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大祭編
対ブリュッタロス共同戦線
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ルイーダは手にしていた剣を宙の上に掲げて、呆然としている人たちへとの鼓舞を引き続き行なっていた。
「よいのかッ!我々は確かに敵対する仲だッ!だが、あの怪物が我々を倒し、祭りに繰り出せばブレーダレンなど非ではないほどの被害がこの街に出るのだぞッ!」
ルイーダの目がキラリと光った。その場にいる魔銃士たちに対して牽制をかけるには充分であるとも言えるだろう。
ヒルダは肩を竦ませ、ジードはわかったような表情を浮かべていたが、悪魔兄弟は眉一つ買えなかった。それでも二人が先ほどまでのルイーダによる鼓舞で少しは心も動かされたのは事実である。
ヨハンとヴィットリオが互いの武器を宙の上でグルグルと渦巻いている怪物に向かって突き付けていく。
一方で脅されていたにしろ、演説に共感する面はあったにしろ、最後まで迷っていたのはヒルダであった。
というのも、ヒルダに与えられた任務は大祭に生じてルイーダたちを始末するというものであったからだ。
もし、ルイーダを始末するというのならば今を置いて他にあるまい。
あの怪物が唸りを上げるのに乗じてルイーダの背中を背後から一突きにすればいいだけなのだ。
その後に街や他の人たちがどうなろうがそれはヒルダにとっていいや、マナエにとって尊い犠牲になるはずであった。
しかし、今のヒルダにはこの街に住む多くの命を尊い犠牲などと称して捨て去ることなどできなかった。
ヨハンが自分の味方をしてくれてからはそうした思いが尚更顕著に変わっていっていた。
ヒルダは熟考の末に両目を見開き、自身が握っていたカミソリを宙の上を我が物で滑空する怪物へと向けたのである。
ヒルダはカミソリはそのまま怪物に向けながらヨハンの方へと振り返って、
「私も協力するわ。その代わりに戦いが終わった後には私も悪魔兄弟に入れて」
ヒルダにとってそれは命懸けの訴えとも言えた。口調こそ穏やかなものであったが、内心はというと動悸が止まらず、武者震いも起きていたのだ。
街の名家の娘であるというのにマナエ党に逆らい、その敵対勢力と組むなどという暴挙を働けば実家からは縁を切られるだろう。学校にだって居られなくなってしまう。
だからヒルダにとって今回の協力の代償を要求するのは当然の権利であるのだ。
例え断られることになろうとも請求する権利くらいはあるはずだ。
もちろん権利として与えられたのは請求権のみ。そこから後は悪魔兄弟次第である。
この作戦でヒルダによって酷い目に遭わされた経験のあるヴィットリオは当然ヒルダの申し出を一蹴したが、ヒルダに惚れているヨハンはその申し出を快く受け入れたのであった。
意見の異なる二人は当然言い争うことになったが、自分たちの宙の上でどぐろを巻いている怪物の咆哮によって言い争いは中止となった。
二人は両肩を合わせると、宙の上に佇む怪物に向かって電気の球を同時に放っていく。
怪物は電気の球を喰らったものの、意に返す様子もなく低空飛行を始めて、固まっていた二人へと襲い掛かっていく。
鋭い犬歯が迫り、洞窟の入り口を思わせるような大きな口が開いて二人を飲み込もうとする前に別の別の形に分かれて避けることができたのは流石は悪魔兄弟だというべきだろう。
二人は怪物が再び宙の上へと飛び去る前に電気の球を放ったが、やはり効果はない。
怪物はもう一度悪魔兄弟を狙うために低空飛行を行い、そのまま一直線に下降していく。
悪魔兄弟は二人一組になることはなくバラバラの形で迎え撃つことになったが、怪物にとっては意味がないことである。
一人を捕食した後でもう一人も飲み込んだ後に牙で粉々に砕いて捕食してしまえばいいのだから。
怪物は口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべる。二人の抵抗を意味のない行動だと捉えた故の驕りであったともいえた。
その驕りこそが存在しないはずの怪物の足を掬うことになったのである。
頭の中でのシュミレーション通りに一人を食べるために口を大きく開けた時だ。歯の根本や口の中に無夥しい規模の虫たちが湧き出たのである。
しかも、ただの虫ではない。生理的な嫌悪感をそそられる虫ばかりであるのだ。
ヴィットリオは目の前から大きな口が迫ってきた時にはもう食べられるものだとばかり思い込んで両目を瞑っていたのだが、聞こえるはずがなかった怪物の悲鳴を聞いて恐る恐る両目を開くと、怪物が悶え苦しんでいる姿が見えたのだ。
目の前で何もできずに悶え苦しむ様はかつて自分が幻覚の虫を見た時と全く同じであった。
あれは所詮幻覚。そう言い聞かせれば大したことがない。すぐにでも打開できるはずであるが、気色の悪い虫たちが自分の体の上を這う感覚であったり、こそこそと動き回っていく様はわかっていても気色が悪い。
ヴィットリオは改めてヒルダの魔法の素晴らしさを実感した。自分が敵であった時にはこんな嫌な魔法はないものだとばかり思い込んでいたが、味方に回せばこれほどまでに頼もしい魔法はあるまい。
そこまで考えた上で、ヴィットリアは悶え苦しむ怪物に対して自分の魔法を役に立てることを考えていた。
ヴィットリオは口の端を緩めた後で、両目を大きく見開いて暴れ回る怪物に狙いを定めた。
しかし、標的は怪物そのものではない。ヴィットリオが狙うのは怪物の両目である。いくら恐ろしい怪物であったとしても視界を奪われれば不利になるのは間違いないのだ。
ヴィットリオは正確に狙いを定め、右目の視力を奪うことにした。
ヴィットリオの手から電気の球が放出され、怪物の目を襲っていく。
だが、怪物にとっては不幸中の幸い。ヴィットリオにとっては不幸なことに電気の球は怪物の目ではなく、目の近くの部位となる目頭へと直撃したのである。
怪物は虫が口の中に蔓延する気色の悪い状況にあったとしてもこの場は避けた方が良いと判断し、大空の上へと滑空していく。
「クソッ!待てよッ!」
ヴィットリオは逃げようとする怪物の背中へと電気の球を当てたが、目頭への攻撃ほどの被害はもたらすことができなかったらしい。
怪物は気にする様子も見せずに上空へと上がっていった。
怪物は虫に悶え苦しみながらも自分を酷い目に遭わせた少年少女たちの存在を忘れていないかったらしい。
大きな声で雄叫びを上げながら威嚇していく。
「クソッタレ、あの化け物め、あんだけ参ってくせにまだくたばる姿を見せないぜ」
ジードが肩を並べていたルイーダに向かって口のような言葉を吐き捨てた。
「仕方があるまい。ヒルダの魔法は幻覚らしいからな。精神的な攻撃は期待できても物理的な攻撃は期待できないだろう」
ルイーダの言葉はあくまでも冷ややかであった。だが、その言葉の端に焦りのようなものを感じさせられたのは気のせいではあるまい。
現にルイーダはヒルダの元へと近寄り、魔法の継続時間を問い掛けた。
ヒルダは小声で継続時間などというものはないと答えたが、向こうがこのことを幻覚だと打ち破ればすぐにでも正気を取り戻すと回答した。
「なるほど、全てはあのお方次第というわけか」
ルイーダの吐いた毒はあまりにも強過ぎた。ヒルダはその言葉を聞いて苦笑いを浮かべ、残りの面々もどこか不安げに上空を眺めていたのであった。
その時だ。それまで苦しんでいたはずの怪物が正気を取り戻し、再び地上への滑空を始めていたのである。
「クソッ!もう正気を取り戻しやがったのか!?」
ヨハンが武器を片手に毒を吐く。その毒に対して全員が言い返すこともなく首肯せざるを得なかったのはそれだけ余裕がなかったからだというべきだろう。
全員の中に勝利の二文字が思い浮かばないという絶体絶命ともいえる状態に陥った時だ。
ルイーダが剣を掲げながら宙の上へと飛び上がり、怪物の迎撃に向ったのである。
「やめろッ!ルイーダッ!」
ジードは必死になって愛する妻の無謀とも取れる行動を阻止しようとしたが、既にルイーダは怪物の口元にまで接近していた。
宙の上で大きく口を開けたところでルイーダは宙を思いっきり蹴り上げ、怪物の上顎の上を転がっていくのであった。
それから鼻の下に向かって自身の剣を突き刺したのであった。
怪物は悲鳴を上げながら地上へと落ちていく。
今この瞬間こそが最強ともいえるべき怪物に対して一矢を報いた瞬間ではないのだろうか。
この場に居合わせた面々はあまりの光景にそう思うより他になかった。
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ルイーダの目がキラリと光った。その場にいる魔銃士たちに対して牽制をかけるには充分であるとも言えるだろう。
ヒルダは肩を竦ませ、ジードはわかったような表情を浮かべていたが、悪魔兄弟は眉一つ買えなかった。それでも二人が先ほどまでのルイーダによる鼓舞で少しは心も動かされたのは事実である。
ヨハンとヴィットリオが互いの武器を宙の上でグルグルと渦巻いている怪物に向かって突き付けていく。
一方で脅されていたにしろ、演説に共感する面はあったにしろ、最後まで迷っていたのはヒルダであった。
というのも、ヒルダに与えられた任務は大祭に生じてルイーダたちを始末するというものであったからだ。
もし、ルイーダを始末するというのならば今を置いて他にあるまい。
あの怪物が唸りを上げるのに乗じてルイーダの背中を背後から一突きにすればいいだけなのだ。
その後に街や他の人たちがどうなろうがそれはヒルダにとっていいや、マナエにとって尊い犠牲になるはずであった。
しかし、今のヒルダにはこの街に住む多くの命を尊い犠牲などと称して捨て去ることなどできなかった。
ヨハンが自分の味方をしてくれてからはそうした思いが尚更顕著に変わっていっていた。
ヒルダは熟考の末に両目を見開き、自身が握っていたカミソリを宙の上を我が物で滑空する怪物へと向けたのである。
ヒルダはカミソリはそのまま怪物に向けながらヨハンの方へと振り返って、
「私も協力するわ。その代わりに戦いが終わった後には私も悪魔兄弟に入れて」
ヒルダにとってそれは命懸けの訴えとも言えた。口調こそ穏やかなものであったが、内心はというと動悸が止まらず、武者震いも起きていたのだ。
街の名家の娘であるというのにマナエ党に逆らい、その敵対勢力と組むなどという暴挙を働けば実家からは縁を切られるだろう。学校にだって居られなくなってしまう。
だからヒルダにとって今回の協力の代償を要求するのは当然の権利であるのだ。
例え断られることになろうとも請求する権利くらいはあるはずだ。
もちろん権利として与えられたのは請求権のみ。そこから後は悪魔兄弟次第である。
この作戦でヒルダによって酷い目に遭わされた経験のあるヴィットリオは当然ヒルダの申し出を一蹴したが、ヒルダに惚れているヨハンはその申し出を快く受け入れたのであった。
意見の異なる二人は当然言い争うことになったが、自分たちの宙の上でどぐろを巻いている怪物の咆哮によって言い争いは中止となった。
二人は両肩を合わせると、宙の上に佇む怪物に向かって電気の球を同時に放っていく。
怪物は電気の球を喰らったものの、意に返す様子もなく低空飛行を始めて、固まっていた二人へと襲い掛かっていく。
鋭い犬歯が迫り、洞窟の入り口を思わせるような大きな口が開いて二人を飲み込もうとする前に別の別の形に分かれて避けることができたのは流石は悪魔兄弟だというべきだろう。
二人は怪物が再び宙の上へと飛び去る前に電気の球を放ったが、やはり効果はない。
怪物はもう一度悪魔兄弟を狙うために低空飛行を行い、そのまま一直線に下降していく。
悪魔兄弟は二人一組になることはなくバラバラの形で迎え撃つことになったが、怪物にとっては意味がないことである。
一人を捕食した後でもう一人も飲み込んだ後に牙で粉々に砕いて捕食してしまえばいいのだから。
怪物は口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべる。二人の抵抗を意味のない行動だと捉えた故の驕りであったともいえた。
その驕りこそが存在しないはずの怪物の足を掬うことになったのである。
頭の中でのシュミレーション通りに一人を食べるために口を大きく開けた時だ。歯の根本や口の中に無夥しい規模の虫たちが湧き出たのである。
