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第二部『アナベル・パニック』
トーキョー・アタックーその⑤
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吉田稔は車のハンドルを切らしながら、車の背後で横たわり、呻き声を上げる岡田武人の処遇について考える。稔はこれから先の計画を考えて、教祖到着までの時間を稼ぐ事にした。吉田稔は教団傘下の都内の病院に岡田武人の死体を担ぎ込み、病院の院長にこの死にかけの男をなんとか治療しろと詰め寄っていく。白衣を着た壮年の男性は困惑した表情を浮かべるばかり。その際に稔は医師の机を叩いたものだから、壮年の男性は思わず肩を竦めてしまう。
だが、稔はそんな医師に配慮する事はなく、話を続けた。
「良いですか!?この男を生かさなければ、我々の次なる計画に阻害が生まれてしまうんですッ!なんとかしてくださいッ!」
「今の医学では無理です。いくら、かつては不治の病と言われた病気が次々と治る時代だと言っても死者を蘇らせるなんて技術は……」
「じゃあ魔法でもいいんですッ!教祖の計画に遅れが生じたら、あんたに責任が取れるんですか?」
医師は強く首を縦に振る。
「なら、なんとかしてくださいよ。岡田武人を我々の道具として活用するための処置をお願いしたいんです!」
医師は頭を抱えたが、次の瞬間に何か良い手段を思い付いたらしく、顔を上げてゆっくりと微笑む。
「何を笑って……」
「移植ですよ……ほんの少し前の話なんですが、私はトマホーク・コープから身体の献体を受けていましてね。それが地下に用意されているんですよ。思えば、彼は脳は撃たれてないんですよね?体の器官が損傷を受けていたとしても、脳がまだ損傷を負っていないのであれば、脳を別の体に移植して蘇らせるんです!」
稔はようやく笑った。唇を右端に吊る様は勝利を確信しているという顔であった。
「やりましたね。早くその体の元に岡田武人の肉体を連れて行きましょう」
稔は病院のベッドの上で生命維持機能を付けている岡田武人を見やる。
岡田武人の運が良かったところはたまたま腹を撃ち抜かれた事だろう。病院までの時間が長ければそのまま死を待つだけだったのであろうが、彼は教団のワゴン車で刑事や警官たちが彼の元から離れるのと同時に教団傘下の病院に運んだために、彼は一命を取り止めたのだ。医者の言うように臓器はズタボロでも、脳や心臓などの急所にあまり傷が入っていなければ、移植できるのだから稔は23世紀の技術を目の当たりにさせられた気分だ。
岡田武人は心臓維持装置を付けたまま、脳をトマホーク・コープの開発した機械に移行する手術を受ける事になった。
「これで事件が終わったとは思えないな」
孝太郎は新しく構えた部屋の中で、今日の出来事を回想していた。三年間の昏睡の間、家賃を払う事のできなかった前の家における家財の保安は姉がしてくれていた。また、前の家よりも少しだけ広い家も姉が見つけてくれたのだった。何でも、前の家よりも築年が古いらしい。それでも、孝太郎は前の家よりも広い家のに住める事に感謝していた。
孝太郎が前の家では座れなかったソファーの上に腰を下ろしていると、目の前のテレビが深夜のワイドショーを映し出していた。深夜のワイドショーはかつてのテロ集団、宇宙究明学会と最近話題のバプテスト・アナベル教の関連性を頷かせるものであった。司会と思われる男が熱心に二つの教団の異様さを熱弁していた。孝太郎はこの司会者を冷えた目で見つめていたが、ある事実が彼によって取り上げれた瞬間に、彼は先程の事件と刈谷阿里耶の真の目的、そして、今現在行われるであろう第二のカルト教団の目的を察した。恐らく、彼は焦っていたのだ。世間との摩擦を生み、住民の調査のために派遣された連邦捜査官の男を失踪に見せかけて殺した時に、彼らはもう後には引けないと、計画を急いだに違いない。孝太郎は私服のまま家を飛び出す。家から飛び出した孝太郎は真っ先にバプテスト・アナベル教の建物の前に近付く。
白籠市内のオフィス街に存在するバプテスト・アナベル教の支部は12階はあり得る大きなビルだった。孝太郎は深夜のオフィス街で、ビルを眺めていた。
