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護衛編
悪霊からの警告
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「……そうか、奴らは逃げ去ったか」
ジェラルドは足を負傷した護衛兵の一人に包帯を巻きながらルイーダからの報告に耳を傾けていた。
「えぇ、ですが油断はなりません。敵はいつまた何時に殿下をお狙いになられるのかわかったものではありませんので」
ジェラルドはその言葉に答えなかった。代わりに視線を下へと落とし、負傷した護衛兵の包帯を巻き付けていく。
ジェラルドが包帯を見つつも、視線が定まっていないことからどこか遠くを見ていることはルイーダにも理解できた。
今後も今日のような強者たちが襲ってくると可能性が浮上したのだから当然だ。気を持たせろという方が無茶だ。
更にルイーダからすれば今日のような事件が起こればジェラルドを守り抜ける自信もない。
なにせ高速魔法の一日における使用回数はたったの三回。それを過ぎれば高速魔法は使用できない。
それ故、もしまたジェラルドの命を狙う刺客が現れればルイーダとしてはなす術もないというところだろうか。
もちろん、自身の得意魔法である光魔法は使える。それでも高速魔法が使えないのと使えないとでは戦闘にも大きな影響が出てしまう。
高速魔法の制限に関してはジードも同じだ。カールやあの得体の知れない男の相手で使用回数はとっくの昔に超越してしまっている。
万が一のことが起これば例えファブニールの力があるとはいえ守り抜くことはルイーダと同様に困難であるといえるだろう。
今日の予定は遥か昔の時代に勇者アロイド・メルテロイによって封じ込められた悪魔王レイキュリザラスの墓を見にレンツに向かうことになっていた。
レイキュリザラスの墓を見学した後には同地にて盛んに生産が行われているレンツ車の工場を見るのが今日のジェラルドのスケジュールだ。
ここの案内は現場の工場長ではなく、わざわざ本社の社長が行うように国が命じたいうのだからガレリア国が、エルダー・リッジウェイがどれほど皇太子訪問に命を賭けているのかということがわかる。
そのことを考えれば自分は敵であるエルダーの背中を押しているということになってしまう。
ルイーダの心境はといえば複雑であった。いかに自身が騎士といえども敵対する相手の肩を持つことなどはできない。
だが、皇太子に罪はない。騎士として敬意も払わなくてはならない。それ故にルイーダはそのことがわかっていても護衛を続けるしかなかったのだ。
ルイーダはジェラルドと共にカールの襲撃によって負傷した警備兵の救護にあたっていく。
目の前の惨状を見て、思わず唖然たしていたジードの袖を引っ張って救護に加担させることにより、手当は予想以上にスムーズに進んだ。
全ての兵士たちによる簡単な救護が済んだ後、怪我の軽いものは護衛に同行し、重いものはジェラルドの采配によって帰国を許された。
そのためその日は昨日よりも少ない人数でジェラルドの護衛を行わなければならなかった。
数の少なさを表す例を書き出すと、すれば昨日は二両であった列車が今日は一両で足りたとでも記すべきだろうか。
いずれにしろガラガラに空いた車両の中で二人を含めた護衛の兵士たちが今朝のような襲撃がないかとピリピリとしていたのは本当のことであった。
幸いなことに列車は刺客たちの襲撃に遭うこともなく、無事にレンツの地へと辿り着いた。
出迎えに現れたレンツに拠点を構える国内最大の大手自動車メーカーの社長ヨセフ・ヒンデンルートは頭をペコペコと下げながらジェラルドに握手を求めていく。
卑屈なまでのヨセフに対してジェラルドは嫌な顔一つせずにその手を受け取り握手に応じたのである。
それからヨセフや彼の周りに群がる重役たちの案内によってレイキュリザラスの墓へと向かう。
レイキュリザラスの墓は工業地帯であるレンツにおいてもあまり人の手が入っていない山奥に存在していた。
だが、山奥とはいえレイキュリザラスの墓は地元の住民たちからそれ相応の礼儀を取られていた。
大きく積まれた山と積まれた土の墓の前にはイタズラ防止のため棘がついた頑丈な柵が四方に敷かれ、その横には魔界の軍団を従えるレイキュリザラスの像とこの墓が何であるのかを説明した石碑が設置されていた。
石碑ばかりではない。その横にはレイキュリザラスとアロイド・メルテロイの戦いを描いた絵とその下にこの絵が何であるのかを記した解説文が共に記された大きな解説版が設置されていた。
ジェラルドはアロイド・メルテロイの活躍に胸を躍らせていたが、その一方で、彼の側にいたルイーダとはいえば複雑な心境であった。
