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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
ネオドラビア教の教義
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その街は全体が巨大な教会といってもよかった。ただし正規の教会ではない。
新興宗教団体ネオドラビア教の教会が支配する街であった。
街の至る所にネオドラビア教の信徒が溢れ、ネオドラビア教の教えに沿った規則を書いた看板が至る所に立っていた。
それもその筈、この街こそがネオドラビア教の総本山にしてネオドラビア教の教祖イノケンティウス・ビグラフトの出身地ゴルーダの街であったのだから。
街の中心部に聳え立つ巨大な塔がイノケンティウスの居城であり、彼にとっての楽園ともいえる場所であった。
イノケンティウスはこの楽園に篭り、自分の手駒として活躍する各地の大司教からの貢ぎ物を心待ちにしていた。
ネオドラビア教の大司教は各地にいるが、その中でも国王のお膝元とされる城下町からは多数の収益が期待されている。
イノケンティウスは塔の中心部に築かれた聖堂の中の更にその中央にある聖壇の上に設けられた自分だけの玉座に腰を掛けて大司教からの報告を待っていた。
各地の大司教が貢ぎ物と共にネオドラビア教における決められた言葉を述べていく。
「混沌と闇とが渦巻くこの世界にただ一人舞い降りてこられた我らが神の化身、聖なる教皇イノケンティウス・ビグラフト様!あなた様の教えによって我々は今日の日を生きております。いかに邪教の徒が我らの行く手を阻もうともイノケンティウス様より教えによって邪法を砕き、民の救済を図ろうと思います!」
それを聞いてイノケンティウスは退屈したような顔を浮かべながらパラパラと小さく手を叩いていく。
決められた台詞を発した大司教の一人は玉座に座るイノケンティウスの前に貢ぎ物を両手に抱えた従者を従え彼の前に膝をつき、貢ぎ物をイノケンティウスに渡す。
だが、与えられた貢ぎ物を見てもイノケンティウスは納得がいかないような表情を浮かべていた。
「少ないな」
「も、申し訳ありません。今回は国から税金が多く取られ、その分こちらに回すための金額がなかったそうで……」
「それをなんとかするのが大司教の役目でしょうが……」
イノケンティウスは重い溜息を吐きながら言った。
どこか別の方角を向いたかと思えば、すぐに両目を青白く光らせた。老人とは思えないほどにその目は鋭く尖っている。自分たちにとっての絶対者である教皇の放つ無言の威圧に耐え切れず固まっており現実が直視できずにいた大司教に向かって低い声で言った。
「キミ、首ね。後任はきみが継ぎなさい」
「お、お待ちください!私はこれまでの長い年月を教団に捧げて参りましたッ!そ、それだというのにどうして私がーー」
「結果を出せなかったからだよ。お分かりかな?」
イノケンティウスは笑顔を浮かべながら問い掛けた。しかしその笑顔にはこれ以上言うなと言わんばかりの威圧感が含まれていた。大司教だった男はそれを見ると逆らえなくなったのか、肩をこわばらせながら頭を下げてその場から下がっていく。
そのまま大司教だった男の背後をついて行こうとする従者の男に向かってイノケンティウスは軽い口調で言った。
「キミ、次の大司教をしなよ」
「えっ、わ、私がですか!?」
「そう、使えないあいつに代わって来月から貢ぎ物を持ってきてよ」
「……猊下のご期待に沿えるかどうかはわかりませんが、努力してご覧にいれます」
「キミキミ、違うよ。努力っていうのは子どもがやるもんだ。大人は必ずやり遂げるものだ。わかったね?」
「は、はい!」
従者だった男は慌てて頭を下げてその場から脱していく。
このようなハプニングが続いたものの、各地の大司教による感謝の言葉と貢ぎ物が続き、イノケンティウスを満足させていく。
そしてイノケンティウスが待ちかねていたモラン大司教とその従者による貢ぎ物が姿を見せた。普段ならば貴金属や金品に溢れた貢ぎ物が今回はやけに少なかった。どういうことかとイノケンティウスが眺めていると、モラン大司教は足元で這いつくばりながら許しを乞う。
「も、申し訳ございません!実は頼みの綱である麻薬貿易のルートを何者かによって潰され、猊下にお捧げする予定の貢ぎ物が予想を下回ってしまいましたッ!」
「それはどういうことなのかな?」
この時足元で許しを乞うモラン大司教にはイノケンティウスの背後から巨大な黒い影のようなものが見えた。いや、そんな断片的なものではない。それはハッキリとした自分たちが信仰するネオドラビアの姿であった。
この時聖堂の窓が開かれ、強風が舞い込みモラン大司教の体を撫でた。
モラン大司教は震えた。イノケンティウスの恐ろしさに。だからだろう。必死に額を地面の上に擦り付けて許しを乞う。
既に自身が信奉する神と同一の存在となり、ギラリと両目を開き、這いつくばるモラン大司教を見下ろしながら低い声で告げた。
「どういうつもりだと聞いているんだ。聞こえなかったのか?」
「い、いえ、そ、そのような……」
「これはお前の信心が足りないということになるな」
「そ、それは……」
「まぁ、いい。あと一ヶ月待ってやろう。それまでに今回の分を合わせた貢ぎ物を持ってこい」
「は、はい」
そのまま背中を向けてその場を立ち去ろうとするモラン大司教に向かって言った。
「待て、お前の力だけじゃ不安だろうからな。特別に息子を貸してやろう」
「ご、ご子息を……?」
イノケンティウスは手を大きく叩いた。すると、玉座の背後から無骨な風体の男がニヤニヤとした顔を浮かべながら現れた。
「ジョゼフ、モラン大司教に手を貸してやれ」
ジョゼフと呼ばれた男はニヤリと笑いながら言った。
「造作もないことでございます」
ジョゼフはそれから父親の前に跪き、モラン大司教の後をついていく。イノケンティウスは二人が去っていく姿をなんの表情も浮かべずに見つめていた。
「では、お納めくださいませ」
この日珍しくカーラは診療所の帰りに服を納めにきており、その帰りであったのだ。
「いつも素晴らしい服をありがとうございます。カーラさん」
服飾店の店主は自分の店で雇っているわけではない副業のお針子に対して直々に出迎えて見送った上にお礼の言葉まで述べた。それだけカーラの縫う服は評判がいいのだ。
カーラは謙遜してみせたが、いくら言っても店主はカーラの服を褒めるのをやめようとしない。実際にカーラが縫った服が店頭に出れば客は来るし、服自体も高い値段を付けて売られる。その上自由業であるので服を払う時の代金以外では服を払わなくてもよかった。
服飾店の店主からすれば『福の神』と呼んでも差し支えなかったのだ。
これくらいの対応はむしろ当然といえた。カーラは服飾店の店主の期待に応えて最後に握手を交わしたが、どこか手が固くてなかなか振り解くことができなかった。
カーラはしつこい店主の手から逃れて、帰りに菓子屋に寄ろうと考えた。菓子屋が新作のお菓子を売り出し始めたらしい。キャラメルなる菓子だ。
砂糖と牛乳を煮詰めて作る黄土色に近い色をした飴のような菓子は既に城下町の間では流行りの菓子となっており、カーラもその流行りに乗りたかったのだ。
そればかりではない。そろそろ孤児院を慰問で訪れる頃も近付いていた。それについての話し合いもここの店主としたかった。カーラが店先で悩んでいた時だ。
背後にただならぬ気配を感じて振り返ると、そこには手に剣を握った無骨な風体の男が立っていた。何者かと思って問い掛けようとした時だ。男はカーラの耳元で囁くように言った。
「振り返るな。黙って歩け」
「……一体あなたは何者なんですの?」
「ジョゼフだ。ジョゼフ・ビグラフト。それがオレの名前だ」
カーラはその苗字には聞き覚えがあった。ビグラフトというのは新興宗教団体の教祖の名前なのだ。
それと同じ苗字を名乗っているということはすなわち自分を脅している人物はその血縁者にあたるのだろう。
カーラは護身用として袖の下に仕込んでいる針を出そうかと思案したが、ピッタリと背後に回られては抜けるものも抜けないだろう。針を抜いて反撃するよりもジョゼフの反撃を喰らうのがオチである。
カーラは観念していうがままになるしかなかったが、皮肉にも恐怖で固まっているカーラを勇気付けたのは襲っている本人であった。
「安心しな。今回は殺しにきたんじゃねぇから」
「じゃあ、なんできたんですの?」
「警告だ。オレたちに逆らえばどうなるのか、とな」
カーラはそれを聞いて思わず背筋を凍らせてしまう。覚悟はしていたとはいえ新興宗教団体との戦いがようやく始まったのだ、とカーラは身構えた。
本日は投稿が遅れて申し訳ありません。少しドタバタして投稿の時間がずれてしまいました。
新興宗教団体ネオドラビア教の教会が支配する街であった。
街の至る所にネオドラビア教の信徒が溢れ、ネオドラビア教の教えに沿った規則を書いた看板が至る所に立っていた。
それもその筈、この街こそがネオドラビア教の総本山にしてネオドラビア教の教祖イノケンティウス・ビグラフトの出身地ゴルーダの街であったのだから。
街の中心部に聳え立つ巨大な塔がイノケンティウスの居城であり、彼にとっての楽園ともいえる場所であった。
イノケンティウスはこの楽園に篭り、自分の手駒として活躍する各地の大司教からの貢ぎ物を心待ちにしていた。
ネオドラビア教の大司教は各地にいるが、その中でも国王のお膝元とされる城下町からは多数の収益が期待されている。
イノケンティウスは塔の中心部に築かれた聖堂の中の更にその中央にある聖壇の上に設けられた自分だけの玉座に腰を掛けて大司教からの報告を待っていた。
各地の大司教が貢ぎ物と共にネオドラビア教における決められた言葉を述べていく。
「混沌と闇とが渦巻くこの世界にただ一人舞い降りてこられた我らが神の化身、聖なる教皇イノケンティウス・ビグラフト様!あなた様の教えによって我々は今日の日を生きております。いかに邪教の徒が我らの行く手を阻もうともイノケンティウス様より教えによって邪法を砕き、民の救済を図ろうと思います!」
それを聞いてイノケンティウスは退屈したような顔を浮かべながらパラパラと小さく手を叩いていく。
決められた台詞を発した大司教の一人は玉座に座るイノケンティウスの前に貢ぎ物を両手に抱えた従者を従え彼の前に膝をつき、貢ぎ物をイノケンティウスに渡す。
だが、与えられた貢ぎ物を見てもイノケンティウスは納得がいかないような表情を浮かべていた。
「少ないな」
「も、申し訳ありません。今回は国から税金が多く取られ、その分こちらに回すための金額がなかったそうで……」
「それをなんとかするのが大司教の役目でしょうが……」
イノケンティウスは重い溜息を吐きながら言った。
どこか別の方角を向いたかと思えば、すぐに両目を青白く光らせた。老人とは思えないほどにその目は鋭く尖っている。自分たちにとっての絶対者である教皇の放つ無言の威圧に耐え切れず固まっており現実が直視できずにいた大司教に向かって低い声で言った。
「キミ、首ね。後任はきみが継ぎなさい」
「お、お待ちください!私はこれまでの長い年月を教団に捧げて参りましたッ!そ、それだというのにどうして私がーー」
「結果を出せなかったからだよ。お分かりかな?」
イノケンティウスは笑顔を浮かべながら問い掛けた。しかしその笑顔にはこれ以上言うなと言わんばかりの威圧感が含まれていた。大司教だった男はそれを見ると逆らえなくなったのか、肩をこわばらせながら頭を下げてその場から下がっていく。
そのまま大司教だった男の背後をついて行こうとする従者の男に向かってイノケンティウスは軽い口調で言った。
「キミ、次の大司教をしなよ」
「えっ、わ、私がですか!?」
「そう、使えないあいつに代わって来月から貢ぎ物を持ってきてよ」
「……猊下のご期待に沿えるかどうかはわかりませんが、努力してご覧にいれます」
「キミキミ、違うよ。努力っていうのは子どもがやるもんだ。大人は必ずやり遂げるものだ。わかったね?」
「は、はい!」
従者だった男は慌てて頭を下げてその場から脱していく。
このようなハプニングが続いたものの、各地の大司教による感謝の言葉と貢ぎ物が続き、イノケンティウスを満足させていく。
そしてイノケンティウスが待ちかねていたモラン大司教とその従者による貢ぎ物が姿を見せた。普段ならば貴金属や金品に溢れた貢ぎ物が今回はやけに少なかった。どういうことかとイノケンティウスが眺めていると、モラン大司教は足元で這いつくばりながら許しを乞う。
「も、申し訳ございません!実は頼みの綱である麻薬貿易のルートを何者かによって潰され、猊下にお捧げする予定の貢ぎ物が予想を下回ってしまいましたッ!」
「それはどういうことなのかな?」
