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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
運が良かったのか、悪かったのか
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カーラはその日、診療が終わってからは特に用事というものがなかった。そのためレキシーに断りを入れてのんびりと散歩をしていた。日々の激務やモラン大司教という大物を駆除するための準備に疲れ、なんとなくこの日は一人になりたい気分だったのだ。
一人でぼんやりと夕陽を眺めたいそんな心境であった。
そんなわけで夕焼けの城下町をあてもなく歩いていた。その時にカーラはたまたま路地裏を覗いた。それは運命だったのだろう。路地裏で傷付いた姿の男を発見したのである。
随分といい顔をした男であった。満身創痍で心ここに在らずと言わんばかりの表情で壁にもたれかかっていたのだ。
カーラは見るに見かねてこの男に向かって手を差し伸べた。
この時カーラにとって幸運であったのは男もといユーリが満身創痍であり、とてもカーラに対して攻撃などできる余裕と戦いの際に自身の得物である一本鞭を落としてしまったことがなかったことにあるだろう。そうでなければ善意で手を伸ばしてきたとしても教団の敵であるカーラに対して容赦なく懐の中にある一本鞭を振るっていたに違いないからだ。
ユーリは素直にカーラの手を受け取り、彼女の肩を借りながら診療所に運ばれていく。
ズリズリと足を擦る音が聞こえてきたのだから余程のダメージを負っていたのだろう。
ユーリは診療所に運ばれ、同じくユーリの顔を知らないレキシーによって治療を受けていた。懸命な治療の結果ユーリは全身を包帯に巻かれた状態となったものの前よりは楽な気分になった。
治療の過程で傷が痛んだものの、ユーリは治療を楽にこなしてきたのであった。
ユーリは懸命な治療を行ってくれた二人に対してお礼の言葉を述べた。
「ありがとうよ。お二人さん。お陰で随分と楽になったよ」
「いえ、それよりもあなたはどうしてあんなところに倒れていたんですの?」
「裏社会の抗争ってやつなのかい?お兄さん訳ありみたいだからね」
レキシーは心配そうな視線でユーリを見守っていた。しかし、同時にレキシーの中には下心のようなものもあった。レキシーは顔のいい男が好きであり、最近は顔のいい男が少なかったことや忙しかったことなどもあり、なりを潜めていたが悪い癖が復活してきてしまったのである。
カーラはそんな相棒の数少ない欠点を見て小さな溜息を吐いた。ユーリも困ったようにレキシーを見つめていた。
二人の呆れた態度を見てレキシーもようやく自分を省みることができたのか、苦笑しながら頭を掻きながら苦笑していた。
そのような茶番ともいえるやり取りを終えた後にレキシーは本格的な病院に引き取りの連絡するために診療所を離れることになり、診療所にはカーラとユーリの両名が残されることになった。
カーラの役目はユーリーに万が一の出来事が起きた時のために備えての応対役であった。レキシーから一通りの看護術を叩き込まれているカーラからすればそれは造作もないことであったのだ。
また、暇を持て余したと思われるユーリの話し役も兼ねることになっていた。日頃から多くの老若男女を問わない患者と必要以外の会話を交わしているカーラからすれば手慣れたものだ。
カーラは退屈しているユーリのために話し相手になることを務めた。幸いなことにユーリは話し好きであり、多くの楽しい話を知っており、退屈せずに済んだ。カーラの中で特に印象的であったのは海を越えて他国を渡ったという話だった。この国から出たことないカーラにとっては物珍しいなどという言葉では言い表せなかったのだ。
ユーリの中でも特に面白かったのは海を下って東にあるという大帝国の中に伝わる伝説の話であった。
伝説によれば、そこは『理想郷』と呼ばれており、俗界とは離れた別世界を示す言葉であった。そこでは人々が争い合うこともなく平和に暮らし、お互いがお互いを必要とする人間が求めるような土地であった。カーラはそんな世界になれば自分たちの存在など必要なくなると考えて、その世界を夢見ていた。
ユーリが話を終えると、すっかりとカーラはその『理想郷』に傾向していた。
カーラはもっと根掘り葉掘りと深く掘り下げて聞こうとしたのだが、ユーリは苦笑するばかりであった。
カーラがユーリーに向かって目を輝かせながら聞いていた時だ。扉を叩く音が聞こえた。レキシーが医者を連れて帰ってきたのかと考えたが、扉を叩く音が乱暴に聞こえたためにカーラはそれが別の人物によるノックだと気が付き、神経を張り詰めながら扉の向こうにいる相手の見知らぬ誰かの出方を待った。
袖の中に仕込んでいる針はいつでも取り出せる準備ができている。扉を無理に破った瞬間にカーラの針が破った相手を襲うことは間違いなかった。
じっと息を潜めて扉の向こうの相手を警戒していた時だ。ふと扉の向こうから低いバスの音が聞こえた。
「ちくしょう!なんで診療所の扉が閉まってるんだッ!こんなんじゃあ、あの小娘を殺せねぇじゃねぇか!」
カーラは過去にこの声を一度聴いていた。過去に自分とレキシーの住む家を襲撃したあの男ーージョゼフの声であった。言葉から察するに今日のところは扉を叩くようなものは用意していないらしい。苛立ち紛れに扉を蹴る音が鳴り響いていく。だが、やがてその音も静まり、男は扉の前で舌を打ってその場から立ち去っていく。
カーラは立ち去る音を聞くと、胸を撫で下ろす。それから横たわっている患者の元へと向かっていく。カーラが戻った時患者からは先程の笑みは消えてぼんやりと虚な目でどこかを眺めていた。カーラはその顔が気になって声を掛けようとした時だ。扉を叩く音が聞こえ、中断せざるを得なかった。
扉の音の主は今度こそレキシーだった。背後には街の病院にいる医者の姿が見えた。
カーラが扉を開けて二人を迎え入れ、ユーリの元へと案内する。ユーリーは病院の医者とレキシー、カーラの三人の手によって運ばれていくのだった。担架に揺られていく中でユーリはこれまでのことを思い返していく。
ユーリはあの宣戦布告の時以来、三日にわたってギークと戦いを繰り広げてきた。だが、今回は下手を打ってしまい戦いに敗北してしまったのだ。やっとの思いで戦いの場から逃げ出せ、死に掛けていたところをカーラによって助けられたのだ。
担架で大きな病院に運ばれていく中でユーリーは自分が大きな借りを作ってしまったことを悔やんでいた。
どこでこの借りを返すべきだろう、と頭を捻っていたところで担架が病院のベッドの前に着き、病院のベッドの上に降ろされた。
それから医師と何やら会話を交わし、立ち去ろうとする二人に向かって言った。
「改めて礼を言うよ。ありがとう。今度何かあったらオレに言ってくれ、なんでも力になるよ」
「気にしなくていいんだよ、あたしたちは突然のことをしたまでなんだから」
「そうですわ。それよりもご自身のお怪我を治されるのが先決ですわ。どうかお大事になさってくださいませ」
「いいや、本当になんでも言ってくれ、オレでよければ力になるから」
「もう、顔もいい男は性格もいいっていうのは本当なんだね」
レキシーはすっかりとユーリに惚れてしまったようで、顔にデレデレと照れる姿が見えた。
相棒の情けない姿にカーラは呆れてものも言えないらしい。細い目で黙って見つめていた。
そんな二人の姿を見て笑うユーリ。二人もユーリの笑い声に釣られたのか病室の中に大きな笑い声が響き渡っていく。
気が済むまで笑い合った後で二人は病室を立ち去っていく。その姿をユーリは黙って見つめていた。
いずれこの二人が望むにしろ望まないにしろ、借りを返さなくては自分の気が済まない。そんなことを考えていた時だ。
二人と入れ違う形でギークが姿を見せた。大方とどめを刺しにきたというところだろうか。悔いはない。
ユーリが覚悟を決めて両目を閉じた時だ。ギークが先程負傷した自分に向かってカーラが手を伸ばしたようにギークが手を伸ばしたのだ。
「……そろそろやめにしない?もうあんな邪教を信じるのはやめなよ」
「それでお前たちの仲間になれと?フフッ、冗談じゃないね。オレは今更やめられないんだ。オレはドラビアの神を信じてる」
「……惜しいね。それだけの腕があればぼくらと同じようないい駆除人になれたというのにさ」
ギークはそれだけ吐き捨てると、その場から黙って立ち去っていく。
ユーリはそんなギークの寂しげな後ろ姿を黙って見送るのであった。
一人でぼんやりと夕陽を眺めたいそんな心境であった。
そんなわけで夕焼けの城下町をあてもなく歩いていた。その時にカーラはたまたま路地裏を覗いた。それは運命だったのだろう。路地裏で傷付いた姿の男を発見したのである。
随分といい顔をした男であった。満身創痍で心ここに在らずと言わんばかりの表情で壁にもたれかかっていたのだ。
カーラは見るに見かねてこの男に向かって手を差し伸べた。
この時カーラにとって幸運であったのは男もといユーリが満身創痍であり、とてもカーラに対して攻撃などできる余裕と戦いの際に自身の得物である一本鞭を落としてしまったことがなかったことにあるだろう。そうでなければ善意で手を伸ばしてきたとしても教団の敵であるカーラに対して容赦なく懐の中にある一本鞭を振るっていたに違いないからだ。
ユーリは素直にカーラの手を受け取り、彼女の肩を借りながら診療所に運ばれていく。
ズリズリと足を擦る音が聞こえてきたのだから余程のダメージを負っていたのだろう。
ユーリは診療所に運ばれ、同じくユーリの顔を知らないレキシーによって治療を受けていた。懸命な治療の結果ユーリは全身を包帯に巻かれた状態となったものの前よりは楽な気分になった。
治療の過程で傷が痛んだものの、ユーリは治療を楽にこなしてきたのであった。
ユーリは懸命な治療を行ってくれた二人に対してお礼の言葉を述べた。
「ありがとうよ。お二人さん。お陰で随分と楽になったよ」
「いえ、それよりもあなたはどうしてあんなところに倒れていたんですの?」
「裏社会の抗争ってやつなのかい?お兄さん訳ありみたいだからね」
レキシーは心配そうな視線でユーリを見守っていた。しかし、同時にレキシーの中には下心のようなものもあった。レキシーは顔のいい男が好きであり、最近は顔のいい男が少なかったことや忙しかったことなどもあり、なりを潜めていたが悪い癖が復活してきてしまったのである。
カーラはそんな相棒の数少ない欠点を見て小さな溜息を吐いた。ユーリも困ったようにレキシーを見つめていた。
二人の呆れた態度を見てレキシーもようやく自分を省みることができたのか、苦笑しながら頭を掻きながら苦笑していた。
そのような茶番ともいえるやり取りを終えた後にレキシーは本格的な病院に引き取りの連絡するために診療所を離れることになり、診療所にはカーラとユーリの両名が残されることになった。
カーラの役目はユーリーに万が一の出来事が起きた時のために備えての応対役であった。レキシーから一通りの看護術を叩き込まれているカーラからすればそれは造作もないことであったのだ。
また、暇を持て余したと思われるユーリの話し役も兼ねることになっていた。日頃から多くの老若男女を問わない患者と必要以外の会話を交わしているカーラからすれば手慣れたものだ。
カーラは退屈しているユーリのために話し相手になることを務めた。幸いなことにユーリは話し好きであり、多くの楽しい話を知っており、退屈せずに済んだ。カーラの中で特に印象的であったのは海を越えて他国を渡ったという話だった。この国から出たことないカーラにとっては物珍しいなどという言葉では言い表せなかったのだ。
ユーリの中でも特に面白かったのは海を下って東にあるという大帝国の中に伝わる伝説の話であった。
伝説によれば、そこは『理想郷』と呼ばれており、俗界とは離れた別世界を示す言葉であった。そこでは人々が争い合うこともなく平和に暮らし、お互いがお互いを必要とする人間が求めるような土地であった。カーラはそんな世界になれば自分たちの存在など必要なくなると考えて、その世界を夢見ていた。
ユーリが話を終えると、すっかりとカーラはその『理想郷』に傾向していた。
カーラはもっと根掘り葉掘りと深く掘り下げて聞こうとしたのだが、ユーリは苦笑するばかりであった。
カーラがユーリーに向かって目を輝かせながら聞いていた時だ。扉を叩く音が聞こえた。レキシーが医者を連れて帰ってきたのかと考えたが、扉を叩く音が乱暴に聞こえたためにカーラはそれが別の人物によるノックだと気が付き、神経を張り詰めながら扉の向こうにいる相手の見知らぬ誰かの出方を待った。
袖の中に仕込んでいる針はいつでも取り出せる準備ができている。扉を無理に破った瞬間にカーラの針が破った相手を襲うことは間違いなかった。
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カーラは過去にこの声を一度聴いていた。過去に自分とレキシーの住む家を襲撃したあの男ーージョゼフの声であった。言葉から察するに今日のところは扉を叩くようなものは用意していないらしい。苛立ち紛れに扉を蹴る音が鳴り響いていく。だが、やがてその音も静まり、男は扉の前で舌を打ってその場から立ち去っていく。
カーラは立ち去る音を聞くと、胸を撫で下ろす。それから横たわっている患者の元へと向かっていく。カーラが戻った時患者からは先程の笑みは消えてぼんやりと虚な目でどこかを眺めていた。カーラはその顔が気になって声を掛けようとした時だ。扉を叩く音が聞こえ、中断せざるを得なかった。
扉の音の主は今度こそレキシーだった。背後には街の病院にいる医者の姿が見えた。
カーラが扉を開けて二人を迎え入れ、ユーリの元へと案内する。ユーリーは病院の医者とレキシー、カーラの三人の手によって運ばれていくのだった。担架に揺られていく中でユーリはこれまでのことを思い返していく。
ユーリはあの宣戦布告の時以来、三日にわたってギークと戦いを繰り広げてきた。だが、今回は下手を打ってしまい戦いに敗北してしまったのだ。やっとの思いで戦いの場から逃げ出せ、死に掛けていたところをカーラによって助けられたのだ。
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「気にしなくていいんだよ、あたしたちは突然のことをしたまでなんだから」
「そうですわ。それよりもご自身のお怪我を治されるのが先決ですわ。どうかお大事になさってくださいませ」
「いいや、本当になんでも言ってくれ、オレでよければ力になるから」
「もう、顔もいい男は性格もいいっていうのは本当なんだね」
レキシーはすっかりとユーリに惚れてしまったようで、顔にデレデレと照れる姿が見えた。
相棒の情けない姿にカーラは呆れてものも言えないらしい。細い目で黙って見つめていた。
そんな二人の姿を見て笑うユーリ。二人もユーリの笑い声に釣られたのか病室の中に大きな笑い声が響き渡っていく。
気が済むまで笑い合った後で二人は病室を立ち去っていく。その姿をユーリは黙って見つめていた。
いずれこの二人が望むにしろ望まないにしろ、借りを返さなくては自分の気が済まない。そんなことを考えていた時だ。
二人と入れ違う形でギークが姿を見せた。大方とどめを刺しにきたというところだろうか。悔いはない。
ユーリが覚悟を決めて両目を閉じた時だ。ギークが先程負傷した自分に向かってカーラが手を伸ばしたようにギークが手を伸ばしたのだ。
「……そろそろやめにしない?もうあんな邪教を信じるのはやめなよ」
「それでお前たちの仲間になれと?フフッ、冗談じゃないね。オレは今更やめられないんだ。オレはドラビアの神を信じてる」
「……惜しいね。それだけの腕があればぼくらと同じようないい駆除人になれたというのにさ」
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