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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
メイソンの『マーモ』
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レストラン『マーモ』のオーナー、メイソンは自宅の中で塞ぎ込んでいた。
しばらくの間体調不良を理由に休んでいたが、ようやく仕事に復帰できるという喜ばしい思い以上に憧れであった診療所の看護師に振られてしまったことが大きかった。家の中で本を読んでいても一ページも進まないし、何かを書こうとしても一文字も書けない。ただインクを紙の上にこぼして闇雲に紙を消費させるばかりであった。
メイソンは暇を持て余していたのだ。寝室のベッドの上で何をするでもなくくつろいでいると、夕食の時間になったので、台所へと向かい自宅で雇っている使用人が作り置きした料理を食べ終わった後でレキシーから与えられた薬を飲み干し、自宅の長椅子の上でくつろいでいた。
その時だ。扉を強く叩く音が聞こえた。使用人は洗い物をしていて手が離せない状況にある。やむを得ずにメイソンが直々に扉を開けることになった。
メイソンがゆっくりと扉を開けるとそこには彼が知らない男が現れてメイソンの顔に強烈な拳を喰らわせたのであった。
メイソンは悲鳴を上げて尻餅をつくものの、押し入ってきた男は容赦しない。男は倒れたメイソンを殴り続けると、メイソンの胸ぐらを掴み上げて金銭を要求する。
「や、やめてくれ!お金なんてない!」
「嘘を吐くなよ。スローンから聞いたぞ?おっ?お前レストランのオーナーで金を持っているんだろ?ならあるよな?出せや」
「銅貨一枚すらない」
メイソンは声を震わせながら言った。
「ふざけんなッ!」
男はメイソンの顔面を強烈な一撃を喰らわせる。あまりにも強力な一撃にメイソンは吹き飛ばされてしまい地面の上に倒されてしまう。
男はそれでも無抵抗のメイソンを執拗なまでに痛めつけていた。
「クソがッ!クソがッ!クソがッ!テメェなんで持ってねぇんだよッ!スローンが親父なら金を持っているって聞いたのによォォォォ~!!」
男はその後でメイソンの体を弄り、本当に金がないことを知り、更に苛立ち紛れとしてメイソンを殴り続けた後で家の中を物色し、騒ぎを聞いて駆け付けたと思われる使用人の男性を殴り付け、男にとって興味のなさそうな骨董品や生きているうちに絶対に目を通さないであろう書籍を持ち去っていく。それらの品々を売って金にするつもりだろう。
メイソンは娘が自宅に帰ってこなかったもそうだが、その娘が自分や家をあのような下劣な男に売ったという事実に泣いていた。
翌日メイソンの顔は執拗な殴打によってひどく腫れていた。使用人の男は慌ててレキシーとカーラの二人を呼びに行ったのである。
メイソンの顔の怪我を聞いて二人は慌てて駆け付けた。二人がかりでの治療を行なっていく。メイソンは治療を受けている間は何も言わなかったが、二人がその場を立ち去ろうとする時に力を振り絞りながらカーラを呼び止めた。
「ど、どうなさいまして?」
「……カーラさん。昨日はすいませんでした。あなたにあのような真似をして……きっと私には罰が当たったんでしょう……私の顔がこうなってしまったのも当然でしょう」
メイソンの声は弱々しかった。顔をひどく殴られ虫の息であったことも影響しているのだろう。
「お気になさらないでくださいな。それよりもお大事になさってください。また包帯を取り替えに伺いますので」
カーラは丁寧に頭を下げて言った。メイソンからすればそれだけでも天に昇るほどの心地であったのだが、その次にカーラが述べた言葉で彼は幸福の絶頂に達した。
「元気になればメイソンさんのレストランにお食事をしに伺わせていただきますから。元気を出してくださいね」
その言葉は今のメイソンにとって魔法の呪文に等しかった。カーラからすれば同情心とスローンの駆除を円滑に行うために近付こうとしたいという邪な思いからくるものであったが、それはメイソンの心の中に微かな希望の花を咲かせることになったのであった。
メイソンは決意した。絶対に怪我を治って『マーモ』に復帰してカーラに食事をご馳走するまでは死ねない、と。
メイソンはそれから執念で怪我を治し体調を回復させた。治療を懸命に受け、レキシーから処方された薬を飲み、よくなりたいと自身に言い聞かせた結果ようやくベッドの上から起き上がることができるようになったのである。
そうした本人の努力の結果顔の怪我が引き、体調も万全のものへと戻っていったのである。怪我が引いた後もレストラン復帰のために行うリハビリの一環として男性の使用人に自らの手料理を振る舞っていた。
使用人はメイソンの手料理に感動し、復帰に向かって太鼓判を押した。
二人で仲良く向かい合って食事を摂っている時だ。扉を強く叩く音がした。
それを聞いた使用人が椅子の上から立ち上がった。だが、メイソンはその使用人を止め、自ら玄関へと向かった。
玄関の前に立っていたのは不機嫌な顔をしたスローンの顔が見えた。スローンは眉間に皺を寄せながら長く整えた青い髪を振り回しながら家の中へと上がっていく。
さまざまな部屋を物色したものの、目当てのものは見つからなかったらしく、玄関近くの壁を乱暴に蹴り飛ばす。
それからスローンはメイソンの元へと向き直り、メイソンを睨み付けた。
「テメェ、どういうことだよ?なんでこの家の中に店の権利書と王様からの営業許可証がねぇんだ!?」
「店の権利書?営業許可証?そんなものを持ち出してどうするつもりだい?」
メイソンはよくわからないと言わんばかりの態度でカーラに向かって質問を質問で投げ返す。
「ふざけるなよッ!クソ親父ッ!」
スローンは警告のつもりか、もう一度玄関近くにある壁を強く叩いたのであった。
「白状しろよ。テメェが店の権利書と営業許可証を持っているのは知っているんだ」
「それをどうするつもりなんだい?」
メイソンは本当にスローンの発した言葉の意味が分からなかったらしく首を傾げながら問い掛けた。
「決まってンだろ?テメェがくたばる前にこの店に尽くしてくれた恩人に渡すんだよ」
事態を飲み込めない父親に対して苛立ちを感じたのかスローンが眉間に皺を寄せながら説明を行った。
「残念だけどね、私は当分死ぬ予定もないし、なにより店の権利書と営業許可証は私が死んだらお前の新しい母さんに渡す予定なんだ」
「……新しい母さんだと?」
スローンは大きく両目を見開きながらメイソンを見つめる。だが、メイソンはスローンの視線など気にすることもなく冷静な声で話を続けていく。
「あぁ、お前と同じくらいか少し年下の子なんだが、すごくいい子でな。お前みたいな乱暴な言葉遣いもしないし、悪い友達もいなくしでな、私は気に入ったよ。お前には財産を渡すつもりではいるけれど、店そのものはその子に渡すつもりだ」
これは父親が娘を懲らしめるためにメイソンが咄嗟についた嘘であった。メイソンはカーラに二度も拒絶された時点でカーラに対する愛の気持ちなど忘れてしまっていたが、娘を懲らしめるためには格好の材料であったために使わせてもらっただけに過ぎなかった。
だが、スローンからすればこの世が終わるほどの衝撃であった。メイソンの死後には自分が『マーモ』を父親から受け継ぎ、オーナーの地位を自分の恋人に据えて、自分はその裏で遊び呆けるという計画を立てていたのだ。
だが、その計画は父親の再婚相手なる人物のために妨害されつつある。
スローンは激情に駆られたまま玄関を潜り、待たせていた取り巻きの男たちに向かって話しかけた。
「ねぇ、あんたら親父が死んだらあたし財産半分しか継げないらしいんだって」
「なんだと!?」
取り巻きの男たちに動揺が走る。その動揺を収めるためにスローンは満面の笑みを浮かべながら解決案を男たちに提示したのであった。
「でも安心して親父の再婚相手という人物を潰せばそんな計画立ち消えになるから」
「だが、その相手の名前がわからねぇんじゃあ襲いようもねぇだろ?」
「安心しなよ。あたしにはこんなにいっぱい頼りになる仲間がいるんだから誰かがうちの親父の動向を確認してくれるはずだろ?」
それを聞いた瞬間に取り巻きの男たちがスローンが企画した計画の全貌を理解した。メイソンの後を代わる代わるで尾行し、メイソンが熱を入れている相手を消そうというものである。
