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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
殺してやりたいほどの相手
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ここ最近のフィンは多忙であった。少し前に発覚した人身売買組織の摘発の他に正体不明の犯人による一家惨殺事件の対応に追われていたからだ。
もっとも一家惨殺事件の出口については近隣の住民による証言などからある程度の目星はついてはいた。
住民の証言によって浮かび上がった犯人というのはウィザード家の長男ハリーであった。ハリーは元から血の気が多い性格であり、社交界においても婦人たちの顔が引き攣るのも構わずに狩猟の獲物をどうしたのかを語っていた。
フィンはそんな話を聞くたびに顔を逸らしていた。そんな男だ。人間を殺したいという理由で平穏な一家の家に踏み込んだとしてもおかしくはない。
フィンがこの事件の犯人をハリー・ウィザードの仕業であると断定し、捜査を進めるように指示を出した時だ。
白髪に立派な白髭を唇の上に蓄えた黒いコートを羽織った立派な体躯の男が姿を現した。
この男こそ新たに地方より王子フィンの手助けのために派遣されたヘンダー・クリームウッズという警備隊の隊長であった。
ヘンダーは地方においてとある男が引き起こした連続殺人事件を解決に導いたことがあり、その手腕を国王に見込まれたのであった。
それ故にヘンダーは王子が相手でも警備隊の玄人指揮官として振る舞えることができたのであった。
ヘンダーはこの事件は長年の勘というものから近所に住む青年の仕業であると断定したのである。
だが、この青年にはれっきとしたアリバイがあるのにも関わらずに、だ。
ヘンダーは証拠や証言を集めて犯人を決めている王子とは異なり、長年の勘だけで犯人を決めていたのである。
長年の勘を根拠に犯人を定める根拠はこれもまた滅茶苦茶なものであり、この長年の勘で故郷の事件を解決したからというものであった。
フィンは証拠もなしに人を犯人だと疑うヘンダーに怒りの念を燃やしたが、長年の勘を信奉するヘンダーは聞く耳を持たなかったどころか王子の方法を甘いと断定したのであった。
「手緩いですな。そんな方法を使っていると犯人は逃げてしまいますよ」
「お前の使う方法よりは断然マシな方法だとは思うがな」
「どうでしょうな?」
ヘンダーはフィンの意見を鼻で笑った。
「失礼ながら殿下は貴族の方を犯人だと決め付けております。どうかお考え直しくださいませ」
「なんだ?貴族が犯人だと問題でもあるのか?」
「ありますッ!」
ヘンダーが大きな声で叫んだ。それからフィンの座る机の前に勢いよく両手を叩いて自身の主張を述べていく。
「仮にも我がクライン王国の中枢を担う貴族の方々がこのような下劣な犯罪を犯すわけがありませんッ!同じく王国の下級貴族の出身である私が断言致します!」
「その断言の根拠は?」
フィンはあくまでも冷静な声で言葉を返した。
「決まっているでしょう!私の経験です!」
話にならない。フィンは呆れたように首を横に振った。
だが、フィンが呆れた会話を放置したのをいいことにヘンダーは一人で勝手に会話を進めていく。
「我々貴族は天より選ばれし種族なのです!平民どもとは生まれた時からの差というものがありますッ!それ故に気品と品格が結び付いている貴族が殺人などという下劣な犯罪を犯すはずがありませんッ!」
長々とした演説に呆れたような視線を向けるフィンに対してヘンダーは身振り手振りを加えて自身の偏見に満ち溢れた貴族が犯罪を起こさないという根拠を語っていくのであった。
フィンがもう勘弁してくれと言わんばかりに席を立ってもヘンダーは部屋の中で話を続けていた。
ヘンダーはフィンが扉を閉じるのと同時に話を終えたことに気が付き、広大で優雅なる自身の演説が無視されたことに気が付き、フィンの部屋に置かれていた罪のない長椅子を強く蹴り付けたのであった。
「クソッタレッ!あの野郎……どうしておれの言葉を無視するんだ……いや、あの野郎だけじゃあない。おれが国王に直訴しにいったあの公爵……リーバイもだ。お陰であの野郎が死ぬまでこっちの出世が遅れちまったじゃねぇか!」
ヘンダーの頭は三十年以上前に戻っていた。当時地方の警備隊を務めるヘンダーは国王が部下を伴って自身の警備隊の詰所に訪れたところに現れて媚を売り、自身を売り込もうとしたのだ。
国王はすっかりお世辞の上手いヘンダーを気に入り、親衛隊の隊員として徴用しようとしたのだが、その時に側にいた男ーーリーバイ・プラフティーが国王を止めたのであった。
「お待ちください。陛下、私はこの男に親衛隊などという役を任せるのには不安があります」
「何を言うのだ。プラフティー。この男はこんなにも褒めてくれるではないか」
「それが間違いのもとなんですよ。いいですか、陛下。過去媚ばかり売る家臣を徴用した国王がどのような末路を辿ったのかは陛下ならばご存知のはずですよ」
それを聞いた国王が躊躇いの色を見せた。それを見たヘンダーは若かったこともあり、慌てて国王に反論を行うのであった。
「お、お待ちくださいませ!公爵様は何やら勘違いしておられるようですが、私は腕も立ち、頭も回ります」
「本当かい?お前さんが回るのは口だけじゃあないのか?」
リーバイの嫌味な口調にヘンダーの誇りは粉々に打ち砕かれた。ヘンダーは国王に直訴し、リーバイとの一騎打ちを所望したのであった。
当時リーバイは地元では敵う者が居ないほどの剣の使い手であった。故にそれまで護衛としての剣術しか学んでこなかったリーバイなどに負けるはずがないと思っていたのだ。
だが、ヘンダーはあっさりと負けた。リーバイにあっさりと自身の木刀を弾かれた上に木剣の先端を突き付けられたのだ。
何よりも腹が立ったのはリーバイがヘンダーに運良く勝ったように装ったかのように振る舞ったことであった。
剣の腕こそ劣るもののリーバイの演技が見抜けないほどヘンダーの目は曇っていなかった。
リーバイは困ったように頭を掻きながら国王に向かって問い掛けた。
「陛下どう致しましょうか?この方よりも腕が落ちるはずの私の方が勝ってしまいましたが」
「……まさか、普段ぼんやりとしているお主に負けるとはな……ヘンダーとやら失望したぞ。親衛隊の話はなしじゃ。どうしても城下町に来たいのならば何か手柄を立ててから来い。そうすればワシが直々に取り上げてやろう」
「へ、陛下ッ!お待ちくださいませッ!」
ヘンダーは必死に訴え掛けたが、国王は聞く耳を持たなかった。
ヘンダーはそれから一念発起し、手柄を立てるために躍起になっていったのであった。
地道な捜査をお人好しの同僚に押し付け、犯罪が起これば犯人を断定し、その人物を自白を強要するまで拷問して痛め付ける。ヘンダー式拷問法と呼ばれる方法を考案し、それを後輩たちにも指導していき、とうとう連続殺人事件を解決に導くにまで至ったのである。どれもこれも全てリーバイを見返したいという一念から考案したものであり、国王に取り入れるためのものであった。
それ故に国王に呼び出され、王子の補佐を行えと命じられた時には小躍りをするほどに喜んだというのに肝心の王子があの忌々しいリーバイ同様に自分の言うことを聞かずにあろうことか貴族の人間を犯人として引き立てようとしている。
それだけは絶対に阻止しなくてはならない。ヘンダーが部屋の中を忙しなく動き回っていた時だ。扉を叩く音が聞こえてヘンダーが入室を許可した。
部屋に入ってきたのは青白い顔をした鷲のような曲がった鼻が目立つ青年と同じく鷲鼻を拵えた中年の男性と中年の女性が姿を見せた。
「あの、こちらは警備隊司令官室で間違いありませんね?」
「えぇ、そうですよ。ただし司令官である王子殿下はご不在でしてね。代わりに隊長である私がこの部屋の留守を預かっております」
「左様ですか?では、その隊長さんにお願いがあって参りましたの。どうかウチの息子に迷惑が掛からないようにしてほしいのです」
中年の女性の背後から連れてきたと思われるエプロンのドレスの女性が大きな黒塗りの箱を持って現れた。
ヘンダーが地面の上に置かれた箱を開けると、その中には目が眩むほどの財宝が詰められていた。
「こ、これは……」
「どうでしょう?息子を無罪にしてはいただけませんか?」
その瞬間にヘンダーは全てを察した。犯人はハリー・ウィザードで確定である、と。
本来であるのならば中年の男性の問い掛けにはっきりと否定の言葉を突きつけるべきだっただろう。だが、ヘンダーは口元を怪しい笑顔で歪めながら言った。
「造作もないことです」
ヘンダーは黒塗りの箱を受け取り、その財宝を確認した。両手を広げても受け入れられない財宝が部屋の中を照らしているのに対して、外はいかにも雨が降りそうなほどに暗雲が立ち込めていたのだった。
もっとも一家惨殺事件の出口については近隣の住民による証言などからある程度の目星はついてはいた。
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ヘンダーは地方においてとある男が引き起こした連続殺人事件を解決に導いたことがあり、その手腕を国王に見込まれたのであった。
それ故にヘンダーは王子が相手でも警備隊の玄人指揮官として振る舞えることができたのであった。
ヘンダーはこの事件は長年の勘というものから近所に住む青年の仕業であると断定したのである。
だが、この青年にはれっきとしたアリバイがあるのにも関わらずに、だ。
ヘンダーは証拠や証言を集めて犯人を決めている王子とは異なり、長年の勘だけで犯人を決めていたのである。
長年の勘を根拠に犯人を定める根拠はこれもまた滅茶苦茶なものであり、この長年の勘で故郷の事件を解決したからというものであった。
フィンは証拠もなしに人を犯人だと疑うヘンダーに怒りの念を燃やしたが、長年の勘を信奉するヘンダーは聞く耳を持たなかったどころか王子の方法を甘いと断定したのであった。
「手緩いですな。そんな方法を使っていると犯人は逃げてしまいますよ」
「お前の使う方法よりは断然マシな方法だとは思うがな」
「どうでしょうな?」
ヘンダーはフィンの意見を鼻で笑った。
「失礼ながら殿下は貴族の方を犯人だと決め付けております。どうかお考え直しくださいませ」
「なんだ?貴族が犯人だと問題でもあるのか?」
「ありますッ!」
ヘンダーが大きな声で叫んだ。それからフィンの座る机の前に勢いよく両手を叩いて自身の主張を述べていく。
「仮にも我がクライン王国の中枢を担う貴族の方々がこのような下劣な犯罪を犯すわけがありませんッ!同じく王国の下級貴族の出身である私が断言致します!」
「その断言の根拠は?」
フィンはあくまでも冷静な声で言葉を返した。
「決まっているでしょう!私の経験です!」
話にならない。フィンは呆れたように首を横に振った。
だが、フィンが呆れた会話を放置したのをいいことにヘンダーは一人で勝手に会話を進めていく。
「我々貴族は天より選ばれし種族なのです!平民どもとは生まれた時からの差というものがありますッ!それ故に気品と品格が結び付いている貴族が殺人などという下劣な犯罪を犯すはずがありませんッ!」
長々とした演説に呆れたような視線を向けるフィンに対してヘンダーは身振り手振りを加えて自身の偏見に満ち溢れた貴族が犯罪を起こさないという根拠を語っていくのであった。
フィンがもう勘弁してくれと言わんばかりに席を立ってもヘンダーは部屋の中で話を続けていた。
ヘンダーはフィンが扉を閉じるのと同時に話を終えたことに気が付き、広大で優雅なる自身の演説が無視されたことに気が付き、フィンの部屋に置かれていた罪のない長椅子を強く蹴り付けたのであった。
「クソッタレッ!あの野郎……どうしておれの言葉を無視するんだ……いや、あの野郎だけじゃあない。おれが国王に直訴しにいったあの公爵……リーバイもだ。お陰であの野郎が死ぬまでこっちの出世が遅れちまったじゃねぇか!」
ヘンダーの頭は三十年以上前に戻っていた。当時地方の警備隊を務めるヘンダーは国王が部下を伴って自身の警備隊の詰所に訪れたところに現れて媚を売り、自身を売り込もうとしたのだ。
国王はすっかりお世辞の上手いヘンダーを気に入り、親衛隊の隊員として徴用しようとしたのだが、その時に側にいた男ーーリーバイ・プラフティーが国王を止めたのであった。
「お待ちください。陛下、私はこの男に親衛隊などという役を任せるのには不安があります」
「何を言うのだ。プラフティー。この男はこんなにも褒めてくれるではないか」
「それが間違いのもとなんですよ。いいですか、陛下。過去媚ばかり売る家臣を徴用した国王がどのような末路を辿ったのかは陛下ならばご存知のはずですよ」
それを聞いた国王が躊躇いの色を見せた。それを見たヘンダーは若かったこともあり、慌てて国王に反論を行うのであった。
「お、お待ちくださいませ!公爵様は何やら勘違いしておられるようですが、私は腕も立ち、頭も回ります」
「本当かい?お前さんが回るのは口だけじゃあないのか?」
リーバイの嫌味な口調にヘンダーの誇りは粉々に打ち砕かれた。ヘンダーは国王に直訴し、リーバイとの一騎打ちを所望したのであった。
当時リーバイは地元では敵う者が居ないほどの剣の使い手であった。故にそれまで護衛としての剣術しか学んでこなかったリーバイなどに負けるはずがないと思っていたのだ。
だが、ヘンダーはあっさりと負けた。リーバイにあっさりと自身の木刀を弾かれた上に木剣の先端を突き付けられたのだ。
何よりも腹が立ったのはリーバイがヘンダーに運良く勝ったように装ったかのように振る舞ったことであった。
剣の腕こそ劣るもののリーバイの演技が見抜けないほどヘンダーの目は曇っていなかった。
リーバイは困ったように頭を掻きながら国王に向かって問い掛けた。
「陛下どう致しましょうか?この方よりも腕が落ちるはずの私の方が勝ってしまいましたが」
「……まさか、普段ぼんやりとしているお主に負けるとはな……ヘンダーとやら失望したぞ。親衛隊の話はなしじゃ。どうしても城下町に来たいのならば何か手柄を立ててから来い。そうすればワシが直々に取り上げてやろう」
「へ、陛下ッ!お待ちくださいませッ!」
ヘンダーは必死に訴え掛けたが、国王は聞く耳を持たなかった。
ヘンダーはそれから一念発起し、手柄を立てるために躍起になっていったのであった。
地道な捜査をお人好しの同僚に押し付け、犯罪が起これば犯人を断定し、その人物を自白を強要するまで拷問して痛め付ける。ヘンダー式拷問法と呼ばれる方法を考案し、それを後輩たちにも指導していき、とうとう連続殺人事件を解決に導くにまで至ったのである。どれもこれも全てリーバイを見返したいという一念から考案したものであり、国王に取り入れるためのものであった。
それ故に国王に呼び出され、王子の補佐を行えと命じられた時には小躍りをするほどに喜んだというのに肝心の王子があの忌々しいリーバイ同様に自分の言うことを聞かずにあろうことか貴族の人間を犯人として引き立てようとしている。
それだけは絶対に阻止しなくてはならない。ヘンダーが部屋の中を忙しなく動き回っていた時だ。扉を叩く音が聞こえてヘンダーが入室を許可した。
部屋に入ってきたのは青白い顔をした鷲のような曲がった鼻が目立つ青年と同じく鷲鼻を拵えた中年の男性と中年の女性が姿を見せた。
「あの、こちらは警備隊司令官室で間違いありませんね?」
「えぇ、そうですよ。ただし司令官である王子殿下はご不在でしてね。代わりに隊長である私がこの部屋の留守を預かっております」
「左様ですか?では、その隊長さんにお願いがあって参りましたの。どうかウチの息子に迷惑が掛からないようにしてほしいのです」
中年の女性の背後から連れてきたと思われるエプロンのドレスの女性が大きな黒塗りの箱を持って現れた。
ヘンダーが地面の上に置かれた箱を開けると、その中には目が眩むほどの財宝が詰められていた。
「こ、これは……」
「どうでしょう?息子を無罪にしてはいただけませんか?」
その瞬間にヘンダーは全てを察した。犯人はハリー・ウィザードで確定である、と。
本来であるのならば中年の男性の問い掛けにはっきりと否定の言葉を突きつけるべきだっただろう。だが、ヘンダーは口元を怪しい笑顔で歪めながら言った。
「造作もないことです」
ヘンダーは黒塗りの箱を受け取り、その財宝を確認した。両手を広げても受け入れられない財宝が部屋の中を照らしているのに対して、外はいかにも雨が降りそうなほどに暗雲が立ち込めていたのだった。
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