116 / 220
第三章『私がこの国に巣食う病原菌を排除してご覧にいれますわ!』
イメルダ夫人は憎悪する
しおりを挟む
「……これまで私は何度も我慢しようと思いました。ですが、それは無理でした。可愛い娘の無惨な死が私を現実へと引き戻すのですよ」
プラフティー公爵家夫人イメルダは自身の部屋へと招き入れた二人の赤い頭巾を被り、仕立てられたばかりと思われる純白のドレスを着た美しい少年たちに向かって告げた。
少年たちは黙ってイメルダの話を聞いている。イメルダは少年たちが黙っているのをいいことにワイングラスを片手に吐き出すように語っていく。
長々とした話がようやく一段落着き、イメルダは二人の少年たちを見据えながら言った。
「私が欲しいものはなんだかわかりますか?」
女装した少年の一人が元気な声で答えた。
「カーラって女の子の命でしょう!?」
イメルダは首肯する。
「そのためにぼくらを呼んだんでしょう?早く殺させてよ」
「まぁ、落ち着きなさい。カーラは普段街の医者と共に過ごしています。その医者というのがなかなかの曲者でしてね。その方がついている限りは難しいでしょう」
「わかった!なら、先にその町医者を殺せばいいんだッ!」
赤ずきんの一人が腰に下げていた短剣の塚を握り締めながら叫ぶ。
イメルダはもう一度首肯する。それから二人の男を睨みながら言った。
「私が欲しいのはカーラの命……それ以上でも以下でもありません。あの人面獣心がこの世から消えるというのならば私はどのような方法を取ったとしても満足です」
二人の赤ずきんはそれを聞くと満足そうに微笑んで、公爵夫人の部屋を後にした。入れ違いでエプロンドレスを着た若く麗しい女性の姿が見えた。
彼女の名前はレイラ。即位式の日に控えの間で殺されたカミラと同じく公爵家のメイドであり、公爵家に庶民の家から引き取られたマルグリッタに味方する騎士気取りのメイドの一人でもあった。
レイラはイメルダに向かって丁寧な一礼を行うと、彼女の持つグラスの中にワインを注いでいく。
イメルダはレイラの入れたワインを一気に飲み干したかと思うと、グラスを机の上に置き、レイラに顔を向かい合わせて言った。
「……あなた、あの人面獣心が憎い?」
イメルダの問い掛けにレイラの手が震えた。いや、手ばかりではない。全身が怒りのためにブルブルと震えていたのだ。
イメルダはそれを見て、口角を上げて、彼女の耳元で囁く。
「あいつに復讐したいと思わない?あなたさえ良ければ私にいい方法があるのだけれど」
「……愚問ですわ。イメルダ様……私はあの人面獣心に大切な友人とたった一人のお嬢様を殺されたんですよ……憎いに決まっていますとも」
この時レイラの頭はあの即位式の日へと戻っていた。その日レイラはマルグリッタとカミラの少し後で城に入り、追加の衣装をマルグリッタに届け、着替えを手伝う算段になっていたのだ。
しかも、ただの着替えではない。即位式の後で国の重臣や各国の来賓者を招いての豪華な祝宴を彩る大切なドレスなのだ。それを楽しみにしていたというのに城でベクター暗殺の騒動が引き起こされ、入門を止められていた上に控えの間に到着した際には既にカミラは息絶えており、マルグリッタは行方知れずとなっていた。
加えて、カミラが持っていったマルグリッタ専用の衣装箱も消失していたのだ。
何が起こったのか理解できずにひたすら混乱に陥っていたレイラに犯人を決定付けたのは廊下で兵士が目撃したという見慣れぬ金髪の女性の話だ。
顔は見えなかったらしいが、レイラはこの事件の犯人をカーラだと考えた。
レイラの中で推測が結論へと確信したのは後に死体と共に衣装箱が送り付けられた時のことだった。
嫉妬に狂ったかつての公爵令嬢が幸せの絶頂を歩む義妹に嫉妬し、国王暗殺の騒ぎに乗じて、自身の友人を殺し、マルグリッタをなんらかの方法で拐かしたのだと推定した。
