婚約破棄された悪役令嬢の巻き返し!〜『血吸い姫』と呼ばれた少女は復讐のためにその刃を尖らせる〜

アンジェロ岩井

文字の大きさ
上 下
59 / 223
第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』

『マーモ』を覆う影を取り払って

しおりを挟む
「大丈夫かい?カーラ?」

レキシーが慌ててカーラの元へと寄っていく。

「えぇ、平気ですわ。それよりもあの方々がわざわざ警告に訪れるだなんて予想外でしたわ」

「あぁ、まさかこんな大勢の人が来てるところであんたに掴み掛かるとはね……あたしも考えなかったよ」

二人が黙って顔を合わせていると、厨房から騒ぎを聞き付けたメイソンが慌てて二人の元へと駆け寄っていく。

「大丈夫でしたか?娘がひどい真似をしてしまって……本当に申し訳ありません」

「いいえ、お気になさらず……それよりも娘さんがあのようになられてしまった理由をお聞かせ願えませんか?」

「……娘の存在が可愛くてね。私もマリーもつい甘やかしてしまったのです。最初は可愛いものでした。けれど、徐々に変貌していきましてね。彼女は自分の思い通りにならないことはないと思うようになりました。増長し、悪い男たちとつるむようになりました。そればかりか、私たちに暴力まで……」

メイソンの手が震えている。余程の事情があるに違いない。二人は敢えて詮索することはなくメイソンにフルコースの続きを懇願した。
メイソンは呆気に取られたような表情を浮かべていたが、厨房へと戻っていく。
レキシーは料理が来るまでの暇を潰すためにワインが入ったグラスを揺らしながらカーラに問い掛けた。

「そういえばさっき、いつぞやの『這いつくばり姫』の劇の時に見せた義理の姉みたいなことをあいつに言ってたけど、あれはどうしてだい?」

「あぁ、その件ですか……それは彼女に気が変わらせないようにさせるためですよ」

「成る程、あんたも策士だねぇ」

レキシーは口元を怪しげな笑みで歪めていく。カーラは例の襲撃で完全にスローンを仕留める気でいるのだ。その計画を狂わせてはならない。そうした執念があのような『這いつくばり姫』に登場する義理の姉のような表情を作り出し、台詞を喋らせたのだろう。
レキシーはカーラが魅せる演技力に感心していた。
その後で魚料理を片付け、肉料理を待っている間に酒を飲みながら話し合いを行なっていく。
肉料理が来てからはメインとして使われた鹿のステーキをフォークとナイフで切り刻みながら、デザートとしてプリンなる新作のスイーツが来た時も二人は真剣な顔を引っ込めなかった。最後に茶が運ばれて二人で茶を啜っていく。茶の葉は中々いいものを使っており二人は肩の力を抜くことができた。

二人で料理を平らげると扉を出てレストランの門を出て二人で夜の街を並んで歩いていく。城下町というのは騒がしい場所以外は死んだように静まり返っている街である。二人で襲撃の準備を話すのにはちょうどいい場所であった。
二人で襲撃の準備を話し合いながら家へと向かう。その後は身支度を整えて体を休めるだけであったが、どことなく眠れない。囮といえども自分が酷い目に遭うかもしれないからだろうか。
このようなことを考えるとは自分の心も弱くなったものだ。カーラは苦笑しながらベッドの中で寝返りを打っていた。
翌日はヒューゴとギークを招いての最終的な打ち合わせが行われ、予想される襲撃に備えるを整えていく。
翌日家を出る時もカーラは少しばかり足が震えていた。緊張の中で自宅から診療所へ向かおう時だ。同行していたヒューゴからカーラの耳を疑うようなニュースが飛び込んできた。

「な、なんですって!?メイソンさんが!?」

「……そうなんですよ。メイソンさんが昨日に急死したとかで……」

「死因はなんなんだい?」

「昨日勤務終了後に自宅で召使いと晩酌していた時に発作を起こされたみたいで……」

スローンの仕業だ。間違いない。表向きは発作になっているものの、例の毒薬を使ってメイソンを殺したに違いない。だが、どういった動機でメイソンを始末したのかはカーラには理解できなかった。
いずれにせよ実の親ですら手に掛けることを躊躇しない化け物が自分たちの元に襲い掛かっくるのだ。
用心しなくてはなるまい。カーラは今日も服の袖の中に針を仕込んでおり、いざとなればすぐにスローンを始末できる準備ができた。

カーラはその日の診察が終了するまでは平穏な時間を過ごすことになっている。だが、いつでも襲撃があるのだと身構えなければならないのは疲れた。
その日最後の患者の診察が終了し、レキシーと共に診療所を出た時だ。周りを屈強な男性に囲まれてしまう。
レキシーはその男たちに囲まれて入ってこれられない状態にある。
想定内である。それでもカーラは気弱な人物の振りをしなくてはならなかった。

「な、なんなんですの!あなた方は!?」

だが、男はカーラの疑問には答えてくれなかった。カーラの腹に向かって強烈な一撃を叩き込んで鳩尾を喰らわせ、カーラを強制的に昏睡へと追い込んだのであった。
意識を失ったカーラはそのまま男たちに担ぎ上げられながらどこかへと連れ去られることになった。
というのは表向きの話である。実際のところカーラは昏睡などしていなかった。
にわか仕込みとはいえカーラは準備期間の間にギークから鳩尾を喰らった際の対処法を学び、しっかりとその意識を保っていたのである。鳩尾の瞬間に腹を引っ込めた振りをして悲鳴を上げることで鳩尾を喰らった振りをして倒れる真似をする。これだけで十分なのだ。