この時足元で許しを乞うモラン大司教にはイノケンティウスの背後から巨大な黒い影のようなものが見えた。いや、そんな断片的なものではない。それはハッキリとした自分たちが信仰するネオドラビアの姿であった。
この時聖堂の窓が開かれ、強風が舞い込みモラン大司教の体を撫でた。
モラン大司教は震えた。イノケンティウスの恐ろしさに。だからだろう。必死に額を地面の上に擦り付けて許しを乞う。
既に自身が信奉する神と同一の存在となり、ギラリと両目を開き、這いつくばるモラン大司教を見下ろしながら低い声で告げた。
「どういうつもりだと聞いているんだ。聞こえなかったのか?」
「い、いえ、そ、そのような……」
「これはお前の信心が足りないということになるな」
「そ、それは……」
「まぁ、いい。あと一ヶ月待ってやろう。それまでに今回の分を合わせた貢ぎ物を持ってこい」
「は、はい」
そのまま背中を向けてその場を立ち去ろうとするモラン大司教に向かって言った。
「待て、お前の力だけじゃ不安だろうからな。特別に息子を貸してやろう」
「ご、ご子息を……?」
イノケンティウスは手を大きく叩いた。すると、玉座の背後から無骨な風体の男がニヤニヤとした顔を浮かべながら現れた。
「ジョゼフ、モラン大司教に手を貸してやれ」
ジョゼフと呼ばれた男はニヤリと笑いながら言った。
「造作もないことでございます」
ジョゼフはそれから父親の前に跪き、モラン大司教の後をついていく。イノケンティウスは二人が去っていく姿をなんの表情も浮かべずに見つめていた。
「では、お納めくださいませ」
この日珍しくカーラは診療所の帰りに服を納めにきており、その帰りであったのだ。
「いつも素晴らしい服をありがとうございます。カーラさん」
服飾店の店主は自分の店で雇っているわけではない副業のお針子に対して直々に出迎えて見送った上にお礼の言葉まで述べた。それだけカーラの縫う服は評判がいいのだ。
カーラは謙遜してみせたが、いくら言っても店主はカーラの服を褒めるのをやめようとしない。実際にカーラが縫った服が店頭に出れば客は来るし、服自体も高い値段を付けて売られる。その上自由業であるので服を払う時の代金以外では服を払わなくてもよかった。
服飾店の店主からすれば『福の神』と呼んでも差し支えなかったのだ。
これくらいの対応はむしろ当然といえた。カーラは服飾店の店主の期待に応えて最後に握手を交わしたが、どこか手が固くてなかなか振り解くことができなかった。
カーラはしつこい店主の手から逃れて、帰りに菓子屋に寄ろうと考えた。菓子屋が新作のお菓子を売り出し始めたらしい。キャラメルなる菓子だ。
砂糖と牛乳を煮詰めて作る黄土色に近い色をした飴のような菓子は既に城下町の間では流行りの菓子となっており、カーラもその流行りに乗りたかったのだ。
そればかりではない。そろそろ孤児院を慰問で訪れる頃も近付いていた。それについての話し合いもここの店主としたかった。カーラが店先で悩んでいた時だ。
背後にただならぬ気配を感じて振り返ると、そこには手に剣を握った無骨な風体の男が立っていた。何者かと思って問い掛けようとした時だ。男はカーラの耳元で囁くように言った。
「振り返るな。黙って歩け」
「……一体あなたは何者なんですの?」
「ジョゼフだ。ジョゼフ・ビグラフト。それがオレの名前だ」
カーラはその苗字には聞き覚えがあった。ビグラフトというのは新興宗教団体の教祖の名前なのだ。
それと同じ苗字を名乗っているということはすなわち自分を脅している人物はその血縁者にあたるのだろう。
カーラは護身用として袖の下に仕込んでいる針を出そうかと思案したが、ピッタリと背後に回られては抜けるものも抜けないだろう。針を抜いて反撃するよりもジョゼフの反撃を喰らうのがオチである。
カーラは観念していうがままになるしかなかったが、皮肉にも恐怖で固まっているカーラを勇気付けたのは襲っている本人であった。
「安心しな。今回は殺しにきたんじゃねぇから」
「じゃあ、なんできたんですの?」
「警告だ。オレたちに逆らえばどうなるのか、とな」
カーラはそれを聞いて思わず背筋を凍らせてしまう。覚悟はしていたとはいえ新興宗教団体との戦いがようやく始まったのだ、とカーラは身構えた。
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