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大祭編
最終決戦
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「…‥さてと、化け物め、そろそろ決着を付けさせてもらうぞ」
ルイーダは地面の上に倒れているブリュッタロスの鼻先に剣を突きつけながら言った。
それに対してブリュッタロスは力なさげにブブッと鼻を鳴らすばかりである。余程、先ほどの攻撃が効いたのだろうか。
そんなことを考えていた時だ。ブリュッタロスが唸り声を上げながら起き上がっていく。
「避けろッ!ルイーダッ!」
背後からジードの警告が飛ぶ。それを聞いたルイーダは慌ててその場から離れることで難を逃れたのである。
退避したルイーダの元にジードが駆け寄り、その安否を気遣う。
「大丈夫か?」
「平気だ。それよりも、あの怪物を見てみろ」
ルイーダは剣を空中へと飛び上がっていく怪物へと突き付ける。
怪物は真っ赤な炎に包まれており、その姿は竜というよりかは古の神話に伝わる炎神を思い起こさせた。
全身に火炎を纏う姿はそう表現するより他にない。
なんとも厄介な敵が相手になったものだ。ルイーダが苦笑していると、空中の上でブリュッタロスが雄叫びを上げる。
いや、雄叫びを上げるばかりではない。火炎を吐きながら辺りを焼き尽くそうとしていたのである。
ルイーダはそのことを実感するなり、自らの手で飛び上がり、宙の上で剣を構えて斬りかかっていく。
正面から飛んでくる剣を持った騎士をブリュッタロスはその鋭い犬歯で噛みちぎろうとしたのか、はたまた大きな口で飲み込もうとしたか、もしくは火炎を使って焼き殺そうとしたのかはわからない。
いずれにせよ、またルイーダの前に洞窟を思い起こさせるような大きな口が開いたのである。
ルイーダはこの絶対の危機を飛び上がって、唇の上へと上がることで回避したのである。そして、その勢いのまま怪物の体の上を転がっていった。
そして、そのまま体の上を駆け回り、ブリュッタロスの巨大な翼の左側に向かって強烈な一撃を叩き込んだのである。
ブリュッタロスは勇敢な騎士の一撃によって翼を大きく損傷し、地面の上へと堕ちていく。
だが、あくまでも破れたのは左翼のみ。もう片方は無事であるのだ。ブリュッタロスは空中で大きく飛び上がった後で右に向かって大きく旋回し、自身の翼を攻撃したルイーダを払い落としたのであった。
ルイーダは飛び上がった距離に換算してビルの五階から地面に叩き落とされるような感覚に陥るはずであった。
だが、ルイーダは空中で大きく旋回し、自らの剣を地面の上に突き刺し、その難を逃れたのであった。
ルイーダの元へと血相を変えたジードが駆け寄り、その隣で剣を構える。
「ジード、お前は後ろに控えていろ。ここは私が自らの手で決着を付ける」
「何を言うんだよッ!お前が戦っているっていうのにオレだけ背後になんていられるかよッ!」
ジードは剣を構えながら叫ぶ。大昔は人類の存亡をかけて戦ったほどであるが、現在では肩を並べて戦い合う仲へと変貌したことをルイーダは誇りに感じていた。
ルイーダはそんな頼もしい戦友を親愛の目で見つめながら、
「ジード、死ぬなよ」
と、だけ呟いた。
それに対応する返事は真っ直ぐに頷くだけであった。
二人は固まらずに分散し、空中を我が物顔で飛び回るブリュッタロスへと向かっていく。
ブリュッタロスは二人が向かってくるとジードには目も暮れず、代わりに自身の左の翼を破壊したルイーダにのみ激しい怒りをぶつけたのである。
ブリュッタロスは奇声を上げたかと思うと、ルイーダの元へと急降下していく。
しかも、今度は火炎を撒き散らしながらである。
自身の翼を破壊した怒りはそれほどまであった。
だが、ルイーダは本日最後の高速魔法を活用して、ブリュッタロスの元へと斬りかかっていった。
どんなに優れた性質を持とうともまたブリュッタロスはあくまでも意識のない怪物。
人間のみが扱うことができる魔法などが活用できるはずがない。
ルイーダは高速魔法を使って今度は右の翼に向かって大きく剣を振り下ろしたのである。
ブリュッタロスはこれで両翼をもがれてしまった。ルイーダはブリュッタロスの体から翼が弾き飛ばされるのを確認し、自らの魔法を解除する。
