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第一章『この私、カーラ・プラフティーが処刑台のベルを鳴らせていただきますわ』
ロッテンフォード公爵家の顛末
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「ねぇねぇ、聞きました?旦那様の馬車を汚した平民の娘の顛末を」
「えぇ、聞きましたわ。今頃、アルフレッド様のお部屋でーー」
二人のメイドは洗濯物を取り込みながら不愉快な笑みを浮かべながら雑談を交わしていた。メイドたちの語る雑談はこの家に仕える人間以外が聞けば確実に眉を顰めるような胸の悪くなるような会話であった。
二人は他の人間が居ないことをカレンに対する悪口を熱心に語り出す。
悪口が頂点に達し、心地良くなったのか、クスクスと邪悪な笑みを浮かべていたその時だ。背後に人の気配を感じて慌てて振り向いた。
そこには自分たちと同じエプロンドレスを着た金髪の美しい顔立ちの少女が立っていた。
少女は和かに微笑んで頭を下げると、二人のメイドの元へと近付いていく。
「ねぇ、よろしければお二人のお話、もう少し詳しく聞かせていただけません?私、カレンさんという方に俄然興味が湧きまして……」
「え、えぇ、よろしくてよ」
「あなたもあの無礼な平民のお話に興味がありますの?」
「えぇ、もちろん、興味はありましてよ。けれど……私がもっと関心が示しているのはあなた方の死後のことについてですわ」
彼女がそう口走ったかと思うと、ヒュッという音が飛び、片方のメイドの眉間に針が突き刺さっていたのである。
針を受けて倒れる仲間の姿を見て、悲鳴を上げてその場から逃亡しようともう片方のメイドであったが、少女が許さない。
自らの腕でもう片方のメイドを引き寄せると、そのまま口を塞ぎ、悲鳴を上げさせることもなく延髄に向かって勢いよく針を突き刺した。
針を受けたメイドはそのまま重力の支えを失って地面の上へと倒れ込む。
全てを終えて一息を整えた少女は物言わぬ物体と化した二人のメイドを見下ろしながら言った。
「害を与えたのはロッテンフォード公爵とアルフレッドの両名ですけれど、あなた方は被害者であるカレンさんを侮辱し、虐め倒しておりました。それを聞いてあの世におられる王があなた方にどのような裁きをお下しになられるのか本当に気になるんですの」
少女はいや、カーラはメイドの首筋から針を抜き取ると二つの死体を山のように置かれた洗濯物の中に隠すと、たった今彼女たちが洗っていた洗濯物を両手に抱えてアルフレッドの部屋へと向かう。
お陰で廊下を歩く際、他の使用人たちに怪しまれずに済んだ。カーラが鼻歌を歌いながらアルフレッドの部屋の前に着くと、一旦洗濯物を片手に持ち、空いた片方の手でアルフレッドの部屋の扉を叩く。
扉の向こうからはアルフレッドの声が聞こえてきた。億劫な態度に腹が立ったが、今は我慢しておかねばならない。
カーラは愛想の良い態度を崩すことなく答えた。
「メイドですわ。アルフレッド様のお部屋のシーツを取り替えに参りましたの」
「シーツの取り替えだと?こんな時間にか?」
アルフレッドを疑問を口にした。だが、すぐにアルフレッドは頭の中で邪な考えを思い浮かんだ。そして、メイドがそうした目的で部屋を訪れたのだと結論付けたのだ。目的がわかったとなれば機嫌もよくなる。彼はいつもよりも明るい声でメイドを迎え入れた。
「いいぞ!シーツを取り替えてくれ!」
「……はい」
カーラは上手くいったと言わんばかりに黒い笑顔を浮かべながらアルフレッドの部屋の扉を開ける。
そして、にやけ面のアルフレッドがワインを片手にカーラを招き入れた。
「さぁさぁ、はやくシーツを替えてくれよ!それから気持ちよく眠りたいんでな」
「わかりましたわ」
カーラは了承したと見せかけ、腕に抱えていたシーツをアルフレッドに向かってぶちまけた。
突如として白色のシーツに視界を奪われたアルフレッドは一時は理解が追いつかなかったりものの、やがて部屋に入ったメイドがシーツを自分に向かってぶち撒けたのだと理解し、既に地面の上に落としたワイングラスの代わりに腰に下げていた短刀を手に取った。
だが、それよりも先にカーラがアルフレッドの首筋を手刀で勢いよく叩きつけて彼の意識を奪う方が早かった。
地面の上でうつ伏せになって倒れ込むアルフレッドの体をシーツで覆うと、カーラは堂々と玄関口からロッテンフォード公爵家の屋敷を後にした。
カーラは玄関を出るのと懐から発煙筒を掲げて白い煙が立ち昇っていく。
その姿は真っ白な鱗を持つ竜が天に昇っていくかのようでカーラは面白かった。
カーラが夜の闇に紛れて一人笑っていると、屋敷の方から火の手が上がった。
どうやらレキシーとヒューゴの両名が上手くやってくれたらしい。
カーラは歪んだ笑みを浮かべながら潜入までの計画を思い返していく。
計画ではヒューゴが屋敷に火をつけ、そこにいる使用人たちを火の後始末に夢中にさせている隙にカーラやレキシーが死体を運び出すというものであった。
火の手は上がり、その計画は上手く発動したのだ。
カーラは上機嫌に鼻歌を歌いながらシーツに包み込んだ害虫を引き摺り仲間たちとの約束の場所へと向かっていく。
約束の場所は王都の離れにある深い山の中、川沿いの山小屋の前であった。
カーラは空いっぱいに広がる満点の宝石箱をひっくり返したような星々を見上げながらレキシーを待った。
体感時間で一時間と思われるほどの時間が経過した後にレキシーとヒューゴの両名が重い袋を持って山小屋の前に現れた。
「もう遅いです!何をなされておられるのですか!?日の方が先に上がってしまったらどうする気でしたの!?」
「悪かったねぇ。こいつが予想外に暴れ回るもんだからさ」
レキシーが引き摺られながらも暴れ続ける白い袋を強く殴打しながら言った。
中に入っているのは十中八九当主のウィリアム・ロッテンフォードで間違いないだろう。
病人の割には元気そうだ。薬が効いたのだろうか。カーラは苦笑する。
「で、お二人さん。こいつらどうするつもりです?お二方のご要望通りに運んできましたけど」
ヒューゴが両腰に手を当てながら二人に問い掛けた。
「ウフフフ、これからのお楽しみでしてよ」
人差し指を唇の近くに当てて悪戯っぽく笑うカーラの表情は愛らしかったが、その言葉からは計り知れない黒い匂いのようなものを感じた。
ヒューゴはこれから“害虫駆除人”というものの本質を思い知らされることになり、ロッテンフォード公爵家は無惨な姿へと変貌していくのだが、それはあまり多く語らない方がいいだろう。
「もし、この診療所にカーラさんがいらっしゃるとお伺いしたのですが」
真っ白な頭巾を被り、緑色のサテンのドレスを纏った愛らしい顔をした少女が診療所に現れたのはロッテンフォード公爵家皆殺しの一件から一週間という月日が経ってからのことだった。
「あら、カレンさん。どうかしましたの?」
カーラは手伝いの手を止め、カレンの方を振り返った。
「あの、ありがとうございます。私を解放してくれたばかりではなく、旅費の面倒……ううん。こんな素敵なドレスまでいただいてしまって」
「……お気になさることはありませんわ。今までのあなたには苦労することが多かったのですもの。これからのあなたは幸せになるべきですの。その祝いの門出として私が差し上げたものですもの。何も気に病むことはありませんのよ」
「で、でもこんな高いドレス……」
「あら、お値段のことならば心配ありません。そのドレスは私がこの手で縫ったものですから」
その言葉を聞いてカレンばかりではなく周りの患者たちも驚愕の表情でカーラを見つめた。
「えっ、そのドレスはカーラが作ったのかい?」
患者の一人が目を見開きながら問い掛けた。
「えぇ、私がこの手で一週間の時間をかけて縫ったものでしてよ」
胸を張るカーラの言葉に嘘はなかった。
カーラはロッテンフォード公爵家を始末した後に自宅でレキシーと食事を摂っていた時に不意にレキシーと針の話になり、仕事でも使う針の技術を活かしてお針子の仕事も片手間にすればいいと提案され、その第一号として縫われたのがカレンのドレスであったのだ。
試作品ともいうべきドレスではあるが、カレンが着用しているドレスにほつれの類は見受けられない。
それどころか、サテンのドレスから放たれる光沢と艶やかさは店頭のものと比較しても引けを取らないほどに立派だった。
一方のカレンは自分のために素敵なドレスを作ってくれたカーラの気持ちにどう答えてよいのかわからなかった。
手持ちも二人から渡された旅費しかないカレンにお礼など返せるはずがない。
それ故に泣くことしかできなかった。
そんなカレンはカーラは彼女の気持ちが落ち着くまで優しく抱き締めていた。
姉妹のように体を抱き合う二人を窓の隙間から差し込んだ太陽の光が優しく包み込んでいた。
「えぇ、聞きましたわ。今頃、アルフレッド様のお部屋でーー」
二人のメイドは洗濯物を取り込みながら不愉快な笑みを浮かべながら雑談を交わしていた。メイドたちの語る雑談はこの家に仕える人間以外が聞けば確実に眉を顰めるような胸の悪くなるような会話であった。
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悪口が頂点に達し、心地良くなったのか、クスクスと邪悪な笑みを浮かべていたその時だ。背後に人の気配を感じて慌てて振り向いた。
そこには自分たちと同じエプロンドレスを着た金髪の美しい顔立ちの少女が立っていた。
少女は和かに微笑んで頭を下げると、二人のメイドの元へと近付いていく。
「ねぇ、よろしければお二人のお話、もう少し詳しく聞かせていただけません?私、カレンさんという方に俄然興味が湧きまして……」
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「あなたもあの無礼な平民のお話に興味がありますの?」
「えぇ、もちろん、興味はありましてよ。けれど……私がもっと関心が示しているのはあなた方の死後のことについてですわ」
彼女がそう口走ったかと思うと、ヒュッという音が飛び、片方のメイドの眉間に針が突き刺さっていたのである。
針を受けて倒れる仲間の姿を見て、悲鳴を上げてその場から逃亡しようともう片方のメイドであったが、少女が許さない。
自らの腕でもう片方のメイドを引き寄せると、そのまま口を塞ぎ、悲鳴を上げさせることもなく延髄に向かって勢いよく針を突き刺した。
針を受けたメイドはそのまま重力の支えを失って地面の上へと倒れ込む。
全てを終えて一息を整えた少女は物言わぬ物体と化した二人のメイドを見下ろしながら言った。
「害を与えたのはロッテンフォード公爵とアルフレッドの両名ですけれど、あなた方は被害者であるカレンさんを侮辱し、虐め倒しておりました。それを聞いてあの世におられる王があなた方にどのような裁きをお下しになられるのか本当に気になるんですの」
少女はいや、カーラはメイドの首筋から針を抜き取ると二つの死体を山のように置かれた洗濯物の中に隠すと、たった今彼女たちが洗っていた洗濯物を両手に抱えてアルフレッドの部屋へと向かう。
お陰で廊下を歩く際、他の使用人たちに怪しまれずに済んだ。カーラが鼻歌を歌いながらアルフレッドの部屋の前に着くと、一旦洗濯物を片手に持ち、空いた片方の手でアルフレッドの部屋の扉を叩く。
扉の向こうからはアルフレッドの声が聞こえてきた。億劫な態度に腹が立ったが、今は我慢しておかねばならない。
カーラは愛想の良い態度を崩すことなく答えた。
「メイドですわ。アルフレッド様のお部屋のシーツを取り替えに参りましたの」
「シーツの取り替えだと?こんな時間にか?」
アルフレッドを疑問を口にした。だが、すぐにアルフレッドは頭の中で邪な考えを思い浮かんだ。そして、メイドがそうした目的で部屋を訪れたのだと結論付けたのだ。目的がわかったとなれば機嫌もよくなる。彼はいつもよりも明るい声でメイドを迎え入れた。
「いいぞ!シーツを取り替えてくれ!」
「……はい」
カーラは上手くいったと言わんばかりに黒い笑顔を浮かべながらアルフレッドの部屋の扉を開ける。
そして、にやけ面のアルフレッドがワインを片手にカーラを招き入れた。
「さぁさぁ、はやくシーツを替えてくれよ!それから気持ちよく眠りたいんでな」
「わかりましたわ」
カーラは了承したと見せかけ、腕に抱えていたシーツをアルフレッドに向かってぶちまけた。
突如として白色のシーツに視界を奪われたアルフレッドは一時は理解が追いつかなかったりものの、やがて部屋に入ったメイドがシーツを自分に向かってぶち撒けたのだと理解し、既に地面の上に落としたワイングラスの代わりに腰に下げていた短刀を手に取った。
だが、それよりも先にカーラがアルフレッドの首筋を手刀で勢いよく叩きつけて彼の意識を奪う方が早かった。
地面の上でうつ伏せになって倒れ込むアルフレッドの体をシーツで覆うと、カーラは堂々と玄関口からロッテンフォード公爵家の屋敷を後にした。
カーラは玄関を出るのと懐から発煙筒を掲げて白い煙が立ち昇っていく。
その姿は真っ白な鱗を持つ竜が天に昇っていくかのようでカーラは面白かった。
カーラが夜の闇に紛れて一人笑っていると、屋敷の方から火の手が上がった。
どうやらレキシーとヒューゴの両名が上手くやってくれたらしい。
カーラは歪んだ笑みを浮かべながら潜入までの計画を思い返していく。
計画ではヒューゴが屋敷に火をつけ、そこにいる使用人たちを火の後始末に夢中にさせている隙にカーラやレキシーが死体を運び出すというものであった。
火の手は上がり、その計画は上手く発動したのだ。
カーラは上機嫌に鼻歌を歌いながらシーツに包み込んだ害虫を引き摺り仲間たちとの約束の場所へと向かっていく。
約束の場所は王都の離れにある深い山の中、川沿いの山小屋の前であった。
カーラは空いっぱいに広がる満点の宝石箱をひっくり返したような星々を見上げながらレキシーを待った。
体感時間で一時間と思われるほどの時間が経過した後にレキシーとヒューゴの両名が重い袋を持って山小屋の前に現れた。
「もう遅いです!何をなされておられるのですか!?日の方が先に上がってしまったらどうする気でしたの!?」
「悪かったねぇ。こいつが予想外に暴れ回るもんだからさ」
レキシーが引き摺られながらも暴れ続ける白い袋を強く殴打しながら言った。
中に入っているのは十中八九当主のウィリアム・ロッテンフォードで間違いないだろう。
病人の割には元気そうだ。薬が効いたのだろうか。カーラは苦笑する。
「で、お二人さん。こいつらどうするつもりです?お二方のご要望通りに運んできましたけど」
ヒューゴが両腰に手を当てながら二人に問い掛けた。
「ウフフフ、これからのお楽しみでしてよ」
人差し指を唇の近くに当てて悪戯っぽく笑うカーラの表情は愛らしかったが、その言葉からは計り知れない黒い匂いのようなものを感じた。
ヒューゴはこれから“害虫駆除人”というものの本質を思い知らされることになり、ロッテンフォード公爵家は無惨な姿へと変貌していくのだが、それはあまり多く語らない方がいいだろう。
「もし、この診療所にカーラさんがいらっしゃるとお伺いしたのですが」
真っ白な頭巾を被り、緑色のサテンのドレスを纏った愛らしい顔をした少女が診療所に現れたのはロッテンフォード公爵家皆殺しの一件から一週間という月日が経ってからのことだった。
「あら、カレンさん。どうかしましたの?」
カーラは手伝いの手を止め、カレンの方を振り返った。
「あの、ありがとうございます。私を解放してくれたばかりではなく、旅費の面倒……ううん。こんな素敵なドレスまでいただいてしまって」
「……お気になさることはありませんわ。今までのあなたには苦労することが多かったのですもの。これからのあなたは幸せになるべきですの。その祝いの門出として私が差し上げたものですもの。何も気に病むことはありませんのよ」
「で、でもこんな高いドレス……」
「あら、お値段のことならば心配ありません。そのドレスは私がこの手で縫ったものですから」
その言葉を聞いてカレンばかりではなく周りの患者たちも驚愕の表情でカーラを見つめた。
「えっ、そのドレスはカーラが作ったのかい?」
患者の一人が目を見開きながら問い掛けた。
「えぇ、私がこの手で一週間の時間をかけて縫ったものでしてよ」
胸を張るカーラの言葉に嘘はなかった。
カーラはロッテンフォード公爵家を始末した後に自宅でレキシーと食事を摂っていた時に不意にレキシーと針の話になり、仕事でも使う針の技術を活かしてお針子の仕事も片手間にすればいいと提案され、その第一号として縫われたのがカレンのドレスであったのだ。
試作品ともいうべきドレスではあるが、カレンが着用しているドレスにほつれの類は見受けられない。
それどころか、サテンのドレスから放たれる光沢と艶やかさは店頭のものと比較しても引けを取らないほどに立派だった。
一方のカレンは自分のために素敵なドレスを作ってくれたカーラの気持ちにどう答えてよいのかわからなかった。
手持ちも二人から渡された旅費しかないカレンにお礼など返せるはずがない。
それ故に泣くことしかできなかった。
そんなカレンはカーラは彼女の気持ちが落ち着くまで優しく抱き締めていた。
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