「あいつら……間違いない。ビッグ・トーキョーの中の奴らの拠点は白籠市に存在するここ一箇所だけだ……だとすれば、奴らが首都圏でテロを起こすのなら、ここを拠点にする筈だ」
孝太郎の睨みは吉と出るか凶と出るか。今の所は神のみが知る所であるが、孝太郎は自分の勘を信じて、教団を見張る事にした。途中で、何か音が聞こえたが、なんて事はない。気のせいだった。気を張り詰め過ぎると、そうなるのだと考えて、孝太郎は引き続き自主的な見張りに戻った。
朝も近くになってきた頃に、教団所有のビルにワゴン車が入って来た。
孝太郎はワゴン車をオフィス街の物陰に隠れていた際に、思わずあっと叫んでしまう。目の前に運ばれていたワゴン車は昨夜の戦闘で死にかけた岡田武人を運んだ車ではないだろうか。
孝太郎は手掛かりを感じて、ワゴン車の動きを見張る。なんと、ワゴン車から降り立ったのは先日のトマホーク・コープとの戦いで激闘を繰り広げたタカアシガニの形をした機械の小型版と言っていい機械だった。
機械の正式名称は孝太郎は今も知らないが、そんな事はどうでもいいだろう。
孝太郎は物陰に隠れて、機械の動作を確認した。機械は教団の支部長を務める吉田稔にまるで人間のように丁寧に頭を下げた。
孝太郎が訝しげな目で、機械と人間のやり取りを見つめていると、向こうも不審な影に気づいたのだろうか、機械の目が孝太郎の方向を向く。孝太郎は物陰に隠して難を逃れた。息を潜めて相手の動作を伺っていたので、バレる可能性はなかったらしい。孝太郎がホッと溜息を吐くと、目の前に例の機械が立ち塞がっていた。
孝太郎は慌てて、その場から逃げ出そうと地面を踏んだが、機械によって阻まれてしまう。孝太郎が一体だけなら、何とかできるだろうと『破壊』の魔法を動かそうとした時に、周りを取り囲まれている事に気がつく。
包囲網の主である、吉田稔と思われる男は口元の右端を大きく吊り上げて、
「キミかな?昨晩から教団のビルを監視していたのは?」
「オレの存在に気付いていたのはいつなんだ?」
稔は相変わらず微笑を顔に貼り付けたままだ。孝太郎の質問には答えようとしはしない。
「そうだな、闇に信者たちが紛れ込んでいたとも答えておこうかな、わたしは用意周到な人物でね、昨晩にあのニュースが流れ際に、勘の良い奴が我々の近くに現れるのではないかと考えて、刺客を放って置いたのさ」
孝太郎は昨晩の物音の正体を知った。あれは吉田稔が放った見張りだったらしい。孝太郎はそれを見抜けなかった自分を責めた。
だが、稔はそんな医師に配慮する事はなく、話を続けた。
「良いですか!?この男を生かさなければ、我々の次なる計画に阻害が生まれてしまうんですッ!なんとかしてくださいッ!」
「今の医学では無理です。いくら、かつては不治の病と言われた病気が次々と治る時代だと言っても死者を蘇らせるなんて技術は……」
「じゃあ魔法でもいいんですッ!教祖の計画に遅れが生じたら、あんたに責任が取れるんですか?」
医師は強く首を縦に振る。
「なら、なんとかしてくださいよ。岡田武人を我々の道具として活用するための処置をお願いしたいんです!」
医師は頭を抱えたが、次の瞬間に何か良い手段を思い付いたらしく、顔を上げてゆっくりと微笑む。
「何を笑って……」
「移植ですよ……ほんの少し前の話なんですが、私はトマホーク・コープから身体の献体を受けていましてね。それが地下に用意されているんですよ。思えば、彼は脳は撃たれてないんですよね?体の器官が損傷を受けていたとしても、脳がまだ損傷を負っていないのであれば、脳を別の体に移植して蘇らせるんです!」
稔はようやく笑った。唇を右端に吊る様は勝利を確信しているという顔であった。
「やりましたね。早くその体の元に岡田武人の肉体を連れて行きましょう」
稔は病院のベッドの上で生命維持機能を付けている岡田武人を見やる。
岡田武人の運が良かったところはたまたま腹を撃ち抜かれた事だろう。病院までの時間が長ければそのまま死を待つだけだったのであろうが、彼は教団のワゴン車で刑事や警官たちが彼の元から離れるのと同時に教団傘下の病院に運んだために、彼は一命を取り止めたのだ。医者の言うように臓器はズタボロでも、脳や心臓などの急所にあまり傷が入っていなければ、移植できるのだから稔は23世紀の技術を目の当たりにさせられた気分だ。
岡田武人は心臓維持装置を付けたまま、脳をトマホーク・コープの開発した機械に移行する手術を受ける事になった。
「これで事件が終わったとは思えないな」
孝太郎は新しく構えた部屋の中で、今日の出来事を回想していた。三年間の昏睡の間、家賃を払う事のできなかった前の家における家財の保安は姉がしてくれていた。また、前の家よりも少しだけ広い家も姉が見つけてくれたのだった。何でも、前の家よりも築年が古いらしい。それでも、孝太郎は前の家よりも広い家のに住める事に感謝していた。
孝太郎が前の家では座れなかったソファーの上に腰を下ろしていると、目の前のテレビが深夜のワイドショーを映し出していた。深夜のワイドショーはかつてのテロ集団、宇宙究明学会と最近話題のバプテスト・アナベル教の関連性を頷かせるものであった。司会と思われる男が熱心に二つの教団の異様さを熱弁していた。孝太郎はこの司会者を冷えた目で見つめていたが、ある事実が彼によって取り上げれた瞬間に、彼は先程の事件と刈谷阿里耶の真の目的、そして、今現在行われるであろう第二のカルト教団の目的を察した。恐らく、彼は焦っていたのだ。世間との摩擦を生み、住民の調査のために派遣された連邦捜査官の男を失踪に見せかけて殺した時に、彼らはもう後には引けないと、計画を急いだに違いない。孝太郎は私服のまま家を飛び出す。家から飛び出した孝太郎は真っ先にバプテスト・アナベル教の建物の前に近付く。
白籠市内のオフィス街に存在するバプテスト・アナベル教の支部は12階はあり得る大きなビルだった。孝太郎は深夜のオフィス街で、ビルを眺めていた。
「あいつら……間違いない。ビッグ・トーキョーの中の奴らの拠点は白籠市に存在するここ一箇所だけだ……だとすれば、奴らが首都圏でテロを起こすのなら、ここを拠点にする筈だ」
孝太郎の睨みは吉と出るか凶と出るか。今の所は神のみが知る所であるが、孝太郎は自分の勘を信じて、教団を見張る事にした。途中で、何か音が聞こえたが、なんて事はない。気のせいだった。気を張り詰め過ぎると、そうなるのだと考えて、孝太郎は引き続き自主的な見張りに戻った。
朝も近くになってきた頃に、教団所有のビルにワゴン車が入って来た。
孝太郎はワゴン車をオフィス街の物陰に隠れていた際に、思わずあっと叫んでしまう。目の前に運ばれていたワゴン車は昨夜の戦闘で死にかけた岡田武人を運んだ車ではないだろうか。
孝太郎は手掛かりを感じて、ワゴン車の動きを見張る。なんと、ワゴン車から降り立ったのは先日のトマホーク・コープとの戦いで激闘を繰り広げたタカアシガニの形をした機械の小型版と言っていい機械だった。
機械の正式名称は孝太郎は今も知らないが、そんな事はどうでもいいだろう。
孝太郎は物陰に隠れて、機械の動作を確認した。機械は教団の支部長を務める吉田稔にまるで人間のように丁寧に頭を下げた。
孝太郎が訝しげな目で、機械と人間のやり取りを見つめていると、向こうも不審な影に気づいたのだろうか、機械の目が孝太郎の方向を向く。孝太郎は物陰に隠して難を逃れた。息を潜めて相手の動作を伺っていたので、バレる可能性はなかったらしい。孝太郎がホッと溜息を吐くと、目の前に例の機械が立ち塞がっていた。
孝太郎は慌てて、その場から逃げ出そうと地面を踏んだが、機械によって阻まれてしまう。孝太郎が一体だけなら、何とかできるだろうと『破壊』の魔法を動かそうとした時に、周りを取り囲まれている事に気がつく。
包囲網の主である、吉田稔と思われる男は口元の右端を大きく吊り上げて、
「キミかな?昨晩から教団のビルを監視していたのは?」
「オレの存在に気付いていたのはいつなんだ?」
稔は相変わらず微笑を顔に貼り付けたままだ。孝太郎の質問には答えようとしはしない。
「そうだな、闇に信者たちが紛れ込んでいたとも答えておこうかな、わたしは用意周到な人物でね、昨晩にあのニュースが流れ際に、勘の良い奴が我々の近くに現れるのではないかと考えて、刺客を放って置いたのさ」
孝太郎は昨晩の物音の正体を知った。あれは吉田稔が放った見張りだったらしい。孝太郎はそれを見抜けなかった自分を責めた。
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