11 / 217
第一章『この私、カーラ・プラフティーが処刑台のベルを鳴らせていただきますわ』
金は天下の回りものと言いますが
しおりを挟む
「お父様!お父様!大丈夫?」
先程の女の子が自分たちの脇を避けて、蹲る中年の男の元へと駆け寄っていくのをカーラは見かけた。
男は自身の娘の頭を優しく撫でながら言った。
「……すまなかったな。お父さんは大丈夫だよ」
「それは嘘ですわね。旦那様、何があったのか教えていただけませんか?」
カーラの問い掛けに中年の男は反射的に目を逸らした。
だが、言い訳をしても無駄だと判断したのか、ゆっくりとした口調でカーラに向かって何があったのかを語り出していく。
男の言葉によればあの男モー・グリーンランドと知り合ったのは半月ほど前のことであったらしい。
モーは金融業者であり、表向きは善良な顔をして服飾屋の店主の側に近寄ったらしい。
警戒のない笑顔を浮かべながら彼は親身になって相談を持ちかける振りをして店主に自分の経営する会社から金を借りるように仕向けさせたらしい。
ちょうど売り上げが乏しかった店主は渡りに船とばかりにモーの会社から金を借りたのだ。
だが、モーは返済の際にそれまでの穏やかな顔を一変させて暴利を取り立てに来たのだという。
店主は返済のための金をかき集めるべく奔走したが、その間にも利子は増え今では莫大な金額へと膨れ上がり、今月には店と自宅を抵当に入れなければならない程に追い詰められていたのだという。
警備隊や自警団に相談しても合法であるという理由から店主の訴えは退けられてしまった。
それらのことを話し終えると店主は地面の上に突っ伏しながら大きな声で犬のような鳴き声を上げて謝罪の言葉を述べていく。
カーラはその姿をしばらく見下ろしていたが、やがてしゃがんだかと思うと、泣き伏せっている店主の前に目線を合わせてそのまま店主を強く抱きしめたのであった。
フィンは泣き叫ぶ店主とそれを優しく抱き締める店主の姿を見て、自分の判断は間違っていなかったことを確信したのであった。
やがて満足のいくまで泣き腫らした店主とその娘を店まで見送ると、フィンはここぞとばかりにカーラに問い掛けた。
「そういえばカーラ。あなたは確か診療所のレキシーを手伝っていたはずだったな?」
「えぇ、殿下の仰る通りです。普段はそちらで働いておりますわ」
「ならばどうしてあの人を『旦那様』などと呼称した?」
「私お針子のお仕事もさせていただいておりますの。昔から針を使ってのお仕事が得意だったものでして……」
「……針仕事か。元は公爵令嬢だったというのに……」
「あら、殿下。元公爵令嬢に針仕事はお似合いではないと?」
「……そういうわけではないが」
「なら、どういうわけですの?」
「……それは」
フィンはここで『不憫だ』という言葉を飲み込んでいた。というのも、口にすれば誇りを持って働いているカーラに対して失礼にあたると考えたからだ。
この時は上手い言い訳の言葉が思い付かなかったので必死に目を逸らすことしかできなかった。
カーラもフィンの必死な顔を見てそれ以上の模索は失礼だと判断したのか、何も言わずに隣り合って歩くだけであった。
こうしてみると、まるで付き合いたてのカップルのようだった。
フィンの胸が走っていく。ドクドクという音が耳の中に聞こえてきた。
いっそこのまま手を握ってしまおうかと考えた時だ。
「おや、カーラ。帰りかい?」
中年の女性の声が聞こえた。フィンが振り返ると、そこには白衣を纏った緑色の簡素なドレスを身に纏った中年の女性の姿が目に見えた。
「あら、レキシーさん。そうですわ。今ドレスを服飾屋さんに納めて帰る途中ですの。レキシーさんはどうしてこちらに?」
「あたしは昼飯を買いにきたんだ」
レキシーは小脇に抱えていた袋を掲げてみせた。袋の丸っこい膨らみから中に入っているのがパンだということが認識できる。
カーラがどうでもいいことを考えていると、レキシーが目を輝かせながら問い掛けた。
「で、あんたの隣にいるのは誰だい?」
「この国の第二王子フィン殿下ですわ」
それを聞いたレキシーは慌てた様子でスカートの裾を両手で摘み、両足を合わせて丁寧に頭を下げた。
「やめてくれ。こんな道の真ん中で。オレはお忍びで街に昼食を買いに来てるんだから」
「そうでしたか。すいませんでした」
レキシーはまたしても深々と頭を下げていく。
「もういい。大丈夫だ」
フィンの寛大な言葉を聞いてレキシーはパァッと顔を明るくした。
「ありがとうね。しかしあんた……本当に顔のいい男だね。ヒューゴといい、あんたといい王子様というのはみんな美男子ばかりなんだねぇ」
「レキシーさん。少し馴れ馴れしいのではございません?仮にも相手は第二王子でございますよ」
「そうでしたね。失礼致しました」
「さぁ、これ以上のご迷惑をお掛けする前に失礼致しましょう」
カーラはフィンの元を離れたかと思うと、レキシーの腕を掴んでその場を去っていく。背後からは呼び止める声が聞こえたが、カーラは敢えて無視をした。
診療所の前まで来たところでカーラはレキシーを激しく叱責した。
医療に関してはレキシーの方が師匠であるのだが、今回ばかりはレキシーの方にばかり非があったので項垂れるしかなかったのだ。
カーラによる説教が一通り終わった後でレキシーはニヤニヤとした表情を浮かべながらカーラに問い掛けた。
「で、あんたあの王子との仲はどうなんだい?」
「仲と仰いますと?」
「あんた、あたしが声を掛けるまで仲睦まじそうに歩いていたじゃあないかい。あれってもしかしてーー」
「そんなわけありませんわ。私は追放されて身分も剥奪された元公爵令嬢。向こうは第二王子かつこの街の警備隊の総司令官でしてよ。釣り合うわけがありませんわ」
その言葉を聞くとレキシーは大きな溜息を吐いてカーラの頭をペチペチと叩いたのであった。
突然の攻撃に頭を抑えて目を丸くするカーラに対してレキシーは言った。
「身分は関係ないだろ?問題はあんたがあの王子様を嫌っているかいないかということさ」
「……正直に申しますと」
「正直に申しますと?」
レキシーがカーラの言葉を復唱する。それから何かを企んでいるかのような笑みを浮かべながらカーラの言葉を待った。
カーラはそれに対して耳を赤く染めながら少しばかり大きな声で答えた。
「き、嫌いではありません!」
「へぇ~それだけかい?」
「そ、それだけですわ!」
カーラはフィンのことを聞かれると胸がドクドクと動いている自分がいたことに気がつく。
これが恋という奴なのだろうか。カーラが慌てて頭を横に振ってその考えを否定しようとした時だ。
「ちょいとごめんよ」
と、神妙な顔をしたギルドマスターが二人に声を掛けた。
二人はそれまでの擬似の親子じみたやり取りを引っ込め、「駆除人」に相応しい冷酷な顔を浮かべてギルドマスターに向かって問い掛けた。
「あら、マスター。何か御用ですの?」
「……昨日の今日で悪いんだが、また二人に駆除してもらいたい害虫がいてね」
「上がりなよ。休憩時間を少しだけ伸ばせば患者も納得するだろうからさ」
レキシーの言葉にギルドマスターは首を縦に動かし、診療所の患者用の椅子に腰を掛けた。
レキシーは診察に使う自分のための椅子に座り、カーラはその背後でレキシーの侍女のように控えていた。
二人が話を聞く準備ができたことを悟り、ギルドマスターは二人に向かって低く野太い声で言った。
「……既に金は貰ってる。後は依頼を受けるかどうかだ」
「もったいぶらずに教えてくださいな。今度の標的はどのようなお方ですの?」
「モーだ。金貸しのモー・グリーンランドだ」
その言葉を聞いたカーラの目が大きく見開いた。
先程の女の子が自分たちの脇を避けて、蹲る中年の男の元へと駆け寄っていくのをカーラは見かけた。
男は自身の娘の頭を優しく撫でながら言った。
「……すまなかったな。お父さんは大丈夫だよ」
「それは嘘ですわね。旦那様、何があったのか教えていただけませんか?」
カーラの問い掛けに中年の男は反射的に目を逸らした。
だが、言い訳をしても無駄だと判断したのか、ゆっくりとした口調でカーラに向かって何があったのかを語り出していく。
男の言葉によればあの男モー・グリーンランドと知り合ったのは半月ほど前のことであったらしい。
モーは金融業者であり、表向きは善良な顔をして服飾屋の店主の側に近寄ったらしい。
警戒のない笑顔を浮かべながら彼は親身になって相談を持ちかける振りをして店主に自分の経営する会社から金を借りるように仕向けさせたらしい。
ちょうど売り上げが乏しかった店主は渡りに船とばかりにモーの会社から金を借りたのだ。
だが、モーは返済の際にそれまでの穏やかな顔を一変させて暴利を取り立てに来たのだという。
店主は返済のための金をかき集めるべく奔走したが、その間にも利子は増え今では莫大な金額へと膨れ上がり、今月には店と自宅を抵当に入れなければならない程に追い詰められていたのだという。
警備隊や自警団に相談しても合法であるという理由から店主の訴えは退けられてしまった。
それらのことを話し終えると店主は地面の上に突っ伏しながら大きな声で犬のような鳴き声を上げて謝罪の言葉を述べていく。
カーラはその姿をしばらく見下ろしていたが、やがてしゃがんだかと思うと、泣き伏せっている店主の前に目線を合わせてそのまま店主を強く抱きしめたのであった。
フィンは泣き叫ぶ店主とそれを優しく抱き締める店主の姿を見て、自分の判断は間違っていなかったことを確信したのであった。
やがて満足のいくまで泣き腫らした店主とその娘を店まで見送ると、フィンはここぞとばかりにカーラに問い掛けた。
「そういえばカーラ。あなたは確か診療所のレキシーを手伝っていたはずだったな?」
「えぇ、殿下の仰る通りです。普段はそちらで働いておりますわ」
「ならばどうしてあの人を『旦那様』などと呼称した?」
「私お針子のお仕事もさせていただいておりますの。昔から針を使ってのお仕事が得意だったものでして……」
「……針仕事か。元は公爵令嬢だったというのに……」
「あら、殿下。元公爵令嬢に針仕事はお似合いではないと?」
「……そういうわけではないが」
「なら、どういうわけですの?」
「……それは」
フィンはここで『不憫だ』という言葉を飲み込んでいた。というのも、口にすれば誇りを持って働いているカーラに対して失礼にあたると考えたからだ。
この時は上手い言い訳の言葉が思い付かなかったので必死に目を逸らすことしかできなかった。
カーラもフィンの必死な顔を見てそれ以上の模索は失礼だと判断したのか、何も言わずに隣り合って歩くだけであった。
こうしてみると、まるで付き合いたてのカップルのようだった。
フィンの胸が走っていく。ドクドクという音が耳の中に聞こえてきた。
いっそこのまま手を握ってしまおうかと考えた時だ。
「おや、カーラ。帰りかい?」
中年の女性の声が聞こえた。フィンが振り返ると、そこには白衣を纏った緑色の簡素なドレスを身に纏った中年の女性の姿が目に見えた。
「あら、レキシーさん。そうですわ。今ドレスを服飾屋さんに納めて帰る途中ですの。レキシーさんはどうしてこちらに?」
「あたしは昼飯を買いにきたんだ」
レキシーは小脇に抱えていた袋を掲げてみせた。袋の丸っこい膨らみから中に入っているのがパンだということが認識できる。
カーラがどうでもいいことを考えていると、レキシーが目を輝かせながら問い掛けた。
「で、あんたの隣にいるのは誰だい?」
「この国の第二王子フィン殿下ですわ」
それを聞いたレキシーは慌てた様子でスカートの裾を両手で摘み、両足を合わせて丁寧に頭を下げた。
「やめてくれ。こんな道の真ん中で。オレはお忍びで街に昼食を買いに来てるんだから」
「そうでしたか。すいませんでした」
レキシーはまたしても深々と頭を下げていく。
「もういい。大丈夫だ」
フィンの寛大な言葉を聞いてレキシーはパァッと顔を明るくした。
「ありがとうね。しかしあんた……本当に顔のいい男だね。ヒューゴといい、あんたといい王子様というのはみんな美男子ばかりなんだねぇ」
「レキシーさん。少し馴れ馴れしいのではございません?仮にも相手は第二王子でございますよ」
「そうでしたね。失礼致しました」
「さぁ、これ以上のご迷惑をお掛けする前に失礼致しましょう」
カーラはフィンの元を離れたかと思うと、レキシーの腕を掴んでその場を去っていく。背後からは呼び止める声が聞こえたが、カーラは敢えて無視をした。
診療所の前まで来たところでカーラはレキシーを激しく叱責した。
医療に関してはレキシーの方が師匠であるのだが、今回ばかりはレキシーの方にばかり非があったので項垂れるしかなかったのだ。
カーラによる説教が一通り終わった後でレキシーはニヤニヤとした表情を浮かべながらカーラに問い掛けた。
「で、あんたあの王子との仲はどうなんだい?」
「仲と仰いますと?」
「あんた、あたしが声を掛けるまで仲睦まじそうに歩いていたじゃあないかい。あれってもしかしてーー」
「そんなわけありませんわ。私は追放されて身分も剥奪された元公爵令嬢。向こうは第二王子かつこの街の警備隊の総司令官でしてよ。釣り合うわけがありませんわ」
その言葉を聞くとレキシーは大きな溜息を吐いてカーラの頭をペチペチと叩いたのであった。
突然の攻撃に頭を抑えて目を丸くするカーラに対してレキシーは言った。
「身分は関係ないだろ?問題はあんたがあの王子様を嫌っているかいないかということさ」
「……正直に申しますと」
「正直に申しますと?」
レキシーがカーラの言葉を復唱する。それから何かを企んでいるかのような笑みを浮かべながらカーラの言葉を待った。
カーラはそれに対して耳を赤く染めながら少しばかり大きな声で答えた。
「き、嫌いではありません!」
「へぇ~それだけかい?」
「そ、それだけですわ!」
カーラはフィンのことを聞かれると胸がドクドクと動いている自分がいたことに気がつく。
これが恋という奴なのだろうか。カーラが慌てて頭を横に振ってその考えを否定しようとした時だ。
「ちょいとごめんよ」
と、神妙な顔をしたギルドマスターが二人に声を掛けた。
二人はそれまでの擬似の親子じみたやり取りを引っ込め、「駆除人」に相応しい冷酷な顔を浮かべてギルドマスターに向かって問い掛けた。
「あら、マスター。何か御用ですの?」
「……昨日の今日で悪いんだが、また二人に駆除してもらいたい害虫がいてね」
「上がりなよ。休憩時間を少しだけ伸ばせば患者も納得するだろうからさ」
レキシーの言葉にギルドマスターは首を縦に動かし、診療所の患者用の椅子に腰を掛けた。
レキシーは診察に使う自分のための椅子に座り、カーラはその背後でレキシーの侍女のように控えていた。
二人が話を聞く準備ができたことを悟り、ギルドマスターは二人に向かって低く野太い声で言った。
「……既に金は貰ってる。後は依頼を受けるかどうかだ」
「もったいぶらずに教えてくださいな。今度の標的はどのようなお方ですの?」
「モーだ。金貸しのモー・グリーンランドだ」
その言葉を聞いたカーラの目が大きく見開いた。
0
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?
詩海猫
恋愛
私の家は子爵家だった。
高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。
泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。
私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。
八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。
*文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】私のことはお構いなく、姉とどうぞお幸せに
曽根原ツタ
恋愛
公爵令嬢ペリューシアは、初恋の相手セドリックとの結婚を控え、幸せの絶頂のはず……だった。
だが、結婚式で誓いの口づけをする寸前──姉と入れ替わってしまう。
入れ替わりに全く気づかず婿入りしたセドリックの隣で、姉は不敵に微笑む。
「この人の子どもを身篭ったの。だから祝ってくれるわよね。お姉様?」
ペリューシアが掴んだはずの幸せは、バラバラと音を立てて崩壊する。
妊娠を知ったペリューシアは絶望し、ふたりの幸せを邪魔しないよう家を出た。
すると、ひとりの青年だけが入れ替わりを見抜き……?
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる