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大祭編
ヒルデガルドの陰謀
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一年に一度、取り扱う重要なものを仕舞っている場所だというのに、どうして、こうも埃っぽいのだろうか。
荷物を置いた衝撃で舞い上がった埃が口と鼻に入ったことからルイーダの方もゴホゴホと咳き込んでしまったことに気が付く。祭りの件が終わった後で、有志を集めて、倉庫の中を掃除するというのも一手かもしれない。
ルイーダは大勢の人たちで倉庫の中で懸命に清掃を行い、多くの人たちが自分と同じように埃を吸って、咳き込む姿を想像し、思わず苦笑いを浮かべてしまった。
彼女が笑っている場合ではないと気が付いたのは、目の前の箱から埃まみれとなった木製の鎧が見つかった時だろう。
折角の騎士が使う鎧だというのに、このような鎧ではあまりにも哀れだ。
かつての女騎士としてのプライドが蘇ったのか、ルイーダはその場で鎧を拭き取ろうとした。
「あら、汚い鎧ですのね」
ルイーダは鎧を抱えながら声がした方向を振り返る。すると、そこには魔銃士育成学園の制服ではないワンピース状の制服を着た清楚な風貌をした少女の姿が見えた。
ルイーダはその細い目をさらに細く、針のように尖らせながら少女に向かって問い掛けた。
「キミは誰だ?どこから入ってきた?」
「あら、申し遅れましたわ。私の名前はヒルデガルド・ローエンドルフと申します。お友だちは皆、ヒルダと呼びますわ。よろしくお願いします」
ヒルダは丁寧な一礼を行う。令嬢に相応しい所作と礼儀である。
だが、ルイーダは構うことなく、話を続けた。
「うちの学校は部外者を禁止にしているはずだったが……どうして、キミがいる?」
「あら、私も一年に一度開かれる時代祭に興味がありますの。そのため、特別な許可を学校の方にいただき、本日参らせてもらいましたのよ」
「学校が?」
ルイーダの片眉が上がる。
「えぇ、私の学校を顧みれば当然ですわ。聖・マリン学園ってご存知ありません?」
「生憎だが、私は知らない……それよりも早く帰ってくれないか?」
その言葉を聞いて、ヒルダは大袈裟な様子で口元に手を当てて、驚愕の声を上げてみせた。
「まぁ!信じられませんわ!由緒正しきお嬢様学園である聖・マリン学園をご存知ないだなんて……あなた、本当に文明人?」
「学校の名前一つくらいで大袈裟だぞ」
ルイーダは少しだけ強い口調で、窘めるように言った。
人を見下すような発言を聞いて、ルイーダは本当であったのならば、もう少し怒鳴り付けてやりたいところだったのだが、倉庫の中だということもあり、堪えることにしたのだ。
その姿を見て、ヒルダは口元を抑えながら、またしても嘲るように挑発の言葉を口に出す。
「あら、失礼致しましたわ。そうですわね……私としたことがあなた様のような方を一等国の文明人に相応しい知性を持っているものだとばかり思っていましたので、その水準でお話しさせていただきました」
言い換えればルイーダには「知性」というものが備わっていないということになる。その事実を読み取ったルイーダは思わず舌を打ったが、顔を逸らすことで怒りを抑えつけたのだ。
怒った時には相手の顔など見ないことが一番だ。
だが、なおもヒルダは挑発を繰り返してきた。これが自分だけの悪口であったのならば、まだ耐えることができただろう。
だが、自分の夫であるジードにまでその矛先を向けられたのでは、流石のルイーダも限界を迎えた。
ルイーダは強烈な平手打ちを喰らわせようと、右手を振り上げたが、放つ寸前に腕を拘束されてしまう。
ヒルダは思わず冷や汗を流すルイーダの元に自身の顔を近付けていく。
そして、あろうことかルイーダの頬を撫でていたはずの冷や汗を小動物を思わせるような赤くて綺麗な舌で舐め取った。
「フフッ、焦ってますわね。安心して、何も感じなくてもいいわ。このまま私が楽にしてあげるから」
ヒルダは懐の中に隠していたと思われるキャップ付きのカミソリを取り出す。
ヒルダがカミソリを外すと、鋭利な刃が現れた。もし、ここが屋外であるのならば、その刃は太陽の光に照らされて、怪しく光っていたに違いない。
ヒルダは怪しい笑みを浮かべながら、カミソリをルイーダの喉元にまで押し当てていく。
ルイーダの陶器のように白い首元に刃が押し当てられるのと同時に、ルイーダの首元に大量の冷や汗が噴き流れる。
一流の騎士であるにも関わらず、ヒルダの脅しに乗って、かきたくない汗をかいているという状況が腹正しかった。
ヒルダは恐れ慄いた女騎士の姿を見て、歓喜の表情を浮かべながらカミソリを弄んでいく。
カミソリはヒルダが気まぐれで喉の上に立てれば、ルイーダの喉元から血飛沫を飛ばし、辺り一面に赤色の水溜りを作り上げるだろう。
ヒルダが悪戯な表情を浮かべていると、高速魔法を使用した気配を感じた。
ヒルダが慌ててその使用者と同じ魔法を使用としたが、カミソリは自身の手から落ち、重力の法則に従って、地面の上に落ちていく。ヒルダは拾い上げようとしたものの、今度は身体拘束によって、体の自由を奪われ、倉庫の中に立ち尽くしてしまうことになった。
ヒルダが体を動かそうとしたが、その際に耳元に囁くような声が聞こえた。
「このまま大人しくしてろ」
若い男の声だ。恐らく自分と同年代の少年の声だろう。
何者なのかはわからないが、自分から一本取ったのは見事である。
「やりますわ。あなた様は何者ですの?」
「答える必要も義務もない。さっさと、ルイーダを解放しろ」
「あら、この知性のない人ならとっくの昔に自由になっておりますけれど」
ヒルダは嘲るような笑いを浮かべながら、空いた手でヒルダから解放されたルイーダを指差す。
だが、背後に控える男性の怒りは収まらなかったのか、ヒルダの腕を掴む力がより一層強くなっていく。
あまりにも強い力で掴むものであるから、ヒルダは自身の顔が苦痛に歪んでいくのを実感した。
「このまま、私に酷いことをすれば学園が黙っておりませんわ」
「死体がどうやって喋るんだ?」
背後から聞こえる声は正気のようだった。背後の声からは狂気のようなものを感じ取られた。
不味い。今の状況では高速魔法を用いることもできない。自身の得意魔法を活用することも拘束されていて不可能だ。
武器は落とされてしまい、今は手に持っていない。お手上げというべき状況を救ったのは皮肉にも敵であるルイーダであった。
「待て、ジード。私はそこにいるヒルダ嬢と模擬戦をしてみたい。放してくれないか?」
「模擬戦だと!?」
ジードの声が上ずる。どうやら、自身の妻の言葉は予想以上のものであったらしい。
ルイーダはその言葉に少なからず動揺の色を浮かべる二人を腕を組みながら見つめていた。
荷物を置いた衝撃で舞い上がった埃が口と鼻に入ったことからルイーダの方もゴホゴホと咳き込んでしまったことに気が付く。祭りの件が終わった後で、有志を集めて、倉庫の中を掃除するというのも一手かもしれない。
ルイーダは大勢の人たちで倉庫の中で懸命に清掃を行い、多くの人たちが自分と同じように埃を吸って、咳き込む姿を想像し、思わず苦笑いを浮かべてしまった。
彼女が笑っている場合ではないと気が付いたのは、目の前の箱から埃まみれとなった木製の鎧が見つかった時だろう。
折角の騎士が使う鎧だというのに、このような鎧ではあまりにも哀れだ。
かつての女騎士としてのプライドが蘇ったのか、ルイーダはその場で鎧を拭き取ろうとした。
「あら、汚い鎧ですのね」
ルイーダは鎧を抱えながら声がした方向を振り返る。すると、そこには魔銃士育成学園の制服ではないワンピース状の制服を着た清楚な風貌をした少女の姿が見えた。
ルイーダはその細い目をさらに細く、針のように尖らせながら少女に向かって問い掛けた。
「キミは誰だ?どこから入ってきた?」
「あら、申し遅れましたわ。私の名前はヒルデガルド・ローエンドルフと申します。お友だちは皆、ヒルダと呼びますわ。よろしくお願いします」
ヒルダは丁寧な一礼を行う。令嬢に相応しい所作と礼儀である。
だが、ルイーダは構うことなく、話を続けた。
「うちの学校は部外者を禁止にしているはずだったが……どうして、キミがいる?」
「あら、私も一年に一度開かれる時代祭に興味がありますの。そのため、特別な許可を学校の方にいただき、本日参らせてもらいましたのよ」
「学校が?」
ルイーダの片眉が上がる。
「えぇ、私の学校を顧みれば当然ですわ。聖・マリン学園ってご存知ありません?」
「生憎だが、私は知らない……それよりも早く帰ってくれないか?」
その言葉を聞いて、ヒルダは大袈裟な様子で口元に手を当てて、驚愕の声を上げてみせた。
「まぁ!信じられませんわ!由緒正しきお嬢様学園である聖・マリン学園をご存知ないだなんて……あなた、本当に文明人?」
「学校の名前一つくらいで大袈裟だぞ」
ルイーダは少しだけ強い口調で、窘めるように言った。
人を見下すような発言を聞いて、ルイーダは本当であったのならば、もう少し怒鳴り付けてやりたいところだったのだが、倉庫の中だということもあり、堪えることにしたのだ。
その姿を見て、ヒルダは口元を抑えながら、またしても嘲るように挑発の言葉を口に出す。
「あら、失礼致しましたわ。そうですわね……私としたことがあなた様のような方を一等国の文明人に相応しい知性を持っているものだとばかり思っていましたので、その水準でお話しさせていただきました」
言い換えればルイーダには「知性」というものが備わっていないということになる。その事実を読み取ったルイーダは思わず舌を打ったが、顔を逸らすことで怒りを抑えつけたのだ。
怒った時には相手の顔など見ないことが一番だ。
だが、なおもヒルダは挑発を繰り返してきた。これが自分だけの悪口であったのならば、まだ耐えることができただろう。
だが、自分の夫であるジードにまでその矛先を向けられたのでは、流石のルイーダも限界を迎えた。
ルイーダは強烈な平手打ちを喰らわせようと、右手を振り上げたが、放つ寸前に腕を拘束されてしまう。
ヒルダは思わず冷や汗を流すルイーダの元に自身の顔を近付けていく。
そして、あろうことかルイーダの頬を撫でていたはずの冷や汗を小動物を思わせるような赤くて綺麗な舌で舐め取った。
「フフッ、焦ってますわね。安心して、何も感じなくてもいいわ。このまま私が楽にしてあげるから」
ヒルダは懐の中に隠していたと思われるキャップ付きのカミソリを取り出す。
ヒルダがカミソリを外すと、鋭利な刃が現れた。もし、ここが屋外であるのならば、その刃は太陽の光に照らされて、怪しく光っていたに違いない。
ヒルダは怪しい笑みを浮かべながら、カミソリをルイーダの喉元にまで押し当てていく。
ルイーダの陶器のように白い首元に刃が押し当てられるのと同時に、ルイーダの首元に大量の冷や汗が噴き流れる。
一流の騎士であるにも関わらず、ヒルダの脅しに乗って、かきたくない汗をかいているという状況が腹正しかった。
ヒルダは恐れ慄いた女騎士の姿を見て、歓喜の表情を浮かべながらカミソリを弄んでいく。
カミソリはヒルダが気まぐれで喉の上に立てれば、ルイーダの喉元から血飛沫を飛ばし、辺り一面に赤色の水溜りを作り上げるだろう。
ヒルダが悪戯な表情を浮かべていると、高速魔法を使用した気配を感じた。
ヒルダが慌ててその使用者と同じ魔法を使用としたが、カミソリは自身の手から落ち、重力の法則に従って、地面の上に落ちていく。ヒルダは拾い上げようとしたものの、今度は身体拘束によって、体の自由を奪われ、倉庫の中に立ち尽くしてしまうことになった。
ヒルダが体を動かそうとしたが、その際に耳元に囁くような声が聞こえた。
「このまま大人しくしてろ」
若い男の声だ。恐らく自分と同年代の少年の声だろう。
何者なのかはわからないが、自分から一本取ったのは見事である。
「やりますわ。あなた様は何者ですの?」
「答える必要も義務もない。さっさと、ルイーダを解放しろ」
「あら、この知性のない人ならとっくの昔に自由になっておりますけれど」
ヒルダは嘲るような笑いを浮かべながら、空いた手でヒルダから解放されたルイーダを指差す。
だが、背後に控える男性の怒りは収まらなかったのか、ヒルダの腕を掴む力がより一層強くなっていく。
あまりにも強い力で掴むものであるから、ヒルダは自身の顔が苦痛に歪んでいくのを実感した。
「このまま、私に酷いことをすれば学園が黙っておりませんわ」
「死体がどうやって喋るんだ?」
背後から聞こえる声は正気のようだった。背後の声からは狂気のようなものを感じ取られた。
不味い。今の状況では高速魔法を用いることもできない。自身の得意魔法を活用することも拘束されていて不可能だ。
武器は落とされてしまい、今は手に持っていない。お手上げというべき状況を救ったのは皮肉にも敵であるルイーダであった。
「待て、ジード。私はそこにいるヒルダ嬢と模擬戦をしてみたい。放してくれないか?」
「模擬戦だと!?」
ジードの声が上ずる。どうやら、自身の妻の言葉は予想以上のものであったらしい。
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