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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
新たな刺客が現れて
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パトリックはカーラによって体を封じ込められてしまい、身動きが取れない状況にあった。慌てて逃げ出そうともがくものの、縄で打たれているかと錯覚するほどにカーラの力は強かった。
やむを得ずに短剣を地面の上で無闇に振り回すことで二人の手から逃れようとしたものの、ピクリとも動かないのでは意味がない。
ここまでされては逃げることも不可能だろう。パトリックはやむを得ずに二人に向かって自身の権力を使って逃れることにした。
「ま、待て!お前ら、オレが誰だかわかるか?」
パトリックの懸命な声を聞いて二人は顔を突き合わせてお互いにその正体を問い掛けたが、二人にもその正体はわからないらしい。
惚けたような顔をしている。パトリックは事態を理解していない二人に向かって大きな声で叫び立てた。
「オレはパトリックだッ!パトリック・ビグラフトだッ!教皇イノケンティウスの三男だぞッ!」
「それがどうかしたのかい?」
「どうかしたのかい……だと?オレはその息子なんだということを言っているんだ。オレに傷を付けたらどうなるのか知っているだろ?」
パトリックは二人を睨みながら警告の言葉を投げ掛けたが、カーラはパトリックの問い掛けを聞いても平然とした口調で言った。
「あら、好都合ですわ。私たちはどのみちあなたのお父君とは敵対関係にありますもの。その脅しは無意味でしてよ」
「そういうこと、まぁ、これも刺客の運命だってことで諦めてくれよ」
レキシーが短剣を突き付けながら言った。短剣が窓から差し込む真っ赤な光を反射して煌めく。
だが、パトリックから見ればその光は自分を冥界へと送るための片道の手形であったのだ。パトリックは悲鳴を上げながらその命を散らした。
翌日パトリックの死体は教会の近くに放置されて発見された。
これらの事態を受けて大きく動いたのは駐屯所であった。駐屯所にいるフィンはパトリックの死体を見て緊急事態だと判断し、大勢の駐屯所の兵士たちを引き連れて教会に向かっていくのであった。
フィンは馬を降り、城を思わせるような荘厳な教会の門の前に立ち、責任者であるモラン大司教を呼び出したのであった。
知らぬ存ぜぬと言わん態度の大司教を見て、フィンは激昂しながら尋ねた。
「では、この者はどうしてここに死んでいるのだ!?この者の死と教団とは無関係ではなかろうッ!」
「……その通りです。しかし、我々はパトリック様の死因とは無関係です。私も大司教ですので、当然パトリック様と面識はありますし、ここを訪れられたこともございますが、どうしてこの前で死んでいるのか甚だ疑問でしてーー」
「嘘を吐くというのか!?」
「嘘も何も知らないのは本当でございますからね」
のらりとくらりとパトリックの死と教団の関与を否定する姿勢にフィンは苛立ちさえ感じていた。
一体何があって教皇の三男は死んだのだろうか。謎は深まるばかりである。
これについて一岩噛んでいるのが、
だが、知らぬ存んぜぬを繰り返されてはどうしようもない。証拠がなくては追求することができないのだ。何より自分がネオドラビア教を嫌っていたとしても他の貴族たちがネオドラビア教を好む限りはこれ以上の捜索に彼らより圧力が降り掛かるだろう。
フィンの気はすっかりと弱くなっており、馬を握る手にもどこか力が入らない状況にあった。そのせいだろうか、馬が自分の意思とは無関係の場所へと行ってしまっていた。
馬を走らせているうちにフィンは暗い森の中に迷い込んでいた。悪夢の中に迷い込んだかのような暗い森の中だ。
歩けば歩くほどその深い闇の中へと囚われて出口へと戻ることが不可能になると錯覚させられるような不気味な森だ。
そんな暗く不気味な森の中をフィンがあてもなく馬を走らせていた時だ。背後から茂みが動く音が聞こえた。フィンが慌てて背後を振り返ると、そこには黒い装束に短剣を握った男が姿を現したのであった。
短剣を逆手に握り締めながら襲い掛かってくる姿を見て、フィンは慌てて馬から降りて、黒装束の男と剣を切り結ぶ。
短剣と長剣による打ち合いは少しの間続いたが、男が王子の握る長剣を掻い潜ってその胸元に短剣を突き立ててきた。
フィンが短剣が目の前に迫ってきた時既に死を覚悟していた。突然背後から空を切るような音が聞こえたかと思うと、短剣が背後から飛び、男を地獄へと誘ったのであった。
フィンは慌てて背後を見渡したが、その姿は見えなかった。恐らくギルドマスターが雇ったという凄腕の駆除人だろう。その人物の性別はわからないが、自分にとっては守護の女神だった。
どんな形にせよ、フィンは背後から飛んできた短剣によってその命を救われたのであった。
フィンは肩の力を抜いて大きく溜息を吐く。それから馬に乗って出口を探して彷徨い歩いていく。
男が倒された後はフィンの中から恐怖感が抜けたのか、冷静に自身の状況を見極めて出口への道を探し、無事に森から外に出ることに成功したのである。
出口から森を脱出する姿を見て、二度目の護衛を務めることになっていたギークは大きな溜息を吐いた。
「やれやれ、厄介な王子様だ。何を考えたらこんなところに迷い込むんだろ」
だが、影であるギークの言葉がフィンに聞こえることはなかった。
ギークは不満を呟きながらフィンの後を追う。ギルドマスターから護衛として派遣されているためフィンの影となるのは当然であった。
ギークが物陰に隠れつつフィンを追っていた時だ。背後から気配を感じて慌てて振り返る。そこにはシャープな顔立ちをした美男子が立っていた。
精悍でそれでいて男前と称してもいいほどの男はギークが可愛らしい顔をしてフェロモンを放っているのとは対照的に男の色気というものに満ち溢れていた。
美男子であるためか、身に付けていた薄緑色のジャケットを羽織り、同じ色のベストがやけに似合っていた。
服装からはこだわりのようなものも感じられた。ギークが剣を構えながら男を警戒していると、不意に男が口を開いた。
「お前さん、見事な腕前だな。まさかうちの組織の人間をあんな簡単に消してしまうとはな……流石だぜ」
「褒めても何もでませんよ。いや、正確にいえば褒めて出てくるのはこの剣だけかな」
ギークが剣を突き付けながら言った。剣先が暗い森の中から微かに差し込む光によって怪しげな光を放ち、持ち主の持つ静かな殺気と合わさって恐ろしいまでの殺気を放っていた。
だが、通常の人間ならばその恐ろしさに圧倒されかねないというのに、目の前の男はそれを見ても表情一つ変えなかった。
冷淡な表情を浮かべながらギークを見つめていた。ギークの中では既に無限とも思える時間が流れていた。
長い睨み合いが続くばかりでどちらも動こうとしない。永遠に続くのだろうかとギークが危惧していた時だ。不意に男から強烈な一撃が飛ぶ。ギークが剣を振るってそれを弾いた。
だが、僅かな時間が過ぎればすぐに次の攻撃がギークを襲う。
ギークはどうしたことか男からの攻撃を防ぐので精一杯だった。
ギークが必死に剣を振るっていた時だった。不意にギークの両手から剣が取り払われてしまう。
次の瞬間にはギークの剣は近くの地面の上に投げ捨てられてしまっていた。
ギークが慌てて剣を撮りに向かおうとした時だ。ギークの手の甲に強烈な一撃が飛んだ。
ギークは手に受けた痛みで昔学校に通っていた頃のことを思い返す。
学校に通っていた頃、上手く問題が解けなければ教師から手の甲を鞭で叩かれたものだ。
ギークはそのことを思い返し、慌てて男の姿を見てみた。ギークの疑問に答えるかのように男の手の中には黒色の一本鞭が握られていた。動物の革で作られた固くとも柔軟性があるような恐ろしい鞭である。男はその長い鞭を楽しげに地面の上を打っていた。
先程の衝撃の正体はこの一本鞭であったのだ。男の持つ一本鞭は男が手を動かすたびに長くうねうねと動いており、それ自体がまるで一匹の生き物のようだった。男がどれほど長い間鞭を使って多くの人を仕留めてきたのかがわかるのだ。
ギークはそのことについて苦笑いを浮かべつつも男に挑み掛かっていく。
男の手から護衛対象を守るために。
やむを得ずに短剣を地面の上で無闇に振り回すことで二人の手から逃れようとしたものの、ピクリとも動かないのでは意味がない。
ここまでされては逃げることも不可能だろう。パトリックはやむを得ずに二人に向かって自身の権力を使って逃れることにした。
「ま、待て!お前ら、オレが誰だかわかるか?」
パトリックの懸命な声を聞いて二人は顔を突き合わせてお互いにその正体を問い掛けたが、二人にもその正体はわからないらしい。
惚けたような顔をしている。パトリックは事態を理解していない二人に向かって大きな声で叫び立てた。
「オレはパトリックだッ!パトリック・ビグラフトだッ!教皇イノケンティウスの三男だぞッ!」
「それがどうかしたのかい?」
「どうかしたのかい……だと?オレはその息子なんだということを言っているんだ。オレに傷を付けたらどうなるのか知っているだろ?」
パトリックは二人を睨みながら警告の言葉を投げ掛けたが、カーラはパトリックの問い掛けを聞いても平然とした口調で言った。
「あら、好都合ですわ。私たちはどのみちあなたのお父君とは敵対関係にありますもの。その脅しは無意味でしてよ」
「そういうこと、まぁ、これも刺客の運命だってことで諦めてくれよ」
レキシーが短剣を突き付けながら言った。短剣が窓から差し込む真っ赤な光を反射して煌めく。
だが、パトリックから見ればその光は自分を冥界へと送るための片道の手形であったのだ。パトリックは悲鳴を上げながらその命を散らした。
翌日パトリックの死体は教会の近くに放置されて発見された。
これらの事態を受けて大きく動いたのは駐屯所であった。駐屯所にいるフィンはパトリックの死体を見て緊急事態だと判断し、大勢の駐屯所の兵士たちを引き連れて教会に向かっていくのであった。
フィンは馬を降り、城を思わせるような荘厳な教会の門の前に立ち、責任者であるモラン大司教を呼び出したのであった。
知らぬ存ぜぬと言わん態度の大司教を見て、フィンは激昂しながら尋ねた。
「では、この者はどうしてここに死んでいるのだ!?この者の死と教団とは無関係ではなかろうッ!」
「……その通りです。しかし、我々はパトリック様の死因とは無関係です。私も大司教ですので、当然パトリック様と面識はありますし、ここを訪れられたこともございますが、どうしてこの前で死んでいるのか甚だ疑問でしてーー」
「嘘を吐くというのか!?」
「嘘も何も知らないのは本当でございますからね」
のらりとくらりとパトリックの死と教団の関与を否定する姿勢にフィンは苛立ちさえ感じていた。
一体何があって教皇の三男は死んだのだろうか。謎は深まるばかりである。
これについて一岩噛んでいるのが、
だが、知らぬ存んぜぬを繰り返されてはどうしようもない。証拠がなくては追求することができないのだ。何より自分がネオドラビア教を嫌っていたとしても他の貴族たちがネオドラビア教を好む限りはこれ以上の捜索に彼らより圧力が降り掛かるだろう。
フィンの気はすっかりと弱くなっており、馬を握る手にもどこか力が入らない状況にあった。そのせいだろうか、馬が自分の意思とは無関係の場所へと行ってしまっていた。
馬を走らせているうちにフィンは暗い森の中に迷い込んでいた。悪夢の中に迷い込んだかのような暗い森の中だ。
歩けば歩くほどその深い闇の中へと囚われて出口へと戻ることが不可能になると錯覚させられるような不気味な森だ。
そんな暗く不気味な森の中をフィンがあてもなく馬を走らせていた時だ。背後から茂みが動く音が聞こえた。フィンが慌てて背後を振り返ると、そこには黒い装束に短剣を握った男が姿を現したのであった。
短剣を逆手に握り締めながら襲い掛かってくる姿を見て、フィンは慌てて馬から降りて、黒装束の男と剣を切り結ぶ。
短剣と長剣による打ち合いは少しの間続いたが、男が王子の握る長剣を掻い潜ってその胸元に短剣を突き立ててきた。
フィンが短剣が目の前に迫ってきた時既に死を覚悟していた。突然背後から空を切るような音が聞こえたかと思うと、短剣が背後から飛び、男を地獄へと誘ったのであった。
フィンは慌てて背後を見渡したが、その姿は見えなかった。恐らくギルドマスターが雇ったという凄腕の駆除人だろう。その人物の性別はわからないが、自分にとっては守護の女神だった。
どんな形にせよ、フィンは背後から飛んできた短剣によってその命を救われたのであった。
フィンは肩の力を抜いて大きく溜息を吐く。それから馬に乗って出口を探して彷徨い歩いていく。
男が倒された後はフィンの中から恐怖感が抜けたのか、冷静に自身の状況を見極めて出口への道を探し、無事に森から外に出ることに成功したのである。
出口から森を脱出する姿を見て、二度目の護衛を務めることになっていたギークは大きな溜息を吐いた。
「やれやれ、厄介な王子様だ。何を考えたらこんなところに迷い込むんだろ」
だが、影であるギークの言葉がフィンに聞こえることはなかった。
ギークは不満を呟きながらフィンの後を追う。ギルドマスターから護衛として派遣されているためフィンの影となるのは当然であった。
ギークが物陰に隠れつつフィンを追っていた時だ。背後から気配を感じて慌てて振り返る。そこにはシャープな顔立ちをした美男子が立っていた。
精悍でそれでいて男前と称してもいいほどの男はギークが可愛らしい顔をしてフェロモンを放っているのとは対照的に男の色気というものに満ち溢れていた。
美男子であるためか、身に付けていた薄緑色のジャケットを羽織り、同じ色のベストがやけに似合っていた。
服装からはこだわりのようなものも感じられた。ギークが剣を構えながら男を警戒していると、不意に男が口を開いた。
「お前さん、見事な腕前だな。まさかうちの組織の人間をあんな簡単に消してしまうとはな……流石だぜ」
「褒めても何もでませんよ。いや、正確にいえば褒めて出てくるのはこの剣だけかな」
ギークが剣を突き付けながら言った。剣先が暗い森の中から微かに差し込む光によって怪しげな光を放ち、持ち主の持つ静かな殺気と合わさって恐ろしいまでの殺気を放っていた。
だが、通常の人間ならばその恐ろしさに圧倒されかねないというのに、目の前の男はそれを見ても表情一つ変えなかった。
冷淡な表情を浮かべながらギークを見つめていた。ギークの中では既に無限とも思える時間が流れていた。
長い睨み合いが続くばかりでどちらも動こうとしない。永遠に続くのだろうかとギークが危惧していた時だ。不意に男から強烈な一撃が飛ぶ。ギークが剣を振るってそれを弾いた。
だが、僅かな時間が過ぎればすぐに次の攻撃がギークを襲う。
ギークはどうしたことか男からの攻撃を防ぐので精一杯だった。
ギークが必死に剣を振るっていた時だった。不意にギークの両手から剣が取り払われてしまう。
次の瞬間にはギークの剣は近くの地面の上に投げ捨てられてしまっていた。
ギークが慌てて剣を撮りに向かおうとした時だ。ギークの手の甲に強烈な一撃が飛んだ。
ギークは手に受けた痛みで昔学校に通っていた頃のことを思い返す。
学校に通っていた頃、上手く問題が解けなければ教師から手の甲を鞭で叩かれたものだ。
ギークはそのことを思い返し、慌てて男の姿を見てみた。ギークの疑問に答えるかのように男の手の中には黒色の一本鞭が握られていた。動物の革で作られた固くとも柔軟性があるような恐ろしい鞭である。男はその長い鞭を楽しげに地面の上を打っていた。
先程の衝撃の正体はこの一本鞭であったのだ。男の持つ一本鞭は男が手を動かすたびに長くうねうねと動いており、それ自体がまるで一匹の生き物のようだった。男がどれほど長い間鞭を使って多くの人を仕留めてきたのかがわかるのだ。
ギークはそのことについて苦笑いを浮かべつつも男に挑み掛かっていく。
男の手から護衛対象を守るために。
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