ジードに至ってはアロイドの銅像や絵を汚物でも見るかのような目で見下ろしていた。
二人がこのような反応を取るのも無理はない。
というのも、二人が思い返すのはエルダーの蘇生魔法によって蘇ったアロイドが自分たちを狙ってきたという出来事であったからだ。
しばらくの間は何も言わず、過去の記憶に思いを馳せていたが、カラカラと笑うヨセフの言葉で二人は正気に戻った。
「どうやら殿下は相当アロイド・メルテロイの伝説を気に入られたようですな」
「全くだッ!アロイドとはなんと素晴らしい人物なのだろう!私は彼のことをもっと知ってみたいッ!」
「そうですか!よし、お前殿下にアロイドの物語を語ってやりなさい」
ヨセフが側にいた秘書と思われる中年の男へと目をやる。
だが、その男は何も言わずに目の前の土塚を見つめていた。
ヨセフはたまりかねて、男の肩を強く手で揺すったが、男はそれでも反応しなかった。
とうとういつまでも無言を貫く男の態度に業を煮やしたヨセフは男を強引に突き飛ばしたのである。
「貴様ッ!わしの命令が聞こえんのか!?」
「……うるさいッ!黙れッ!」
突き飛ばされた男はそう叫んだかと思うと、ヨセフの胸元を掴み上げて地面の上へと押し倒したのである。
「き、貴様ッ!部下の分際で何をッ!」
「フッ、部下だと笑わせるなッ!オレの上司はただ一人、大魔王レイキュリザラス様だけだッ!」
男の目は完全に焦点を失っていた。叫んでいたものの、舌は出ているし、歯は剥き出しになっている。
目の前で異様なことが起きていることは二人も見て分かった。
それ故咄嗟にジェラルドの前へと出て、ジェラルドを庇う真似を行ったのだ。
ヨセフも男の異様さを感じて、周りの社員たちに男を取り押さえるように指示を出す。
だが、男は自分を捕まえるため飛び掛かってきた男たちを怪力で打ちのめしていく。
それからヨセフに飛び掛かり、両手でその首を強く締め上げていく。
周りの社員たちは慌てて男をヨセフから引き離そうとしていたが、男はまるで置き石のように重くヨセフの上にのしかかっていたのである。
そしてとうとうヨセフは限界まで首を締め上げられてその命を散らす羽目になったのだ。
男はヨセフの命が途絶えたことを確認すると、体の上から起き上がり、今度はジェラルドの元へと飛び掛かっていく。
ルイーダはその時すかさず剣を振り払った。
しかもこの時に喰らわせた斬撃はただの斬撃ではなかった。
光の魔法を纏わせた聖なる力であった。
そのため男の体は光の魔法に包まれてこの世界から浄化していくのであった。
男の体が光に包まれて昇天していく際、ルイーダは男の体から一筋の黒い影が天に向かって飛んでいったのを見た。
「おい、あれなんだよ」
と、ジードが横から彼女の腕を引っ張って問い掛ける。
どうやらジードにも一筋の黒い影が空に向かって飛んでいく姿が目視されたのだろう。
「悪霊だ」
ルイーダはその問い掛けに対してきっぱりと言い放った。
「あ、悪霊って?」
「悪霊は悪霊だ。古の時代から現れては人に取り憑き、人を惑わせる悪い霊のことを指していう言葉だ」
「悪霊だって!?まさか、マナエが?」
「いいや、それはない。マナエはいいや、エルダーは今回の皇太子来訪にかなり力を入れていたからな。そのエルダーが皇太子が訪れる土地に害をもたらす悪霊を放つはずがない」
「じゃあ、誰がなんの目的で」
「大方、あの男が追い詰められてこの土塚の前で妙なことでもやらかしたのだろう」
ルイーダはこの時「或いは」という言葉を飲み込んでいた。
或いはに続く言葉の先には無数の黒幕が垣間見えたからだ。
その黒幕候補としてカールやあの不死鳥のような男を操っていた組織であったり、北の国であったりという存在が思い浮かんだのだが、それよりも一番有力であったのはこの土塚の下に眠る存在だ。
すなわち悪魔王レイキュリザラスである。
ルイーダの中に思い浮かぶもしもの可能性として一番最悪であったのはレイキュリザラスが地上への復権を図るため悪霊を自身の墓の前で社長への呪詛にふける男の元へと飛ばしたというものだ。
レイキュリザラスがもしこの世界に蘇るというのならば世界は再び混沌に包まれる。そのことは大いに予想できた。
だが、ルイーダは混乱に陥ることを恐れてあえて口を紡いだのである。
もし本当にレイキュリザラスがこの世界に蘇る時があれば真実を話さなくてはならないだろうが、その時までは自身の胸のうちに潜めていた方が安心できる。
そうした思いからルイーダは自分だけの内緒にすることを心に決めたのである。
あとがき
投稿が遅れてしまい誠に申し訳ございません。本日は精神的に参ることがあったので投稿に取り掛かるのが遅れてしまいました。
重ねてお詫び致します。誠に申し訳ありませんでした。
ジェラルドは足を負傷した護衛兵の一人に包帯を巻きながらルイーダからの報告に耳を傾けていた。
「えぇ、ですが油断はなりません。敵はいつまた何時に殿下をお狙いになられるのかわかったものではありませんので」
ジェラルドはその言葉に答えなかった。代わりに視線を下へと落とし、負傷した護衛兵の包帯を巻き付けていく。
ジェラルドが包帯を見つつも、視線が定まっていないことからどこか遠くを見ていることはルイーダにも理解できた。
今後も今日のような強者たちが襲ってくると可能性が浮上したのだから当然だ。気を持たせろという方が無茶だ。
更にルイーダからすれば今日のような事件が起こればジェラルドを守り抜ける自信もない。
なにせ高速魔法の一日における使用回数はたったの三回。それを過ぎれば高速魔法は使用できない。
それ故、もしまたジェラルドの命を狙う刺客が現れればルイーダとしてはなす術もないというところだろうか。
もちろん、自身の得意魔法である光魔法は使える。それでも高速魔法が使えないのと使えないとでは戦闘にも大きな影響が出てしまう。
高速魔法の制限に関してはジードも同じだ。カールやあの得体の知れない男の相手で使用回数はとっくの昔に超越してしまっている。
万が一のことが起これば例えファブニールの力があるとはいえ守り抜くことはルイーダと同様に困難であるといえるだろう。
今日の予定は遥か昔の時代に勇者アロイド・メルテロイによって封じ込められた悪魔王レイキュリザラスの墓を見にレンツに向かうことになっていた。
レイキュリザラスの墓を見学した後には同地にて盛んに生産が行われているレンツ車の工場を見るのが今日のジェラルドのスケジュールだ。
ここの案内は現場の工場長ではなく、わざわざ本社の社長が行うように国が命じたいうのだからガレリア国が、エルダー・リッジウェイがどれほど皇太子訪問に命を賭けているのかということがわかる。
そのことを考えれば自分は敵であるエルダーの背中を押しているということになってしまう。
ルイーダの心境はといえば複雑であった。いかに自身が騎士といえども敵対する相手の肩を持つことなどはできない。
だが、皇太子に罪はない。騎士として敬意も払わなくてはならない。それ故にルイーダはそのことがわかっていても護衛を続けるしかなかったのだ。
ルイーダはジェラルドと共にカールの襲撃によって負傷した警備兵の救護にあたっていく。
目の前の惨状を見て、思わず唖然たしていたジードの袖を引っ張って救護に加担させることにより、手当は予想以上にスムーズに進んだ。
全ての兵士たちによる簡単な救護が済んだ後、怪我の軽いものは護衛に同行し、重いものはジェラルドの采配によって帰国を許された。
そのためその日は昨日よりも少ない人数でジェラルドの護衛を行わなければならなかった。
数の少なさを表す例を書き出すと、すれば昨日は二両であった列車が今日は一両で足りたとでも記すべきだろうか。
いずれにしろガラガラに空いた車両の中で二人を含めた護衛の兵士たちが今朝のような襲撃がないかとピリピリとしていたのは本当のことであった。
幸いなことに列車は刺客たちの襲撃に遭うこともなく、無事にレンツの地へと辿り着いた。
出迎えに現れたレンツに拠点を構える国内最大の大手自動車メーカーの社長ヨセフ・ヒンデンルートは頭をペコペコと下げながらジェラルドに握手を求めていく。
卑屈なまでのヨセフに対してジェラルドは嫌な顔一つせずにその手を受け取り握手に応じたのである。
それからヨセフや彼の周りに群がる重役たちの案内によってレイキュリザラスの墓へと向かう。
レイキュリザラスの墓は工業地帯であるレンツにおいてもあまり人の手が入っていない山奥に存在していた。
だが、山奥とはいえレイキュリザラスの墓は地元の住民たちからそれ相応の礼儀を取られていた。
大きく積まれた山と積まれた土の墓の前にはイタズラ防止のため棘がついた頑丈な柵が四方に敷かれ、その横には魔界の軍団を従えるレイキュリザラスの像とこの墓が何であるのかを説明した石碑が設置されていた。
石碑ばかりではない。その横にはレイキュリザラスとアロイド・メルテロイの戦いを描いた絵とその下にこの絵が何であるのかを記した解説文が共に記された大きな解説版が設置されていた。
ジェラルドはアロイド・メルテロイの活躍に胸を躍らせていたが、その一方で、彼の側にいたルイーダとはいえば複雑な心境であった。
ジードに至ってはアロイドの銅像や絵を汚物でも見るかのような目で見下ろしていた。
二人がこのような反応を取るのも無理はない。
というのも、二人が思い返すのはエルダーの蘇生魔法によって蘇ったアロイドが自分たちを狙ってきたという出来事であったからだ。
しばらくの間は何も言わず、過去の記憶に思いを馳せていたが、カラカラと笑うヨセフの言葉で二人は正気に戻った。
「どうやら殿下は相当アロイド・メルテロイの伝説を気に入られたようですな」
「全くだッ!アロイドとはなんと素晴らしい人物なのだろう!私は彼のことをもっと知ってみたいッ!」
「そうですか!よし、お前殿下にアロイドの物語を語ってやりなさい」
ヨセフが側にいた秘書と思われる中年の男へと目をやる。
だが、その男は何も言わずに目の前の土塚を見つめていた。
ヨセフはたまりかねて、男の肩を強く手で揺すったが、男はそれでも反応しなかった。
とうとういつまでも無言を貫く男の態度に業を煮やしたヨセフは男を強引に突き飛ばしたのである。
「貴様ッ!わしの命令が聞こえんのか!?」
「……うるさいッ!黙れッ!」
突き飛ばされた男はそう叫んだかと思うと、ヨセフの胸元を掴み上げて地面の上へと押し倒したのである。
「き、貴様ッ!部下の分際で何をッ!」
「フッ、部下だと笑わせるなッ!オレの上司はただ一人、大魔王レイキュリザラス様だけだッ!」
男の目は完全に焦点を失っていた。叫んでいたものの、舌は出ているし、歯は剥き出しになっている。
目の前で異様なことが起きていることは二人も見て分かった。
それ故咄嗟にジェラルドの前へと出て、ジェラルドを庇う真似を行ったのだ。
ヨセフも男の異様さを感じて、周りの社員たちに男を取り押さえるように指示を出す。
だが、男は自分を捕まえるため飛び掛かってきた男たちを怪力で打ちのめしていく。
それからヨセフに飛び掛かり、両手でその首を強く締め上げていく。
周りの社員たちは慌てて男をヨセフから引き離そうとしていたが、男はまるで置き石のように重くヨセフの上にのしかかっていたのである。
そしてとうとうヨセフは限界まで首を締め上げられてその命を散らす羽目になったのだ。
男はヨセフの命が途絶えたことを確認すると、体の上から起き上がり、今度はジェラルドの元へと飛び掛かっていく。
ルイーダはその時すかさず剣を振り払った。
しかもこの時に喰らわせた斬撃はただの斬撃ではなかった。
光の魔法を纏わせた聖なる力であった。
そのため男の体は光の魔法に包まれてこの世界から浄化していくのであった。
男の体が光に包まれて昇天していく際、ルイーダは男の体から一筋の黒い影が天に向かって飛んでいったのを見た。
「おい、あれなんだよ」
と、ジードが横から彼女の腕を引っ張って問い掛ける。
どうやらジードにも一筋の黒い影が空に向かって飛んでいく姿が目視されたのだろう。
「悪霊だ」
ルイーダはその問い掛けに対してきっぱりと言い放った。
「あ、悪霊って?」
「悪霊は悪霊だ。古の時代から現れては人に取り憑き、人を惑わせる悪い霊のことを指していう言葉だ」
「悪霊だって!?まさか、マナエが?」
「いいや、それはない。マナエはいいや、エルダーは今回の皇太子来訪にかなり力を入れていたからな。そのエルダーが皇太子が訪れる土地に害をもたらす悪霊を放つはずがない」
「じゃあ、誰がなんの目的で」
「大方、あの男が追い詰められてこの土塚の前で妙なことでもやらかしたのだろう」
ルイーダはこの時「或いは」という言葉を飲み込んでいた。
或いはに続く言葉の先には無数の黒幕が垣間見えたからだ。
その黒幕候補としてカールやあの不死鳥のような男を操っていた組織であったり、北の国であったりという存在が思い浮かんだのだが、それよりも一番有力であったのはこの土塚の下に眠る存在だ。
すなわち悪魔王レイキュリザラスである。
ルイーダの中に思い浮かぶもしもの可能性として一番最悪であったのはレイキュリザラスが地上への復権を図るため悪霊を自身の墓の前で社長への呪詛にふける男の元へと飛ばしたというものだ。
レイキュリザラスがもしこの世界に蘇るというのならば世界は再び混沌に包まれる。そのことは大いに予想できた。
だが、ルイーダは混乱に陥ることを恐れてあえて口を紡いだのである。
もし本当にレイキュリザラスがこの世界に蘇る時があれば真実を話さなくてはならないだろうが、その時までは自身の胸のうちに潜めていた方が安心できる。
そうした思いからルイーダは自分だけの内緒にすることを心に決めたのである。
あとがき
投稿が遅れてしまい誠に申し訳ございません。本日は精神的に参ることがあったので投稿に取り掛かるのが遅れてしまいました。
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