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外伝・少年と雷神編
私の腕の中の雷神ーその③
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刈谷浩輔は目の前の男の魔法が理解できずに、思わず口を大きくて空けてしまっていた。
と、そのテストで猛勉強した筈なのに、低い点を取ってしまった学生(実際に、浩輔は中学生だが)のような表情を浮かべていた事が仇となってしまい、ベン・バレンチーノは少年が自分の魔法を理解できていないという事を悟る。
自身の魔法はあらゆる現象を鞭でコントロールする事ができる、『猛獣使いの必需品』
この魔法は自身のボスである、ジュリオ・カヴァリエーレでさえ認めた能力なのだ。
コーサ・ノストラ間の間では、ジュリオの魔法はあまりにも強大で並の魔法師では敵わないと評判だ。
そんな、魔法と頭脳でのし上がってきたきた男のお墨付きを得た魔法なのだ。
負ける筈がない。ベン・バレンチーノは確信を持って言えた。彼は競馬のレースで見事に予想を当てて、大金を手に入れた勝負師のような顔を浮かべていた。
ベンはそれから、昔からの西部劇に登場するカウボーイのように手に持った魔法の鞭を振り回す。
そして、鞭の先端を浩輔へと向ける。
浩輔はベンの鞭が自身の体に当たるよりも前に、ベン・バレンチーノの体に向かって雷の球を発射する。
ベンは浩輔に向かって放った鞭を引っ込め、慌てて浩輔が放った雷球を掴む。
ベンがその雷の球を浩輔に向かって、放とうとした時だ。
浩輔がベンに向かって第二、第三の雷球を放ち、そのまま真っ直ぐに自分の元へと向かって来た。
ベンは慌てて縛っていた雷球を床屋の天井に向かって放ち、すぐ様、二つ目と三つ目の雷球を掴み、再び壁や天井に放出した。
ベンが一息吐いた時だ、浩輔はベンの懐の中に潜り込み、ベンの右頬を思いっきり殴り付けた。
ベンは浩輔の攻撃に対処しきれずに、そのまま地面に放り投げられてしまう。
浩輔は地面で蹲ったベンを見下ろしながら、
「どうだ?新しい組長の技は?」
「ま、参ったよ。あんたは強い……携帯翻訳機は壊れていない、あんたの言っている事は分かるよ」
「本当だな?」
浩輔は人差し指を突きつけながら尋ねる。ベンは慌てて目を刈谷浩輔の人差し指に見張らす。
彼の人差し指に電流が蛇のように巻き付いている事が確認できる。
恐らく、微量の電気を相手に見せて、いつでも自分は対処できると言いたいのだろう。
ベンは相手に慈悲を乞うような表情を浮かべながらも、反撃の機会を伺おと必死であった。
ベンは兄のビリーから、反撃の機会は待つものだと習っていた。
それだけに、彼は夕方と言うタイムリミットの時まで、刈谷浩輔の隙を見つけるための時間に使う事を決めた。
と、ベンが刈谷浩輔の動きに目を光らせていると、直ぐに反撃の機会が訪れた事を悟った。
刈谷浩輔は先程、ベンに倒されてそのまま倒れていた部下の元へと寄ったのだ。
ベンは刈谷浩輔の隙を見つけ、してやりたりとばかりに、口元を「ン」の字に歪ませる。
ベンは素早く立ち上がり、瞬時に魔法の鞭を手に持たせ、その手でベンを拘束した。組員の男の叫ぶ声。
間違いない。ベンは確実に目の前の麗しき美少年の組長を捕獲し得たのだ。
ベンは鞭を辿り、自分の元へと浩輔を引き寄せる。
浩輔の体が自身の体にくっ付く。
ベンは美しい少年が自分の手元にいる事に思わず気持ちが暖かくなってしまう。
思わずに緩んしでしまいそうになる口元を引き締め、恐れるほど冷淡な声で、
「フフフ、これで形勢逆転だな?お前たちの組長の体はオレが拘束した。帰りして欲しけりゃあ、夜まで待ちやがれッ!」
無論、今のベンの言葉は嘘だ。兄のビリーは夜に行動を仕掛ける気だ。
だからこそ、彼らには明日はない。『荒野の用心棒』に出てくる人質同士の交換シーンもない。
あるのは、組長を人質に取られて、反撃が出来ずにいる組員たちをコーサ・ノストラの仲間で片付け、白籠市の暗黒街を乗っ取り、ボスであるジュリオ・カヴァリエーレに献上すると言う未来があるだけ。
ベンは笑いが止まらなかった。
だが、この確定している薔薇色の未来が彼自身の隙を生んでしまったと言えば、これ以上の皮肉はないだろう。
そう、彼は気付かなかった。一番単純な抵抗手段に。
彼の高笑いが頂点に達した時であった。突如、彼の左手の甲に激痛が走る。
痛みのあまりに、思わず手を緩めてしまう。そして、折角得た人質は逃げ出してしまった。
他ならぬ、彼自身の怠慢のために。刈谷浩輔はベン・バレンチーノの左手の手の甲に歯を突き立てて逃亡したのだ。
慌てて玄関口の元へと向かって、再び距離を取る。
ベンは歯をギリギリと鳴らして、少しだけ遠くの場所にいる浩輔に向かって叫ぶ。
「テメェ!この野郎ッ!よくも、そんな姑息な手段を使いやがったなッ!チビのクソッタレのガキめッ!いいかよく聞けよッ!」
そう言って、ベンは鞭を地面に叩き付けた。バシィィィンと言う乾いた音が店内に響く。
脅しのつもりなのだろう。浩輔はサーカス団の猛獣使いがライオンを脅して、火の輪の中に飛び込ませる芸をさせる場面を思い出す。
だが、自分はライオンではない。浩輔は反抗的な目でベンを睨む。
その姿がベンには“生意気“と言う評価を与えたらしい。
彼は鼻の穴を膨らませながら、
「オレはテメェのような生意気なガキを何人も何人も屈服させてきたんだッ!お前のような浮ついた小僧をなッ!みんな、反抗的だったが、最後にはみんな、オレのものを欲しがったんだよォォォォォォォ~!!!!」
ベンは鞭を振り回しながら、今度は自分から浩輔の元へと向かって来る。
浩輔はベンの前に人差し指を突き立て、
「あなたは最低だ……だからこそ、ぼくが始末を付けるッ!この雷の槌でッ!」
真っ直ぐに向かうベンの前に雷の光が迫る。
ベンは大きな笑い声を上げながら、鞭で雷を掴む。
ベンが勝利を確信した笑みを浮かべた所だ、浩輔が真っ直ぐに自分の目の前に向かって来る。
浩輔は自身の拳をベンの腹に向ける。両者が駆け寄っていたために、二人の距離は目と鼻の距離とも言えるほど近い。
拳が当たれば……。そんな懸念のためか、ベンは慌てて、対処して、雷を今度は床屋の壁に向かって放つ。
そして、ベンが掴んだ雷を放出した瞬間に、浩輔は拳を広げて、即座に雷球を作り出し、至近距離でベンに向かって放つ。
ベンは慌てて鞭を雷球に向けたが、時既に遅し。
浩輔の作り出した雷球に当たり、ベン・バレンチーノは地面に倒れ込んだ。
と、そのテストで猛勉強した筈なのに、低い点を取ってしまった学生(実際に、浩輔は中学生だが)のような表情を浮かべていた事が仇となってしまい、ベン・バレンチーノは少年が自分の魔法を理解できていないという事を悟る。
自身の魔法はあらゆる現象を鞭でコントロールする事ができる、『猛獣使いの必需品』
この魔法は自身のボスである、ジュリオ・カヴァリエーレでさえ認めた能力なのだ。
コーサ・ノストラ間の間では、ジュリオの魔法はあまりにも強大で並の魔法師では敵わないと評判だ。
そんな、魔法と頭脳でのし上がってきたきた男のお墨付きを得た魔法なのだ。
負ける筈がない。ベン・バレンチーノは確信を持って言えた。彼は競馬のレースで見事に予想を当てて、大金を手に入れた勝負師のような顔を浮かべていた。
ベンはそれから、昔からの西部劇に登場するカウボーイのように手に持った魔法の鞭を振り回す。
そして、鞭の先端を浩輔へと向ける。
浩輔はベンの鞭が自身の体に当たるよりも前に、ベン・バレンチーノの体に向かって雷の球を発射する。
ベンは浩輔に向かって放った鞭を引っ込め、慌てて浩輔が放った雷球を掴む。
ベンがその雷の球を浩輔に向かって、放とうとした時だ。
浩輔がベンに向かって第二、第三の雷球を放ち、そのまま真っ直ぐに自分の元へと向かって来た。
ベンは慌てて縛っていた雷球を床屋の天井に向かって放ち、すぐ様、二つ目と三つ目の雷球を掴み、再び壁や天井に放出した。
ベンが一息吐いた時だ、浩輔はベンの懐の中に潜り込み、ベンの右頬を思いっきり殴り付けた。
ベンは浩輔の攻撃に対処しきれずに、そのまま地面に放り投げられてしまう。
浩輔は地面で蹲ったベンを見下ろしながら、
「どうだ?新しい組長の技は?」
「ま、参ったよ。あんたは強い……携帯翻訳機は壊れていない、あんたの言っている事は分かるよ」
「本当だな?」
浩輔は人差し指を突きつけながら尋ねる。ベンは慌てて目を刈谷浩輔の人差し指に見張らす。
彼の人差し指に電流が蛇のように巻き付いている事が確認できる。
恐らく、微量の電気を相手に見せて、いつでも自分は対処できると言いたいのだろう。
ベンは相手に慈悲を乞うような表情を浮かべながらも、反撃の機会を伺おと必死であった。
ベンは兄のビリーから、反撃の機会は待つものだと習っていた。
それだけに、彼は夕方と言うタイムリミットの時まで、刈谷浩輔の隙を見つけるための時間に使う事を決めた。
と、ベンが刈谷浩輔の動きに目を光らせていると、直ぐに反撃の機会が訪れた事を悟った。
刈谷浩輔は先程、ベンに倒されてそのまま倒れていた部下の元へと寄ったのだ。
ベンは刈谷浩輔の隙を見つけ、してやりたりとばかりに、口元を「ン」の字に歪ませる。
ベンは素早く立ち上がり、瞬時に魔法の鞭を手に持たせ、その手でベンを拘束した。組員の男の叫ぶ声。
間違いない。ベンは確実に目の前の麗しき美少年の組長を捕獲し得たのだ。
ベンは鞭を辿り、自分の元へと浩輔を引き寄せる。
浩輔の体が自身の体にくっ付く。
ベンは美しい少年が自分の手元にいる事に思わず気持ちが暖かくなってしまう。
思わずに緩んしでしまいそうになる口元を引き締め、恐れるほど冷淡な声で、
「フフフ、これで形勢逆転だな?お前たちの組長の体はオレが拘束した。帰りして欲しけりゃあ、夜まで待ちやがれッ!」
無論、今のベンの言葉は嘘だ。兄のビリーは夜に行動を仕掛ける気だ。
だからこそ、彼らには明日はない。『荒野の用心棒』に出てくる人質同士の交換シーンもない。
あるのは、組長を人質に取られて、反撃が出来ずにいる組員たちをコーサ・ノストラの仲間で片付け、白籠市の暗黒街を乗っ取り、ボスであるジュリオ・カヴァリエーレに献上すると言う未来があるだけ。
ベンは笑いが止まらなかった。
だが、この確定している薔薇色の未来が彼自身の隙を生んでしまったと言えば、これ以上の皮肉はないだろう。
そう、彼は気付かなかった。一番単純な抵抗手段に。
彼の高笑いが頂点に達した時であった。突如、彼の左手の甲に激痛が走る。
痛みのあまりに、思わず手を緩めてしまう。そして、折角得た人質は逃げ出してしまった。
他ならぬ、彼自身の怠慢のために。刈谷浩輔はベン・バレンチーノの左手の手の甲に歯を突き立てて逃亡したのだ。
慌てて玄関口の元へと向かって、再び距離を取る。
ベンは歯をギリギリと鳴らして、少しだけ遠くの場所にいる浩輔に向かって叫ぶ。
「テメェ!この野郎ッ!よくも、そんな姑息な手段を使いやがったなッ!チビのクソッタレのガキめッ!いいかよく聞けよッ!」
そう言って、ベンは鞭を地面に叩き付けた。バシィィィンと言う乾いた音が店内に響く。
脅しのつもりなのだろう。浩輔はサーカス団の猛獣使いがライオンを脅して、火の輪の中に飛び込ませる芸をさせる場面を思い出す。
だが、自分はライオンではない。浩輔は反抗的な目でベンを睨む。
その姿がベンには“生意気“と言う評価を与えたらしい。
彼は鼻の穴を膨らませながら、
「オレはテメェのような生意気なガキを何人も何人も屈服させてきたんだッ!お前のような浮ついた小僧をなッ!みんな、反抗的だったが、最後にはみんな、オレのものを欲しがったんだよォォォォォォォ~!!!!」
ベンは鞭を振り回しながら、今度は自分から浩輔の元へと向かって来る。
浩輔はベンの前に人差し指を突き立て、
「あなたは最低だ……だからこそ、ぼくが始末を付けるッ!この雷の槌でッ!」
真っ直ぐに向かうベンの前に雷の光が迫る。
ベンは大きな笑い声を上げながら、鞭で雷を掴む。
ベンが勝利を確信した笑みを浮かべた所だ、浩輔が真っ直ぐに自分の目の前に向かって来る。
浩輔は自身の拳をベンの腹に向ける。両者が駆け寄っていたために、二人の距離は目と鼻の距離とも言えるほど近い。
拳が当たれば……。そんな懸念のためか、ベンは慌てて、対処して、雷を今度は床屋の壁に向かって放つ。
そして、ベンが掴んだ雷を放出した瞬間に、浩輔は拳を広げて、即座に雷球を作り出し、至近距離でベンに向かって放つ。
ベンは慌てて鞭を雷球に向けたが、時既に遅し。
浩輔の作り出した雷球に当たり、ベン・バレンチーノは地面に倒れ込んだ。
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