すると、地上へと墜落し、惨めな声をあげて喚き立てるブリュッタロスの姿があった。
「ヘヘッ、こいつはいいや」
惨めな怪物に向かって悪魔兄弟が連帯を組み、ブリュッタロスの両目に電気の球を放っていく。
すぐに避けることができたのならばどれほどまでによかっただろうか。
だが、この時のブリュッタロスは両翼を失った衝撃によって半ば虚な状況にあったことを忘れてはならない。ブリュッタロスは信じられないと言わんばかりの顔で両目を開けていたところを襲われた。流石に強力な装甲を持つブリュッタロスといえども目に電気を当てられては敵わないようだ。
ルイーダに斬られた翼のショックも癒えぬうちにブリュッタロスはその両目までも失うことになったのであった。
この時のヒルダは更に攻撃を加えた。目と翼を失ったブリュッタロスに対して虫の幻覚を見せて精神的な追い込みかけたのである。
本来であるのならば克服できたはずの魔法であった。しかし今のブリュッタロスには目もなければ翼もない。
精神的にも不安定な状態なのだ。そんな状況で攻撃を喰らってしまえばどうなるのかなど自明の理である。
ブリュッタロスは狂ったようにそこら中を暴れ回り、街のあちこちを破壊していくのであった。
ルイーダはそんなブリュッタロスに対して剣を突きつけながら得意げな顔を浮かべて言った。
「古よりの魔物ブリュッタロスよ……そのような状況にあろうとはさぞ苦しかろう。待っていろ、今私がお前を解放してやろう」
ルイーダは剣を両手で構えながらブリュッタロスの胸元へと飛び掛かっていく。
ルイーダの剣はブリュッタロスの心臓部を直撃し、その体を真っ白な光で包ませた後に、その体を爆散させたのであった。
あちらこちらにブリュッタロスであったものの残骸が飛んでいく。ビルや地面にそれらの類が撒き散らされる姿はなんともグロテスクなものであった。
しかし、何はともあれ、これで全てが終わったらしい。ルイーダは大きな溜息を吐いて地面の上に座り込む。
そこに向かってジードが駆け寄っていく。
「お疲れ様、ルイーダ」
「ありがとう。ジード」
ルイーダはジードの手を借りて起き上がった。それからこちらをニヤニヤとした顔で見つめている悪魔兄弟に向かって剣を突き付けながら言った。
「どうする?まだやるつもりか?」
ルイーダの声は低かった。それこそ氷河の下に閉じ込められている深海の水のように冷ややかなものであった。
ルイーダの両目も白い光を帯び鋭く悪魔兄弟を睨んでいた。
だが、肝心の悪魔兄弟たちは動じる様子はまるで見せていない。
業を煮やしたルイーダが剣を構えながら踏み出した時だ。
「おいおい、待てよ、オレたちはもう今日はお前さんたちとやり合うつもりはないんだぜ」
ヴィットリオが手でルイーダを追い払いながら言った。
「その通り、オレも今日は疲れちまったからな。ベッドの上で大きく手を伸ばして寝そべりたいんだ。なぁ、ヒルダ?」
「えぇ、お兄様の仰る通りです。本日の私どもの予定は宿屋で寝るだけとなっております」
「流石はオレの妹だッ!よくスケジュールを把握してるなッ!」
「お兄様に喜んで欲しくて私も頑張ったんですのよ」
ヒルダは甘えた声で照れ臭そうに顔を赤めながら言った。そしてそのまま顔を赤らませながらヨハンの元へと擦り寄っていく。ヨハンはそれを満更でもないと言わんばかりの表情で受け入れていた。
どうやら作戦失敗による責任逃れのため彼女は今後悪魔兄弟の妹役として加入するらしい。
ヒルダは成り行きによって新たに出来上がった二人の兄に腕を絡ませながらその場を後にしていく。
二人は新たに誕生した可愛い妹のスキンシップにデレデレとしながらその場を去っていく。
ヴィットリオは今日その妹に対して酷い目に遭わされたとばかりだというのに全てを水に流すつもりでいるようだ。
ニコニコと朗らかな笑みを浮かべている。
ジードはそんなヴィットリオを呆れた目で見つめていた。
『可愛いは正義』なる言葉があるらしいが、今回の場合はその言葉が適用される貴重なケースになるのだろう。
ジードがそんなことを考えていると、ルイーダに肘で体を小突かれたことに気が付く。
「ジード、追おうか?」
「もうよそうぜ、オレも今日は疲れたよ」
ジードの言葉は本音であった。できることならばこのまま地面の上に寝転がりたい。
だが、それはモラルが許さない。ジードは懸命に堪えてルイーダの手を取り、どこか休めそうな場所にまで向かっていくのであった。
ルイーダは地面の上に倒れているブリュッタロスの鼻先に剣を突きつけながら言った。
それに対してブリュッタロスは力なさげにブブッと鼻を鳴らすばかりである。余程、先ほどの攻撃が効いたのだろうか。
そんなことを考えていた時だ。ブリュッタロスが唸り声を上げながら起き上がっていく。
「避けろッ!ルイーダッ!」
背後からジードの警告が飛ぶ。それを聞いたルイーダは慌ててその場から離れることで難を逃れたのである。
退避したルイーダの元にジードが駆け寄り、その安否を気遣う。
「大丈夫か?」
「平気だ。それよりも、あの怪物を見てみろ」
ルイーダは剣を空中へと飛び上がっていく怪物へと突き付ける。
怪物は真っ赤な炎に包まれており、その姿は竜というよりかは古の神話に伝わる炎神を思い起こさせた。
全身に火炎を纏う姿はそう表現するより他にない。
なんとも厄介な敵が相手になったものだ。ルイーダが苦笑していると、空中の上でブリュッタロスが雄叫びを上げる。
いや、雄叫びを上げるばかりではない。火炎を吐きながら辺りを焼き尽くそうとしていたのである。
ルイーダはそのことを実感するなり、自らの手で飛び上がり、宙の上で剣を構えて斬りかかっていく。
正面から飛んでくる剣を持った騎士をブリュッタロスはその鋭い犬歯で噛みちぎろうとしたのか、はたまた大きな口で飲み込もうとしたか、もしくは火炎を使って焼き殺そうとしたのかはわからない。
いずれにせよ、またルイーダの前に洞窟を思い起こさせるような大きな口が開いたのである。
ルイーダはこの絶対の危機を飛び上がって、唇の上へと上がることで回避したのである。そして、その勢いのまま怪物の体の上を転がっていった。
そして、そのまま体の上を駆け回り、ブリュッタロスの巨大な翼の左側に向かって強烈な一撃を叩き込んだのである。
ブリュッタロスは勇敢な騎士の一撃によって翼を大きく損傷し、地面の上へと堕ちていく。
だが、あくまでも破れたのは左翼のみ。もう片方は無事であるのだ。ブリュッタロスは空中で大きく飛び上がった後で右に向かって大きく旋回し、自身の翼を攻撃したルイーダを払い落としたのであった。
ルイーダは飛び上がった距離に換算してビルの五階から地面に叩き落とされるような感覚に陥るはずであった。
だが、ルイーダは空中で大きく旋回し、自らの剣を地面の上に突き刺し、その難を逃れたのであった。
ルイーダの元へと血相を変えたジードが駆け寄り、その隣で剣を構える。
「ジード、お前は後ろに控えていろ。ここは私が自らの手で決着を付ける」
「何を言うんだよッ!お前が戦っているっていうのにオレだけ背後になんていられるかよッ!」
ジードは剣を構えながら叫ぶ。大昔は人類の存亡をかけて戦ったほどであるが、現在では肩を並べて戦い合う仲へと変貌したことをルイーダは誇りに感じていた。
ルイーダはそんな頼もしい戦友を親愛の目で見つめながら、
「ジード、死ぬなよ」
と、だけ呟いた。
それに対応する返事は真っ直ぐに頷くだけであった。
二人は固まらずに分散し、空中を我が物顔で飛び回るブリュッタロスへと向かっていく。
ブリュッタロスは二人が向かってくるとジードには目も暮れず、代わりに自身の左の翼を破壊したルイーダにのみ激しい怒りをぶつけたのである。
ブリュッタロスは奇声を上げたかと思うと、ルイーダの元へと急降下していく。
しかも、今度は火炎を撒き散らしながらである。
自身の翼を破壊した怒りはそれほどまであった。
だが、ルイーダは本日最後の高速魔法を活用して、ブリュッタロスの元へと斬りかかっていった。
どんなに優れた性質を持とうともまたブリュッタロスはあくまでも意識のない怪物。
人間のみが扱うことができる魔法などが活用できるはずがない。
ルイーダは高速魔法を使って今度は右の翼に向かって大きく剣を振り下ろしたのである。
ブリュッタロスはこれで両翼をもがれてしまった。ルイーダはブリュッタロスの体から翼が弾き飛ばされるのを確認し、自らの魔法を解除する。
すると、地上へと墜落し、惨めな声をあげて喚き立てるブリュッタロスの姿があった。
「ヘヘッ、こいつはいいや」
惨めな怪物に向かって悪魔兄弟が連帯を組み、ブリュッタロスの両目に電気の球を放っていく。
すぐに避けることができたのならばどれほどまでによかっただろうか。
だが、この時のブリュッタロスは両翼を失った衝撃によって半ば虚な状況にあったことを忘れてはならない。ブリュッタロスは信じられないと言わんばかりの顔で両目を開けていたところを襲われた。流石に強力な装甲を持つブリュッタロスといえども目に電気を当てられては敵わないようだ。
ルイーダに斬られた翼のショックも癒えぬうちにブリュッタロスはその両目までも失うことになったのであった。
この時のヒルダは更に攻撃を加えた。目と翼を失ったブリュッタロスに対して虫の幻覚を見せて精神的な追い込みかけたのである。
本来であるのならば克服できたはずの魔法であった。しかし今のブリュッタロスには目もなければ翼もない。
精神的にも不安定な状態なのだ。そんな状況で攻撃を喰らってしまえばどうなるのかなど自明の理である。
ブリュッタロスは狂ったようにそこら中を暴れ回り、街のあちこちを破壊していくのであった。
ルイーダはそんなブリュッタロスに対して剣を突きつけながら得意げな顔を浮かべて言った。
「古よりの魔物ブリュッタロスよ……そのような状況にあろうとはさぞ苦しかろう。待っていろ、今私がお前を解放してやろう」
ルイーダは剣を両手で構えながらブリュッタロスの胸元へと飛び掛かっていく。
ルイーダの剣はブリュッタロスの心臓部を直撃し、その体を真っ白な光で包ませた後に、その体を爆散させたのであった。
あちらこちらにブリュッタロスであったものの残骸が飛んでいく。ビルや地面にそれらの類が撒き散らされる姿はなんともグロテスクなものであった。
しかし、何はともあれ、これで全てが終わったらしい。ルイーダは大きな溜息を吐いて地面の上に座り込む。
そこに向かってジードが駆け寄っていく。
「お疲れ様、ルイーダ」
「ありがとう。ジード」
ルイーダはジードの手を借りて起き上がった。それからこちらをニヤニヤとした顔で見つめている悪魔兄弟に向かって剣を突き付けながら言った。
「どうする?まだやるつもりか?」
ルイーダの声は低かった。それこそ氷河の下に閉じ込められている深海の水のように冷ややかなものであった。
ルイーダの両目も白い光を帯び鋭く悪魔兄弟を睨んでいた。
だが、肝心の悪魔兄弟たちは動じる様子はまるで見せていない。
業を煮やしたルイーダが剣を構えながら踏み出した時だ。
「おいおい、待てよ、オレたちはもう今日はお前さんたちとやり合うつもりはないんだぜ」
ヴィットリオが手でルイーダを追い払いながら言った。
「その通り、オレも今日は疲れちまったからな。ベッドの上で大きく手を伸ばして寝そべりたいんだ。なぁ、ヒルダ?」
「えぇ、お兄様の仰る通りです。本日の私どもの予定は宿屋で寝るだけとなっております」
「流石はオレの妹だッ!よくスケジュールを把握してるなッ!」
「お兄様に喜んで欲しくて私も頑張ったんですのよ」
ヒルダは甘えた声で照れ臭そうに顔を赤めながら言った。そしてそのまま顔を赤らませながらヨハンの元へと擦り寄っていく。ヨハンはそれを満更でもないと言わんばかりの表情で受け入れていた。
どうやら作戦失敗による責任逃れのため彼女は今後悪魔兄弟の妹役として加入するらしい。
ヒルダは成り行きによって新たに出来上がった二人の兄に腕を絡ませながらその場を後にしていく。
二人は新たに誕生した可愛い妹のスキンシップにデレデレとしながらその場を去っていく。
ヴィットリオは今日その妹に対して酷い目に遭わされたとばかりだというのに全てを水に流すつもりでいるようだ。
ニコニコと朗らかな笑みを浮かべている。
ジードはそんなヴィットリオを呆れた目で見つめていた。
『可愛いは正義』なる言葉があるらしいが、今回の場合はその言葉が適用される貴重なケースになるのだろう。
ジードがそんなことを考えていると、ルイーダに肘で体を小突かれたことに気が付く。
「ジード、追おうか?」
「もうよそうぜ、オレも今日は疲れたよ」
ジードの言葉は本音であった。できることならばこのまま地面の上に寝転がりたい。
だが、それはモラルが許さない。ジードは懸命に堪えてルイーダの手を取り、どこか休めそうな場所にまで向かっていくのであった。
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