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第一章『この私、カーラ・プラフティーが処刑台のベルを鳴らせていただきますわ』
恋心に気が付いて
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あの大規模な駆除の後で三人はテレサとその家族を先に家に帰し、ゆっくりと山を降りていた。
「しかし、今回の旅行はとんだ災難でしたね。療養のはずが二度も出先で駆除に巻き込まれるなんて」
「そうですわね。じゃあ最後に一晩くらいはのんびりと温泉にでも浸かって帰りたい気分ですわ」
カーラの言葉を聞いてヒューゴは嬉しそうな表情を浮かべて首を縦に動かす。
「それはいい案だね。指輪を売った資金はまだ残ってるし、のんびりと過ごすのもいいだろうねぇ」
レキシーの提案に目を輝かせたカーラであったが、すぐに考えを改めて自身が改めるに至った懸念を二人に向かって話した。
「……いや、お待ちくださいな。先ほど山の上から逃げた村長の手下が私たちを狙っているかもしれませんわ。それも用心しなくてはなりませんわ」
「……そうだねぇ。じゃあ、今晩あたりにでも出た方がいいかもしれないねぇ」
レキシーが声を落としながら言った。
「この後は宿屋によって荷物だけを取りに帰りましょう」
「そうですね」
「荷物が無事だったらいいけど」
三人の懸念を他所に荷物は宿屋の主人も存在を忘れていたとされ荷物はあっさりと三人の手に戻された。
そればかりか、宿屋の主人は三人に頭を下げてお礼の言葉を述べた。
「テレサのことを救っていただいて本当にありがとうございます。我々の懸念もこれでようやく拭い取れましたよ」
「……そう。では一つお願いがございますの。この件はなるべくご内密にしていただきたいのですわ。村の人たちにもそう伝えてくださらない?本来でしたら闇に隠れて行うべき仕事ですので」
「……わかりました。村の人たちにも伝えておきます。……皆様、どうかお気を付けて」
主人は最後に改めて頭を下げて夜の闇の中へと消えていく三人を見送った。
宿屋を出て、もと来た道を引き返そうとする三人であったが、カーラがその途中で不意に荷運び役であるヒューゴから荷物を取ると二人に懇願した。
「寄り道!?こんな夜中にどこに行くっていうんだい!?」
「お姫様のところですわ。恐ろしい魔王の脅迫にもめげずに人を救おうとした勇敢なお姫様に『血吸い姫』から勲章を差し上げようと思いますの」
その言葉を聞いて二人は察した。カーラはどうやら最後にテレサの家に寄りたいらしい。二人はそれを了承して道の真ん中でカーラを待つことにした。
カーラはやっとの思いでテレサの家を探し出し、一階の部屋で可愛らしく眠るテレサの部屋に窓を使って侵入し、彼女の部屋の小さな机の上に自身があの若いギルドマスターから与えられた金の指輪を置いていった。
その後で彼女の部屋に置いてあるペンと紙を拝借して書き置きを残して三人の元へと戻っていった。
翌朝瞼を擦りながら目を覚ましたテレサがふと机の上を見ると、見慣れない書き置きと指輪を発見したのであった。
書き置きは読み易いように丁寧な文字で書かれていた。テレサは慌てて書き置きを手に取った。
『昨日は怖い思いをさせてごめなさい。そのお詫びと昨日のあなたの勇気を認めてこの指輪を贈呈致します。どうぞあなたの将来のためにいかようにもお使いください。『血吸い姫』から真のプリンセスへ』
テレサは書き置きを読み終えると、涙を流した。自分を助けてくれたあの凛とした格好のいい女性が自分を真のお姫様と言ってくれたのがたまらなく嬉しかったのである。
そればかりではない。『将来のために』という文言が書き置きの中に含まれていたこともテレサに希望を持たせたのであった。
それは父親を死なせた自分が生きていてもいいという証明に他ならなかったのだ。
テレサは『血吸い姫』から贈られた指輪を自分の人差し指に嵌めてみた。大人のために作られた指輪であるので子どもの彼女が嵌めるとブカブカしていた。
だが、本物の指輪を嵌めた自分はあのお姉さんが言うようなプリンセスに見えた。
それから金色の指輪を嵌めたまま窓を開けて天に広がる雲一つない青空に向かって手を伸ばしてみた。
太陽の光に大きな宝石が反射してなんともいえない光沢を放って上品な輝きを見せた。今こうして高そうな指輪を使って遊んでいる姿を父に見せたらどんなに喜んだだろうか。本当にプリンセスだと褒めてくれたかもしれない。
そのことを考えるだけで少女は温かい気持ちになった。
「あれでよかったのかい?」
レキシーが帰りに寄った宿屋の部屋の中で用意された椅子の上に腰を掛け、ベッドの上でくつろぐカーラにそう尋ねた。
「えぇ、あんな素敵な指輪は私などよりももっと素敵なお姫様が持つべきものですわ」
「素敵なお姫様ねぇ」
「えぇ、テレサさんのような」
カーラがそれが誰であるのかを肯定した。
「けど、あんた格好つけたはいいけどさ。復讐のための資金あつめはどうするんだい?あの指輪は大きかったはずだよ」
その言葉を聞いてカーラはクスリと微笑む。
「また苦労して貯めればいいだけの話ですわ。それに時間が経てば経つほど二人も幸せになっていくでしょうから。その時に幸福の絶頂から崖っぷちに叩き落とされる二人の姿を思い浮かべるとそちらの方が楽しいですわ。私『美味しいものは最後に食べる主義』ですので」
「しかし、今回は金にならない駆除をしたばかりか、今後関わるはずがない人に貴重な指輪まで渡すなんて……『骨折り損のくたびれ儲け』というのは今のような状況を指して言うんでしょうね」
ヒューゴは皮肉めいた言葉を向けたが、カーラは気にする様子はなかった。
そんなカーラに対してヒューゴは不満そうな目を向けていたが、カーラは気にするそぶりは見せていない。
むしろ落ち着いた様子で宿屋の従業員から運ばれたお茶を楽しんでいた。
そんな煮えきれない態度で接するカーラの態度に腹が立ったのか、ヒューゴは両手で机を叩いて叫んだ。
「呑気にしている場合ですか!オレはあなたの復讐に手を貸したいと思っているというのに……そのあなたはあんなどうでもいい少女に貴重な軍資金を渡したんだッ!」
「……落ち着きなさいませ。ヒューゴさん。また貯めると言っているのですよ」
「け、けど!」
「それに私たちは害虫駆除人……世にのさばる悪党ならば腐るほど居ますわ。資金ならすぐに貯まりますわ」
「……わかりました」
ヒューゴはまだ不満げな様子であったが、カーラがそこまで言うのならばと矛先を引っ込めたのであった。
ヒューゴは釈然としない気持ちを抱えたまま宿屋に備え付けられた大浴場に入浴して着替えを済ませた。
入浴を済ませて宿屋の周囲を散歩していた時だ。背後から声を掛けてられたので振り向く。そこには息を切らしたレキシーの姿が見えた。
「レキシーさん!?どうして!?」
「いやぁ、あんたにどうしても伝えたいことがあってね」
「オレに?」
「うん。あんたさぁ、あの子に……カーラに惚れてるんだろ?」
その言葉を聞いた瞬間にヒューゴは心臓を打つ音が早くなっていくのに気が付いた。
「いやですね。オレは昔は王子だったかもしれませんけれど、今では一介の害虫駆除人ですよ。カーラが好きになっているのは王太子ではないとはいえ、この国の真っ当な王子です。そんな相手にオレなんかが釣り合うわけがないでしょう?」
「……正直なところ……あたしはカーラと王子様の恋も応援してやりたい。けど、あんたが抱えてる無意識の恋も結ばせてやりたい。複雑な心境なんだよ」
「……レキシーさん」
「あたしはさ、こんな中途半端な女だからどっちにも付けられない。どっち付かずの嫌われ者だよ。でもね、二人の幸せを願う気持ちだけは本当だからね」
「……ありがとうございます」
「走ったら疲れちまったからあたしは風呂に行くよ。……あんたはどうするんだい?」
「……わかっているでしょう?このまま部屋に戻りますよ」
「本当だったらこんな状況になっても愛を伝えないあんたに『意気地なし』と叱り飛ばすのが正しいんだろうけど……でも、今は黙っているのが正しいんだろうねぇ」
レキシーはヒューゴと入れ違う形で大浴場へと向かう。
ヒューゴは悶々とした思いを抱えたまま部屋へと戻り、そのまま部屋に用意された寝台の上に勢いよく寝転んだ。
そのまま眠ろうとしたのだが、頭の中に思い浮かぶのはカーラの顔ばかりであった。
目を瞑るたびにカーラの笑顔、カーラの悔しそうな顔、カーラの済ました顔などが浮かんでは消えていくのだ。
ヒューゴは両目を開けると、小さな声で「ちくしょう」と毒付いて掛け布団を丸めて寝返りを打ち、無理やりに眠りについたのであった。
「しかし、今回の旅行はとんだ災難でしたね。療養のはずが二度も出先で駆除に巻き込まれるなんて」
「そうですわね。じゃあ最後に一晩くらいはのんびりと温泉にでも浸かって帰りたい気分ですわ」
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「それはいい案だね。指輪を売った資金はまだ残ってるし、のんびりと過ごすのもいいだろうねぇ」
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「……いや、お待ちくださいな。先ほど山の上から逃げた村長の手下が私たちを狙っているかもしれませんわ。それも用心しなくてはなりませんわ」
「……そうだねぇ。じゃあ、今晩あたりにでも出た方がいいかもしれないねぇ」
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「この後は宿屋によって荷物だけを取りに帰りましょう」
「そうですね」
「荷物が無事だったらいいけど」
三人の懸念を他所に荷物は宿屋の主人も存在を忘れていたとされ荷物はあっさりと三人の手に戻された。
そればかりか、宿屋の主人は三人に頭を下げてお礼の言葉を述べた。
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宿屋を出て、もと来た道を引き返そうとする三人であったが、カーラがその途中で不意に荷運び役であるヒューゴから荷物を取ると二人に懇願した。
「寄り道!?こんな夜中にどこに行くっていうんだい!?」
「お姫様のところですわ。恐ろしい魔王の脅迫にもめげずに人を救おうとした勇敢なお姫様に『血吸い姫』から勲章を差し上げようと思いますの」
その言葉を聞いて二人は察した。カーラはどうやら最後にテレサの家に寄りたいらしい。二人はそれを了承して道の真ん中でカーラを待つことにした。
カーラはやっとの思いでテレサの家を探し出し、一階の部屋で可愛らしく眠るテレサの部屋に窓を使って侵入し、彼女の部屋の小さな机の上に自身があの若いギルドマスターから与えられた金の指輪を置いていった。
その後で彼女の部屋に置いてあるペンと紙を拝借して書き置きを残して三人の元へと戻っていった。
翌朝瞼を擦りながら目を覚ましたテレサがふと机の上を見ると、見慣れない書き置きと指輪を発見したのであった。
書き置きは読み易いように丁寧な文字で書かれていた。テレサは慌てて書き置きを手に取った。
『昨日は怖い思いをさせてごめなさい。そのお詫びと昨日のあなたの勇気を認めてこの指輪を贈呈致します。どうぞあなたの将来のためにいかようにもお使いください。『血吸い姫』から真のプリンセスへ』
テレサは書き置きを読み終えると、涙を流した。自分を助けてくれたあの凛とした格好のいい女性が自分を真のお姫様と言ってくれたのがたまらなく嬉しかったのである。
そればかりではない。『将来のために』という文言が書き置きの中に含まれていたこともテレサに希望を持たせたのであった。
それは父親を死なせた自分が生きていてもいいという証明に他ならなかったのだ。
テレサは『血吸い姫』から贈られた指輪を自分の人差し指に嵌めてみた。大人のために作られた指輪であるので子どもの彼女が嵌めるとブカブカしていた。
だが、本物の指輪を嵌めた自分はあのお姉さんが言うようなプリンセスに見えた。
それから金色の指輪を嵌めたまま窓を開けて天に広がる雲一つない青空に向かって手を伸ばしてみた。
太陽の光に大きな宝石が反射してなんともいえない光沢を放って上品な輝きを見せた。今こうして高そうな指輪を使って遊んでいる姿を父に見せたらどんなに喜んだだろうか。本当にプリンセスだと褒めてくれたかもしれない。
そのことを考えるだけで少女は温かい気持ちになった。
「あれでよかったのかい?」
レキシーが帰りに寄った宿屋の部屋の中で用意された椅子の上に腰を掛け、ベッドの上でくつろぐカーラにそう尋ねた。
「えぇ、あんな素敵な指輪は私などよりももっと素敵なお姫様が持つべきものですわ」
「素敵なお姫様ねぇ」
「えぇ、テレサさんのような」
カーラがそれが誰であるのかを肯定した。
「けど、あんた格好つけたはいいけどさ。復讐のための資金あつめはどうするんだい?あの指輪は大きかったはずだよ」
その言葉を聞いてカーラはクスリと微笑む。
「また苦労して貯めればいいだけの話ですわ。それに時間が経てば経つほど二人も幸せになっていくでしょうから。その時に幸福の絶頂から崖っぷちに叩き落とされる二人の姿を思い浮かべるとそちらの方が楽しいですわ。私『美味しいものは最後に食べる主義』ですので」
「しかし、今回は金にならない駆除をしたばかりか、今後関わるはずがない人に貴重な指輪まで渡すなんて……『骨折り損のくたびれ儲け』というのは今のような状況を指して言うんでしょうね」
ヒューゴは皮肉めいた言葉を向けたが、カーラは気にする様子はなかった。
そんなカーラに対してヒューゴは不満そうな目を向けていたが、カーラは気にするそぶりは見せていない。
むしろ落ち着いた様子で宿屋の従業員から運ばれたお茶を楽しんでいた。
そんな煮えきれない態度で接するカーラの態度に腹が立ったのか、ヒューゴは両手で机を叩いて叫んだ。
「呑気にしている場合ですか!オレはあなたの復讐に手を貸したいと思っているというのに……そのあなたはあんなどうでもいい少女に貴重な軍資金を渡したんだッ!」
「……落ち着きなさいませ。ヒューゴさん。また貯めると言っているのですよ」
「け、けど!」
「それに私たちは害虫駆除人……世にのさばる悪党ならば腐るほど居ますわ。資金ならすぐに貯まりますわ」
「……わかりました」
ヒューゴはまだ不満げな様子であったが、カーラがそこまで言うのならばと矛先を引っ込めたのであった。
ヒューゴは釈然としない気持ちを抱えたまま宿屋に備え付けられた大浴場に入浴して着替えを済ませた。
入浴を済ませて宿屋の周囲を散歩していた時だ。背後から声を掛けてられたので振り向く。そこには息を切らしたレキシーの姿が見えた。
「レキシーさん!?どうして!?」
「いやぁ、あんたにどうしても伝えたいことがあってね」
「オレに?」
「うん。あんたさぁ、あの子に……カーラに惚れてるんだろ?」
その言葉を聞いた瞬間にヒューゴは心臓を打つ音が早くなっていくのに気が付いた。
「いやですね。オレは昔は王子だったかもしれませんけれど、今では一介の害虫駆除人ですよ。カーラが好きになっているのは王太子ではないとはいえ、この国の真っ当な王子です。そんな相手にオレなんかが釣り合うわけがないでしょう?」
「……正直なところ……あたしはカーラと王子様の恋も応援してやりたい。けど、あんたが抱えてる無意識の恋も結ばせてやりたい。複雑な心境なんだよ」
「……レキシーさん」
「あたしはさ、こんな中途半端な女だからどっちにも付けられない。どっち付かずの嫌われ者だよ。でもね、二人の幸せを願う気持ちだけは本当だからね」
「……ありがとうございます」
「走ったら疲れちまったからあたしは風呂に行くよ。……あんたはどうするんだい?」
「……わかっているでしょう?このまま部屋に戻りますよ」
「本当だったらこんな状況になっても愛を伝えないあんたに『意気地なし』と叱り飛ばすのが正しいんだろうけど……でも、今は黙っているのが正しいんだろうねぇ」
レキシーはヒューゴと入れ違う形で大浴場へと向かう。
ヒューゴは悶々とした思いを抱えたまま部屋へと戻り、そのまま部屋に用意された寝台の上に勢いよく寝転んだ。
そのまま眠ろうとしたのだが、頭の中に思い浮かぶのはカーラの顔ばかりであった。
目を瞑るたびにカーラの笑顔、カーラの悔しそうな顔、カーラの済ました顔などが浮かんでは消えていくのだ。
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