41 / 178
追跡編
怖がるなよ。我が同胞
しおりを挟む
エルリカは博物館から逃走した後は路地裏のゴミ箱の裏に隠れて通常の街の警察官や武装警察隊の追跡を逃れていたのだが、夜になり、周囲の光がガス灯ばかりになったのを確認すると、その薄暗い光から避けるように闇の中を進み、街の外れの安さで人気のある古い年代のアパートの屋上へと辿り着く。
暫くはその屋上から地上の警戒網を眺めていたのだが、やがて、屋上に幸せそうな顔を浮かべた三人家族の姿が見えると、その最年少と思われる少年を人質に取り、少年の首元に石の槍を突き付けながら一家の人々に向かって言った。
「こんにちは!私の名前はエルリカ・キュルテンと言います!少しばかり、休養をしたいので、あなた方の家を貸していただけませんか?あっ、別に貸してもらうといっても、あなた方に出て行って欲しいとかいうわけじゃあないんです。私を少しの間だけ部屋に置いて欲しいんです。お願いしますよ」
最後にこそ「お願いしますよ」と懇願するような言葉がくっ付けられているものの、それは脅迫に他ならない。
殺人鬼の女性に石の槍を突き付けられて、怯えている息子を見て、二人の若い夫婦も思うところがあったのだろう。
真っ直ぐに首を縦に動かし、エルテカを自分たちの部屋へと招き入れていく。
そして、そのまま「お気に召すかはわかりませんが」という前置きを付け加えて、エルリカに食事を差し出したのである。これには、人質となっている夫妻の大事な一人息子を引き離すという目的もあったのだ。
幸にして、彼女は人質となっている息子を離して、普段は一家が食事を取っている食卓の上に座った。
食卓の上に並べられた食事のメニューはポテトスープに丸い形のパンに魚のフライにグリーンサラダという一般的なメニューである。
エルリカは試しに魚のフライを口にしたのだが、直ぐに満足そうな顔を浮かべて、頬を摩っていく。
「す、すっごい美味しいです!もうほっぺたがとろけちゃいそうで……あぁ、お姉様にもこのフライを食べさせてあげたいなぁ……」
一家はエルリカが発した「お姉様」という人物が誰の事を指しているのかを理解していた。
そう、学園の英雄にしてこの世に蘇った伝説の騎士『ルイーダ・メルテロイ』の事である。
例の事件の件は新聞を通して伝えられているので、彼女のルイーダへの『愛』は誰もが理解していた。
中には新聞を読まない人もいるだろうから、例外があるだろうが、この一家は例外の中には含まれていない。
一家がここ最近の恐ろしい言葉を聞いて、絶句していると、そんな青ざめた顔の一家とは対照的にエルリカは興奮したらしく、赤みの強い色を頬に浴びながら、一家にある事についての許可を求める。
「ねぇねぇ、このフライの作り方を教えてください!あ、勿論、よかったらの話ですよ。ご家庭に負担を掛けるわけにもいきませんもの」
「いえいえ、とんでもありません!翌日より、我々が付きっきりでお教えさせていただきますよ!」
一家を代表して、父親がエルリカの言葉に答えた。
そんな父親の好意を受け取った彼女は優しく微笑む。女神のように優しげな笑みにたちまちのうちに一家全員が魅了されてしまう。
一家は彼女が噂の殺人鬼だとは信じられなくなってしまったのだ。
なにせ、彼女の顔そのものは御伽噺に出てくるお姫様のように美しいのだし、今の所は口調も淑女そのもの。
世間一般で言われるような強盗のような口調ではない。
彼女は殺人鬼ではあるが、半ば本気で匿いたい。いや、殺人鬼と報道されている世間の報道こそが嘘なのかもしれない。
先程の笑みは一家にそう思わせる程の魔力を秘めていたといってもいいだろう。
エルリカは意図しない所でしばらくの間の安住の地を手に入れたといってもいいかもしれない。
「諸君!我々はこのような事態が起こってはいるが、騎士たるもの!鍛錬を行なってはならんとは思っている!よって、ここでは極秘裏の剣術試合を行う!」
そう叫んだのは騎士の会の会員の一人で、まだ会員となって日の浅い短くて黒い髪に青い瞳をした青年である。
彼はハンス以上に熱心な攻撃主義者であり、武装警察隊にかなりの不信感を持っていたために、有事に備えて、自分に同調する同志たちを集めて、密かに剣術試合を行なっていたのである。
無論、そんな危険分子を武装警察隊が見落とす筈もない。
試合が始まる寸前に周りをパトカーで取り囲み、散弾銃や機関銃で少年少女たちを威圧していく。
「動くなッ!時代遅れのクソガキどもめッ!」
クルトのその言葉に騎士の会の面々は抵抗をやめ、それぞれがパトカーに乗せられていく。
「これで全部か?思ったよりも少ないんだな」
クルトは帰りのパトカーの中で、助手席のデニスに愚痴をこぼすが、彼はなぜ少ないのかを彼に分かりやすく説明し、その内容を理解させる事に成功した。
「成る程、跳ね返り分子というのが思ったよりも少ないのか」
「ええ、奴らはガキどもとはいえ、筋金入りですから、仲間の事は絶対に売らないでしょう。奴らを辿っていけば、必ず、ルイーダに辿り着けるでしょう」
「逮捕さえできれば後はこっちのものなのだが、なにせ、例の件での逮捕理由では弱いらしいからな。クソ、ブラウンシュヴァイクめ、警部のくせにあの女なんかに肩入れしやがって」
「おまけに警部が勝手にその後に、あの事件を単なる喧嘩と処理してしまいましたからね。あの件での逮捕はもうできませんよ」
「だから、こうして、跳ね返り分子を探しているんだろ?糸を辿って、あの女に辿り着くために」
「ええ、勿論です。いずれは騎士の会の二分させ、その亀裂に乗じて、ルイーダめを逮捕致しましょう。なにせ、エルテカが逮捕されるなり、殺されるなりすれば、総統閣下のご来訪が決まってしまうのですからな」
クルトはその言葉を聞いて、真っ直ぐに首を縦に動かす。
「その通りだ。今はキュルテンの件で、延期している総統閣下がこの街を来訪なさる前に、奴らを逮捕しなくてはな……」
そのまま容疑者と警察の隊員を乗せたパトカーは警察署へと着いて、騎士の会の面々の取り調べを行う事になったのだが、やはり、デニスが予想した通りに誰もルイーダの「る」の字さえも口に出さない。
拳を振るおうとも、兵糧攻めにしようとしても、それは同じ事である。
クルトは騎士の会の会員の執念の深さを改めて思い知らされる事になったのである。
暫くはその屋上から地上の警戒網を眺めていたのだが、やがて、屋上に幸せそうな顔を浮かべた三人家族の姿が見えると、その最年少と思われる少年を人質に取り、少年の首元に石の槍を突き付けながら一家の人々に向かって言った。
「こんにちは!私の名前はエルリカ・キュルテンと言います!少しばかり、休養をしたいので、あなた方の家を貸していただけませんか?あっ、別に貸してもらうといっても、あなた方に出て行って欲しいとかいうわけじゃあないんです。私を少しの間だけ部屋に置いて欲しいんです。お願いしますよ」
最後にこそ「お願いしますよ」と懇願するような言葉がくっ付けられているものの、それは脅迫に他ならない。
殺人鬼の女性に石の槍を突き付けられて、怯えている息子を見て、二人の若い夫婦も思うところがあったのだろう。
真っ直ぐに首を縦に動かし、エルテカを自分たちの部屋へと招き入れていく。
そして、そのまま「お気に召すかはわかりませんが」という前置きを付け加えて、エルリカに食事を差し出したのである。これには、人質となっている夫妻の大事な一人息子を引き離すという目的もあったのだ。
幸にして、彼女は人質となっている息子を離して、普段は一家が食事を取っている食卓の上に座った。
食卓の上に並べられた食事のメニューはポテトスープに丸い形のパンに魚のフライにグリーンサラダという一般的なメニューである。
エルリカは試しに魚のフライを口にしたのだが、直ぐに満足そうな顔を浮かべて、頬を摩っていく。
「す、すっごい美味しいです!もうほっぺたがとろけちゃいそうで……あぁ、お姉様にもこのフライを食べさせてあげたいなぁ……」
一家はエルリカが発した「お姉様」という人物が誰の事を指しているのかを理解していた。
そう、学園の英雄にしてこの世に蘇った伝説の騎士『ルイーダ・メルテロイ』の事である。
例の事件の件は新聞を通して伝えられているので、彼女のルイーダへの『愛』は誰もが理解していた。
中には新聞を読まない人もいるだろうから、例外があるだろうが、この一家は例外の中には含まれていない。
一家がここ最近の恐ろしい言葉を聞いて、絶句していると、そんな青ざめた顔の一家とは対照的にエルリカは興奮したらしく、赤みの強い色を頬に浴びながら、一家にある事についての許可を求める。
「ねぇねぇ、このフライの作り方を教えてください!あ、勿論、よかったらの話ですよ。ご家庭に負担を掛けるわけにもいきませんもの」
「いえいえ、とんでもありません!翌日より、我々が付きっきりでお教えさせていただきますよ!」
一家を代表して、父親がエルリカの言葉に答えた。
そんな父親の好意を受け取った彼女は優しく微笑む。女神のように優しげな笑みにたちまちのうちに一家全員が魅了されてしまう。
一家は彼女が噂の殺人鬼だとは信じられなくなってしまったのだ。
なにせ、彼女の顔そのものは御伽噺に出てくるお姫様のように美しいのだし、今の所は口調も淑女そのもの。
世間一般で言われるような強盗のような口調ではない。
彼女は殺人鬼ではあるが、半ば本気で匿いたい。いや、殺人鬼と報道されている世間の報道こそが嘘なのかもしれない。
先程の笑みは一家にそう思わせる程の魔力を秘めていたといってもいいだろう。
エルリカは意図しない所でしばらくの間の安住の地を手に入れたといってもいいかもしれない。
「諸君!我々はこのような事態が起こってはいるが、騎士たるもの!鍛錬を行なってはならんとは思っている!よって、ここでは極秘裏の剣術試合を行う!」
そう叫んだのは騎士の会の会員の一人で、まだ会員となって日の浅い短くて黒い髪に青い瞳をした青年である。
彼はハンス以上に熱心な攻撃主義者であり、武装警察隊にかなりの不信感を持っていたために、有事に備えて、自分に同調する同志たちを集めて、密かに剣術試合を行なっていたのである。
無論、そんな危険分子を武装警察隊が見落とす筈もない。
試合が始まる寸前に周りをパトカーで取り囲み、散弾銃や機関銃で少年少女たちを威圧していく。
「動くなッ!時代遅れのクソガキどもめッ!」
クルトのその言葉に騎士の会の面々は抵抗をやめ、それぞれがパトカーに乗せられていく。
「これで全部か?思ったよりも少ないんだな」
クルトは帰りのパトカーの中で、助手席のデニスに愚痴をこぼすが、彼はなぜ少ないのかを彼に分かりやすく説明し、その内容を理解させる事に成功した。
「成る程、跳ね返り分子というのが思ったよりも少ないのか」
「ええ、奴らはガキどもとはいえ、筋金入りですから、仲間の事は絶対に売らないでしょう。奴らを辿っていけば、必ず、ルイーダに辿り着けるでしょう」
「逮捕さえできれば後はこっちのものなのだが、なにせ、例の件での逮捕理由では弱いらしいからな。クソ、ブラウンシュヴァイクめ、警部のくせにあの女なんかに肩入れしやがって」
「おまけに警部が勝手にその後に、あの事件を単なる喧嘩と処理してしまいましたからね。あの件での逮捕はもうできませんよ」
「だから、こうして、跳ね返り分子を探しているんだろ?糸を辿って、あの女に辿り着くために」
「ええ、勿論です。いずれは騎士の会の二分させ、その亀裂に乗じて、ルイーダめを逮捕致しましょう。なにせ、エルテカが逮捕されるなり、殺されるなりすれば、総統閣下のご来訪が決まってしまうのですからな」
クルトはその言葉を聞いて、真っ直ぐに首を縦に動かす。
「その通りだ。今はキュルテンの件で、延期している総統閣下がこの街を来訪なさる前に、奴らを逮捕しなくてはな……」
そのまま容疑者と警察の隊員を乗せたパトカーは警察署へと着いて、騎士の会の面々の取り調べを行う事になったのだが、やはり、デニスが予想した通りに誰もルイーダの「る」の字さえも口に出さない。
拳を振るおうとも、兵糧攻めにしようとしても、それは同じ事である。
クルトは騎士の会の会員の執念の深さを改めて思い知らされる事になったのである。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる