり、二日の日数が過ぎた時の事だ。事件は真昼の学校で発生した。
片桐雛子は久し振りに学校に登校したと思われると、女子バスケットボール部の部室内で愛美を刺殺したのだった。
心臓と頭を貫かれた愛美は即死。女子バスケットボール部の仲間は王様を殺した不届き者を捕らえようとしたが、逃亡の際に雛子は手に持っていた刃物を振り回し、抑えようとしていた何人かの人間に傷を付けたのだった。
そして、彼女は姿を消し、二度とこの世に姿を表さなかった。20年も前の事だ。
当時の女子バスケットボール部の部員達は雛子は死んだものだと考えていたが、美弥は片桐雛子は生きていると断言できる。何故なら、東京都知事選挙の際にテレビから流れる宮本宗次郎の応援演説に彼女と瓜二つの女が自由共和党の応援として駆け付けていたから。
美弥は練習の合間を垣間見て、何度も宮本宗次郎の演説を聞き、その際に応援演説をしていた若槻葉子と呼ばれる女が目が合うたびに、彼女から目線を逸らしていたのだから……。
その時に美弥は確信を得た。彼女こそが2年前の殺人犯、片桐雛子だと。
その事を伝えに、美弥は優奈の経営する洋菓子店に足を運んだのだった。
と、ここでずっと険しい顔を浮かべていた美弥に優奈は心配そうな目を向ける。
美弥は友人の心遣いに感謝し、礼を言って店を後にした。
ここはビッグ・トーキョーの中でも人の少ないと言われる白籠市と日織亜市の狭間に存在する通りなのだ。
用心を重ねながら、美弥はケーキを抱えながら歩いていく。
人通りの少ない裏通りはいつもながら不気味だ。本当に住人が住んでいるのか怪しいような通りを歩いていると、首に圧力のようなものを感じる。美弥は誰かに首を絞められている事に気付く。
美弥は必死に紐を首から離そうと抵抗し、足をバタつかせるが、相手は容赦しない。地球の重力を一心に帯びたかのような凄まじい力は引き離せるものではない。美弥は抵抗の末に流れに身を任せる事にした。彼女は手足をぶらつかせ、意識を失い、相手のなすがままになった。
ここで、ようやく美弥を絞めていた男は手に持っていた細い糸を離す。
男は人の居ない通りの中で、読経をするかのような小さな声で一人で呟く。
「この手紙が小さい鎖をお届けします。しなやかに曲がることが巧みで、百千の小さい環でもってそなたの首にまつわりたがっています」
男は女への手向とばかりにその言葉を口にし、一瞥もせずにその場から去っていく。
孝太郎は焦る気持ちを抱えて、取調室へと向かう。孝太郎が慌てて取調室を開けると、そこには殺人課の小田切士郎刑事が一人の容疑者を過剰に取り調べていた。彼は23世紀の時代において、容疑者の胸ぐらを掴み上げ、容疑者の男性に手を上げようとしていたのだ。孝太郎は部屋に押し入り、小田切の手を寸前の所で止める。
孝太郎は荒い息を吐きながら、小田切の暴走を止める。
「待ってください!何をしているんですか!?」
孝太郎の言葉にも小田切は暴力を止めようとはしない。反対に孝太郎に握られて振り上げようとしている手を振り解こうとしているばかりだ。
孝太郎は精一杯力を振り絞り、小田切をやっとの所で容疑者から引き離す。
容疑者は血相を変え、取調室を後にする。と、同時に待機していたと思われる監視の警察官が現れ、暴れる小田切を抑える。小田切は暴れながらも、自分の主張を叫び続ける。
「離せッ!あいつだッ!あいつこそが、オレがこの数年ずっと追いかけ続けていた、見えない怪物の正体に間違いないんだッ!」
その言葉に孝太郎は両眉を上げる。イル・マストロはかつての未解決事件の犯人のあだ名ではないか、被害者の体をズタズタにし、内臓を盗み取った様子が化け物のようであると噂され、マスコミはかつて、ロンバルディア王国がイタリア共和国だった時代に起きた連続殺人鬼イル・モストロに名付けて事件を報道したのが、その名前の由来だとも言われている。怪物は孝太郎の覚えている限りでは、五人の人間を殺害した凶悪な人間であり、かつての宇宙究明学会事件の際に被害者の会の会長を務めていた藤村誠弁護士が遺族の代表となっていた事も孝太郎は明確に覚えていた。
そして、殺人課の小田切士郎が長年に渡って、この事件の犯人を上げるために執念を燃やしていた事も。
孝太郎は目の前で暴れる小田切の気分を察し、いたたまれない気持ちになる。
「そう言えば、美弥、キャンドール・コーブの話は聞いた?」
美弥と呼ばれたがっしりとした体格の女はカウンターの向こうの女性の言葉に首を縦に振って答えた。
彼女は小中高の十二年間をバスケットボール部で過ごし、大学生活もスポーツ推薦で勝ち取っていたために、彼女はアスリートとしての理想の体格を感受できると言っても良いだろう。
美弥は自分と比べては細身で小さい身長の女性を眺める。長い髪を茶色く染めた女の名前は村田優奈。彼女の高校時代の同級生だ。小柄な体型で彼女とはクラスも別であったが、その事自体は大した事ではなかった。彼女たち二人は応援団だったのだ。彼女達二人が応援していたのは、クラスのマドンナ横山愛美。彼女は明るくて元気な性格であり、同時に女子バスケットボール部の部長を務める人間でもあったから、尚更、彼女を邪魔する人間が居てはいけなかったのだ。
そんな中で、愛美は自分の男を取られたとクラスの中でも地味な存在であった片桐雛子と言う女性を名指しで批判した。
二人からすれば、愛美は中世時代のヨーロッパにおける専制君主であり、20世紀末の英国市民がダイアナ妃と言う王女に抱いていたような憧れに等しい憧れを持っていたのだ。頼まれれば、断りはしない。早速のうちに雛子を女子バスケットボール部の連中で囲む。
体育館の隅に追いやられ、身震いする雛子に美弥はドスの効いた声で脅したものだった。
「いいかッ!あんたッ!これ以上、愛美の男に手を出すんじゃないよ!手を出したら、あたしらが承知しねーからな」
雛子は全身を震わせながらも、周りを取り囲む女子バスケットボール部のメンバーに自分は男の彼女だと主張した。
これに眉を顰めたのは美弥。美弥は彼女の整った制服の胸ぐらを強く掴む。
雛子は涙ぐましい視線で美弥を見つめた。その姿を見た美弥はどうしようもない怒りに襲われた。自分でも分からなかったのだが、目の前のお嬢様風を吹かせた雛子の様子が気に入らなかったと言っても良いだろう。美弥は大きな一撃を喰らわせた。それが、引き金となり、周りの女子達も加わっていく。
雛子はその日を境にクラスの全員に避けられ、激しいいじめを受けるようになった。それだけでは飽き足らず、親が社長だからと胸を張る愛美の言葉に従い、女子バスケットボール部の人間で雛子の家に押し掛け、雛子の両親が経営していた喫茶店を閉店に追い込む。愛美はその報告を聞いて大きく笑っていた。
女子バスケットボール部の女子達も全員が彼女同様に笑っていた。雛子が学校に来なくなり、二日の日数が過ぎた時の事だ。事件は真昼の学校で発生した。
片桐雛子は久し振りに学校に登校したと思われると、女子バスケットボール部の部室内で愛美を刺殺したのだった。
心臓と頭を貫かれた愛美は即死。女子バスケットボール部の仲間は王様を殺した不届き者を捕らえようとしたが、逃亡の際に雛子は手に持っていた刃物を振り回し、抑えようとしていた何人かの人間に傷を付けたのだった。
そして、彼女は姿を消し、二度とこの世に姿を表さなかった。20年も前の事だ。
当時の女子バスケットボール部の部員達は雛子は死んだものだと考えていたが、美弥は片桐雛子は生きていると断言できる。何故なら、東京都知事選挙の際にテレビから流れる宮本宗次郎の応援演説に彼女と瓜二つの女が自由共和党の応援として駆け付けていたから。
美弥は練習の合間を垣間見て、何度も宮本宗次郎の演説を聞き、その際に応援演説をしていた若槻葉子と呼ばれる女が目が合うたびに、彼女から目線を逸らしていたのだから……。
その時に美弥は確信を得た。彼女こそが2年前の殺人犯、片桐雛子だと。
その事を伝えに、美弥は優奈の経営する洋菓子店に足を運んだのだった。
と、ここでずっと険しい顔を浮かべていた美弥に優奈は心配そうな目を向ける。
美弥は友人の心遣いに感謝し、礼を言って店を後にした。
ここはビッグ・トーキョーの中でも人の少ないと言われる白籠市と日織亜市の狭間に存在する通りなのだ。
用心を重ねながら、美弥はケーキを抱えながら歩いていく。
人通りの少ない裏通りはいつもながら不気味だ。本当に住人が住んでいるのか怪しいような通りを歩いていると、首に圧力のようなものを感じる。美弥は誰かに首を絞められている事に気付く。
美弥は必死に紐を首から離そうと抵抗し、足をバタつかせるが、相手は容赦しない。地球の重力を一心に帯びたかのような凄まじい力は引き離せるものではない。美弥は抵抗の末に流れに身を任せる事にした。彼女は手足をぶらつかせ、意識を失い、相手のなすがままになった。
ここで、ようやく美弥を絞めていた男は手に持っていた細い糸を離す。
男は人の居ない通りの中で、読経をするかのような小さな声で一人で呟く。
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