スローンは既に頭の中で見知らぬメイソンの再婚予定相手が取り巻きの男たちによって始末される姿を想像していた。
いい気味である。自分の財産を奪い取ろうとしていた泥棒猫が始末される想像は途方もなくメイソンを気持ち良くさせた。
しばらくの間体調不良を理由に休んでいたが、ようやく仕事に復帰できるという喜ばしい思い以上に憧れであった診療所の看護師に振られてしまったことが大きかった。家の中で本を読んでいても一ページも進まないし、何かを書こうとしても一文字も書けない。ただインクを紙の上にこぼして闇雲に紙を消費させるばかりであった。
メイソンは暇を持て余していたのだ。寝室のベッドの上で何をするでもなくくつろいでいると、夕食の時間になったので、台所へと向かい自宅で雇っている使用人が作り置きした料理を食べ終わった後でレキシーから与えられた薬を飲み干し、自宅の長椅子の上でくつろいでいた。
その時だ。扉を強く叩く音が聞こえた。使用人は洗い物をしていて手が離せない状況にある。やむを得ずにメイソンが直々に扉を開けることになった。
メイソンがゆっくりと扉を開けるとそこには彼が知らない男が現れてメイソンの顔に強烈な拳を喰らわせたのであった。
メイソンは悲鳴を上げて尻餅をつくものの、押し入ってきた男は容赦しない。男は倒れたメイソンを殴り続けると、メイソンの胸ぐらを掴み上げて金銭を要求する。
「や、やめてくれ!お金なんてない!」
「嘘を吐くなよ。スローンから聞いたぞ?おっ?お前レストランのオーナーで金を持っているんだろ?ならあるよな?出せや」
「銅貨一枚すらない」
メイソンは声を震わせながら言った。
「ふざけんなッ!」
男はメイソンの顔面を強烈な一撃を喰らわせる。あまりにも強力な一撃にメイソンは吹き飛ばされてしまい地面の上に倒されてしまう。
男はそれでも無抵抗のメイソンを執拗なまでに痛めつけていた。
「クソがッ!クソがッ!クソがッ!テメェなんで持ってねぇんだよッ!スローンが親父なら金を持っているって聞いたのによォォォォ~!!」
男はその後でメイソンの体を弄り、本当に金がないことを知り、更に苛立ち紛れとしてメイソンを殴り続けた後で家の中を物色し、騒ぎを聞いて駆け付けたと思われる使用人の男性を殴り付け、男にとって興味のなさそうな骨董品や生きているうちに絶対に目を通さないであろう書籍を持ち去っていく。それらの品々を売って金にするつもりだろう。
メイソンは娘が自宅に帰ってこなかったもそうだが、その娘が自分や家をあのような下劣な男に売ったという事実に泣いていた。
翌日メイソンの顔は執拗な殴打によってひどく腫れていた。使用人の男は慌ててレキシーとカーラの二人を呼びに行ったのである。
メイソンの顔の怪我を聞いて二人は慌てて駆け付けた。二人がかりでの治療を行なっていく。メイソンは治療を受けている間は何も言わなかったが、二人がその場を立ち去ろうとする時に力を振り絞りながらカーラを呼び止めた。
「ど、どうなさいまして?」
「……カーラさん。昨日はすいませんでした。あなたにあのような真似をして……きっと私には罰が当たったんでしょう……私の顔がこうなってしまったのも当然でしょう」
メイソンの声は弱々しかった。顔をひどく殴られ虫の息であったことも影響しているのだろう。
「お気になさらないでくださいな。それよりもお大事になさってください。また包帯を取り替えに伺いますので」
カーラは丁寧に頭を下げて言った。メイソンからすればそれだけでも天に昇るほどの心地であったのだが、その次にカーラが述べた言葉で彼は幸福の絶頂に達した。
「元気になればメイソンさんのレストランにお食事をしに伺わせていただきますから。元気を出してくださいね」
その言葉は今のメイソンにとって魔法の呪文に等しかった。カーラからすれば同情心とスローンの駆除を円滑に行うために近付こうとしたいという邪な思いからくるものであったが、それはメイソンの心の中に微かな希望の花を咲かせることになったのであった。
メイソンは決意した。絶対に怪我を治って『マーモ』に復帰してカーラに食事をご馳走するまでは死ねない、と。
メイソンはそれから執念で怪我を治し体調を回復させた。治療を懸命に受け、レキシーから処方された薬を飲み、よくなりたいと自身に言い聞かせた結果ようやくベッドの上から起き上がることができるようになったのである。
そうした本人の努力の結果顔の怪我が引き、体調も万全のものへと戻っていったのである。怪我が引いた後もレストラン復帰のために行うリハビリの一環として男性の使用人に自らの手料理を振る舞っていた。
使用人はメイソンの手料理に感動し、復帰に向かって太鼓判を押した。
二人で仲良く向かい合って食事を摂っている時だ。扉を強く叩く音がした。
それを聞いた使用人が椅子の上から立ち上がった。だが、メイソンはその使用人を止め、自ら玄関へと向かった。
玄関の前に立っていたのは不機嫌な顔をしたスローンの顔が見えた。スローンは眉間に皺を寄せながら長く整えた青い髪を振り回しながら家の中へと上がっていく。
さまざまな部屋を物色したものの、目当てのものは見つからなかったらしく、玄関近くの壁を乱暴に蹴り飛ばす。
それからスローンはメイソンの元へと向き直り、メイソンを睨み付けた。
「テメェ、どういうことだよ?なんでこの家の中に店の権利書と王様からの営業許可証がねぇんだ!?」
「店の権利書?営業許可証?そんなものを持ち出してどうするつもりだい?」
メイソンはよくわからないと言わんばかりの態度でカーラに向かって質問を質問で投げ返す。
「ふざけるなよッ!クソ親父ッ!」
スローンは警告のつもりか、もう一度玄関近くにある壁を強く叩いたのであった。
「白状しろよ。テメェが店の権利書と営業許可証を持っているのは知っているんだ」
「それをどうするつもりなんだい?」
メイソンは本当にスローンの発した言葉の意味が分からなかったらしく首を傾げながら問い掛けた。
「決まってンだろ?テメェがくたばる前にこの店に尽くしてくれた恩人に渡すんだよ」
事態を飲み込めない父親に対して苛立ちを感じたのかスローンが眉間に皺を寄せながら説明を行った。
「残念だけどね、私は当分死ぬ予定もないし、なにより店の権利書と営業許可証は私が死んだらお前の新しい母さんに渡す予定なんだ」
「……新しい母さんだと?」
スローンは大きく両目を見開きながらメイソンを見つめる。だが、メイソンはスローンの視線など気にすることもなく冷静な声で話を続けていく。
「あぁ、お前と同じくらいか少し年下の子なんだが、すごくいい子でな。お前みたいな乱暴な言葉遣いもしないし、悪い友達もいなくしでな、私は気に入ったよ。お前には財産を渡すつもりではいるけれど、店そのものはその子に渡すつもりだ」
これは父親が娘を懲らしめるためにメイソンが咄嗟についた嘘であった。メイソンはカーラに二度も拒絶された時点でカーラに対する愛の気持ちなど忘れてしまっていたが、娘を懲らしめるためには格好の材料であったために使わせてもらっただけに過ぎなかった。
だが、スローンからすればこの世が終わるほどの衝撃であった。メイソンの死後には自分が『マーモ』を父親から受け継ぎ、オーナーの地位を自分の恋人に据えて、自分はその裏で遊び呆けるという計画を立てていたのだ。
だが、その計画は父親の再婚相手なる人物のために妨害されつつある。
スローンは激情に駆られたまま玄関を潜り、待たせていた取り巻きの男たちに向かって話しかけた。
「ねぇ、あんたら親父が死んだらあたし財産半分しか継げないらしいんだって」
「なんだと!?」
取り巻きの男たちに動揺が走る。その動揺を収めるためにスローンは満面の笑みを浮かべながら解決案を男たちに提示したのであった。
「でも安心して親父の再婚相手という人物を潰せばそんな計画立ち消えになるから」
「だが、その相手の名前がわからねぇんじゃあ襲いようもねぇだろ?」
「安心しなよ。あたしにはこんなにいっぱい頼りになる仲間がいるんだから誰かがうちの親父の動向を確認してくれるはずだろ?」
それを聞いた瞬間に取り巻きの男たちがスローンが企画した計画の全貌を理解した。メイソンの後を代わる代わるで尾行し、メイソンが熱を入れている相手を消そうというものである。
スローンは既に頭の中で見知らぬメイソンの再婚予定相手が取り巻きの男たちによって始末される姿を想像していた。
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