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第三章『私がこの国に巣食う病原菌を排除してご覧にいれますわ!』
赤ずきんの襲撃
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カーラはそのまま武器を構えて相手と対峙していく。駆除人ではない存在。恐らくどこからか放たれた刺客。
その相手はこれまでの刺客たちも引けを取らないほどに強力であった。
例えるのならば今の状況がそうだ。少しでも力を緩めれば針はカーラの手から奪い取られ、目の前の少年のものになってしまう。
少年によって奪われた針は地面に捨てられるかもしれないし、場合によってはその針を用いて自分たちに攻撃を喰らわせてくるかもしれない。
少なくとも、良い結果になることはない。そのことを自覚していたからこそカーラは針に込める力を強めていたのである。
レキシーによる救援も期待できない。先程少年によって蹴り飛ばされてしまい、地面の上で弱っているのが見てわかるからだ。
目の前の少年を親の仇とも言わんばかりの表情で眉間に皺を寄せて睨むカーラとは対照的に少年は心底から楽しいと言わんばかりの表情を浮かべていた。
まるで、遊びに熱中している子どものように。
どのような理由があって、この男がここまで動けるのだろうか。
カーラが下唇を噛み締めながら少年を睨んでいた時だ。少年がふと針に括り付けていた紐を放し、今度はカーラの首元に目掛けて紐を放っていくのである。
カーラは飛んできた紐を慌てて交わし、そのまま少年の懐へと潜り込む。
そして、心臓にその針を突き立てようとした時だ。少年は体を滑らせて針を交わし、カーラの元へと滑り、その両足を蹴り、カーラからバランスを崩させることに成功したのである。
両足のバランスを失って、倒れそうになるカーラには少年の放つ飾り紐を避けられる余裕はない。カーラの首元に飾り紐が巻き付き、後は引っ張り上げるだけで簡単に絶命するだろう。
カーラの顔全体から冷や汗が滲み出ていく。心臓がバクバクと動き出し、生命の危険を間近に感じていた。
このままでは殺される。カーラが思わず両目を閉じた時だ。不意に自身の首元から飾り紐が解かれた。首元から飾り紐がなくなったことを感じ、一息を吐いていると、すぐ近くにヒューゴの姿が見えたことに気が付いた。
どうやら少年はヒューゴの対処に精一杯となり、カーラに止めを刺す余裕が消えてしまっていたらしい。
その隙を見て、カーラが一息を吐いていた時だ。今度はそのヒューゴが飾り紐の餌食になっていることに気が付いた。
カーラはヒューゴを助けるために背後から針を構えて少年の元へと近付いていく。
地面を蹴って、飛び上がり、少年の体へとくっ付き、その延髄に針を突き立てようとした時だ。
不意に少年が振り返り、カーラに向かって蹴りを喰らわせようとした。
カーラは咄嗟に体を捻って蹴りを回避し、背後ではなく脇腹に向かって飛び掛かっていく。
今度こそ作戦は成功したらしい。ヒューゴを襲っていた紐はカーラが少年にぶつかった衝撃で途切れ、ヒューゴは飾り紐から解放された。
カーラは少年を押し倒し、そのまま躊躇うことなくその額に向かって針を突き立てようとしたのだが、少年もさるものであった。少年は残っていた飾り紐を使ってカーラの首を絞めようとしたのである。
だが、カーラが針を動かす速度の方が僅かに優った。額の表面を針が刺し、このまま深く突き刺していけば少年は冥界の門を潜るはずであった。
この時にもう一人、赤ずきんを被った少年の姿が見えなければカーラが勝っていたはずである。
もう一人の少年は飾り櫛を取り出したかと思うと、櫛にある等間隔の切り込みをいじったかと思うと、無数の刃物を作り出したのである。
櫛全てが仕込み針となっていたのだろう。少年は針を構えながらカーラの元へと向かっていく。
カーラは馬乗りになっていた少年の元から離れることで櫛による攻撃を回避した。
このまま三対二の戦いになるだろうと予期したのだが、カーラの予想に反して櫛を構えた少年が飾り紐を持った少年の手を引いて逃げ出していったのである。
カーラはようやく戦いが終わったことを悟り、針を袖の中へと戻し、倒れているレキシーとヒューゴの両名に手を伸ばす。
「大丈夫でして?」
「あぁ、なんとか」
「すまないねぇ、あいつら思ったよりも強くてさ……」
レキシーがカーラの手を取りながら謝罪の言葉を述べる。
「いえ、それよりも……今後もあのお二方の襲撃はあるでしょうからね。用心なさった方がよろしゅうございますわ」
「ですね。診療所にいる時も油断しちゃあ駄目ですよ。しばらくはオレも駆け付けましょう」
「そういえばヒューゴさん。あなたはどうしてここに来られたんですの?」
「……実はギルドマスターから大事な用件があるって言われましてね」
「大事な用件……と、仰られますと?」
「あの赤い頭巾を被った少年たちのことがようやくわかりそうなんですよ」
その言葉を聞いたカーラとレキシーの両者は戦慄した。二人は息を呑みながらヒューゴからの言葉を待った。
石像のように固まった二人にヒューゴはギルドマスターから伝えられた二人の少年たちの正体を語っていく。
二人の少年の名前はロビンとエイブリー。両者ともに森の中に住まう辺境騎士の孫であり、その苗字は共にブラックリィで、二人は双子であるらしい。
だが、その正体は金で人殺しを担う刺客であり、二人の被る赤い頭巾は地方では死神の正体だと分かり、半ば噂のようなものとなり、地方の人々を戦慄させているのだという。
殺しの目的は金であり、駆除人のように害虫と呼ばれる悪人ばかりを殺すものではない。故に「刺客」と呼ばれているのである。
おまけに双子の兄弟は殺しの腕自体は並みの駆除人よりも遥かに高いのだから始末に負えない。
二人の悪質なところは老若男女、善悪身分の区別がないのはもちろん、どれほど命乞いを行おうが、どれほど泣き叫ぼうとも楽しそうにその始末を行うところにあるだろう。
二人は殺しの際に標的を「狼」に見立て、「狼狩り」と称しているのだからもしかすれば「金」以上に「快楽」という目的で人を殺しているのかもしれない。
自分たちを殺すために一晩中、扉の前で機会を伺っていた執念も元を辿れば「快楽」という部分に直結するのかもしれない。
赤ずきんを被った少年たちの異常性を改めて思い知らされ、カーラとレキシーは改めて身震いさせられたのである。
その日はヒューゴが手伝ってくれたものの、どこか心ここに在らずという状態にあったのは事実である。
そのため診療所の仕事においてヒューゴの負担が増えることになり、ヒューゴはその日二人から自宅でもてなしを受けることになった。
カブのスープに白色の丸パン、サラダというなかなか豪華なメニューである。
「いやぁ、申し訳ないなぁ、こんなにもてなされちゃって」
「いやいや、今日はあんたにたくさん働いてもらったし、そのお礼ということで、ね?」
レキシーの言葉を聞いて、ヒューゴは遠慮することなくスープを啜る。
ほんのりと甘さが染み渡り、その甘さがいい塩梅となり、ヒューゴの疲れた体に染み渡っていく。
「いやぁ、こいつは美味いや。やっぱりレキシーさんの料理は格別だな」
ヒューゴは満足気な様子で言った。
「気に入っていただけたようであたしも嬉しいよ」
レキシーは自身の分を啜りながら言った。
「ハハッ、本当に今日はヒューゴさんがいらっしゃらなければどんなことになっていたか」
カーラの言葉にお世辞などは一切混じっていない。事実、今日ヒューゴが駆け付けなければカーラとレキシーは殺されていたであろうし、その後にまたしても赤ずきんとやらの襲撃に怯える二人の表稼業を回してくれたのはヒューゴなのだ。
本当に今日はヒューゴに頭が上がらない。もう少し熱心にヒューゴをもてなそうと考えた時だ。
不意に扉を叩く音が聞こえて、両者ともに意識を張り詰めていく。
扉を叩く音は次第に強くなっていき、やがて、扉を壊さんばかりの勢いとなっていく。
赤ずきんの二人だろうかと、三人は互いに得物を取り、襲撃者に対して身構える。
そして、扉は蹴破られ、ネオドラビア教の印である黒いローブに身を包んだ屈強な三人の男の姿が見えた。
黒いローブを纏った男たちは目を血走らせ、凄まじい声を上げて短剣を構えて突っ込んでくる。
まず、先頭の一人をヒューゴが剣で下斜めから突き上げた剣で斬り倒し、それからレキシーが二人目の心臓を短剣で貫く。最後にカーラが最後に入ってきた男の背後へと回り、延髄に向かって針を突き刺したのである。
最後に入ってきた男は「うっ」と短い悲鳴を上げてから手を伸ばしながら息絶えていく。
三人はそれを見下ろしながら顔を見合わせた。
「……こいつはネオドラビア教の襲撃ですね」
「おまけに家の扉まで破壊してしまいましたわ。直すまでまたしばらく時間が掛かりそうですわ」
「しょうがないねぇ、今日のところはギルドに泊めてもらおうか」
それを聞くとヒューゴは黙って首を縦に動かす。それから三人で騒動になる前にギルドへと向かっていく。
夜の闇に紛れながら三人はくだらない雑談を交わす。
「しかし、惜しかったなぁ。レキシーさんのスープ、食べ損なっちゃった」
「あら、材料がギルドにもありましたら、ギルドの方で厨房をお借りして、お作りしてもよろしくてよ」
「あんた、勝手にそんなことを言って……」
「まぁ、よろしいではありませんの。今日はお世話になるのですから、それに私だってお手伝いさせていただきますわ」
そう言われればレキシーとしても反論ができないらしい。
重い溜息を吐いてから了承した。三人の駆除人は肩を並べながら夜の街を歩いていくのだった。
その相手はこれまでの刺客たちも引けを取らないほどに強力であった。
例えるのならば今の状況がそうだ。少しでも力を緩めれば針はカーラの手から奪い取られ、目の前の少年のものになってしまう。
少年によって奪われた針は地面に捨てられるかもしれないし、場合によってはその針を用いて自分たちに攻撃を喰らわせてくるかもしれない。
少なくとも、良い結果になることはない。そのことを自覚していたからこそカーラは針に込める力を強めていたのである。
レキシーによる救援も期待できない。先程少年によって蹴り飛ばされてしまい、地面の上で弱っているのが見てわかるからだ。
目の前の少年を親の仇とも言わんばかりの表情で眉間に皺を寄せて睨むカーラとは対照的に少年は心底から楽しいと言わんばかりの表情を浮かべていた。
まるで、遊びに熱中している子どものように。
どのような理由があって、この男がここまで動けるのだろうか。
カーラが下唇を噛み締めながら少年を睨んでいた時だ。少年がふと針に括り付けていた紐を放し、今度はカーラの首元に目掛けて紐を放っていくのである。
カーラは飛んできた紐を慌てて交わし、そのまま少年の懐へと潜り込む。
そして、心臓にその針を突き立てようとした時だ。少年は体を滑らせて針を交わし、カーラの元へと滑り、その両足を蹴り、カーラからバランスを崩させることに成功したのである。
両足のバランスを失って、倒れそうになるカーラには少年の放つ飾り紐を避けられる余裕はない。カーラの首元に飾り紐が巻き付き、後は引っ張り上げるだけで簡単に絶命するだろう。
カーラの顔全体から冷や汗が滲み出ていく。心臓がバクバクと動き出し、生命の危険を間近に感じていた。
このままでは殺される。カーラが思わず両目を閉じた時だ。不意に自身の首元から飾り紐が解かれた。首元から飾り紐がなくなったことを感じ、一息を吐いていると、すぐ近くにヒューゴの姿が見えたことに気が付いた。
どうやら少年はヒューゴの対処に精一杯となり、カーラに止めを刺す余裕が消えてしまっていたらしい。
その隙を見て、カーラが一息を吐いていた時だ。今度はそのヒューゴが飾り紐の餌食になっていることに気が付いた。
カーラはヒューゴを助けるために背後から針を構えて少年の元へと近付いていく。
地面を蹴って、飛び上がり、少年の体へとくっ付き、その延髄に針を突き立てようとした時だ。
不意に少年が振り返り、カーラに向かって蹴りを喰らわせようとした。
カーラは咄嗟に体を捻って蹴りを回避し、背後ではなく脇腹に向かって飛び掛かっていく。
今度こそ作戦は成功したらしい。ヒューゴを襲っていた紐はカーラが少年にぶつかった衝撃で途切れ、ヒューゴは飾り紐から解放された。
カーラは少年を押し倒し、そのまま躊躇うことなくその額に向かって針を突き立てようとしたのだが、少年もさるものであった。少年は残っていた飾り紐を使ってカーラの首を絞めようとしたのである。
だが、カーラが針を動かす速度の方が僅かに優った。額の表面を針が刺し、このまま深く突き刺していけば少年は冥界の門を潜るはずであった。
この時にもう一人、赤ずきんを被った少年の姿が見えなければカーラが勝っていたはずである。
もう一人の少年は飾り櫛を取り出したかと思うと、櫛にある等間隔の切り込みをいじったかと思うと、無数の刃物を作り出したのである。
櫛全てが仕込み針となっていたのだろう。少年は針を構えながらカーラの元へと向かっていく。
カーラは馬乗りになっていた少年の元から離れることで櫛による攻撃を回避した。
このまま三対二の戦いになるだろうと予期したのだが、カーラの予想に反して櫛を構えた少年が飾り紐を持った少年の手を引いて逃げ出していったのである。
カーラはようやく戦いが終わったことを悟り、針を袖の中へと戻し、倒れているレキシーとヒューゴの両名に手を伸ばす。
「大丈夫でして?」
「あぁ、なんとか」
「すまないねぇ、あいつら思ったよりも強くてさ……」
レキシーがカーラの手を取りながら謝罪の言葉を述べる。
「いえ、それよりも……今後もあのお二方の襲撃はあるでしょうからね。用心なさった方がよろしゅうございますわ」
「ですね。診療所にいる時も油断しちゃあ駄目ですよ。しばらくはオレも駆け付けましょう」
「そういえばヒューゴさん。あなたはどうしてここに来られたんですの?」
「……実はギルドマスターから大事な用件があるって言われましてね」
「大事な用件……と、仰られますと?」
「あの赤い頭巾を被った少年たちのことがようやくわかりそうなんですよ」
その言葉を聞いたカーラとレキシーの両者は戦慄した。二人は息を呑みながらヒューゴからの言葉を待った。
石像のように固まった二人にヒューゴはギルドマスターから伝えられた二人の少年たちの正体を語っていく。
二人の少年の名前はロビンとエイブリー。両者ともに森の中に住まう辺境騎士の孫であり、その苗字は共にブラックリィで、二人は双子であるらしい。
だが、その正体は金で人殺しを担う刺客であり、二人の被る赤い頭巾は地方では死神の正体だと分かり、半ば噂のようなものとなり、地方の人々を戦慄させているのだという。
殺しの目的は金であり、駆除人のように害虫と呼ばれる悪人ばかりを殺すものではない。故に「刺客」と呼ばれているのである。
おまけに双子の兄弟は殺しの腕自体は並みの駆除人よりも遥かに高いのだから始末に負えない。
二人の悪質なところは老若男女、善悪身分の区別がないのはもちろん、どれほど命乞いを行おうが、どれほど泣き叫ぼうとも楽しそうにその始末を行うところにあるだろう。
二人は殺しの際に標的を「狼」に見立て、「狼狩り」と称しているのだからもしかすれば「金」以上に「快楽」という目的で人を殺しているのかもしれない。
自分たちを殺すために一晩中、扉の前で機会を伺っていた執念も元を辿れば「快楽」という部分に直結するのかもしれない。
赤ずきんを被った少年たちの異常性を改めて思い知らされ、カーラとレキシーは改めて身震いさせられたのである。
その日はヒューゴが手伝ってくれたものの、どこか心ここに在らずという状態にあったのは事実である。
そのため診療所の仕事においてヒューゴの負担が増えることになり、ヒューゴはその日二人から自宅でもてなしを受けることになった。
カブのスープに白色の丸パン、サラダというなかなか豪華なメニューである。
「いやぁ、申し訳ないなぁ、こんなにもてなされちゃって」
「いやいや、今日はあんたにたくさん働いてもらったし、そのお礼ということで、ね?」
レキシーの言葉を聞いて、ヒューゴは遠慮することなくスープを啜る。
ほんのりと甘さが染み渡り、その甘さがいい塩梅となり、ヒューゴの疲れた体に染み渡っていく。
「いやぁ、こいつは美味いや。やっぱりレキシーさんの料理は格別だな」
ヒューゴは満足気な様子で言った。
「気に入っていただけたようであたしも嬉しいよ」
レキシーは自身の分を啜りながら言った。
「ハハッ、本当に今日はヒューゴさんがいらっしゃらなければどんなことになっていたか」
カーラの言葉にお世辞などは一切混じっていない。事実、今日ヒューゴが駆け付けなければカーラとレキシーは殺されていたであろうし、その後にまたしても赤ずきんとやらの襲撃に怯える二人の表稼業を回してくれたのはヒューゴなのだ。
本当に今日はヒューゴに頭が上がらない。もう少し熱心にヒューゴをもてなそうと考えた時だ。
不意に扉を叩く音が聞こえて、両者ともに意識を張り詰めていく。
扉を叩く音は次第に強くなっていき、やがて、扉を壊さんばかりの勢いとなっていく。
赤ずきんの二人だろうかと、三人は互いに得物を取り、襲撃者に対して身構える。
そして、扉は蹴破られ、ネオドラビア教の印である黒いローブに身を包んだ屈強な三人の男の姿が見えた。
黒いローブを纏った男たちは目を血走らせ、凄まじい声を上げて短剣を構えて突っ込んでくる。
まず、先頭の一人をヒューゴが剣で下斜めから突き上げた剣で斬り倒し、それからレキシーが二人目の心臓を短剣で貫く。最後にカーラが最後に入ってきた男の背後へと回り、延髄に向かって針を突き刺したのである。
最後に入ってきた男は「うっ」と短い悲鳴を上げてから手を伸ばしながら息絶えていく。
三人はそれを見下ろしながら顔を見合わせた。
「……こいつはネオドラビア教の襲撃ですね」
「おまけに家の扉まで破壊してしまいましたわ。直すまでまたしばらく時間が掛かりそうですわ」
「しょうがないねぇ、今日のところはギルドに泊めてもらおうか」
それを聞くとヒューゴは黙って首を縦に動かす。それから三人で騒動になる前にギルドへと向かっていく。
夜の闇に紛れながら三人はくだらない雑談を交わす。
「しかし、惜しかったなぁ。レキシーさんのスープ、食べ損なっちゃった」
「あら、材料がギルドにもありましたら、ギルドの方で厨房をお借りして、お作りしてもよろしくてよ」
「あんた、勝手にそんなことを言って……」
「まぁ、よろしいではありませんの。今日はお世話になるのですから、それに私だってお手伝いさせていただきますわ」
そう言われればレキシーとしても反論ができないらしい。
重い溜息を吐いてから了承した。三人の駆除人は肩を並べながら夜の街を歩いていくのだった。
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