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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
新たな依頼が訪れて
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夜の城下町。人々の行き来が収まり、死んだように静まり返っているのであるのだが、夜の店などは例外である。
大衆向けの酒場や高価な酒場の他にレストランなどがその例外の中に含まれている夜の店であった。
レストランというのは宮廷料理を一般人にも楽しんでもらうために作られた料理店のことである。酒場よりも値は張るが、それでも酒場よりも美味しい食事が摂れるということで富裕層からは人気の場所として知られている。
また、多くの貴族や下級貴族が密談の場所として使う場所としても知られており、食事ばかりではなく重要な話し合いをするための待ち合わせ場所としても用いられていた。
四人がレストランを訪れていたのは後者の目的ではなく前者の目的からであった。四人は最近が大変であったこともあり、様々なしがらみから解放されて美味しい食事を楽しみたかったのだ。
駆除というのには難しい事例であったが、ギルドマスターは脅迫のネタをまとめたノートを燃やしたという点もあって、セバスチャン・ミーモリティの駆除を駆除として認めてくれ、後に渡される報酬を払ってくれたのであった。その金を四人で山分けしてレストランで食事を摂ることになっていたのだ。
普段は頼まないような高価な酒を頼み、同じく普段は頼まないような高価な料理に舌鼓を打つ。これ以上の贅沢はないだろう。
おまけにこの時四人が身に付けていた服は女性陣は簡素なドレス、男性陣はジャケットにベストにハプタイという簡素なネクタイというカーラが特別に仕立てたものであった。
服の生地の捻出に多く費用を割いたが、それでもレストランで食事ができるほどの費用が残っているのだからミーモリティが余程恨まれていたことがわかる。
カーラは細かく肉料理を切りながらそんなことを考えていた。
カーラが肉を口の中に入れ、細かく噛んでいた時のことだ。ヒューゴが低い声で気まずそうに切り出した。
「……実は来る前にギルドマスターから新たな依頼を預かってきてさ」
「今日は食事を楽しみに来たのではございませんの?」
カーラが肉を飲み干してから問い掛ける。
「そうだよ。せっかくこうして四人で食事を楽しんでるんだからまた明日でもいいでしょ?」
「……いいや。これは火急の用だということでマスターから急いで預かってきたんだ」
「火急の用だって?それなら仕方がないね。どういう理由なのかはっきり話しておくれよ」
レキシーの問い掛けにヒューゴが真剣な顔を浮かべてことの起こりというものを語り始めていく。
ことの起こりは一人の子どもであった。ギルドマスターが用事を済ませて城下町を歩いている時に片隅で一人の白いドレスを着た女の子が震えていることに気が付いたのであった。
しかもその女の子はあちらこちらに傷を付け、見るからに不憫であった。
ギルドマスターは子どもに声を掛けたのだが、女の子はそれに対して怯えるばかりであったという。
そしてギルドマスターが怖がらせないために手を差し伸ばした時だ。子どもはそれを見て反射的に逃げ出していったのであった。
何か訳があると睨んだギルドマスターは女の子の顔を覚えて翌日に捜索を行うことにしたのであった。
ギルドマスターによる必死の捜索の結果女の子は見つかった。女の子は他国からやって来たという巨大な雑技団に所属する子どもたちの一人であり、そこでは女の子が芸を売るように厳しく仕込まれていた。
それは芸を失敗をすれば食事は抜き、客に粗相をしたのならばその場で鞭で打たれるという側から見れば信じられないようなものであった。
「その話を聞いて唖然としましたよ。まだ小さな子供を相手にですよ……そんな奴らは生かしておくべきじゃあない」
ヒューゴの声が震えていく。カーラはそんなヒューゴの手を握り冷静な声で言った。
「落ち着きなさいな。ここは屋外でしてよ」
それを聞いてヒューゴは慌てて周りを見返す。それを見たヒューゴは軽く咳払いをして落ち着きを取り戻した後で話を続けていく。
ギルドマスターは見るに見かねて雑技団の人間に子どもを孤児院に引き渡すように主張したのだが、強く突っぱねられた上にギルドマスターを突き飛ばしたのであった。
ギルドマスターは雑技団の人間を強く睨み付けたが、こうなってしまってはどうしようもない。自宅の中で悩んでいた時だ。不憫に思った子どもを救うという名目でどこかの金持ちがギルドマスターに駆除を依頼したのであった。その後にギルドマスターはその駆除の依頼を子飼いの駆除人たちに募っていった。
しかし、その結果はギルドマスターの予想とは大きく異なるものであったらしい。
「……みんな忙しいらしくてね。そんで残ったオレたちに皺寄せが来たらしいんですよ」
「なるほど、お話はよくわかりましたわ。ですが、まだ勝利の余韻のような心が残っているのも事実ですし、マスターにはまた後日に返事をすると伝えておいていただけないかしら?」
「わかったよ」
あれだけの会話を終えた後で四人はまたしても日常の雑談に話を戻したのだから四人の神経というのは駆除人という仕事を行う人間として相応し、それは例えるのならば丸太のように太いものであった。
翌日久し振りの休日だということもあり、昼過ぎに起き出したカーラとレキシーの両名であったが、二人でのそのそと遅めの朝食兼少し早めの昼食を台所で作っていた時だ。
扉を強く叩く音が聞こえた。二人の眠気は一瞬で覚めた。二人が声を投げ掛けると、扉の向こうからはヒューゴの言葉が返ってきた。二人は安心して扉を開けてヒューゴを招き入れた。
「おや、昨日の返事かい?」
「えぇ、どうです?その悪徳興行団を駆除してくれませんか?」
「そうは言ってもねぇ。子どもを働かせることは別に禁止されていないし、向こうの折檻だというんだったら殺すまでのことでもないと思うんだよ」
「そうですわ。気の毒ですけれど、そうするしかありませんわ」
「……クソッ!どいつもこいつも……なんでだよ。なんで誰も受けようとしないんだよ」
ヒューゴは拳を握り締めながらあからさまな毒を吐いていた。
「マスターやそのお金持ちの人には不憫ですけれども、今回は諦めてーー」
「もういいですッ!今回はオレ一人で劇団の奴らを皆殺しにしてやりますよッ!」
ヒューゴが部屋の扉を開けっぱなしにしたかと思うとどこか遠くに向かって駆け出していく。
「……ヒューゴさん」
「放っておきなよ。しかし、マスターにしろヒューゴにしろあたしらの掟を忘れちまったんじゃあないのかい?」
「私たちはあくまでも正規の人々が漏らした悪党を狩るというものですものね」
「あくまでも補佐だろ?あんたの爺さんがよく言ってたよ」
レキシーは酒を口に含みながら言った。少しばかり呂律が回らなかったのは酔っているばかりではないだろう。彼女自身も世の矛盾というものに苛立ちを覚えているのだ。
そのせいか酒を飲む量が今日は多かった。最後のワインを開けた時レキシーの顔は赤く染まっていた。まるで頬にだけ赤い色の絵の具を擦り付けたかのようであった。
レキシーはいつもと同じく呂律の回らない声で言った。
「ちくしょー。どんな頭をしていれば可愛い子どもを鞭で叩けるのさ。マスターのいう劇団ってのは悪魔だよ、悪魔、悪魔」
レキシーはそう叫んだ後で机の上に突っ伏して眠ってしまった。カーラはそんなレキシーを背負ってレキシーを二階の部屋に運び入れ、その背中に毛布をかけた後で自室に戻り、外出用の服に着替えて財布やいざという時のための医療道具などが入った手提げ用の鞄をお供に町へと繰り出した。
町で店頭に売られているものを見たり、途中で茶店に入って休憩がてらに茶を飲んでいると、黄昏時に見える朧げな光が窓や入り口から差し込んでいることに気が付く。
そろそろ日が暮れる頃であるらしい。カーラが慌てて茶店から自宅へと戻ろうとした時だ。不意に前から来た小さな子どもとぶつかってしまった。
「も、申し訳ありません。うっかりしておりましたわ」
「ううん。ごめんなさい。私の方こそうっかりしてました」
カーラがぶつかった小さな女の子は子どもだというのに高そうな白いドレスを着ていた。ドレスの見えないところからは先程ぶつかった時にこしらえたと思われる擦り傷の他に青あざのようなものが見えた。
カーラはそれらの事情から目の前の女の子が依頼にあった劇団にいた不憫な子どもだということを悟った。だが、向こうは当然自分たちのことなど知らない。
カーラは申し訳なさと情報収集のためにその女の子の治療を提案したのであった。
大衆向けの酒場や高価な酒場の他にレストランなどがその例外の中に含まれている夜の店であった。
レストランというのは宮廷料理を一般人にも楽しんでもらうために作られた料理店のことである。酒場よりも値は張るが、それでも酒場よりも美味しい食事が摂れるということで富裕層からは人気の場所として知られている。
また、多くの貴族や下級貴族が密談の場所として使う場所としても知られており、食事ばかりではなく重要な話し合いをするための待ち合わせ場所としても用いられていた。
四人がレストランを訪れていたのは後者の目的ではなく前者の目的からであった。四人は最近が大変であったこともあり、様々なしがらみから解放されて美味しい食事を楽しみたかったのだ。
駆除というのには難しい事例であったが、ギルドマスターは脅迫のネタをまとめたノートを燃やしたという点もあって、セバスチャン・ミーモリティの駆除を駆除として認めてくれ、後に渡される報酬を払ってくれたのであった。その金を四人で山分けしてレストランで食事を摂ることになっていたのだ。
普段は頼まないような高価な酒を頼み、同じく普段は頼まないような高価な料理に舌鼓を打つ。これ以上の贅沢はないだろう。
おまけにこの時四人が身に付けていた服は女性陣は簡素なドレス、男性陣はジャケットにベストにハプタイという簡素なネクタイというカーラが特別に仕立てたものであった。
服の生地の捻出に多く費用を割いたが、それでもレストランで食事ができるほどの費用が残っているのだからミーモリティが余程恨まれていたことがわかる。
カーラは細かく肉料理を切りながらそんなことを考えていた。
カーラが肉を口の中に入れ、細かく噛んでいた時のことだ。ヒューゴが低い声で気まずそうに切り出した。
「……実は来る前にギルドマスターから新たな依頼を預かってきてさ」
「今日は食事を楽しみに来たのではございませんの?」
カーラが肉を飲み干してから問い掛ける。
「そうだよ。せっかくこうして四人で食事を楽しんでるんだからまた明日でもいいでしょ?」
「……いいや。これは火急の用だということでマスターから急いで預かってきたんだ」
「火急の用だって?それなら仕方がないね。どういう理由なのかはっきり話しておくれよ」
レキシーの問い掛けにヒューゴが真剣な顔を浮かべてことの起こりというものを語り始めていく。
ことの起こりは一人の子どもであった。ギルドマスターが用事を済ませて城下町を歩いている時に片隅で一人の白いドレスを着た女の子が震えていることに気が付いたのであった。
しかもその女の子はあちらこちらに傷を付け、見るからに不憫であった。
ギルドマスターは子どもに声を掛けたのだが、女の子はそれに対して怯えるばかりであったという。
そしてギルドマスターが怖がらせないために手を差し伸ばした時だ。子どもはそれを見て反射的に逃げ出していったのであった。
何か訳があると睨んだギルドマスターは女の子の顔を覚えて翌日に捜索を行うことにしたのであった。
ギルドマスターによる必死の捜索の結果女の子は見つかった。女の子は他国からやって来たという巨大な雑技団に所属する子どもたちの一人であり、そこでは女の子が芸を売るように厳しく仕込まれていた。
それは芸を失敗をすれば食事は抜き、客に粗相をしたのならばその場で鞭で打たれるという側から見れば信じられないようなものであった。
「その話を聞いて唖然としましたよ。まだ小さな子供を相手にですよ……そんな奴らは生かしておくべきじゃあない」
ヒューゴの声が震えていく。カーラはそんなヒューゴの手を握り冷静な声で言った。
「落ち着きなさいな。ここは屋外でしてよ」
それを聞いてヒューゴは慌てて周りを見返す。それを見たヒューゴは軽く咳払いをして落ち着きを取り戻した後で話を続けていく。
ギルドマスターは見るに見かねて雑技団の人間に子どもを孤児院に引き渡すように主張したのだが、強く突っぱねられた上にギルドマスターを突き飛ばしたのであった。
ギルドマスターは雑技団の人間を強く睨み付けたが、こうなってしまってはどうしようもない。自宅の中で悩んでいた時だ。不憫に思った子どもを救うという名目でどこかの金持ちがギルドマスターに駆除を依頼したのであった。その後にギルドマスターはその駆除の依頼を子飼いの駆除人たちに募っていった。
しかし、その結果はギルドマスターの予想とは大きく異なるものであったらしい。
「……みんな忙しいらしくてね。そんで残ったオレたちに皺寄せが来たらしいんですよ」
「なるほど、お話はよくわかりましたわ。ですが、まだ勝利の余韻のような心が残っているのも事実ですし、マスターにはまた後日に返事をすると伝えておいていただけないかしら?」
「わかったよ」
あれだけの会話を終えた後で四人はまたしても日常の雑談に話を戻したのだから四人の神経というのは駆除人という仕事を行う人間として相応し、それは例えるのならば丸太のように太いものであった。
翌日久し振りの休日だということもあり、昼過ぎに起き出したカーラとレキシーの両名であったが、二人でのそのそと遅めの朝食兼少し早めの昼食を台所で作っていた時だ。
扉を強く叩く音が聞こえた。二人の眠気は一瞬で覚めた。二人が声を投げ掛けると、扉の向こうからはヒューゴの言葉が返ってきた。二人は安心して扉を開けてヒューゴを招き入れた。
「おや、昨日の返事かい?」
「えぇ、どうです?その悪徳興行団を駆除してくれませんか?」
「そうは言ってもねぇ。子どもを働かせることは別に禁止されていないし、向こうの折檻だというんだったら殺すまでのことでもないと思うんだよ」
「そうですわ。気の毒ですけれど、そうするしかありませんわ」
「……クソッ!どいつもこいつも……なんでだよ。なんで誰も受けようとしないんだよ」
ヒューゴは拳を握り締めながらあからさまな毒を吐いていた。
「マスターやそのお金持ちの人には不憫ですけれども、今回は諦めてーー」
「もういいですッ!今回はオレ一人で劇団の奴らを皆殺しにしてやりますよッ!」
ヒューゴが部屋の扉を開けっぱなしにしたかと思うとどこか遠くに向かって駆け出していく。
「……ヒューゴさん」
「放っておきなよ。しかし、マスターにしろヒューゴにしろあたしらの掟を忘れちまったんじゃあないのかい?」
「私たちはあくまでも正規の人々が漏らした悪党を狩るというものですものね」
「あくまでも補佐だろ?あんたの爺さんがよく言ってたよ」
レキシーは酒を口に含みながら言った。少しばかり呂律が回らなかったのは酔っているばかりではないだろう。彼女自身も世の矛盾というものに苛立ちを覚えているのだ。
そのせいか酒を飲む量が今日は多かった。最後のワインを開けた時レキシーの顔は赤く染まっていた。まるで頬にだけ赤い色の絵の具を擦り付けたかのようであった。
レキシーはいつもと同じく呂律の回らない声で言った。
「ちくしょー。どんな頭をしていれば可愛い子どもを鞭で叩けるのさ。マスターのいう劇団ってのは悪魔だよ、悪魔、悪魔」
レキシーはそう叫んだ後で机の上に突っ伏して眠ってしまった。カーラはそんなレキシーを背負ってレキシーを二階の部屋に運び入れ、その背中に毛布をかけた後で自室に戻り、外出用の服に着替えて財布やいざという時のための医療道具などが入った手提げ用の鞄をお供に町へと繰り出した。
町で店頭に売られているものを見たり、途中で茶店に入って休憩がてらに茶を飲んでいると、黄昏時に見える朧げな光が窓や入り口から差し込んでいることに気が付く。
そろそろ日が暮れる頃であるらしい。カーラが慌てて茶店から自宅へと戻ろうとした時だ。不意に前から来た小さな子どもとぶつかってしまった。
「も、申し訳ありません。うっかりしておりましたわ」
「ううん。ごめんなさい。私の方こそうっかりしてました」
カーラがぶつかった小さな女の子は子どもだというのに高そうな白いドレスを着ていた。ドレスの見えないところからは先程ぶつかった時にこしらえたと思われる擦り傷の他に青あざのようなものが見えた。
カーラはそれらの事情から目の前の女の子が依頼にあった劇団にいた不憫な子どもだということを悟った。だが、向こうは当然自分たちのことなど知らない。
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