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第二部『アナベル・パニック』
セーラー服と聖書
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「お、おれは公安のスパイなんかじゃあない!本当だッ!」
中年の男は必死になって、周りの人間に訴えていた。だが、男の結果は教祖を含めて周りの人間の反発を生むばかり。
必死に首を横に動かすが、周りの人間から返ってくるのは哀れみの言葉ではなく、憎しみに満ちた拳。
男は泣き喚くが拷問は続いていく。目の前のセーラー服を着た女性が止めない限りこのリンチは永遠に続くのだ。
男が舌を出し、絶望に溢れた表情で目の前の教祖を見つめると、教祖はようやく『憐憫』の感情に絆されたのだろうか。はたまた、彼女の掲げる『キリスト』の博愛精神によって動かされたのだろうか。セーラー服の女性は目の前でうずくまる男の側にしゃがみ込み、男との視線を合わせる。
そして、男の顎を優しく持ち上げ、
「ねえ、あなたの仲間は他に何人ここに潜り込んでいるの?」
男は掠れた声で答えた。
「い、いません!この教団にはおれ一人だけです!潜り込んだのはおれだけです!」
男が顔を鼻水と涙で溢れた顔で叫ぶ。と、ここで男の唾やら涙やら鼻水やらが当たったのだろう。セーラー服を着た教祖が顔をしかめた。と、同時に大勢の信者が詰め寄っていく。
「す、す、す、すいません!今のは決してわざとじゃあないんです!ただ、お伝えしたい事を精一杯喋ろうと……」
男の言い訳とも取れる言葉が目の前のセーラー服の女性の怒りを買ったのだろう。男は平手打ちを喰らい地面に倒れ込む。
倒れ込んだ男は信者たちに助け起こされてようやく起きられたらしい。再び教祖と対峙させられる。教祖は険しい顔つきで相手を睨む。公安の男は言葉が上手く出せないらしく、パクパクと口を動かす。
だが、その行為は女の不興を買うばかりだった。セーラー服の教祖は公安の男を強く殴り付けた。
「次はこんなもんじゃないよ」
女の口調は攻撃とは裏腹に冷静でいて静か。それがこの教祖の特徴だった。
「ねぇ、今度はあたしの方から質問するね。どうして、あたしの服に唾を飛ばしたのかな?」
女の口調はあくまでも冷静沈着。その形を崩そうとはしない。だからこそ、目の前の女は恐ろしい。男は身震いさせられた。
女は今度は強く男の髪を掴むと、周りを取り囲む信者たち引き渡し、自身は部屋を後にする。男が悲鳴を上げるが、気にする事はない。この場所は近くの街から遠く離れた富士山麓。男がいくら叫ぼうとも悲鳴を聞くのは信者ばかり。
女は出口から、建物の外に出ると、改めてその大きさに胆を寒かしめられた。
建物の大きさは五階建立てで、一見すると普通のオフィスピルのように見えなくもない。だが、地下は十階にまで到達する程の深さであり、地下の深さは教団の闇は覆い隠されていた。
セーラー服の教祖はたった今、後にした
オフィスビルを後にして、向かい側にあるビルに足を向ける。
ビルの扉を開けると、教祖の付き人を務める老齢の男が丁寧に頭を下げた。
かつては僧侶を務めていた老齢の男は一年前に入信したばかりであったが、冷戦末期のソビエト連邦で落ち目の共産党に忠誠を誓う盲目的な市民のような忠実さを買って、彼女が抜擢したのだった。それに、他の盲目的な信者に自分よりも遥か年上の年齢のかつての聖職者を打ち負かして、付き人にしたという「実績」は大きく見えていた。
セーラー服の女性は教祖はエレベーターを上げるように付き人に指示を出す。
付き人は深く頭を下げて、エレベーターのスイッチを押す。それに乗り込む教祖。教祖はエレベーターの電子音声が五階に着いた事を聞き、自分の部屋のある五階に足を踏み入れた。
教祖と教祖の面倒をみる人間以外の侵入を許さない「聖域」とも言える階の廊下は豪華ホテルと見間違える程の煌びやかな壁と豪華な絨毯に覆われていた。5階には教祖の私室と書斎。個人的な瞑想室に食堂に風呂。いずれも昔ながらの高級ホテルを思い起こすような豪華な造りであった。最も、このシステムは今の女性教祖が作り上げたものではない。かつてのルシファー教を吸収する際に、その教祖から教わったシステムだ。信者には厳しい戒律を与え、自身(若しくは自身の取り巻きのみ)だけには享楽に明け暮れる。これぞ、閉鎖された教団の特権と言えるものだろう。それ以外にも彼女は他の教祖が味わえない「贅沢」を味わっていた。それは、昼間は幹部に信者に統括を任せて、学校に通うという手だ。
出家すれば、学校に通う事は許さない教団の子供達にはできないだろうし、宇宙究明学会の昌原道明においてさえ、子供は手元に置いていた。つまりこの「贅沢」は現役の学生であり、尚且つ教祖である自分にしか許されないのである。
そんな事を考えながら、教祖は自室のベッドの上に潜り込む。
綿をふんだんに使われて作られたベッドマットは居心地が良い。希少な動物の毛で作られた毛布。真っ白なシーツ。どれも彼女の睡眠を快適なものにしているに違いない。だが、彼女は眠りの誘惑を打ち払い、ベッドの側にある学習用の机の上にモニターを取り出し、今日の復習を始めていく。
目の前に広がるキーボードをカタカタと打ち、数学の方程式やら英語の文法やらで頭の中を埋め尽くすと、時計の針は8時を示していた。食事を運ぶ男が乗ったエレベーターの音が聞こえる。教祖は部屋を出て、食事を受け取りにいく。
教祖が肉料理とスープとサラダと丸パンの食事を専用の食堂で終えると、付き人である老齢の男が口元を拭く教祖の元で何やら囁く。
教祖は少しだけ眉を顰めてから、階下へと降りていく。
そして、再び自身のビルの向かい側のビルへと足を踏み入れた。
何でも公安の男が舌を噛み切って自殺を図ったらしい。この後に洗脳して逆スパイとして送り込む予定であった教祖は自信を責める。もっと厳重に見張っていろと命じなかった自分に。
教祖は地下の部屋に足を踏み入れて、監視役の男から事情を尋ねる。
「成る程ね、あなたの監視を掻い潜って舌を噛んだ……。それは確かね?」
「申し訳ありません!」
頭を下げる信者の頭は教祖は優しく撫でて、
「いや、猿轡をしろと命じなかったあたしが悪かった。これはわたしのミスとも言える」
寛大なる教祖は信者に男の死体を処分するように命じてから、再び自身の部屋へと戻って行く。恐らく、少しばかりすれば、連絡の取れない仲間がいるとビッグ・トーキョーの警察は不審に思うだろう。大統領が厳戒令を如くのも時間の問題かもしれない。教祖は強く足を踏み鳴らし自身の自宅へと向かう。
中年の男は必死になって、周りの人間に訴えていた。だが、男の結果は教祖を含めて周りの人間の反発を生むばかり。
必死に首を横に動かすが、周りの人間から返ってくるのは哀れみの言葉ではなく、憎しみに満ちた拳。
男は泣き喚くが拷問は続いていく。目の前のセーラー服を着た女性が止めない限りこのリンチは永遠に続くのだ。
男が舌を出し、絶望に溢れた表情で目の前の教祖を見つめると、教祖はようやく『憐憫』の感情に絆されたのだろうか。はたまた、彼女の掲げる『キリスト』の博愛精神によって動かされたのだろうか。セーラー服の女性は目の前でうずくまる男の側にしゃがみ込み、男との視線を合わせる。
そして、男の顎を優しく持ち上げ、
「ねえ、あなたの仲間は他に何人ここに潜り込んでいるの?」
男は掠れた声で答えた。
「い、いません!この教団にはおれ一人だけです!潜り込んだのはおれだけです!」
男が顔を鼻水と涙で溢れた顔で叫ぶ。と、ここで男の唾やら涙やら鼻水やらが当たったのだろう。セーラー服を着た教祖が顔をしかめた。と、同時に大勢の信者が詰め寄っていく。
「す、す、す、すいません!今のは決してわざとじゃあないんです!ただ、お伝えしたい事を精一杯喋ろうと……」
男の言い訳とも取れる言葉が目の前のセーラー服の女性の怒りを買ったのだろう。男は平手打ちを喰らい地面に倒れ込む。
倒れ込んだ男は信者たちに助け起こされてようやく起きられたらしい。再び教祖と対峙させられる。教祖は険しい顔つきで相手を睨む。公安の男は言葉が上手く出せないらしく、パクパクと口を動かす。
だが、その行為は女の不興を買うばかりだった。セーラー服の教祖は公安の男を強く殴り付けた。
「次はこんなもんじゃないよ」
女の口調は攻撃とは裏腹に冷静でいて静か。それがこの教祖の特徴だった。
「ねぇ、今度はあたしの方から質問するね。どうして、あたしの服に唾を飛ばしたのかな?」
女の口調はあくまでも冷静沈着。その形を崩そうとはしない。だからこそ、目の前の女は恐ろしい。男は身震いさせられた。
女は今度は強く男の髪を掴むと、周りを取り囲む信者たち引き渡し、自身は部屋を後にする。男が悲鳴を上げるが、気にする事はない。この場所は近くの街から遠く離れた富士山麓。男がいくら叫ぼうとも悲鳴を聞くのは信者ばかり。
女は出口から、建物の外に出ると、改めてその大きさに胆を寒かしめられた。
建物の大きさは五階建立てで、一見すると普通のオフィスピルのように見えなくもない。だが、地下は十階にまで到達する程の深さであり、地下の深さは教団の闇は覆い隠されていた。
セーラー服の教祖はたった今、後にした
オフィスビルを後にして、向かい側にあるビルに足を向ける。
ビルの扉を開けると、教祖の付き人を務める老齢の男が丁寧に頭を下げた。
かつては僧侶を務めていた老齢の男は一年前に入信したばかりであったが、冷戦末期のソビエト連邦で落ち目の共産党に忠誠を誓う盲目的な市民のような忠実さを買って、彼女が抜擢したのだった。それに、他の盲目的な信者に自分よりも遥か年上の年齢のかつての聖職者を打ち負かして、付き人にしたという「実績」は大きく見えていた。
セーラー服の女性は教祖はエレベーターを上げるように付き人に指示を出す。
付き人は深く頭を下げて、エレベーターのスイッチを押す。それに乗り込む教祖。教祖はエレベーターの電子音声が五階に着いた事を聞き、自分の部屋のある五階に足を踏み入れた。
教祖と教祖の面倒をみる人間以外の侵入を許さない「聖域」とも言える階の廊下は豪華ホテルと見間違える程の煌びやかな壁と豪華な絨毯に覆われていた。5階には教祖の私室と書斎。個人的な瞑想室に食堂に風呂。いずれも昔ながらの高級ホテルを思い起こすような豪華な造りであった。最も、このシステムは今の女性教祖が作り上げたものではない。かつてのルシファー教を吸収する際に、その教祖から教わったシステムだ。信者には厳しい戒律を与え、自身(若しくは自身の取り巻きのみ)だけには享楽に明け暮れる。これぞ、閉鎖された教団の特権と言えるものだろう。それ以外にも彼女は他の教祖が味わえない「贅沢」を味わっていた。それは、昼間は幹部に信者に統括を任せて、学校に通うという手だ。
出家すれば、学校に通う事は許さない教団の子供達にはできないだろうし、宇宙究明学会の昌原道明においてさえ、子供は手元に置いていた。つまりこの「贅沢」は現役の学生であり、尚且つ教祖である自分にしか許されないのである。
そんな事を考えながら、教祖は自室のベッドの上に潜り込む。
綿をふんだんに使われて作られたベッドマットは居心地が良い。希少な動物の毛で作られた毛布。真っ白なシーツ。どれも彼女の睡眠を快適なものにしているに違いない。だが、彼女は眠りの誘惑を打ち払い、ベッドの側にある学習用の机の上にモニターを取り出し、今日の復習を始めていく。
目の前に広がるキーボードをカタカタと打ち、数学の方程式やら英語の文法やらで頭の中を埋め尽くすと、時計の針は8時を示していた。食事を運ぶ男が乗ったエレベーターの音が聞こえる。教祖は部屋を出て、食事を受け取りにいく。
教祖が肉料理とスープとサラダと丸パンの食事を専用の食堂で終えると、付き人である老齢の男が口元を拭く教祖の元で何やら囁く。
教祖は少しだけ眉を顰めてから、階下へと降りていく。
そして、再び自身のビルの向かい側のビルへと足を踏み入れた。
何でも公安の男が舌を噛み切って自殺を図ったらしい。この後に洗脳して逆スパイとして送り込む予定であった教祖は自信を責める。もっと厳重に見張っていろと命じなかった自分に。
教祖は地下の部屋に足を踏み入れて、監視役の男から事情を尋ねる。
「成る程ね、あなたの監視を掻い潜って舌を噛んだ……。それは確かね?」
「申し訳ありません!」
頭を下げる信者の頭は教祖は優しく撫でて、
「いや、猿轡をしろと命じなかったあたしが悪かった。これはわたしのミスとも言える」
寛大なる教祖は信者に男の死体を処分するように命じてから、再び自身の部屋へと戻って行く。恐らく、少しばかりすれば、連絡の取れない仲間がいるとビッグ・トーキョーの警察は不審に思うだろう。大統領が厳戒令を如くのも時間の問題かもしれない。教祖は強く足を踏み鳴らし自身の自宅へと向かう。
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