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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
初恋の音が鳴り響いて
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「この針でおれをどうするつもりだったんだ?」
シュポスがニヤニヤとした笑いを浮かべながらカーラに向かって問い掛けた。
カーラは必死に針を動かそうとするが、強い力で手首を掴まれているため動かしたくても動かせなかった。
カーラは歯を軋ませながらシュポスを睨んだ。だが、シュポスはニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべたままだった。
「……私の目論みを存じておりましたのね……」
「まぁ、あんたは曲がりなりにも駆除人だからなぁ、その仕事を見られた相手を生かしてはおかないんだとは思ってたよ」
シュポスはカーラの腕を握る力を強めながら言った。
「……なるほど、それでこの後は私をどうする気ですの?」
「どうって……どうしたらいいのかな?」
「離してほしいと懇願してみてもダメでしょうね」
「かな。さて……この状況で取れる選択肢は二つだね」
シュポスは片方の手を離し、人差し指と中指の両手を掲げて「二」を表しながら言った。
「一つ、キミがこのままおれを受け入れる。おれとキミとならいい関係を築けると思う」
シュポスは言い終わるのと同時に人差し指を下ろす。
「二つ、このまま腕を折られ、その後でおれに殺される……どっちがいいかな?」
シュポスは中指を下ろす。それから先程と同じニヤニヤとした笑顔を浮かべてカーラを見下ろす。カーラはしばらくの間は何も言わずに黙ってシュポスを見つめていたのだが、その後になぜか勝ち誇ったような笑顔を浮かべていた。
シュポスが絶望に囚われるでも泣き顔を見せるでもなく笑顔という予想外の表情を浮かべたことが気になったらしく、興味深そうにカーラを覗き込む。
そんなシュポスに対してカーラは先程と同様の愛らしい笑顔を浮かべながら問い掛けた。
「……ねぇ、私このような一方的なやり方は好みではありませんの。よろしければ対等な勝負をしていただけません?」
「対等な勝負っていうと?」
「……シュポスさんは酒場にて見事な針を披露してくれましたわ。その時に私は『あぁ、この針と戦ってみたい』そう思いましたの。その要望には応えていただきたいと思いまして」
「無茶だな。第一にその要望に応えてキミを離したらその隙を狙ってキミがおれを針で刺し殺すだろ?」
「シュポスさんのご準備ができるまで私お待ちいたしますわ」
「……おれはキミに惚れてるが、そればかりは聞けそうにないな」
「あら、ダメですの?せっかく今回の勝負でシュポスさんがお勝ちになりましたら私の方からシュポスさんともう少し深いお付き合いができるかと思っておりましたのに」
「……わかった。認めよう。だが、その代わりに約束は忘れてはいけないよ」
と、シュポスは悪戯っぽく笑う。そうして愛らしく笑う姿からは彼があの恐ろしい針の使い手と同一人物だとは思えなかった。
だが、油断してはならない。カーラは針を構えながらシュポスと向かい合う。
シュポスは服の下に仕込んでいたと思われる大量の針を見せた。そのうちの一本を取り出し、突き付けながらカーラと向き合う。
両者はしばらくの間、夕陽を背にして無言で睨み合っていたが、シュポスの方が先に動いたことによってようやく先端が切られた。両者は互いに針をぶつけ合う。針と針とではなくて剣と剣とがぶつかり合うような錯覚を両者に感じさせた。
針と針とが重なり合い、金属と金属とがぶつかり合うような音が響き合っていく。
カーラがシュポスの額に向かって針を突いたかと思うと、シュポスは頭を下げることによって回避し、そのまま真下からカーラの顎に向かって針を突き付けていく。カーラは慌てて頭を逸す事で針を回避し、そのままシュポスの心臓に向かって針を突き立てていく。
シュポスはカーラの針を空中を蹴ることによって回避したばかりか、そのまま勢いよく滑っていき、そのまま真下から針を突き立てていく。
カーラはその場から飛び上がって宙の上で捻りを入れて回転をすることによってシュポスの針に体ではなく空を切らせたのであった。
シュポスは慌てて起き上がってカーラを狙おうとしたが、カーラは起き上がる際に生じた隙を逃さなかった。背後から忍び寄り、シュポスを地面の上に押し倒したのであった。
そしてシュポスの首元に針の先端を当てながらシュポスに向かって問い掛けた。
「私の勝ちですわ」
「……参ったな。あんたがまさかおれよりも強かったなんてな……」
「私は『血吸い姫』と他の面々から呼ばれておりましてね。多少は腕に覚えがありますの。よかったら教えていただけなくて?あなたはどこの所属ですの?どうしてそんな風に針を巧みに操れますの?」
「おれの所属かい?おれはネオドラビア教の所属だ。任務は教団に敵対する人物の駆除だ。あんたたちと違うのは駆除の対象が善人であろうとも敵対すると判断したら容赦なく殺すことかな」
「私を狙っていたのは教団からの指示ですの?」
「仰る通り、モラン大司教の一件は思ったよりも根強くてな。猊下は非常時だと判断してご自身の跡取りであるポール様を派遣なされたのさ」
「ポール……それは確か」
「お察しの通り、猊下の長男の名前だ。そいつが使う便利な手駒としておれたちが本山から派遣されたのさ」
「私を狙った理由は?」
「……殺されなくちゃ殺されるというわかりやすい理由さ。もっともあんたが教団にとって不利な存在であるのならば始末しなくてはいかなくてはならなくちゃならんがな」
シュポスの口調が寂しげなものへと変わっていく。それは害虫駆除人とネオドラビア教所属の暗殺者というお互いの間に聳え立つ巨大な壁を理解したからだろう。お互いに正体が判明した以上はこれからは殺し合わなくてはならない。
いや、そもそもカーラは駆除の対象者であるシュポスを始末するために彼とのデートを受け入れたのだ。
ならば本来の筋書き通りにシュポスを始末するというのが本来の筋というものだろう。それなのに肝心の針を持つ手が震えてしまうのはどうしてだろうか。
延髄に針を突き立てようとするたびに今日のデートの思い出ばかりが浮かんでしまうのはなぜだろうか。
カーラの目に躊躇いの色が浮かぶ。嫌だ、殺したくない。
これまで駆除人として多くの人物を殺してきた彼女が初めて見せた躊躇いであった。そのためか、彼女は声を震わせながらシュポスに向かって問い掛けた。
「……シュポスさんがよろしければでいいんですの……よかったら私たちの仲間に加わってくださりません?」
「ありがたい申し出だ。あんたの隣で一緒に悪人を狩るというのも悪くはないな」
シュポスから聞こえてきたのは前向きな回答だった。その言葉を聞いてカーラは声を明るくさせたが、その直後にシュポスが発したのは一瞬抱いた希望を木っ端微塵に砕くようなものであった。
「……けど、おれにはネオドラビアの神への信仰を捨てることなんてできない……悪いけど、あんたの申し出は聞けそうにないな」
「あぁ、なんてことなの」
この時のカーラが犯した失態というのは私情に流され、シュポスを抑えていた手を緩めしてしまったことだろう。シュポスはカーラが拘束の手を緩めた瞬間を狙って地面についていたはずの手でカーラの手首を握り締めて地面の上に叩き付けた。それからゆっくりと起き上がり地面の上に倒れたカーラに向かって自身の針を突き付けていく。
「どうやらおれに惚れてしまったみたいだな」
「……さぁ、どうでしょうか?」
「いいや、間違いないな。キミはおれに惚れ込んでる」
カーラは言葉を返すことができなかった。本当に恋をしたのかどうかはわからなかったが、これまでの彼女には見られなかった躊躇いの色が見えてしまったからだ。その理由がわからずに困惑しているカーラに向かってシュポスは顔を近付けてカーラの唇に自身の唇を重ねていく。
カーラにとって人生初の口付けであった。カーラは唇を奪われてしまったのだ。信じられないと言わんばかりに両目を見開くカーラに向かってシュポスは針を引っ込め、服の中に戻すと満面の笑みを浮かべながらその肩を叩いて言った。
「それはおれからの手付け金だ。立場もあるから今後もおれとキミとは戦いを繰り返すだろう。けど、これだけは伝えておこう。キミの秘密は絶対におれは漏らさないし、キミがおれの元に来るというのならばおれはそれまでのことを水に流してキミを受け入れよう」
シュポスはそう言うと最後に呆然としているカーラを置いてその場から去っていく。
カーラは自分の身に起きた出来事が信じられずに唖然とした様子で夕焼けを眺めていた。
空き地に座るカーラを黄昏色の日差しだけが照らしていた。
シュポスがニヤニヤとした笑いを浮かべながらカーラに向かって問い掛けた。
カーラは必死に針を動かそうとするが、強い力で手首を掴まれているため動かしたくても動かせなかった。
カーラは歯を軋ませながらシュポスを睨んだ。だが、シュポスはニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべたままだった。
「……私の目論みを存じておりましたのね……」
「まぁ、あんたは曲がりなりにも駆除人だからなぁ、その仕事を見られた相手を生かしてはおかないんだとは思ってたよ」
シュポスはカーラの腕を握る力を強めながら言った。
「……なるほど、それでこの後は私をどうする気ですの?」
「どうって……どうしたらいいのかな?」
「離してほしいと懇願してみてもダメでしょうね」
「かな。さて……この状況で取れる選択肢は二つだね」
シュポスは片方の手を離し、人差し指と中指の両手を掲げて「二」を表しながら言った。
「一つ、キミがこのままおれを受け入れる。おれとキミとならいい関係を築けると思う」
シュポスは言い終わるのと同時に人差し指を下ろす。
「二つ、このまま腕を折られ、その後でおれに殺される……どっちがいいかな?」
シュポスは中指を下ろす。それから先程と同じニヤニヤとした笑顔を浮かべてカーラを見下ろす。カーラはしばらくの間は何も言わずに黙ってシュポスを見つめていたのだが、その後になぜか勝ち誇ったような笑顔を浮かべていた。
シュポスが絶望に囚われるでも泣き顔を見せるでもなく笑顔という予想外の表情を浮かべたことが気になったらしく、興味深そうにカーラを覗き込む。
そんなシュポスに対してカーラは先程と同様の愛らしい笑顔を浮かべながら問い掛けた。
「……ねぇ、私このような一方的なやり方は好みではありませんの。よろしければ対等な勝負をしていただけません?」
「対等な勝負っていうと?」
「……シュポスさんは酒場にて見事な針を披露してくれましたわ。その時に私は『あぁ、この針と戦ってみたい』そう思いましたの。その要望には応えていただきたいと思いまして」
「無茶だな。第一にその要望に応えてキミを離したらその隙を狙ってキミがおれを針で刺し殺すだろ?」
「シュポスさんのご準備ができるまで私お待ちいたしますわ」
「……おれはキミに惚れてるが、そればかりは聞けそうにないな」
「あら、ダメですの?せっかく今回の勝負でシュポスさんがお勝ちになりましたら私の方からシュポスさんともう少し深いお付き合いができるかと思っておりましたのに」
「……わかった。認めよう。だが、その代わりに約束は忘れてはいけないよ」
と、シュポスは悪戯っぽく笑う。そうして愛らしく笑う姿からは彼があの恐ろしい針の使い手と同一人物だとは思えなかった。
だが、油断してはならない。カーラは針を構えながらシュポスと向かい合う。
シュポスは服の下に仕込んでいたと思われる大量の針を見せた。そのうちの一本を取り出し、突き付けながらカーラと向き合う。
両者はしばらくの間、夕陽を背にして無言で睨み合っていたが、シュポスの方が先に動いたことによってようやく先端が切られた。両者は互いに針をぶつけ合う。針と針とではなくて剣と剣とがぶつかり合うような錯覚を両者に感じさせた。
針と針とが重なり合い、金属と金属とがぶつかり合うような音が響き合っていく。
カーラがシュポスの額に向かって針を突いたかと思うと、シュポスは頭を下げることによって回避し、そのまま真下からカーラの顎に向かって針を突き付けていく。カーラは慌てて頭を逸す事で針を回避し、そのままシュポスの心臓に向かって針を突き立てていく。
シュポスはカーラの針を空中を蹴ることによって回避したばかりか、そのまま勢いよく滑っていき、そのまま真下から針を突き立てていく。
カーラはその場から飛び上がって宙の上で捻りを入れて回転をすることによってシュポスの針に体ではなく空を切らせたのであった。
シュポスは慌てて起き上がってカーラを狙おうとしたが、カーラは起き上がる際に生じた隙を逃さなかった。背後から忍び寄り、シュポスを地面の上に押し倒したのであった。
そしてシュポスの首元に針の先端を当てながらシュポスに向かって問い掛けた。
「私の勝ちですわ」
「……参ったな。あんたがまさかおれよりも強かったなんてな……」
「私は『血吸い姫』と他の面々から呼ばれておりましてね。多少は腕に覚えがありますの。よかったら教えていただけなくて?あなたはどこの所属ですの?どうしてそんな風に針を巧みに操れますの?」
「おれの所属かい?おれはネオドラビア教の所属だ。任務は教団に敵対する人物の駆除だ。あんたたちと違うのは駆除の対象が善人であろうとも敵対すると判断したら容赦なく殺すことかな」
「私を狙っていたのは教団からの指示ですの?」
「仰る通り、モラン大司教の一件は思ったよりも根強くてな。猊下は非常時だと判断してご自身の跡取りであるポール様を派遣なされたのさ」
「ポール……それは確か」
「お察しの通り、猊下の長男の名前だ。そいつが使う便利な手駒としておれたちが本山から派遣されたのさ」
「私を狙った理由は?」
「……殺されなくちゃ殺されるというわかりやすい理由さ。もっともあんたが教団にとって不利な存在であるのならば始末しなくてはいかなくてはならなくちゃならんがな」
シュポスの口調が寂しげなものへと変わっていく。それは害虫駆除人とネオドラビア教所属の暗殺者というお互いの間に聳え立つ巨大な壁を理解したからだろう。お互いに正体が判明した以上はこれからは殺し合わなくてはならない。
いや、そもそもカーラは駆除の対象者であるシュポスを始末するために彼とのデートを受け入れたのだ。
ならば本来の筋書き通りにシュポスを始末するというのが本来の筋というものだろう。それなのに肝心の針を持つ手が震えてしまうのはどうしてだろうか。
延髄に針を突き立てようとするたびに今日のデートの思い出ばかりが浮かんでしまうのはなぜだろうか。
カーラの目に躊躇いの色が浮かぶ。嫌だ、殺したくない。
これまで駆除人として多くの人物を殺してきた彼女が初めて見せた躊躇いであった。そのためか、彼女は声を震わせながらシュポスに向かって問い掛けた。
「……シュポスさんがよろしければでいいんですの……よかったら私たちの仲間に加わってくださりません?」
「ありがたい申し出だ。あんたの隣で一緒に悪人を狩るというのも悪くはないな」
シュポスから聞こえてきたのは前向きな回答だった。その言葉を聞いてカーラは声を明るくさせたが、その直後にシュポスが発したのは一瞬抱いた希望を木っ端微塵に砕くようなものであった。
「……けど、おれにはネオドラビアの神への信仰を捨てることなんてできない……悪いけど、あんたの申し出は聞けそうにないな」
「あぁ、なんてことなの」
この時のカーラが犯した失態というのは私情に流され、シュポスを抑えていた手を緩めしてしまったことだろう。シュポスはカーラが拘束の手を緩めた瞬間を狙って地面についていたはずの手でカーラの手首を握り締めて地面の上に叩き付けた。それからゆっくりと起き上がり地面の上に倒れたカーラに向かって自身の針を突き付けていく。
「どうやらおれに惚れてしまったみたいだな」
「……さぁ、どうでしょうか?」
「いいや、間違いないな。キミはおれに惚れ込んでる」
カーラは言葉を返すことができなかった。本当に恋をしたのかどうかはわからなかったが、これまでの彼女には見られなかった躊躇いの色が見えてしまったからだ。その理由がわからずに困惑しているカーラに向かってシュポスは顔を近付けてカーラの唇に自身の唇を重ねていく。
カーラにとって人生初の口付けであった。カーラは唇を奪われてしまったのだ。信じられないと言わんばかりに両目を見開くカーラに向かってシュポスは針を引っ込め、服の中に戻すと満面の笑みを浮かべながらその肩を叩いて言った。
「それはおれからの手付け金だ。立場もあるから今後もおれとキミとは戦いを繰り返すだろう。けど、これだけは伝えておこう。キミの秘密は絶対におれは漏らさないし、キミがおれの元に来るというのならばおれはそれまでのことを水に流してキミを受け入れよう」
シュポスはそう言うと最後に呆然としているカーラを置いてその場から去っていく。
カーラは自分の身に起きた出来事が信じられずに唖然とした様子で夕焼けを眺めていた。
空き地に座るカーラを黄昏色の日差しだけが照らしていた。
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