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外伝・少年と雷神編
負け組倶楽部(ザ・イレギュラーズ)ーその⑦
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「……いいぜ、クソガキが、おれに逆らって、痛い目に遭いてーらしいなッ!」
リック・ジアンカーナは自分の体を再び薬物中毒者の自分が支配したと言う事を悟った。
リックは両手の拳を突き出し、そこから念力を放出する。
再び空間が歪む。浩輔は叫び声を上げると、そのままリックに向かって電撃を放つ。
一筋の雷がリックの眉間に直撃するか、しないかの寸前で、リックは自身の目の前で右手の掌を振るい、念力を放出して、雷の方向を左の方向に変換した。
浩輔は目の前の男がこの念力により、雷の方向を変換したのだと悟った。
単純な念力であるため、物質の方向を変えると言うのは特性の一つに過ぎないのだろう。
世の中には物質の方向を操ったりする能力もあるらしいが、この男は念力で空間を歪めて、本来自身にくるべき念力を無理矢理移動させたのだ。
浩輔は目の前の男が先程や一分も経っていない前の時間に自分と対峙した時に、両手の掌から念力を放出した事を浩輔は確認している事から、そう解釈するより他にない。
浩輔は今度は二筋の雷をリックに向かって放つ。
だが、今度は先程とは異なり、浩輔はその場から動いて、リックに向かって行く。
リックと自分との間を隔てる障壁は何一つない。
そして、現在も浩輔は自分自身の体を雷を纏っているのだ。
そして、再びリックが右手を動かして、念力を放出した事を確認してから、彼は大声で仲間に向かって叫び、
「全員、この場から逃げるんだッ!そして、そのまま校庭に駆けるんだッ!」
浩輔の指示に従い、淳太は慌てて孝弘と陽子の手を取る。
小川宏子も浩輔の指示に従ったようで、淳太にくっ付いて、校庭に向かおうと、震える両足を必死で立たせようとしている。
「させるかよッ!」
リックが向きを変えて、逃げようとする4人に向かって、念力を放出させようとするが、その前に浩輔がリックに向かって巨大な電気を放電したために、彼はその電流を自身の左横に位置する教室に向かって放たなければならなかったために、リックは4人を諦めざるを得ない。
リックは獲物を逃したために、大きく溜息を吐いて、浩輔に向かって唾を吐きかけた。
浩輔はリックの唾を電撃で焼き取ると、リックの方に向き直り、満面の笑顔で、
「よかった。これで、お前が4人に向かって、あの忌々しい念力を放たなくて済むと、笑いが止まらないよ」
「小僧……こんな言葉を知っているか?『戦場で生き残るのは、強者と臆病者だけ、勇者は死ぬと相場が決まっている』」
「悪いね、ぼくは『強者』のつもりなんだ」
浩輔は全身で雷撃を携えながら、リックに向かって対峙する。
「これで全部か!?淳太!?」
「うん、三階にいた人達みんな、あいつらに殺されちゃって……」
柿谷淳太は大柄で馬面の刑事。つまり、自身の兄に泣きながら状況を説明していた。
彼らは階段を駆け下り、校庭の警察に保護されていた時だったのだ。
「よし、あの野郎はもうあれだけ人を殺しているんだッ!俺ら殺人課だって、捜査に立ち入れるだろ!?」
馬面の男こと、柿谷淳一は周りを固めていた防護服の男たちに向かって、怒鳴るように尋ねた。
「あ、ああ……勿論だ。それに、相手は我々だけでは対処できない可能性もある、3年前の横須賀軍基地ハイジャック事件みたいに……」
「一般の警察の手を借りたい……そうでしょう?」
防護服の男に代わって、答えたのは赤銅色の夕暮れの太陽のような素晴らしい肌を持つ、端正な男だった。
男は左手をポケットに突っ込んでいたために、防護服の特殊部隊の男には不快に映ったらしい。
ジリっと眉を寄せて、
「おい、お前が何者なのか知らないが、そんな偉そうな態度を取れる立場なのか?」
「おっと、これは失礼。三年間も眠っていて、礼儀を忘れてしまったのかもしれない。無礼をお許し願いたい」
男はそう言って頭を丁寧に下げた。