しかも、ただの虫ではない。生理的な嫌悪感をそそられる虫ばかりであるのだ。
ヴィットリオは目の前から大きな口が迫ってきた時にはもう食べられるものだとばかり思い込んで両目を瞑っていたのだが、聞こえるはずがなかった怪物の悲鳴を聞いて恐る恐る両目を開くと、怪物が悶え苦しんでいる姿が見えたのだ。
目の前で何もできずに悶え苦しむ様はかつて自分が幻覚の虫を見た時と全く同じであった。
あれは所詮幻覚。そう言い聞かせれば大したことがない。すぐにでも打開できるはずであるが、気色の悪い虫たちが自分の体の上を這う感覚であったり、こそこそと動き回っていく様はわかっていても気色が悪い。
ヴィットリオは改めてヒルダの魔法の素晴らしさを実感した。自分が敵であった時にはこんな嫌な魔法はないものだとばかり思い込んでいたが、味方に回せばこれほどまでに頼もしい魔法はあるまい。
そこまで考えた上で、ヴィットリアは悶え苦しむ怪物に対して自分の魔法を役に立てることを考えていた。
ヴィットリオは口の端を緩めた後で、両目を大きく見開いて暴れ回る怪物に狙いを定めた。
しかし、標的は怪物そのものではない。ヴィットリオが狙うのは怪物の両目である。いくら恐ろしい怪物であったとしても視界を奪われれば不利になるのは間違いないのだ。
ヴィットリオは正確に狙いを定め、右目の視力を奪うことにした。
ヴィットリオの手から電気の球が放出され、怪物の目を襲っていく。
だが、怪物にとっては不幸中の幸い。ヴィットリオにとっては不幸なことに電気の球は怪物の目ではなく、目の近くの部位となる目頭へと直撃したのである。
怪物は虫が口の中に蔓延する気色の悪い状況にあったとしてもこの場は避けた方が良いと判断し、大空の上へと滑空していく。
「クソッ!待てよッ!」
ヴィットリオは逃げようとする怪物の背中へと電気の球を当てたが、目頭への攻撃ほどの被害はもたらすことができなかったらしい。
怪物は気にする様子も見せずに上空へと上がっていった。
怪物は虫に悶え苦しみながらも自分を酷い目に遭わせた少年少女たちの存在を忘れていないかったらしい。
大きな声で雄叫びを上げながら威嚇していく。
「クソッタレ、あの化け物め、あんだけ参ってくせにまだくたばる姿を見せないぜ」
ジードが肩を並べていたルイーダに向かって口のような言葉を吐き捨てた。
「仕方があるまい。ヒルダの魔法は幻覚らしいからな。精神的な攻撃は期待できても物理的な攻撃は期待できないだろう」
ルイーダの言葉はあくまでも冷ややかであった。だが、その言葉の端に焦りのようなものを感じさせられたのは気のせいではあるまい。
現にルイーダはヒルダの元へと近寄り、魔法の継続時間を問い掛けた。
ヒルダは小声で継続時間などというものはないと答えたが、向こうがこのことを幻覚だと打ち破ればすぐにでも正気を取り戻すと回答した。
「なるほど、全てはあのお方次第というわけか」
ルイーダの吐いた毒はあまりにも強過ぎた。ヒルダはその言葉を聞いて苦笑いを浮かべ、残りの面々もどこか不安げに上空を眺めていたのであった。
その時だ。それまで苦しんでいたはずの怪物が正気を取り戻し、再び地上への滑空を始めていたのである。
「クソッ!もう正気を取り戻しやがったのか!?」
ヨハンが武器を片手に毒を吐く。その毒に対して全員が言い返すこともなく首肯せざるを得なかったのはそれだけ余裕がなかったからだというべきだろう。
全員の中に勝利の二文字が思い浮かばないという絶体絶命ともいえる状態に陥った時だ。
ルイーダが剣を掲げながら宙の上へと飛び上がり、怪物の迎撃に向ったのである。
「やめろッ!ルイーダッ!」
ジードは必死になって愛する妻の無謀とも取れる行動を阻止しようとしたが、既にルイーダは怪物の口元にまで接近していた。
宙の上で大きく口を開けたところでルイーダは宙を思いっきり蹴り上げ、怪物の上顎の上を転がっていくのであった。
それから鼻の下に向かって自身の剣を突き刺したのであった。
怪物は悲鳴を上げながら地上へと落ちていく。
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