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大祭編
悪魔兄弟との戦い
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「オレたちを叩き斬るだと?フン、あんた中世ヨーロッパを舞台にした騎士道精神を反映させた映画でも見過ぎたのか?」
ヨハンが小馬鹿にしたような口調で問い掛ける。
だが、ルイーダの表情は変わらなかった。余裕たっぷりの笑みを浮かべてヨハンを見下ろしていた。
「いいや、私は私の言葉で語っているさ。私は必ずお前たちのような不倶戴天の相手、そして将来民たちの覇業を邪魔するであろう悪人どもを必ずこの手で叩き斬ってやるのだ」
ルイーダの言葉はあからさまな挑発だ。故に二人は動かなかった。悪魔兄弟を名乗る二人はこれまでの戦いでルイーダの挑発に乗った敵が悲惨な目に遭ってきたのをヒルデガルドの屋敷に忍び込み、盗み読んだ資料で知っていた。
だから挑発には乗らなかったのだ。兄弟は余裕たっぷりの表情を見せたまま動こうとしない。
ルイーダの方も挑発に乗らないことに関して少しばかり焦っているらしい。どうすれば良いのかと悩んでいた時になぜか兄弟二人が一気に襲い掛かってきたのだ。
ヴィトゲンが自身の両手を広げ、そこから電気を放っていく。
どうやら一人だけでも電気の魔法は扱えるらしい。
ルイーダはヴィトゲンの電気を交わし、そのまま剣を抜いて回り込んだが、そこにヨハンが現れ、そのまま電気を放とうとしていた。
そこにジードが牙で出来た剣を放り投げたことでヨハンによる攻撃は寸前のところで回避され、ルイーダは急死に一生を得た。
「そうか、こいつがいたな」
ヨハンは向きを変えたかと思うと、地面の上に落ちた牙で出来た剣を拾い上げ、ジードに向かって襲い掛かっていく。
ジードはといえばヨハンによる予想外の行動に面食らった表情を浮かべた。
まさか、ヨハンが自分が捨てたはずの武器を拾い上げ、それを振り上げながら襲いかかってくるとは思わなかったのだ。
ジードは対処のために新たに牙の武器を作り上げようと目論んだが、目の前に牙の剣の先端が差し迫ったことにより、彼は体を捻って、剣を交わさねばならなかった。
その後ヨハンは執拗に剣の先端でジードを突き殺そうと目論み、足を突き出し、フェンシングの姿勢を見せた。
ジードはといえば持ち前というものではなく、前世からのチートによって急遽獲得することができた運動神経或いは極期限状態に陥ったことで体が自身の身を守るために限界以上の力を引き出す現象に遭遇したのかもしれない。
いずれにせよ、ヨハンの目論みとは対照的にジードが全ての剣を交わすことができたのは幸いであったともいえるだろう。
ジードは全てを交わし、慌てて背後へと迫っていく。少しでも距離を取り、新たな牙の剣を作る必要があったからだ。
それをヨハンも分かっていたのだろう。執拗に追い掛けていく。
そのしつこさはというと、砂漠に出てくる怪物が滅多に現れない獲物を逃さないために追い掛けていく様を思い出すほどであった。
この時にルイーダが高速魔法を活用して助けに来なければジードは確実に自身が生み出した剣によってその身を葬られてしまっていたに違いない。
ルイーダは高速魔法を活用し、不意を突いた算段でいた。
しかし、その動きはヴィトゲンによって看破されてしまっていたらしい。
ヴィトゲンが背後に猟犬のようにピッタリとくっ付いたことによってルイーダは不意打ちを行う機会を逃してしまうことになったばかりではなく、自身にとって最悪ともいえる窮地に陥ることになってしまったのだ。
そう、ヴィトゲンとヨハンによる挟み撃ちである。二人は偶然出来たこの機会を逃すはずがなかった。間に挟まれたルイーダを狙うためにお互いの体から電池を鳴らしていく。
ルイーダは下唇を噛み、懸命に頭を冷やそうとしたが、その打開策は思い付かなかったらしい。
いかに最強の騎士といえども今の状況は打開する方法が思い付かないのだろう。
幸いであったのはこの時にジードが再び牙で出来た剣を放り投げ、悪魔兄弟を追い散らすことができたことであった。
だが、それにより新たな窮地が生まれてしまう。ヴィトゲンが放り投げられた牙の剣を拾い上げ、ルイーダに向かって襲い掛かってきたのだ。
ルイーダは自身の剣を盾の代わりにして防いだが、力を込めて振り上げたので受け止めた際に足が下がってしまったらしい。ルイーダは自身が履いているブーツが舗装された道路の上を擦る音が聞こえた。
それでも一人が相手ならば持ち堪えることができたのだろうが、二人して襲い掛かって来られれば流石のルイーダでも対応が厳しかったのかもしれない。
悪魔兄弟という敵の恐ろしさをルイーダは肌で実感した。
その時だ。背後でジードの悲鳴が聞こえた。悪魔兄弟が何かしたのかとルイーダは頭の中で焦ったが、たった今襲い掛かってきているのでそれはない。
ルイーダが背後を振り返ると、そこにはかつて大陸を席巻したあの伝説の怪物ブレダーレンの姿が見えた。それも一体ではない。二体だ。
悍ましい容姿、凶悪な性格。しかし、それでいて人間に匹敵する知性を持つ全ての生き物から嫌われた怪物。それがブレダーレンである。
そのブレダーレンの一体は手にかつて殺人鬼エルリカ・キュルテンが街の博物館から盗み出したような石の槍を手に持っていた。
ブレーダレンは凶悪な悲鳴を上げ、槍を構えたかと思うと敵味方の区別もなしに襲い掛かっていく。
はっきりと言って、最初の動きで奮戦したのは悪魔兄弟の方だ。
ルイーダは剣を構えて震えるばかりで、肝心のブレーダレンにはなんの対処もできなかった。
ジードも新たな剣の生成に手こずっているとみて、ひどく焦った様子を見せていた。
やむを得ずに悪魔兄弟がブレーダレンの対処に臨むことになった。
悪魔兄弟はジードが捨てた剣を拾い上げ、各々の電気を剣の中に込めて、電気の剣を作り出したかと思うと、それをブレーダレンに向かって振り回していく。
屈強な怪物は鋭利な刃を受けた事とそれに付加した電気の力を受けた事で、痛みに倒れ、その場の上に倒れ込む。
悪魔兄弟はそのまま二体のブレーダレンに向かって止めを刺そうとしたが、ブレーダレンの再生能力が他の生物よりも早いのか、はたまた身の危機を感じて痛む体に鞭を打ったのかはわからない。
しかし、二体の怪物は二人が武器を振り下ろすよりも前に飛び上がってその場から逃れ、悪魔の兄弟で背後のできていない二人の男女に向かって襲い掛かっていくのだった。
悪魔兄弟が戦っていた時間で新たに剣を作り上げることができたジードは慌てて剣を突き出すことで、ブレーダレンの石槍を防ぐことができたが、問題は恐怖に囚われているルイーダの方である。
ルイーダは怯えていた。ブレーダレンを見て。否、現実世界に蘇ったかつての亡霊を見て。
ルイーダを捉えていたのは明確な恐怖である。子どもにとって悪い点をとった際の母親、粗相をしでかした時の教師。
そのような絶対的な恐怖であったのだ。
そればかりではない。ブレーダレンの背後に亡霊を見たのだ。
亡霊の正体はかつて自身がこの手にかけた殺人鬼、エルリカ・キュルテン。
彼女は怪物の背後で高らかな笑い声を上げ、確かにこう言っていた。
「アハハハ、お久し振り! お姉様! これからねぇ、お姉様にあの時の借りを返そうと思うんだけどいいよねぇ!」
普段のルイーダであったのならばこんな亡霊の言葉など耳にも貸さなかったに違いない。だが、捉えている恐怖が普段であるのならばなんでもないことを怖くさせていたのだ。
妖怪や幽霊を取り扱った映画を見た後で普段ならばなんとも思わない夜の道が恐ろしくなるのと同じようなものだ。
今のルイーダは夜の暗がりを幼い子どもと全く同じ心境であったといってもいい。
ジードは自分に襲いかかる敵の攻撃を防ぎながら、動かないルイーダを見て悲鳴を上げ、励ましの言葉を投げ掛けたが、ルイーダは唖然としたままであった。
ヨハンが小馬鹿にしたような口調で問い掛ける。
だが、ルイーダの表情は変わらなかった。余裕たっぷりの笑みを浮かべてヨハンを見下ろしていた。
「いいや、私は私の言葉で語っているさ。私は必ずお前たちのような不倶戴天の相手、そして将来民たちの覇業を邪魔するであろう悪人どもを必ずこの手で叩き斬ってやるのだ」
ルイーダの言葉はあからさまな挑発だ。故に二人は動かなかった。悪魔兄弟を名乗る二人はこれまでの戦いでルイーダの挑発に乗った敵が悲惨な目に遭ってきたのをヒルデガルドの屋敷に忍び込み、盗み読んだ資料で知っていた。
だから挑発には乗らなかったのだ。兄弟は余裕たっぷりの表情を見せたまま動こうとしない。
ルイーダの方も挑発に乗らないことに関して少しばかり焦っているらしい。どうすれば良いのかと悩んでいた時になぜか兄弟二人が一気に襲い掛かってきたのだ。
ヴィトゲンが自身の両手を広げ、そこから電気を放っていく。
どうやら一人だけでも電気の魔法は扱えるらしい。
ルイーダはヴィトゲンの電気を交わし、そのまま剣を抜いて回り込んだが、そこにヨハンが現れ、そのまま電気を放とうとしていた。
そこにジードが牙で出来た剣を放り投げたことでヨハンによる攻撃は寸前のところで回避され、ルイーダは急死に一生を得た。
「そうか、こいつがいたな」
ヨハンは向きを変えたかと思うと、地面の上に落ちた牙で出来た剣を拾い上げ、ジードに向かって襲い掛かっていく。
ジードはといえばヨハンによる予想外の行動に面食らった表情を浮かべた。
まさか、ヨハンが自分が捨てたはずの武器を拾い上げ、それを振り上げながら襲いかかってくるとは思わなかったのだ。
ジードは対処のために新たに牙の武器を作り上げようと目論んだが、目の前に牙の剣の先端が差し迫ったことにより、彼は体を捻って、剣を交わさねばならなかった。
その後ヨハンは執拗に剣の先端でジードを突き殺そうと目論み、足を突き出し、フェンシングの姿勢を見せた。
ジードはといえば持ち前というものではなく、前世からのチートによって急遽獲得することができた運動神経或いは極期限状態に陥ったことで体が自身の身を守るために限界以上の力を引き出す現象に遭遇したのかもしれない。
いずれにせよ、ヨハンの目論みとは対照的にジードが全ての剣を交わすことができたのは幸いであったともいえるだろう。
ジードは全てを交わし、慌てて背後へと迫っていく。少しでも距離を取り、新たな牙の剣を作る必要があったからだ。
それをヨハンも分かっていたのだろう。執拗に追い掛けていく。
そのしつこさはというと、砂漠に出てくる怪物が滅多に現れない獲物を逃さないために追い掛けていく様を思い出すほどであった。
この時にルイーダが高速魔法を活用して助けに来なければジードは確実に自身が生み出した剣によってその身を葬られてしまっていたに違いない。
ルイーダは高速魔法を活用し、不意を突いた算段でいた。
しかし、その動きはヴィトゲンによって看破されてしまっていたらしい。
ヴィトゲンが背後に猟犬のようにピッタリとくっ付いたことによってルイーダは不意打ちを行う機会を逃してしまうことになったばかりではなく、自身にとって最悪ともいえる窮地に陥ることになってしまったのだ。
そう、ヴィトゲンとヨハンによる挟み撃ちである。二人は偶然出来たこの機会を逃すはずがなかった。間に挟まれたルイーダを狙うためにお互いの体から電池を鳴らしていく。
ルイーダは下唇を噛み、懸命に頭を冷やそうとしたが、その打開策は思い付かなかったらしい。
いかに最強の騎士といえども今の状況は打開する方法が思い付かないのだろう。
幸いであったのはこの時にジードが再び牙で出来た剣を放り投げ、悪魔兄弟を追い散らすことができたことであった。
だが、それにより新たな窮地が生まれてしまう。ヴィトゲンが放り投げられた牙の剣を拾い上げ、ルイーダに向かって襲い掛かってきたのだ。
ルイーダは自身の剣を盾の代わりにして防いだが、力を込めて振り上げたので受け止めた際に足が下がってしまったらしい。ルイーダは自身が履いているブーツが舗装された道路の上を擦る音が聞こえた。
それでも一人が相手ならば持ち堪えることができたのだろうが、二人して襲い掛かって来られれば流石のルイーダでも対応が厳しかったのかもしれない。
悪魔兄弟という敵の恐ろしさをルイーダは肌で実感した。
その時だ。背後でジードの悲鳴が聞こえた。悪魔兄弟が何かしたのかとルイーダは頭の中で焦ったが、たった今襲い掛かってきているのでそれはない。
ルイーダが背後を振り返ると、そこにはかつて大陸を席巻したあの伝説の怪物ブレダーレンの姿が見えた。それも一体ではない。二体だ。
悍ましい容姿、凶悪な性格。しかし、それでいて人間に匹敵する知性を持つ全ての生き物から嫌われた怪物。それがブレダーレンである。
そのブレダーレンの一体は手にかつて殺人鬼エルリカ・キュルテンが街の博物館から盗み出したような石の槍を手に持っていた。
ブレーダレンは凶悪な悲鳴を上げ、槍を構えたかと思うと敵味方の区別もなしに襲い掛かっていく。
はっきりと言って、最初の動きで奮戦したのは悪魔兄弟の方だ。
ルイーダは剣を構えて震えるばかりで、肝心のブレーダレンにはなんの対処もできなかった。
ジードも新たな剣の生成に手こずっているとみて、ひどく焦った様子を見せていた。
やむを得ずに悪魔兄弟がブレーダレンの対処に臨むことになった。
悪魔兄弟はジードが捨てた剣を拾い上げ、各々の電気を剣の中に込めて、電気の剣を作り出したかと思うと、それをブレーダレンに向かって振り回していく。
屈強な怪物は鋭利な刃を受けた事とそれに付加した電気の力を受けた事で、痛みに倒れ、その場の上に倒れ込む。
悪魔兄弟はそのまま二体のブレーダレンに向かって止めを刺そうとしたが、ブレーダレンの再生能力が他の生物よりも早いのか、はたまた身の危機を感じて痛む体に鞭を打ったのかはわからない。
しかし、二体の怪物は二人が武器を振り下ろすよりも前に飛び上がってその場から逃れ、悪魔の兄弟で背後のできていない二人の男女に向かって襲い掛かっていくのだった。
悪魔兄弟が戦っていた時間で新たに剣を作り上げることができたジードは慌てて剣を突き出すことで、ブレーダレンの石槍を防ぐことができたが、問題は恐怖に囚われているルイーダの方である。
ルイーダは怯えていた。ブレーダレンを見て。否、現実世界に蘇ったかつての亡霊を見て。
ルイーダを捉えていたのは明確な恐怖である。子どもにとって悪い点をとった際の母親、粗相をしでかした時の教師。
そのような絶対的な恐怖であったのだ。
そればかりではない。ブレーダレンの背後に亡霊を見たのだ。
亡霊の正体はかつて自身がこの手にかけた殺人鬼、エルリカ・キュルテン。
彼女は怪物の背後で高らかな笑い声を上げ、確かにこう言っていた。
「アハハハ、お久し振り! お姉様! これからねぇ、お姉様にあの時の借りを返そうと思うんだけどいいよねぇ!」
普段のルイーダであったのならばこんな亡霊の言葉など耳にも貸さなかったに違いない。だが、捉えている恐怖が普段であるのならばなんでもないことを怖くさせていたのだ。
妖怪や幽霊を取り扱った映画を見た後で普段ならばなんとも思わない夜の道が恐ろしくなるのと同じようなものだ。
今のルイーダは夜の暗がりを幼い子どもと全く同じ心境であったといってもいい。
ジードは自分に襲いかかる敵の攻撃を防ぎながら、動かないルイーダを見て悲鳴を上げ、励ましの言葉を投げ掛けたが、ルイーダは唖然としたままであった。
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