防護服の男は状況も状況であるため、寛大な処置を下し、逃げて来たたった中学生の4人の男女に詳しい事情を聞き、このテロ事件の真相を究明する方が先だと判断する方が良いと断じた。
そのため、3年のブランクがあると語る男にはそれ以上何も言わない。
その代わりに、彼は逃げてきた中学生の男女4人に詳しい事情を尋ねた。
柿谷淳太は額の汗を拭いながら、
「あ、あのまだ校舎に残って、戦っている子が居るんです!その子を助けてあげてください!」
その言葉を聞いて、防護服の男は校舎の周りを囲んでいる同じ姿の部隊のメンバーたちに向かって、救出に向かっていく旨を伝える。
「さて、オレも行くぞ!ついて来な、孝太郎!」
「ああ」
孝太郎と呼ばれた男は淳一の問いかけに応じて、校舎の中に向かって行く。
そして、4人が保護役の警察官たちに守れながら、2人が校舎の中に入って行くのを見届けていると、
「チッ、遅れちまったッ!あたしらも向かおうぜッ!」
「ちょっと、聡ちゃん!そんな言い方は良くないよぉ~」
「今はそんな事を言ってる場合じゃないでしょ?あたし達も向かうわよ!」
長い青い髪の小柄なスーツ姿の女性。丸渕の眼鏡をかけた大人しそうな女性。そして、先程の孝太郎と言う名前の刑事と同じような赤銅色の肌を持つ、名画のモデルにも例えられそうな程の容姿を持つ美人な女性。
その3人が校舎に向かって駆けて行く。
4人は顔を見合わせて、次の瞬間に、それぞれが同時に、
「あの人達が白籠市のアンタッチャブルなんじゃない!?」
と、叫んだ。
刈谷浩輔は念力と雷撃のぶつかり合いによる戦闘の衝撃によって生じた膝の傷を両手で抑えながら、リック・ジアンカーナを虚な目で見ていた。
ハァハァと言う荒い息も出て来ている。
だが、リックはそんな浩輔の様子を見ても、眉一つ動かすこと無く、軍用の5連発のリボルバーを取り出し、銃口を浩輔に向けていた。
「よく戦ったが、ここまでのようだな」
「ああ、だが、この学校の仲間を一人でも助けられたのは嬉しいよ!ぼくの友達はちゃんと4人助けられたし、お前が襲った筈の教室でも、きっとまだ何人か生き残っている……お前の事も覚えているッ!ぼくはそんな人たちの役に立てて、死ねて最高だよ!」
「そうか、ならば死ねッ!」
リックがリボルバーの引き金に手を当てようとした時だ。
「動くなッ!」
と、背後で声が聞こえた。リックは背後の階段のすぐ側の廊下を振り向く。
「動くな、銃を下ろせ……」
防護服姿の男達がアサルトライフルの銃口を向けていた。
どうやら、囲まれてしまっていたらしい。
リックは向きを変えて、相手の対処をしようとした時だ。
防護服姿の男たちの背後に例の白籠市のアンタッチャブルの姿が見えるのを確認した。
「貴様……中村孝太郎か?」
「その通りだ。お前を逮捕する」
リックは彼のクールな科学者を思わせるような澄んだ声を聞くと、本当に白籠市のアンタッチャブルがいる事を悟ったらしい。
「そうか、ならば、この続きはまた別の機会にしたいものだッ!」
そう言って、彼は浩輔の方向に向かい、動揺する浩輔を押し倒し、もう片方の階段を駆けて行く。
孝太郎たちは彼を慌てて、追う。
しばらくの間は双方によるいたちごっこのような撃ち合いが続いたが、駆け下りた階段から続く、裏門へと通ずる場所で強い念力を飛ばされてしまい、その上に裏門に見計ったかのように、都合よく一台の車が通り過ぎ、男はその車に乗り、運転手を銃で脅して、逃げてしまう。
その様子を見ていた、突入員たちはしばらくの間、唖然とした表情を繰り出していたが、やがて意識を取り戻していく。
その中でも孝太郎は誰よりも早くに、冷静さを取り戻し、どうして、あの薬物中毒者が自身の名前を知っていたのだろう、と考えたのだが、その直後に心臓の発作を抱えた患者のように、痛恨の念が襲う。
孝太郎も追っていた特殊部隊の人たちも『悔しさで胸が張り裂ける』と言う言葉の意味を理解したらしい。
男を取り逃した部隊の男女全員の顔が憎悪で覆われていた。中には、明らかに壁に手を叩きつけている人物さえいる。
孝太郎はその様子を眺めながら、自身の『破壊』の魔法が込められた右手を強く握り締める。
そして、大きく息を吸い込み、深呼吸を繰り返す。