カーラは薄っすらと目を開けながら背後から仲間たちがつけていることを確認する。物陰で待機していたヒューゴとギークは動き始め、物陰からこっそりと男たちの後をつけてきていた。
レキシーも悲しむ振りをしながら診療所を離れてから二人に合流して後をつけてきている。
カーラは目的地に着くまでの間こっそりと尾行を続ける三人の仲間の姿を見ながら安堵の笑みを浮かべた。
連れ去られた先は郊外の空き家。スローンが根城にしているごろつきたちの溜まり場であった。カーラたちからすれば準備期間中に逆尾行や逆追跡で幾度も足を運んだ場所である。
カーラは入り口の近くで降ろされ、乱暴に体を引っ張り上げられるとそのまま突き飛ばされるように歩かされたのであった。

「痛いですわ。何をなさいますの?」

「黙れッ!この家の中にお前の義理の娘となるスローンがいるんだ。最後に挨拶くらいしろ」

男によって乱暴に突き飛ばされ、家の中を歩いていくと玄関からすぐの台所とリビングを兼任していると思われる大きな部屋の中央に揺り椅子に腰を掛けるスローンの姿が見えた。武器を持ったごろつきたちに囲まれたスローンは揺り椅子の上に優雅に腰を掛けながらごろつきの一人に連れられたカーラを一瞥するとふんと鼻を鳴らした。どうやら自分の方が上だと勝利を確信したらしい。
失礼な話だ。仮に彼女が貴族の令嬢であるのならば身分を剥奪される前の自分がしっかりと躾けているに違いない。
そんなことを考えていると男の手によって背中を乱暴に突き飛ばされ、強制的に彼女の前へと押し出されてしまう。
悲鳴を上げるカーラを受け止め、その顎を持ち上げて視線を合わせると言った。

「どうだい?今の気分というのは?」

「最悪と言いようがありませんわ。どうしてこんな真似をなさいますの……私あなたと家族になりたいと思っているだけですのに」

カーラは自分でも安っぽいと思うような台詞を吐いて懇願するような真似をしてみる。

「家族?白々しいねぇ。どうせあのクソ親父の遺産目当てでしょ?でも、まぁそのクソ親父は死んだ上に遺書を探して読んでみたらあんたの名前は載っていなかったよ」

スローンは勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言った。

「私をここで殺すというのならば『冥界王の下賜品』として最後に一つだけ教えてくださいな。どうしてあなたはご自身の父親を?」

「決まってるだろ?あいつがあんたと婚約するって言っていたからさ。遺書にあんたの名前が書かれる前にクソ親父を殺してしまおうと思ってね」

「そ、そんな理由で……」

「そういうこと。まぁ、いいや。ここであんたを殺せば遺産は全部あたしのものだしーー」

「お可哀想な方」

「なんだって?」

「お可哀想な方だと仰ったんですの。確かに私はあなたのお父様に婚約を言い渡されましたが、私は辞退しておりますわ。レストランに招かれたのは突然の婚約に対するお詫びだったんですの。要するに全て空回りしておられましたの。お分かりでして?」

カーラは先程までの怯えた顔を引っ込め、両目に青白い光を浮かべながら低い声でスローンに問い掛けた。

「な、そ、そんな……」

「……そして私はあなたが私を憎んでおり、私を攫う計画を立ていることも分かった上でわざとあなたに攫われましたの」

その言葉を聞いてスローンは何か恐ろしいものでも見るかのような目でカーラを見つめていた。

「あ、あんた何者なんだい?そこまでわかっていてなんで……」

スローンは声を震わせながらカーラに問い掛けた。
その問いに対してカーラは両目を見開いて大きな声で返答した。

「私?私は駆除人ですの。あなたのような害虫を駆除するのが私の本職でしてよ」

カーラはそこで会話を打ち切り、スローンに飛び掛かったかと思うと、手早く自身の腕をスローンの首元に回して、袖の下から針を取り出してスローンの延髄に向かって勢いよく針を突き立てのであった。スローンはカーラの針を受けた瞬間に絶命し地面の上へと崩れ落ちていく。
それを見て集まっていた男たちから絶叫が上がる。全員が持っていた武器をカーラに向かって構えた時だ。
扉が蹴破られて武器を携えた三人の駆除人が流れ込み、奇襲をかけていく。

これもカーラが立てた計画通りである。攫われた後、攫われた先で男たちの怒鳴り声が聞こえれば待機していた場所から雪崩れ込み、奇襲をかけるというものであった。
それでも相手は九人である。いささか数は多いもののヒューゴやギークは難なく相手を斬り倒していく。
レキシーも短剣を巧みに用いてヒューゴやギークよりは斬る数は劣るものの、一人一人を着実に仕留めていくのであった。
自身も針を使って遠慮なくごろつきたちを片付けていく。
いくら九人のごろつきでも四人の屈強な駆除人の前には手も足も出なかったらしい。四人の駆除人が最後の一人を仕留めて家を出る時空き家からは物音一つ聴こえず静寂のみが郊外にある空き家の中で漂っていたのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・

青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。 婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。 「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」 妹の言葉を肯定する家族達。 そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。 ※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?

つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです! 文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか! 結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。 目を覚ましたら幼い自分の姿が……。 何故か十二歳に巻き戻っていたのです。 最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。 そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか? 他サイトにも公開中。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

処理中です...