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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
レキシーの叱責
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「本当にバカだねぇ」
「も、申し訳ありませんわ」
自宅において二人で遅めの夕食を摂る中でレキシーがカーラを叱責していた。
レキシーは近頃のカーラの様子が弛んでいることをひどく叱責していたのだ。
とりわけ、シュポスという男が絡むとカーラは本当に駄目になってしまっていた。加えて今回の駆除に駆除人ではない人間に加担させるなど正気とは思えなかった。
レキシーは嫌味っぽい口で言った。
「……もし、今回の駆除で二人が警備隊やら自警団やらに告げて、足が付いたらあんた責任を取りなよ」
「わ、分かってますわ。その時は二人を始末してこの喉を自身の針で突き刺してみせますわ」
「……ったく、恋っていうのは本当に罪深いもんだねぇ。凄腕の駆除人を盲目にしちまうんだから。本来のあんただったら害虫を駆除したその針でそのまま二人を不意打ちで襲ってたはずだよ」
レキシーの言葉には返す言葉もない。レキシーにこうして指摘されるまではそうした考えを失念していた自分がいたのも事実だ。
カーラは意気消沈した様子で部屋に戻り、額に手を置いて自己嫌悪に陥っていく。
二人は別れる際にこのことは喋らないと言っていたがあの二人が本当に言葉を喋ってしまえば自分は死ぬ羽目になってしまうのだ。そのことに関しては自分の責任なので許せるが、駆除人仲間たちを危険に晒してしまう可能性を作ってしまうというのは本当に迂闊であった。祖父が健在であったのならば罵声を浴びせられた上で蹴りでも喰らわされているだろう。カーラは子どもたちのための衣服を作り上げながらも頭の中は罪悪感でいっぱいだった。
翌朝もレキシーとは気まずい空気のようなものを感じていた。互いに無言であったし、診療所に着いてからも必要な会話以外は無言であったのだ。
レキシーが口を利かないのは自分としても辛い。昼の休憩時も一緒にお昼を買いに行こうかと誘ったが、話しかけるなと言わんばかりの圧に怯み、結局一人でお昼を買いに行くことになった。
気分転換に空き地でサンドイッチを食べていたのだが、味が感じられない。カーラが改めて自分の罪の重さを自覚していた時だ。
「カーラ、そこで何をしているのだ?」
フィンと見知らぬ騎士が声を掛けてきたのだった。見知らぬ騎士は中年の筋肉質な男で御伽噺に登場する顔の整った騎士を連想する人たちから見れば残念に思いたくなるような中年の赤い髭を蓄えた騎士だった。
カーラは騎士の観察を終えると、お昼を食べていると告げて同じ空き地で昼食を取ることになった。フィンの話によれば最近になって仕えるようになった騎士だというらしい。
騎士の名前はアドニス・フォーク。ネオドラビア教によって人生を滅茶苦茶にされたのだという。
「……そのようなことがあったのですね」
「あぁ、我々が思っていたよりもネオドラビア教の問題は思っていたよりもずっと根深いのだ」
「大変でしたわね」
「あぁ、用心のためにもしばらくの間外にも出れなかったし、あなたに会うことも叶わなかった」
「外は危険ですからな。本来は外に出るべきではないとお止めしたのですが」
「少しくらいは外に出てもいいではないか」
「こうしていうことを聞かないのです」
アドニスは頭を抱えながら言った。その姿を見てカーラは苦笑した。
フィンはどちらかといえば我を通す乱暴な一面があり、そこが魅力でもあるのだ。
カーラもフィンのそんな一面が好きだ。そこまで考えたところでカーラはまたしても思い悩んだ。現在自分はシュプスとの関係に頭を悩ませているのだ。
カーラはそこで自分の罪の深さというものを実感させられた。仮に選ぶとしたのならば一人だけであるのだが、今の自分は一人を選ぶことなどできなかった。
カーラは敵うのならば自分で自分を針で突きたい気分だった。カーラが頭を悩ませていた時だ。レキシーが空き地に寄ってきて、大きな声で業務の再開を告げる。カーラはレキシーの言葉に正気に立ち返り、慌てて王子の元から立ち去っていくのだった。
レキシーは昨日のこともあってか、どこか棘のある口調でカーラを窘めた。カーラは必死に謝り、ことなきことを得たのだった。ようやくレキシーがいつもの調子に戻ったのは失態を告げてから三日という時間が経過してからのことだった。
その理由はレキシーによれば「これ以上怒っていても仕方がないだろ」というもっともな理由によるものだった。
加えて、レキシーは元の状態に戻す条件として、四日ほど前の報酬を罰として何割か渡すように言った。この金は罰金のようなものであり、駆除人ギルドに運営のための資金源として収められるらしい。
レキシーは特例を認める代わりとしてギルドマスターに罰金を受け取られせたのだった。結果として山分けした分などを差し引けばカーラの手元には非常に少ない報酬しか残らなかった。
他の駆除人たちはカーラを慰めたが、カーラはこれを当然の罰として受け止めたのだった。あのような事例ならばレキシーが怒るのも無理はないのだ。
カーラが肩を落としていた時だ。唐突に背後から言った。
「そういえばさ、あたしは最近業務終わりに陛下の元に診察に行ってるんだけどね、そこであんたの元家族と元婚約者がいつ見てもいるんだよ。もしかしたら何かよからぬことを考えているのかもねぇ」
「……あり得ますわ。レキシーさん、せっかく仲直りしたのですし、私が知らないことも教えていただけないでしょうか?」
「いいよ。まぁ、お茶でも飲んでゆっくりと話そうじゃあないか」
レキシーの話は興味深いものだった。国王の病状が思っていたよりも重くなり、今では毎日のように宮廷に向かって薬を運ばなければ国王の身が持たないということだった。カーラはその話を聞いてレキシーに向かって言った。
「レキシーさん、よろしければ今度の診察には私も連れて行っていただけませんか?」
「バカを言うんじゃないよ。あんたが陛下の元に行ったら、あんたの元家族や元婚約者と顔を合わせることになるんだよ」
「……私はそれでよろしいですわ。あの人たちから陛下を守れるのならばなんでも……」
「あんたにそんな重い荷物を負わせる気はないよ。あんたが今度両親と再会するのは復讐の時だよ。とにかくあたしに任せておきな」
「でも、レキシーさん」
「あんたはそれよりもあんたが抱えている別の重い荷物をなんとかしなよ」
それを聞いてカーラの頭の中に思い浮かぶのはシュポスとの複雑な恋愛模様であった。駆除人と敵対するネオドラビア教の暗殺者という関係でありながらも互いに強く惹かれ合う重い恋。
レキシーがいう荷物というのはこの恋のことだろう。カーラは首を縦に振って自身の手でこの恋愛に決着を付けることを約束したのだった。
翌日の夜カーラは馬車で宮廷へと向かうレキシーを自宅の前で見送っていく。
カーラは三日の間に口を利いてくれなかったという事実が改めて重くのしかかってきたのである。
カーラがレキシーを見送る中で深い溜息を吐いていた。レキシーも馬車から意気消沈したカーラを見つめながら三日の間にカーラに対して行った罰のことを思い返し、少しばかり胸が痛んだ。
だが、駆除に駆除人ではない人物を混ぜてしまったことに関しては慣れ合いに任せてはならないのだ。
レキシーは少しでも制裁を与えなくては駆除人として示しがつかないと考えており、この考えは正しいと判断していた。
レキシーがそんなことを考えていると、馬車が宮廷に着き、レキシーはいつも通りに国王の眠る居室へと招かれた。
ベッドの周りにはベクターを始めとした四人の人間が集まっていたが、レキシーは気にすることなく四人を押し出して、診療鞄から体を騙すための薬を国王へと渡す。
国王は水と共に薬を飲み干し、頭を下げたのであった。
「……いつも済まぬな。お陰で楽だ」
「そう言ってもらえると助かります。あたしもこの調子で本当に元気になるのを祈りますよ」
「ハハッ、それは医者ではなく聖職者の仕事だな」
国王は楽しげに笑うのだが、次第に咳が強くなり、レキシーは国王の背中を優しく摩っていくのだった。
「やはり、お主は市井で評判というだけもあって、薬以外でもいい仕事を行うのだな」
「医者というのは苦しむ人を救うのが仕事ですからねぇ。これくらいはやって当然ですよ」
レキシーの言葉に国王は穏やかな笑みを浮かべた。反対に目の前の光景を見た四人の男女は危機感を抱いていた。
それは目の前の医者が国王を手懐けてしまい、自分たちにとっての大事な計画を妨害してしまうのではないのかという危機であった。
「も、申し訳ありませんわ」
自宅において二人で遅めの夕食を摂る中でレキシーがカーラを叱責していた。
レキシーは近頃のカーラの様子が弛んでいることをひどく叱責していたのだ。
とりわけ、シュポスという男が絡むとカーラは本当に駄目になってしまっていた。加えて今回の駆除に駆除人ではない人間に加担させるなど正気とは思えなかった。
レキシーは嫌味っぽい口で言った。
「……もし、今回の駆除で二人が警備隊やら自警団やらに告げて、足が付いたらあんた責任を取りなよ」
「わ、分かってますわ。その時は二人を始末してこの喉を自身の針で突き刺してみせますわ」
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レキシーの言葉には返す言葉もない。レキシーにこうして指摘されるまではそうした考えを失念していた自分がいたのも事実だ。
カーラは意気消沈した様子で部屋に戻り、額に手を置いて自己嫌悪に陥っていく。
二人は別れる際にこのことは喋らないと言っていたがあの二人が本当に言葉を喋ってしまえば自分は死ぬ羽目になってしまうのだ。そのことに関しては自分の責任なので許せるが、駆除人仲間たちを危険に晒してしまう可能性を作ってしまうというのは本当に迂闊であった。祖父が健在であったのならば罵声を浴びせられた上で蹴りでも喰らわされているだろう。カーラは子どもたちのための衣服を作り上げながらも頭の中は罪悪感でいっぱいだった。
翌朝もレキシーとは気まずい空気のようなものを感じていた。互いに無言であったし、診療所に着いてからも必要な会話以外は無言であったのだ。
レキシーが口を利かないのは自分としても辛い。昼の休憩時も一緒にお昼を買いに行こうかと誘ったが、話しかけるなと言わんばかりの圧に怯み、結局一人でお昼を買いに行くことになった。
気分転換に空き地でサンドイッチを食べていたのだが、味が感じられない。カーラが改めて自分の罪の重さを自覚していた時だ。
「カーラ、そこで何をしているのだ?」
フィンと見知らぬ騎士が声を掛けてきたのだった。見知らぬ騎士は中年の筋肉質な男で御伽噺に登場する顔の整った騎士を連想する人たちから見れば残念に思いたくなるような中年の赤い髭を蓄えた騎士だった。
カーラは騎士の観察を終えると、お昼を食べていると告げて同じ空き地で昼食を取ることになった。フィンの話によれば最近になって仕えるようになった騎士だというらしい。
騎士の名前はアドニス・フォーク。ネオドラビア教によって人生を滅茶苦茶にされたのだという。
「……そのようなことがあったのですね」
「あぁ、我々が思っていたよりもネオドラビア教の問題は思っていたよりもずっと根深いのだ」
「大変でしたわね」
「あぁ、用心のためにもしばらくの間外にも出れなかったし、あなたに会うことも叶わなかった」
「外は危険ですからな。本来は外に出るべきではないとお止めしたのですが」
「少しくらいは外に出てもいいではないか」
「こうしていうことを聞かないのです」
アドニスは頭を抱えながら言った。その姿を見てカーラは苦笑した。
フィンはどちらかといえば我を通す乱暴な一面があり、そこが魅力でもあるのだ。
カーラもフィンのそんな一面が好きだ。そこまで考えたところでカーラはまたしても思い悩んだ。現在自分はシュプスとの関係に頭を悩ませているのだ。
カーラはそこで自分の罪の深さというものを実感させられた。仮に選ぶとしたのならば一人だけであるのだが、今の自分は一人を選ぶことなどできなかった。
カーラは敵うのならば自分で自分を針で突きたい気分だった。カーラが頭を悩ませていた時だ。レキシーが空き地に寄ってきて、大きな声で業務の再開を告げる。カーラはレキシーの言葉に正気に立ち返り、慌てて王子の元から立ち去っていくのだった。
レキシーは昨日のこともあってか、どこか棘のある口調でカーラを窘めた。カーラは必死に謝り、ことなきことを得たのだった。ようやくレキシーがいつもの調子に戻ったのは失態を告げてから三日という時間が経過してからのことだった。
その理由はレキシーによれば「これ以上怒っていても仕方がないだろ」というもっともな理由によるものだった。
加えて、レキシーは元の状態に戻す条件として、四日ほど前の報酬を罰として何割か渡すように言った。この金は罰金のようなものであり、駆除人ギルドに運営のための資金源として収められるらしい。
レキシーは特例を認める代わりとしてギルドマスターに罰金を受け取られせたのだった。結果として山分けした分などを差し引けばカーラの手元には非常に少ない報酬しか残らなかった。
他の駆除人たちはカーラを慰めたが、カーラはこれを当然の罰として受け止めたのだった。あのような事例ならばレキシーが怒るのも無理はないのだ。
カーラが肩を落としていた時だ。唐突に背後から言った。
「そういえばさ、あたしは最近業務終わりに陛下の元に診察に行ってるんだけどね、そこであんたの元家族と元婚約者がいつ見てもいるんだよ。もしかしたら何かよからぬことを考えているのかもねぇ」
「……あり得ますわ。レキシーさん、せっかく仲直りしたのですし、私が知らないことも教えていただけないでしょうか?」
「いいよ。まぁ、お茶でも飲んでゆっくりと話そうじゃあないか」
レキシーの話は興味深いものだった。国王の病状が思っていたよりも重くなり、今では毎日のように宮廷に向かって薬を運ばなければ国王の身が持たないということだった。カーラはその話を聞いてレキシーに向かって言った。
「レキシーさん、よろしければ今度の診察には私も連れて行っていただけませんか?」
「バカを言うんじゃないよ。あんたが陛下の元に行ったら、あんたの元家族や元婚約者と顔を合わせることになるんだよ」
「……私はそれでよろしいですわ。あの人たちから陛下を守れるのならばなんでも……」
「あんたにそんな重い荷物を負わせる気はないよ。あんたが今度両親と再会するのは復讐の時だよ。とにかくあたしに任せておきな」
「でも、レキシーさん」
「あんたはそれよりもあんたが抱えている別の重い荷物をなんとかしなよ」
それを聞いてカーラの頭の中に思い浮かぶのはシュポスとの複雑な恋愛模様であった。駆除人と敵対するネオドラビア教の暗殺者という関係でありながらも互いに強く惹かれ合う重い恋。
レキシーがいう荷物というのはこの恋のことだろう。カーラは首を縦に振って自身の手でこの恋愛に決着を付けることを約束したのだった。
翌日の夜カーラは馬車で宮廷へと向かうレキシーを自宅の前で見送っていく。
カーラは三日の間に口を利いてくれなかったという事実が改めて重くのしかかってきたのである。
カーラがレキシーを見送る中で深い溜息を吐いていた。レキシーも馬車から意気消沈したカーラを見つめながら三日の間にカーラに対して行った罰のことを思い返し、少しばかり胸が痛んだ。
だが、駆除に駆除人ではない人物を混ぜてしまったことに関しては慣れ合いに任せてはならないのだ。
レキシーは少しでも制裁を与えなくては駆除人として示しがつかないと考えており、この考えは正しいと判断していた。
レキシーがそんなことを考えていると、馬車が宮廷に着き、レキシーはいつも通りに国王の眠る居室へと招かれた。
ベッドの周りにはベクターを始めとした四人の人間が集まっていたが、レキシーは気にすることなく四人を押し出して、診療鞄から体を騙すための薬を国王へと渡す。
国王は水と共に薬を飲み干し、頭を下げたのであった。
「……いつも済まぬな。お陰で楽だ」
「そう言ってもらえると助かります。あたしもこの調子で本当に元気になるのを祈りますよ」
「ハハッ、それは医者ではなく聖職者の仕事だな」
国王は楽しげに笑うのだが、次第に咳が強くなり、レキシーは国王の背中を優しく摩っていくのだった。
「やはり、お主は市井で評判というだけもあって、薬以外でもいい仕事を行うのだな」
「医者というのは苦しむ人を救うのが仕事ですからねぇ。これくらいはやって当然ですよ」
レキシーの言葉に国王は穏やかな笑みを浮かべた。反対に目の前の光景を見た四人の男女は危機感を抱いていた。
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