ともかく、当面の彼の脳内には、頭を冷やす事こそが現状になすべき対策だと思われたのだ。
孝太郎はこの件はどの事件よりも闇が深いと考え、黒幕の正体を考察し始めた。
リック・ジアンカーナは自分の体を再び薬物中毒者の自分が支配したと言う事を悟った。
リックは両手の拳を突き出し、そこから念力を放出する。
再び空間が歪む。浩輔は叫び声を上げると、そのままリックに向かって電撃を放つ。
一筋の雷がリックの眉間に直撃するか、しないかの寸前で、リックは自身の目の前で右手の掌を振るい、念力を放出して、雷の方向を左の方向に変換した。
浩輔は目の前の男がこの念力により、雷の方向を変換したのだと悟った。
単純な念力であるため、物質の方向を変えると言うのは特性の一つに過ぎないのだろう。
世の中には物質の方向を操ったりする能力もあるらしいが、この男は念力で空間を歪めて、本来自身にくるべき念力を無理矢理移動させたのだ。
浩輔は目の前の男が先程や一分も経っていない前の時間に自分と対峙した時に、両手の掌から念力を放出した事を浩輔は確認している事から、そう解釈するより他にない。
浩輔は今度は二筋の雷をリックに向かって放つ。
だが、今度は先程とは異なり、浩輔はその場から動いて、リックに向かって行く。
リックと自分との間を隔てる障壁は何一つない。
そして、現在も浩輔は自分自身の体を雷を纏っているのだ。
そして、再びリックが右手を動かして、念力を放出した事を確認してから、彼は大声で仲間に向かって叫び、
「全員、この場から逃げるんだッ!そして、そのまま校庭に駆けるんだッ!」
浩輔の指示に従い、淳太は慌てて孝弘と陽子の手を取る。
小川宏子も浩輔の指示に従ったようで、淳太にくっ付いて、校庭に向かおうと、震える両足を必死で立たせようとしている。
「させるかよッ!」
リックが向きを変えて、逃げようとする4人に向かって、念力を放出させようとするが、その前に浩輔がリックに向かって巨大な電気を放電したために、彼はその電流を自身の左横に位置する教室に向かって放たなければならなかったために、リックは4人を諦めざるを得ない。
リックは獲物を逃したために、大きく溜息を吐いて、浩輔に向かって唾を吐きかけた。
浩輔はリックの唾を電撃で焼き取ると、リックの方に向き直り、満面の笑顔で、
「よかった。これで、お前が4人に向かって、あの忌々しい念力を放たなくて済むと、笑いが止まらないよ」
「小僧……こんな言葉を知っているか?『戦場で生き残るのは、強者と臆病者だけ、勇者は死ぬと相場が決まっている』」
「悪いね、ぼくは『強者』のつもりなんだ」
浩輔は全身で雷撃を携えながら、リックに向かって対峙する。
「これで全部か!?淳太!?」
「うん、三階にいた人達みんな、あいつらに殺されちゃって……」
柿谷淳太は大柄で馬面の刑事。つまり、自身の兄に泣きながら状況を説明していた。
彼らは階段を駆け下り、校庭の警察に保護されていた時だったのだ。
「よし、あの野郎はもうあれだけ人を殺しているんだッ!俺ら殺人課だって、捜査に立ち入れるだろ!?」
馬面の男こと、柿谷淳一は周りを固めていた防護服の男たちに向かって、怒鳴るように尋ねた。
「あ、ああ……勿論だ。それに、相手は我々だけでは対処できない可能性もある、3年前の横須賀軍基地ハイジャック事件みたいに……」
「一般の警察の手を借りたい……そうでしょう?」
防護服の男に代わって、答えたのは赤銅色の夕暮れの太陽のような素晴らしい肌を持つ、端正な男だった。
男は左手をポケットに突っ込んでいたために、防護服の特殊部隊の男には不快に映ったらしい。
ジリっと眉を寄せて、
「おい、お前が何者なのか知らないが、そんな偉そうな態度を取れる立場なのか?」
「おっと、これは失礼。三年間も眠っていて、礼儀を忘れてしまったのかもしれない。無礼をお許し願いたい」
男はそう言って頭を丁寧に下げた。
防護服の男は状況も状況であるため、寛大な処置を下し、逃げて来たたった中学生の4人の男女に詳しい事情を聞き、このテロ事件の真相を究明する方が先だと判断する方が良いと断じた。
そのため、3年のブランクがあると語る男にはそれ以上何も言わない。
その代わりに、彼は逃げてきた中学生の男女4人に詳しい事情を尋ねた。
柿谷淳太は額の汗を拭いながら、
「あ、あのまだ校舎に残って、戦っている子が居るんです!その子を助けてあげてください!」
その言葉を聞いて、防護服の男は校舎の周りを囲んでいる同じ姿の部隊のメンバーたちに向かって、救出に向かっていく旨を伝える。
「さて、オレも行くぞ!ついて来な、孝太郎!」
「ああ」
孝太郎と呼ばれた男は淳一の問いかけに応じて、校舎の中に向かって行く。
そして、4人が保護役の警察官たちに守れながら、2人が校舎の中に入って行くのを見届けていると、
「チッ、遅れちまったッ!あたしらも向かおうぜッ!」
「ちょっと、聡ちゃん!そんな言い方は良くないよぉ~」
「今はそんな事を言ってる場合じゃないでしょ?あたし達も向かうわよ!」
長い青い髪の小柄なスーツ姿の女性。丸渕の眼鏡をかけた大人しそうな女性。そして、先程の孝太郎と言う名前の刑事と同じような赤銅色の肌を持つ、名画のモデルにも例えられそうな程の容姿を持つ美人な女性。
その3人が校舎に向かって駆けて行く。
4人は顔を見合わせて、次の瞬間に、それぞれが同時に、
「あの人達が白籠市のアンタッチャブルなんじゃない!?」
と、叫んだ。
刈谷浩輔は念力と雷撃のぶつかり合いによる戦闘の衝撃によって生じた膝の傷を両手で抑えながら、リック・ジアンカーナを虚な目で見ていた。
ハァハァと言う荒い息も出て来ている。
だが、リックはそんな浩輔の様子を見ても、眉一つ動かすこと無く、軍用の5連発のリボルバーを取り出し、銃口を浩輔に向けていた。
「よく戦ったが、ここまでのようだな」
「ああ、だが、この学校の仲間を一人でも助けられたのは嬉しいよ!ぼくの友達はちゃんと4人助けられたし、お前が襲った筈の教室でも、きっとまだ何人か生き残っている……お前の事も覚えているッ!ぼくはそんな人たちの役に立てて、死ねて最高だよ!」
「そうか、ならば死ねッ!」
リックがリボルバーの引き金に手を当てようとした時だ。
「動くなッ!」
と、背後で声が聞こえた。リックは背後の階段のすぐ側の廊下を振り向く。
「動くな、銃を下ろせ……」
防護服姿の男達がアサルトライフルの銃口を向けていた。
どうやら、囲まれてしまっていたらしい。
リックは向きを変えて、相手の対処をしようとした時だ。
防護服姿の男たちの背後に例の白籠市のアンタッチャブルの姿が見えるのを確認した。
「貴様……中村孝太郎か?」
「その通りだ。お前を逮捕する」
リックは彼のクールな科学者を思わせるような澄んだ声を聞くと、本当に白籠市のアンタッチャブルがいる事を悟ったらしい。
「そうか、ならば、この続きはまた別の機会にしたいものだッ!」
そう言って、彼は浩輔の方向に向かい、動揺する浩輔を押し倒し、もう片方の階段を駆けて行く。
孝太郎たちは彼を慌てて、追う。
しばらくの間は双方によるいたちごっこのような撃ち合いが続いたが、駆け下りた階段から続く、裏門へと通ずる場所で強い念力を飛ばされてしまい、その上に裏門に見計ったかのように、都合よく一台の車が通り過ぎ、男はその車に乗り、運転手を銃で脅して、逃げてしまう。
その様子を見ていた、突入員たちはしばらくの間、唖然とした表情を繰り出していたが、やがて意識を取り戻していく。
その中でも孝太郎は誰よりも早くに、冷静さを取り戻し、どうして、あの薬物中毒者が自身の名前を知っていたのだろう、と考えたのだが、その直後に心臓の発作を抱えた患者のように、痛恨の念が襲う。
孝太郎も追っていた特殊部隊の人たちも『悔しさで胸が張り裂ける』と言う言葉の意味を理解したらしい。
男を取り逃した部隊の男女全員の顔が憎悪で覆われていた。中には、明らかに壁に手を叩きつけている人物さえいる。
孝太郎はその様子を眺めながら、自身の『破壊』の魔法が込められた右手を強く握り締める。
そして、大きく息を吸い込み、深呼吸を繰り返す。
ともかく、当面の彼の脳内には、頭を冷やす事こそが現状になすべき対策だと思われたのだ。
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