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ファースト・ミッション編
拳銃と麻薬とーその⑦
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孝太郎は聡子に手で合図する。入り口に向かうと言う。
入り口に向かって二人の暴力団員と決着を付けるつもりなのだ。
聡子も異論はない。首を縦に動かす。
「聡子はあの中国人の女を頼む……オレはあの男を捕まえてみせるぜ」
「ああ、任してくれよ。あの野郎の首に必ず絞首刑のロープを巻き付けてやるよ」
「頼もしいな」
孝太郎はそう言って聡子に微笑みかける。相変わらず、とろけてしまいそうなくらいのカッコいい顔だ。
聡子は戦闘中にも関わらずにそう考えてしまった。
と、ここで聡子は不意に武器保存から一本の日本刀を取り出し、孝太郎に手渡す。
「これは?」
「あたしからの気持ちだよ、あんただけ得物無しなのは不利だからな」
「大事に使うよ」
孝太郎は再び聡子に微笑む。聡子も孝太郎に微笑み返してから、狭い家の出口へと向かう。
両者とも一点の曇りもない顔であった。
「来たかッ!」
桐野弘之は先程とは打って変わり日本刀を持った刑事の男の方向を向く。
「剣勝負という訳か……?面白いッ!」
弘之は出てくる白いコートに黒のスーツの男に向かって剣を振りかざして向かって行く。
男が出てくるか出てこないかよりも前に弘之が青竜刀を刑事の頭上に振り上げる方が早かった。
だが、刑事は慌てたりはしない。少しだけ息を吸ってから、日本刀を宙に振り上げて弘之の青竜刀を防御する。
青竜刀と日本刀の刃同士が空中でぶつかり合う。刃の長さこそ違えども二人とも平等な剣舞を演じていたとも言えよう。
とにかく、今のこの状態で二人の邪魔をしようという人間はいない。
聡子は桐野弘之に構うことなく、林香蘭の元へと向かっていったし、その香蘭も聡子を待ち構えるのに忙しくて、二人の演じる剣舞に交わる気力は無いらしい。
絵里子も二人のあまりにも鬼気迫る演舞に脚を撃たれて倒れている男たち二人と共にその場に取り残されている。
この二人の戦いは無限に続くかとも思われたが、とうとう勝負が着いた。
結果は中村孝太郎の勝ちであった。勝因は正々堂々したものであった。孝太郎の刀が弘之の青竜刀を彼の手から弾き落としたのだ。彼の利き腕を傷付ける事によって。
かくして、孝太郎は厄介な魔法を持つ相手を魔法無しの正々堂々とした戦いで討つ事によって勝利を収めたのであった。
孝太郎は弘之に日本刀を突き付けながら、
「終わりだな……悪いが今後の取り引きはオールディーズ・アメリカンストリートでは推奨しないぞ、仲間にもそう伝えといた方がいい」
「そうだな……お前らみてーなポリ公の餌食になっちまうと、仲間には伝えておくよ」
弘之は観念して目を瞑った。このまま斬り殺されると思ったのだろう。
弘之は良い決まり文句を考えながら、目の前のそこそこ顔の整った男に斬られてやろうと考えたが、彼はガチャリという音で目を覚ました。
目を開けると目の前には手錠をかけられて拘束された自分の両腕。
「驚いたな、最後は『ワイルド・バンチ』のパイク・ビショップみてーに射殺されると踏んだんだが」
「バカにするなよ、オレが射殺なんて真似をするような男に見えるか?」
弘之は一瞬だけ美男子の顔を眺めてから、首を横に振り、
「いいや、そうは見えない」
「分かってくれて良かったよ」
孝太郎は桐野弘之に向かって寛大な笑みを見せてやった。
「まさか、まさかだね。あの男が捕まるなんて」
林香蘭は心外らしい言葉を発したが、口調と表情はそれとはかけ離れた余裕のありそうなものであった。
「安心しなよ、オバさん……あんたもすぐに独房の中で臭い飯食わせてやるよ。そこでゲロ吐いても知らねーぜ」
「口の聞き方に気を付けな、小娘……あたしがあんたを一思いにやっちまわないのはあたしが西太后のように怒りっぽくないからさ」
暫しの沈黙が二人の間に流れる。滅びつつある古き良き時代のアメリカを再現した街が今の聡子には西部劇の街のように感じられた。自分はガンマン。
相手もそうだ、違うのはこの場所が1800年代の西部ではなく、2300年代の日本で、抜くのが拳銃から刃物に変わったという事だ。
聡子の首筋に緊張の冷や汗が流れる。
だが、緊張状態をなんとか押し殺して香蘭に備えた。
と、ここで香蘭が動く。香蘭は青竜刀を構えて聡子の元へと突っ込む。
聡子はそれを日本刀の刃で防ぐ。香蘭の青竜刀が一旦日本刀の刃に直撃すると、香蘭は再び刃を離してもう一度聡子に刃を構えて向かう。
聡子は刀を構える中で考えた。あの中国人の女の能力の特性は炎や水や氷を扱ったりするいかにもな魔法ではなく、脚力や視力を活かしたりするいわゆる『身体強化』の類の魔法ではないかと。
聡子はその『身体強化』の弱点を必死に考えた。
確か、かつて学んだ警察学校の講習では『身体強化』の類の魔法の弱点はあくまでも一点に集中する事だという。
つまり、すべての脳や利き腕じゃない方の指の一本にまでその全てに掛かっているのだ。常に神経を集中して受験に臨む受験生のように。
聡子は『一点集中』の点に弱点があると推測した。
もうそこに賭けるしかないだろう。聡子は今一度日本刀を持つ力を入れ直して、ある方法を使う事を前提に香蘭の襲撃を予測する。
香蘭は青竜刀を自身の頭上に構えた。今だッ!
聡子は香蘭に頭上に向かって刀を振り下ろす。
香蘭はその姿を見ても勝ち誇った笑みを浮かべるばかり。
だが、次の瞬間には彼女の勝ち誇った笑みは驚愕の表情へと変化した。
なんと、聡子の刀の刃先が自身の頭から腹に変わっていったのだから。
香蘭は背後を蹴って聡子との距離を取ろうとした。
しかし、聡子はそれを阻止したいらしく、ウォォォォォォォォォと野獣のような雄叫びを上げる。
思わず怯んでしまった香蘭に向かって聡子の刀の峰は容赦なく香蘭の腹を狙う。
香蘭はグハッと悶絶してからその場に倒れ込む。
倒れた香蘭を見て聡子は一言、
「峰打ちだよ、安心しな……オバさん。あんたには聞きてー事が山程あるんだからよぉ~死んでもらっちゃあ、あたいらが困るんだよ」
聡子は倒れ込む香蘭を尻目に懐からタバコとライターを取り出し、思いっきり吸う。
戦闘後の一服はなんと旨いのだろうか。
聡子はタバコを人差し指と中指に挟みながらどうしてかと考えた。
入り口に向かって二人の暴力団員と決着を付けるつもりなのだ。
聡子も異論はない。首を縦に動かす。
「聡子はあの中国人の女を頼む……オレはあの男を捕まえてみせるぜ」
「ああ、任してくれよ。あの野郎の首に必ず絞首刑のロープを巻き付けてやるよ」
「頼もしいな」
孝太郎はそう言って聡子に微笑みかける。相変わらず、とろけてしまいそうなくらいのカッコいい顔だ。
聡子は戦闘中にも関わらずにそう考えてしまった。
と、ここで聡子は不意に武器保存から一本の日本刀を取り出し、孝太郎に手渡す。
「これは?」
「あたしからの気持ちだよ、あんただけ得物無しなのは不利だからな」
「大事に使うよ」
孝太郎は再び聡子に微笑む。聡子も孝太郎に微笑み返してから、狭い家の出口へと向かう。
両者とも一点の曇りもない顔であった。
「来たかッ!」
桐野弘之は先程とは打って変わり日本刀を持った刑事の男の方向を向く。
「剣勝負という訳か……?面白いッ!」
弘之は出てくる白いコートに黒のスーツの男に向かって剣を振りかざして向かって行く。
男が出てくるか出てこないかよりも前に弘之が青竜刀を刑事の頭上に振り上げる方が早かった。
だが、刑事は慌てたりはしない。少しだけ息を吸ってから、日本刀を宙に振り上げて弘之の青竜刀を防御する。
青竜刀と日本刀の刃同士が空中でぶつかり合う。刃の長さこそ違えども二人とも平等な剣舞を演じていたとも言えよう。
とにかく、今のこの状態で二人の邪魔をしようという人間はいない。
聡子は桐野弘之に構うことなく、林香蘭の元へと向かっていったし、その香蘭も聡子を待ち構えるのに忙しくて、二人の演じる剣舞に交わる気力は無いらしい。
絵里子も二人のあまりにも鬼気迫る演舞に脚を撃たれて倒れている男たち二人と共にその場に取り残されている。
この二人の戦いは無限に続くかとも思われたが、とうとう勝負が着いた。
結果は中村孝太郎の勝ちであった。勝因は正々堂々したものであった。孝太郎の刀が弘之の青竜刀を彼の手から弾き落としたのだ。彼の利き腕を傷付ける事によって。
かくして、孝太郎は厄介な魔法を持つ相手を魔法無しの正々堂々とした戦いで討つ事によって勝利を収めたのであった。
孝太郎は弘之に日本刀を突き付けながら、
「終わりだな……悪いが今後の取り引きはオールディーズ・アメリカンストリートでは推奨しないぞ、仲間にもそう伝えといた方がいい」
「そうだな……お前らみてーなポリ公の餌食になっちまうと、仲間には伝えておくよ」
弘之は観念して目を瞑った。このまま斬り殺されると思ったのだろう。
弘之は良い決まり文句を考えながら、目の前のそこそこ顔の整った男に斬られてやろうと考えたが、彼はガチャリという音で目を覚ました。
目を開けると目の前には手錠をかけられて拘束された自分の両腕。
「驚いたな、最後は『ワイルド・バンチ』のパイク・ビショップみてーに射殺されると踏んだんだが」
「バカにするなよ、オレが射殺なんて真似をするような男に見えるか?」
弘之は一瞬だけ美男子の顔を眺めてから、首を横に振り、
「いいや、そうは見えない」
「分かってくれて良かったよ」
孝太郎は桐野弘之に向かって寛大な笑みを見せてやった。
「まさか、まさかだね。あの男が捕まるなんて」
林香蘭は心外らしい言葉を発したが、口調と表情はそれとはかけ離れた余裕のありそうなものであった。
「安心しなよ、オバさん……あんたもすぐに独房の中で臭い飯食わせてやるよ。そこでゲロ吐いても知らねーぜ」
「口の聞き方に気を付けな、小娘……あたしがあんたを一思いにやっちまわないのはあたしが西太后のように怒りっぽくないからさ」
暫しの沈黙が二人の間に流れる。滅びつつある古き良き時代のアメリカを再現した街が今の聡子には西部劇の街のように感じられた。自分はガンマン。
相手もそうだ、違うのはこの場所が1800年代の西部ではなく、2300年代の日本で、抜くのが拳銃から刃物に変わったという事だ。
聡子の首筋に緊張の冷や汗が流れる。
だが、緊張状態をなんとか押し殺して香蘭に備えた。
と、ここで香蘭が動く。香蘭は青竜刀を構えて聡子の元へと突っ込む。
聡子はそれを日本刀の刃で防ぐ。香蘭の青竜刀が一旦日本刀の刃に直撃すると、香蘭は再び刃を離してもう一度聡子に刃を構えて向かう。
聡子は刀を構える中で考えた。あの中国人の女の能力の特性は炎や水や氷を扱ったりするいかにもな魔法ではなく、脚力や視力を活かしたりするいわゆる『身体強化』の類の魔法ではないかと。
聡子はその『身体強化』の弱点を必死に考えた。
確か、かつて学んだ警察学校の講習では『身体強化』の類の魔法の弱点はあくまでも一点に集中する事だという。
つまり、すべての脳や利き腕じゃない方の指の一本にまでその全てに掛かっているのだ。常に神経を集中して受験に臨む受験生のように。
聡子は『一点集中』の点に弱点があると推測した。
もうそこに賭けるしかないだろう。聡子は今一度日本刀を持つ力を入れ直して、ある方法を使う事を前提に香蘭の襲撃を予測する。
香蘭は青竜刀を自身の頭上に構えた。今だッ!
聡子は香蘭に頭上に向かって刀を振り下ろす。
香蘭はその姿を見ても勝ち誇った笑みを浮かべるばかり。
だが、次の瞬間には彼女の勝ち誇った笑みは驚愕の表情へと変化した。
なんと、聡子の刀の刃先が自身の頭から腹に変わっていったのだから。
香蘭は背後を蹴って聡子との距離を取ろうとした。
しかし、聡子はそれを阻止したいらしく、ウォォォォォォォォォと野獣のような雄叫びを上げる。
思わず怯んでしまった香蘭に向かって聡子の刀の峰は容赦なく香蘭の腹を狙う。
香蘭はグハッと悶絶してからその場に倒れ込む。
倒れた香蘭を見て聡子は一言、
「峰打ちだよ、安心しな……オバさん。あんたには聞きてー事が山程あるんだからよぉ~死んでもらっちゃあ、あたいらが困るんだよ」
聡子は倒れ込む香蘭を尻目に懐からタバコとライターを取り出し、思いっきり吸う。
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