もちろん、レイラの言葉は全て推測に過ぎない。そのため事件後に証言したとしたとしても取り上げられることはなく、レイラはカーラへの怒りのみで生きてきたのであった。
そのため主人であるイメルダから復讐を囁かれた時は神が自分に味方しているのだという確信を得た。
その考えが顔に出ていたのか、イメルダはもう一度口元を緩ませ、復讐に燃えるメイドを焚き付けたのであった。
「……いい。あなたは市井に潜り込んで、人面獣心に接近なさい。そして、機を見て、私が雇った殺し屋と連絡を取り、あいつを始末するのよ」
「かしこまりました。イメルダ様」
レイラは丁寧な一礼を行った後でもう一度改めて大きく頭を下げて感謝の意を示したのであった。
イメルダはレイラが立ち去ったのを確認してから今度は一人でグラスの中に酒を入れ、一言だけ呟いた。
「これでようやくあなたを始末できるわね。カーラ」
イメルダはグラスを軽く揺らしてから一気に飲み干していく。酒を飲み干した瞬間にイメルダはこれまで自身の体の中に燻っていた鬱憤は消え、代わりに素晴らしい気分ばかりが残っていた。
イメルダがカーラを産む前にも同じことがあり、イメルダは懐かしさと共にそのことを思い返していく。
それはとある寒い冬の日のことで、イメルダは屋敷にある窓枠のそばに腰を下ろし凍り付いた庭を眺めながら編み物をしていた時のことだ。イメルダは目の前に広がる小鳥の柔らかい羽毛を思わせるような乱れ雪に見惚れてしまい、誤って指に針を突いてしまったのだ。真っ赤な血が指から滲み出て、瞬く間に盛り上がっていく。
だが、イメルダはその血を見て苦痛に顔を歪めるどころか、満足気な表情を浮かべて神々に祈ったのであった。
「天井におられる偉大なる神々よ!どうか私にこの雪のように白くて、血のように赤い頬をした美しい娘……それも子どもが読む御伽噺に登場するお姫様のような美しい子どもを授かれますように」
イメルダの願いは無事に叶い、無事に娘を授かった。
イメルダは無事に産まれた娘を最初は大層可愛がった。
だが、成長していくにつれてその娘は美しくなっていき、勉学や行儀作法、社交辞令、ダンスなどの令嬢として相応しい教養を身に付け、立派な令嬢へと変わっていったてしまったのだ。
イメルダは幼少期ダンスや衣装や宝石の目利きなどは得意であったのだが、勉学や行儀作法などを身に付けることは不得意としており、娘とは対照的であった。
イメルダは娘がそうした技法を身に付け、公爵令嬢として成長していくにつれ、無意識のうちに幼少期の自分自身と比べていくようになり、深いコンプレックスとなってしまったのである。
無意識のうちにカーラが過去の自分を笑っているような幻覚まで見えてしまうようになった。
やがて、嫉妬は憎悪へと変わっていき、マルグリッタを養子に迎えようという案が出た頃になると、カーラへの感情の中に愛情というものは残っていなかった。
同時に自身をどこか他人のように扱う『昼蝋燭』と呼ばれる先代公爵にも深い憎悪の念を抱くようになっていた。
そのうちにイメルダは先代公爵を害し、マルグリッタを娘として迎え入れた上で、カーラを追い出してしまおうという考えを抱え、ベクターに婚約を破棄されたパーティーの日にマルグリッタを追い出す算段をしようと目論んだのである。
この計画は見事に成功し、典型的な貴族の娘であるカーラは市井で野垂れ死ぬのだとばかり思っていた。
だが、目論見とは異なりカーラは市井でも平然と生きていた。
なので、今度はゴシップ誌を活用してカーラを中傷で倒そうと目論んだのだが、イメルダの目論見は脆くも崩れ去り、悪い噂は払拭されてしまったのだ。
イメルダが悔しさで眠れぬ夜を過ごしていた日々の中にも希望が見えた。
それは義娘マルグリッタが即位式に参列し、王妃として内外に認められるというものだった。
イメルダはマルグリッタの幸せを自身の幸せであるかのように喜び、彼女の晴れ舞台に惜しみなく金を注いだのだが、その彼女は即位式の日に連れ去られ、その直後に彼女がお気に入りだった衣装箱に悲惨な状態で送り返されてきたのだった。
その姿を見た時にイメルダは気を失い、目覚めた後もマルグリッタを失ったことが受け入れられずに何度も何度も叫んでいた。
マルグリッタを失った事実に耐え切れず死のうかと考えたイメルダの命を助けたのはレイラの言葉だった。
イメルダは義娘であるマルグリッタの仇を取るために、そして幼少期から自分自身のコンプレックスを刺激するかのようなことばかりしてきた憎い娘を仕留めるために懸命に殺し屋を探し、ようやくめぐり逢うことができたので、自身の部屋へと招いてカーラの殺害を依頼したのだった。
ここまでが長かった。イメルダはマルグリッタに対して申し訳のない思いを抱えていた。
今度はマルグリッタの墓に報告にでも向かおう。そんなことを考えていた時だ。扉を叩く音が聞こえた。イメルダが入室を許可すると、そこにはネオドラビア教における僧侶の服を着た若い男の姿が見えた。
「あなた誰よ?」
訝しげに問い掛けるイメルダの声に若い男は頭を下げながら言った。
「申し遅れました。私の名前はピーターです。ピーター・アニマと申します。ネオドラビア教にて大司教を務める者です」
「ネオドラビア教?どうしてまた?」
「……本日は我らの素晴らしき提案をお伝えしに参りました」
ピーターは口元に微かな笑みを浮かべながら言った。
プラフティー公爵家夫人イメルダは自身の部屋へと招き入れた二人の赤い頭巾を被り、仕立てられたばかりと思われる純白のドレスを着た美しい少年たちに向かって告げた。
少年たちは黙ってイメルダの話を聞いている。イメルダは少年たちが黙っているのをいいことにワイングラスを片手に吐き出すように語っていく。
長々とした話がようやく一段落着き、イメルダは二人の少年たちを見据えながら言った。
「私が欲しいものはなんだかわかりますか?」
女装した少年の一人が元気な声で答えた。
「カーラって女の子の命でしょう!?」
イメルダは首肯する。
「そのためにぼくらを呼んだんでしょう?早く殺させてよ」
「まぁ、落ち着きなさい。カーラは普段街の医者と共に過ごしています。その医者というのがなかなかの曲者でしてね。その方がついている限りは難しいでしょう」
「わかった!なら、先にその町医者を殺せばいいんだッ!」
赤ずきんの一人が腰に下げていた短剣の塚を握り締めながら叫ぶ。
イメルダはもう一度首肯する。それから二人の男を睨みながら言った。
「私が欲しいのはカーラの命……それ以上でも以下でもありません。あの人面獣心がこの世から消えるというのならば私はどのような方法を取ったとしても満足です」
二人の赤ずきんはそれを聞くと満足そうに微笑んで、公爵夫人の部屋を後にした。入れ違いでエプロンドレスを着た若く麗しい女性の姿が見えた。
彼女の名前はレイラ。即位式の日に控えの間で殺されたカミラと同じく公爵家のメイドであり、公爵家に庶民の家から引き取られたマルグリッタに味方する騎士気取りのメイドの一人でもあった。
レイラはイメルダに向かって丁寧な一礼を行うと、彼女の持つグラスの中にワインを注いでいく。
イメルダはレイラの入れたワインを一気に飲み干したかと思うと、グラスを机の上に置き、レイラに顔を向かい合わせて言った。
「……あなた、あの人面獣心が憎い?」
イメルダの問い掛けにレイラの手が震えた。いや、手ばかりではない。全身が怒りのためにブルブルと震えていたのだ。
イメルダはそれを見て、口角を上げて、彼女の耳元で囁く。
「あいつに復讐したいと思わない?あなたさえ良ければ私にいい方法があるのだけれど」
「……愚問ですわ。イメルダ様……私はあの人面獣心に大切な友人とたった一人のお嬢様を殺されたんですよ……憎いに決まっていますとも」
この時レイラの頭はあの即位式の日へと戻っていた。その日レイラはマルグリッタとカミラの少し後で城に入り、追加の衣装をマルグリッタに届け、着替えを手伝う算段になっていたのだ。
しかも、ただの着替えではない。即位式の後で国の重臣や各国の来賓者を招いての豪華な祝宴を彩る大切なドレスなのだ。それを楽しみにしていたというのに城でベクター暗殺の騒動が引き起こされ、入門を止められていた上に控えの間に到着した際には既にカミラは息絶えており、マルグリッタは行方知れずとなっていた。
加えて、カミラが持っていったマルグリッタ専用の衣装箱も消失していたのだ。
何が起こったのか理解できずにひたすら混乱に陥っていたレイラに犯人を決定付けたのは廊下で兵士が目撃したという見慣れぬ金髪の女性の話だ。
顔は見えなかったらしいが、レイラはこの事件の犯人をカーラだと考えた。
レイラの中で推測が結論へと確信したのは後に死体と共に衣装箱が送り付けられた時のことだった。
嫉妬に狂ったかつての公爵令嬢が幸せの絶頂を歩む義妹に嫉妬し、国王暗殺の騒ぎに乗じて、自身の友人を殺し、マルグリッタをなんらかの方法で拐かしたのだと推定した。
もちろん、レイラの言葉は全て推測に過ぎない。そのため事件後に証言したとしたとしても取り上げられることはなく、レイラはカーラへの怒りのみで生きてきたのであった。
そのため主人であるイメルダから復讐を囁かれた時は神が自分に味方しているのだという確信を得た。
その考えが顔に出ていたのか、イメルダはもう一度口元を緩ませ、復讐に燃えるメイドを焚き付けたのであった。
「……いい。あなたは市井に潜り込んで、人面獣心に接近なさい。そして、機を見て、私が雇った殺し屋と連絡を取り、あいつを始末するのよ」
「かしこまりました。イメルダ様」
レイラは丁寧な一礼を行った後でもう一度改めて大きく頭を下げて感謝の意を示したのであった。
イメルダはレイラが立ち去ったのを確認してから今度は一人でグラスの中に酒を入れ、一言だけ呟いた。
「これでようやくあなたを始末できるわね。カーラ」
イメルダはグラスを軽く揺らしてから一気に飲み干していく。酒を飲み干した瞬間にイメルダはこれまで自身の体の中に燻っていた鬱憤は消え、代わりに素晴らしい気分ばかりが残っていた。
イメルダがカーラを産む前にも同じことがあり、イメルダは懐かしさと共にそのことを思い返していく。
それはとある寒い冬の日のことで、イメルダは屋敷にある窓枠のそばに腰を下ろし凍り付いた庭を眺めながら編み物をしていた時のことだ。イメルダは目の前に広がる小鳥の柔らかい羽毛を思わせるような乱れ雪に見惚れてしまい、誤って指に針を突いてしまったのだ。真っ赤な血が指から滲み出て、瞬く間に盛り上がっていく。
だが、イメルダはその血を見て苦痛に顔を歪めるどころか、満足気な表情を浮かべて神々に祈ったのであった。
「天井におられる偉大なる神々よ!どうか私にこの雪のように白くて、血のように赤い頬をした美しい娘……それも子どもが読む御伽噺に登場するお姫様のような美しい子どもを授かれますように」
イメルダの願いは無事に叶い、無事に娘を授かった。
イメルダは無事に産まれた娘を最初は大層可愛がった。
だが、成長していくにつれてその娘は美しくなっていき、勉学や行儀作法、社交辞令、ダンスなどの令嬢として相応しい教養を身に付け、立派な令嬢へと変わっていったてしまったのだ。
イメルダは幼少期ダンスや衣装や宝石の目利きなどは得意であったのだが、勉学や行儀作法などを身に付けることは不得意としており、娘とは対照的であった。
イメルダは娘がそうした技法を身に付け、公爵令嬢として成長していくにつれ、無意識のうちに幼少期の自分自身と比べていくようになり、深いコンプレックスとなってしまったのである。
無意識のうちにカーラが過去の自分を笑っているような幻覚まで見えてしまうようになった。
やがて、嫉妬は憎悪へと変わっていき、マルグリッタを養子に迎えようという案が出た頃になると、カーラへの感情の中に愛情というものは残っていなかった。
同時に自身をどこか他人のように扱う『昼蝋燭』と呼ばれる先代公爵にも深い憎悪の念を抱くようになっていた。
そのうちにイメルダは先代公爵を害し、マルグリッタを娘として迎え入れた上で、カーラを追い出してしまおうという考えを抱え、ベクターに婚約を破棄されたパーティーの日にマルグリッタを追い出す算段をしようと目論んだのである。
この計画は見事に成功し、典型的な貴族の娘であるカーラは市井で野垂れ死ぬのだとばかり思っていた。
だが、目論見とは異なりカーラは市井でも平然と生きていた。
なので、今度はゴシップ誌を活用してカーラを中傷で倒そうと目論んだのだが、イメルダの目論見は脆くも崩れ去り、悪い噂は払拭されてしまったのだ。
イメルダが悔しさで眠れぬ夜を過ごしていた日々の中にも希望が見えた。
それは義娘マルグリッタが即位式に参列し、王妃として内外に認められるというものだった。
イメルダはマルグリッタの幸せを自身の幸せであるかのように喜び、彼女の晴れ舞台に惜しみなく金を注いだのだが、その彼女は即位式の日に連れ去られ、その直後に彼女がお気に入りだった衣装箱に悲惨な状態で送り返されてきたのだった。
その姿を見た時にイメルダは気を失い、目覚めた後もマルグリッタを失ったことが受け入れられずに何度も何度も叫んでいた。
マルグリッタを失った事実に耐え切れず死のうかと考えたイメルダの命を助けたのはレイラの言葉だった。
イメルダは義娘であるマルグリッタの仇を取るために、そして幼少期から自分自身のコンプレックスを刺激するかのようなことばかりしてきた憎い娘を仕留めるために懸命に殺し屋を探し、ようやくめぐり逢うことができたので、自身の部屋へと招いてカーラの殺害を依頼したのだった。
ここまでが長かった。イメルダはマルグリッタに対して申し訳のない思いを抱えていた。
今度はマルグリッタの墓に報告にでも向かおう。そんなことを考えていた時だ。扉を叩く音が聞こえた。イメルダが入室を許可すると、そこにはネオドラビア教における僧侶の服を着た若い男の姿が見えた。
「あなた誰よ?」
訝しげに問い掛けるイメルダの声に若い男は頭を下げながら言った。
「申し遅れました。私の名前はピーターです。ピーター・アニマと申します。ネオドラビア教にて大司教を務める者です」
「ネオドラビア教?どうしてまた?」
「……本日は我らの素晴らしき提案をお伝えしに参りました」
ピーターは口元に微かな笑みを浮かべながら言った。
0
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
塩対応の公子様と二度と会わないつもりでした
奏多
恋愛
子爵令嬢リシーラは、チェンジリングに遭ったせいで、両親から嫌われていた。
そのため、隣国の侵略があった時に置き去りにされたのだが、妖精の友人達のおかげで生き延びることができた。
その時、一人の騎士を助けたリシーラ。
妖精界へ行くつもりで求婚に曖昧な返事をしていた後、名前を教えずに別れたのだが、後日開催されたアルシオン公爵子息の婚約者選びのお茶会で再会してしまう。
問題の公子がその騎士だったのだ。
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる