112 / 162
大祭編
三つ巴は再び?
しおりを挟む
ヨルロにとっての誤算はしっかりと滞在先のホテルの地下に捕らえていたはずのブレーダレン二体が勝手に逃げ出したことでも標的であるルイーダ・メルテロイとその夫、ジードフリード・マルセルの二名が予想以上の強さを誇っていたということだけではない。
一番の誤算は悪魔兄弟なる二人組の存在。ルイーダ・メルテロイと戦っていたことからルイーダ陣営の味方ではないということは確かであるが、それでもあの二人がこちらの陣営にすんなりとつくとも思えない。
ヨルロにとっては判断し難い事態であったのだ。その一方で調査隊長マルロも難しい顔をしながら悪書類を片手に唸っていた。なにせ悪魔兄弟なる人物の詳細がいくら調べてもわからないのだ。
両者ともに滞在先である街のホテルの一室に籠りながらうんうんと唸り声を上げていた。
書類の山を整理しながら二人はこれまでにわかったことを頭の中に並べていく。
国立魔銃士育成学園に入学しているということはガレリア市民であるということは間違いない。
現に入学した際のテストの成績データや学園の中にあるどの寮に住んでいるのかということなどは割れている。
だが、それ以前の経緯が全て不明なのである。まるで、どこかから湧いて出てきたかのようであった。
これに関してはルイーダも同様である。
マルロは数日間の調査の間にすっかりと謎の存在となっている標的とその標的と交戦した存在について頭を悩ませていたが、ここで暗くなっていた電球に光がついた。マルロにとってはまさしく一筋の光であったといってもいい。
ルイーダに関しては結婚によって国籍を取得しているので手の出しようがないのだが、この兄弟は素性の件を脅迫のネタとしてこちらへ引き込むことができる。
すなわちマナエ党の確実な味方として引き入れることができるのだ。
もし、噂に聞く悪魔兄弟をこちらの陣営に引き込むことができればマナエ党の戦力を割くことなく、ルイーダを始末できるかもしれないのだ。
マルロは部下であるクルトという若い男に命じ、悪魔兄弟に接触するように命令した。
クルトという男が命令を受諾して街の中に消えてから二日という時間が過ぎた。その間のマルロたちにとって気の遠くなるような長い時間であった。
結局それはマルロたちにとって最悪の形で終わることになった。
交渉に向かったクルトが死体となって発見されたのだ。それもただの死体ではない。全身に散弾と弾丸の雨霰を喰らっての凄惨な姿となっていたのだ。
死体も死者に対する礼儀などなく、ただ無造作にゴミでも投げ捨てるかのように道路の上に置かれているだけであった。
蜂の巣となり、バラバラになったクルトの死体を見て、市民たちは眠れぬ夜を過ごしているという。
先程も警察からうるさい連絡があったばかりだ。
マルロはクレームを掛けてきたブラウンシュヴァイクという刑事を恐喝まがいの脅しを行い、家族に危害を加えるという旨を伝えてようやく引き下がらせたのである。
マルロは受話器を叩き付けるかのように置くと、その勢いのまま机を蹴り飛ばしたのである。
「これでわかった。悪魔兄弟も我々の敵だ。キュルテンと同じだ。悪魔どもめ……貴様らはそんな大層な名を名乗って勝ち誇ったつもりでいるのかどうかは知らんが、我々はマナエ党……神よりも上の地位にある者よ。そのマナエを怒らせたことを後悔させてやるわ」
マルロは伝令に訪れた兵士に命令を下し、悪魔兄弟を極秘裏に捕縛もしくは殺すように指示を出した。
キュルテンの時のように警察の協力は期待できない。というのも、首都の警察ならばともかくこの街の警察はマナエに協力的ではないからだ。
もし、協力ができたとしてもこの街の警察は党の計画のことについて尋ねてくるに違いない。そうなれば終わりだ。
自分たちが進めているのは極秘裏の計画。故に外部に漏れるわけにはいかない。
マルロは苦渋の思いで悪魔兄弟の捕縛もしくは殺害を命令したのである。
マルロの命を受けた伝令からの言葉を受諾したのはマルロの直接の指揮下にある調査隊ではない。
同行したヨルロの部下であるマナエ秘密工作部隊の中でも選りすぐりともいうべき人物たち。魔法の腕にしろ銃の腕前にしろ党の中でも屈指の腕だ。簡単に殺されるはずがない。
だが、そんなマルロの淡い少女のような期待は簡単に裏切られてしまうことになった。今度は散弾や猟銃の弾やらを浴びせられただけではなかった。体のあちこちを刻まれたり、中には首を絞められた跡をもつ人物すらいた。
堪忍袋の尾が切れたのはマルロではなく、多くの部下を殺されたヨルロであった。
ヨルロは声を張り上げて、
「も、もう我慢できんッ!かくなる上は工作部隊で街中を探して、悪魔兄弟とやらの居場所を叩き出してやるわッ!」
と、声高に主張した。
「気持ちはわかる。だが、ここで大規模な兵を動かせば後々の計画に支障が出るぞ」
激昂するヨルロに対してあくまでもマルロは冷静であった。
だが、その冷静さが返ってヨルロの気に触ったらしい。
「支障だと?お前たち調査隊だけでやれッ!悪魔兄弟は我々で始末するッ!」
ヨルロは両眉を寄せて、鋭い剣幕で机を叩いたかと思うと、ホテルの扉を開いて、大勢の部下を引き連れて外へと繰り出した。
時刻は早朝。太陽が顔を見せる前のまだほんの少し肌が寒い時間帯のことであった。
朝の訪れを告げる鳥の声がホテルの近くで聞こえた。耳障りな声だ。
ヨルロは許されるのであったら懐の中に忍ばせている士官用の高級ピストルで鳥を撃ち殺してやりたい気持ちであった。
その時だ。ヨルロの心境を見透かしたかのようにどこかでピストルを撃つ音が響き渡った。
ヨルロが首を傾げた時だ。ヨルロの左肩から血が一閃に吹き出し、地面の上へと落ちていく。
ヨルロが慌てて懐の中に手をかけ、自身の魔法を使用とした時だ。
ヨルロの首から血が迸った。首と肩からの血が地面の上で混ざり、図画の授業の際、下に落とした赤い絵の具の塊が水をかけた時のように赤い液体が地の上を染めていく。
周りの人々から悲鳴が上がった。慌てた工作部隊の兵士たちは自分たちの魔法を使用するよりも前に指揮官と同じ方法で始末されてしまった。
ただ唯一、にきびが目立つ若い兵士一人を残して。その若い兵士はといえば自身の周りに起きた惨劇が信じられずに悲鳴を上げるばかりであった。
狂ってしまったかのような兵士の前に端正な男が顔を覗かせる。
歯磨き粉のポスターにそのまま流用できそうな白い葉を見せて笑う。
それから幼児をあやすようにその頭を優しく撫でながら言った。
「悪いな、お前さんのお仲間を全滅させてしまったよ。だからあんたのお仲間に言っておきな。『今後オレたちに手を出すな』と」
恐怖心のために涙と鼻水に塗れた若い兵士は首を震わせながら頷くことしかできなかった。
一番の誤算は悪魔兄弟なる二人組の存在。ルイーダ・メルテロイと戦っていたことからルイーダ陣営の味方ではないということは確かであるが、それでもあの二人がこちらの陣営にすんなりとつくとも思えない。
ヨルロにとっては判断し難い事態であったのだ。その一方で調査隊長マルロも難しい顔をしながら悪書類を片手に唸っていた。なにせ悪魔兄弟なる人物の詳細がいくら調べてもわからないのだ。
両者ともに滞在先である街のホテルの一室に籠りながらうんうんと唸り声を上げていた。
書類の山を整理しながら二人はこれまでにわかったことを頭の中に並べていく。
国立魔銃士育成学園に入学しているということはガレリア市民であるということは間違いない。
現に入学した際のテストの成績データや学園の中にあるどの寮に住んでいるのかということなどは割れている。
だが、それ以前の経緯が全て不明なのである。まるで、どこかから湧いて出てきたかのようであった。
これに関してはルイーダも同様である。
マルロは数日間の調査の間にすっかりと謎の存在となっている標的とその標的と交戦した存在について頭を悩ませていたが、ここで暗くなっていた電球に光がついた。マルロにとってはまさしく一筋の光であったといってもいい。
ルイーダに関しては結婚によって国籍を取得しているので手の出しようがないのだが、この兄弟は素性の件を脅迫のネタとしてこちらへ引き込むことができる。
すなわちマナエ党の確実な味方として引き入れることができるのだ。
もし、噂に聞く悪魔兄弟をこちらの陣営に引き込むことができればマナエ党の戦力を割くことなく、ルイーダを始末できるかもしれないのだ。
マルロは部下であるクルトという若い男に命じ、悪魔兄弟に接触するように命令した。
クルトという男が命令を受諾して街の中に消えてから二日という時間が過ぎた。その間のマルロたちにとって気の遠くなるような長い時間であった。
結局それはマルロたちにとって最悪の形で終わることになった。
交渉に向かったクルトが死体となって発見されたのだ。それもただの死体ではない。全身に散弾と弾丸の雨霰を喰らっての凄惨な姿となっていたのだ。
死体も死者に対する礼儀などなく、ただ無造作にゴミでも投げ捨てるかのように道路の上に置かれているだけであった。
蜂の巣となり、バラバラになったクルトの死体を見て、市民たちは眠れぬ夜を過ごしているという。
先程も警察からうるさい連絡があったばかりだ。
マルロはクレームを掛けてきたブラウンシュヴァイクという刑事を恐喝まがいの脅しを行い、家族に危害を加えるという旨を伝えてようやく引き下がらせたのである。
マルロは受話器を叩き付けるかのように置くと、その勢いのまま机を蹴り飛ばしたのである。
「これでわかった。悪魔兄弟も我々の敵だ。キュルテンと同じだ。悪魔どもめ……貴様らはそんな大層な名を名乗って勝ち誇ったつもりでいるのかどうかは知らんが、我々はマナエ党……神よりも上の地位にある者よ。そのマナエを怒らせたことを後悔させてやるわ」
マルロは伝令に訪れた兵士に命令を下し、悪魔兄弟を極秘裏に捕縛もしくは殺すように指示を出した。
キュルテンの時のように警察の協力は期待できない。というのも、首都の警察ならばともかくこの街の警察はマナエに協力的ではないからだ。
もし、協力ができたとしてもこの街の警察は党の計画のことについて尋ねてくるに違いない。そうなれば終わりだ。
自分たちが進めているのは極秘裏の計画。故に外部に漏れるわけにはいかない。
マルロは苦渋の思いで悪魔兄弟の捕縛もしくは殺害を命令したのである。
マルロの命を受けた伝令からの言葉を受諾したのはマルロの直接の指揮下にある調査隊ではない。
同行したヨルロの部下であるマナエ秘密工作部隊の中でも選りすぐりともいうべき人物たち。魔法の腕にしろ銃の腕前にしろ党の中でも屈指の腕だ。簡単に殺されるはずがない。
だが、そんなマルロの淡い少女のような期待は簡単に裏切られてしまうことになった。今度は散弾や猟銃の弾やらを浴びせられただけではなかった。体のあちこちを刻まれたり、中には首を絞められた跡をもつ人物すらいた。
堪忍袋の尾が切れたのはマルロではなく、多くの部下を殺されたヨルロであった。
ヨルロは声を張り上げて、
「も、もう我慢できんッ!かくなる上は工作部隊で街中を探して、悪魔兄弟とやらの居場所を叩き出してやるわッ!」
と、声高に主張した。
「気持ちはわかる。だが、ここで大規模な兵を動かせば後々の計画に支障が出るぞ」
激昂するヨルロに対してあくまでもマルロは冷静であった。
だが、その冷静さが返ってヨルロの気に触ったらしい。
「支障だと?お前たち調査隊だけでやれッ!悪魔兄弟は我々で始末するッ!」
ヨルロは両眉を寄せて、鋭い剣幕で机を叩いたかと思うと、ホテルの扉を開いて、大勢の部下を引き連れて外へと繰り出した。
時刻は早朝。太陽が顔を見せる前のまだほんの少し肌が寒い時間帯のことであった。
朝の訪れを告げる鳥の声がホテルの近くで聞こえた。耳障りな声だ。
ヨルロは許されるのであったら懐の中に忍ばせている士官用の高級ピストルで鳥を撃ち殺してやりたい気持ちであった。
その時だ。ヨルロの心境を見透かしたかのようにどこかでピストルを撃つ音が響き渡った。
ヨルロが首を傾げた時だ。ヨルロの左肩から血が一閃に吹き出し、地面の上へと落ちていく。
ヨルロが慌てて懐の中に手をかけ、自身の魔法を使用とした時だ。
ヨルロの首から血が迸った。首と肩からの血が地面の上で混ざり、図画の授業の際、下に落とした赤い絵の具の塊が水をかけた時のように赤い液体が地の上を染めていく。
周りの人々から悲鳴が上がった。慌てた工作部隊の兵士たちは自分たちの魔法を使用するよりも前に指揮官と同じ方法で始末されてしまった。
ただ唯一、にきびが目立つ若い兵士一人を残して。その若い兵士はといえば自身の周りに起きた惨劇が信じられずに悲鳴を上げるばかりであった。
狂ってしまったかのような兵士の前に端正な男が顔を覗かせる。
歯磨き粉のポスターにそのまま流用できそうな白い葉を見せて笑う。
それから幼児をあやすようにその頭を優しく撫でながら言った。
「悪いな、お前さんのお仲間を全滅させてしまったよ。だからあんたのお仲間に言っておきな。『今後オレたちに手を出すな』と」
恐怖心のために涙と鼻水に塗れた若い兵士は首を震わせながら頷くことしかできなかった。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
闇の世界の住人達
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
そこは暗闇だった。真っ暗で何もない場所。
そんな場所で生まれた彼のいる場所に人がやってきた。
色々な人と出会い、人以外とも出会い、いつしか彼の世界は広がっていく。
小説家になろうでも投稿しています。
そちらがメインになっていますが、どちらも同じように投稿する予定です。
ただ、闇の世界はすでにかなりの話数を上げていますので、こちらへの掲載は少し時間がかかると思います。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
死に戻り王妃はふたりの婚約者に愛される。
豆狸
恋愛
形だけの王妃だった私が死に戻ったのは魔術学院の一学年だったころ。
なんのために戻ったの? あの未来はどうやったら変わっていくの?
どうして王太子殿下の婚約者だった私が、大公殿下の婚約者に変わったの?
なろう様でも公開中です。
・1/21タイトル変更しました。旧『死に戻り王妃とふたりの婚約者』
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる