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入学編
決闘!ラインハルト対ルイーダ
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「決闘の場所は前にヨーゼフと戦った、例の校庭でいいだろ?」
ラインハルトの問い掛けにルイーダはに別もなく首を縦に振る。
「よし、さっさと始めるぞ」
ラインハルトの問い掛けに対し、彼女は疑う事もなく彼の後をついていく。
気掛かりなのは彼女を信奉する騎士である。ケニーは一旦は腰のホルスターに閉まったはずの拳銃の銃尻を落ち着きのない指でなぞっているのがその証拠だろう。
コニーは袖を強く引っ張って、自身の不安を兄に対して、表していく。
校庭の真ん中にて、両者はいよいよ対峙する事になった。
ハンスもケニー同様に先程からひっきりなしに拳銃を触っているし、ジードに至ってはその不安が顔から溢れ出て、それを隠そうともしない。
だが、そんな中で唯一、平然としているのがルイーダである。
彼女は臆病さなど微塵も見せずに、ラインハルトの後をついて行く。
「ミス・メルテロイ!臆する事なく、ここまで来た事だけは褒めてやろう!」
「その言葉、そっくりそのまま貴様に返してやろう」
ルイーダは人差し指を突き刺しながら、目の前で拳銃を構えるラインハルトに向かって言葉を返していく。
「貴様、後悔しても知らんぞ!」
ラインハルトは拳銃を構えるのと同時に擬似高速魔法を利用して、彼女の元へと向かっていく。
ルイーダも同じ高速魔法を利用して、ラインハルトに追い縋っていく。
今日はあまりにも使い過ぎた。そのため、ギアは使えない。スピードでの優位性は殆ど保てないと言ってもいいだろう。
ラインハルトはそれを待ってましたと言わんばかりに白緑色に覆われた弾丸を手持ちの拳銃から放っていく。
ルイーダはその弾丸がスロモーションで自身の眼の前にまで迫っている事を確認すると、竜の炎で弾丸を破壊し尽くした後に、飛び上がり、ラインハルトの目の前へと迫っていく。
そのまま、強烈な一撃を喰らわせようとしたのだが、彼はルイーダの拳を自身の手で防ぐと、そのままもう片方の空いた手で彼女を襲っていく。
幸いにも、ルイーダはその拳をもう片方の手の肘を突き出す事により防いで、それが自身の体を襲う事を防いだのである。
ラインハルトは自身の特殊な状況を察した。利き腕が彼女の拳を捕らえ、逆にそうでない方の手が彼女に捕らえられているという状況はどうあがいても抜け出せない。
ラインハルトは内心で舌を打ち、一度、手を離した後で、後方へと逃亡しようとしたのだが、ルイーダはそれを許さない。
拳に込めた力を強めていくのである。ラインハルトは獲物を求める狩人のような執念深さに恐怖を覚え、彼はルイーダに繰り出していた拳を離していく。
結果として、それが功を奏したらしい。
彼女はバランスが崩れた事に対応できずに、足元をふらつかせてしまう。
ラインハルトは勝利を確信した笑みを浮かべる。そのまま真下から拳を突き上げていくのだが、ルイーダは直前で踏み留まり、身を逸らすと、そのまま返す刀でと言わんばかりに、ラインハルトの顔に強烈な一撃を喰らわせていく。
ラインハルトは叫び声を上げて、地面の上を転がっていく。
その一撃は彼の仲間たちが体験したように重い一撃であったのだ。
彼は悲鳴を上げて、地面の上を転がっていく。
だが、エリックなどと違うのは殴られたショックを引き摺らない点にあるだろう。
彼は朝食の用意が出来た時のように素早く起き上がると、再び自身の魔法を込めた弾丸を放った事だろう。
無論、彼は疑似高速魔法を利用しているので、その弾丸もスロモーションに放たれているのが目に見えるが、これも策略なのである。
ルイーダはあの弾丸など避けられると高を括っているだろう。
だが、それが罠。一番危うい考えなのである。
ラインハルトが生徒会の切り札と言われる所以はスローモーションとなっている物や人を触れる事により、自身が触れる事により、元のスピードに戻す事にあるのだ。
避けられると思ったルイーダが蜂の巣にされて死ぬ姿はさぞ滑稽だろう。
その高慢な鼻柱をそれで叩き折って、地獄へと叩き落とす。
これ程までに愉快な事があるだろうか。
ラインハルトの中の笑みが隠し切れなくなった時だ。
突然、赤黒い炎が弾丸の前に放たれて、全ての弾丸が消え去っていく。
「な、何ィィィィィ~!!!」
「貴様はどうやら、あの弾丸に何か仕込んでいたらしいな。だが、それも燃やしてしまえば、終わりだ。二度と、この決闘で私が貴様に殺される事はあるまい」
ラインハルトが慌てて、引き金を引こうとしたものの、どうやら、弾切れをおこしてしまったらしい。
カチカチと虚しい音が校庭の中に鳴り響いていく。
「こ、こんなバカなッ!」
「終わりだ」
ルイーダは口元に勝利を確信した笑みを浮かべると、そのまま真っ直ぐにラインハルトの顔へとその拳を叩き込む。
彼は悲鳴を上げて後方へと吹き飛んでいく。
同時に、歓声が上がっていく。全員が悟ったのだ。生徒会支配の終焉を。
そして、これから始まる期待に満ちた新たなる学園生活を。
周りに詰め掛けていた生徒たちに捕縛されたラインハルトはそのまま彼が所属する寮の地下室へと処分される事になった。
クレメンティーネ・ズィーベンもエリック・フォン・クロージックも同様の憂き目に遭うらしい。
唯一の例外は討論会からの戦いの際に心を入れ替えたコルネリアだけ。
ヨーゼフや他の生徒たちも例外なく、これまでの恨みとばかりに小突き回されながら、地下室へと連れられていく。
翌日、生徒会支配の終焉はエックハルトの記事により、特集されて大々的に知らされる事になった。
同時に、生徒会制度もルイーダの直談判により修正される事になったという。
「これからの生徒会長は学校の成績や家柄などといったものに拘らずに、生徒により、直接の投票によって決める事にしよう。これならば、誰でも生徒会長になれるからな」
この提案は生徒会を倒したルイーダにより提案された事により、教師や理事長たちは承認せざるを得ない。
この新制度の下に新らたに生徒会長に就任し、圧倒的な歓声を持って迎えられたのがルイーダ・メルテロイである。
「諸君、我らと共にこの学園を、いいや、世界そのものを変えていこうではないかッ!世界を元の正しく清い世界へと戻すために共に戦っていこうではないかッ!」
新生徒会長就任の演説は熱狂的な拍手と賛辞の言葉により迎えられ、彼女は騎士という名称に相応しい威風堂々たらん態度でそれに答えたのだ。
ラインハルトの問い掛けにルイーダはに別もなく首を縦に振る。
「よし、さっさと始めるぞ」
ラインハルトの問い掛けに対し、彼女は疑う事もなく彼の後をついていく。
気掛かりなのは彼女を信奉する騎士である。ケニーは一旦は腰のホルスターに閉まったはずの拳銃の銃尻を落ち着きのない指でなぞっているのがその証拠だろう。
コニーは袖を強く引っ張って、自身の不安を兄に対して、表していく。
校庭の真ん中にて、両者はいよいよ対峙する事になった。
ハンスもケニー同様に先程からひっきりなしに拳銃を触っているし、ジードに至ってはその不安が顔から溢れ出て、それを隠そうともしない。
だが、そんな中で唯一、平然としているのがルイーダである。
彼女は臆病さなど微塵も見せずに、ラインハルトの後をついて行く。
「ミス・メルテロイ!臆する事なく、ここまで来た事だけは褒めてやろう!」
「その言葉、そっくりそのまま貴様に返してやろう」
ルイーダは人差し指を突き刺しながら、目の前で拳銃を構えるラインハルトに向かって言葉を返していく。
「貴様、後悔しても知らんぞ!」
ラインハルトは拳銃を構えるのと同時に擬似高速魔法を利用して、彼女の元へと向かっていく。
ルイーダも同じ高速魔法を利用して、ラインハルトに追い縋っていく。
今日はあまりにも使い過ぎた。そのため、ギアは使えない。スピードでの優位性は殆ど保てないと言ってもいいだろう。
ラインハルトはそれを待ってましたと言わんばかりに白緑色に覆われた弾丸を手持ちの拳銃から放っていく。
ルイーダはその弾丸がスロモーションで自身の眼の前にまで迫っている事を確認すると、竜の炎で弾丸を破壊し尽くした後に、飛び上がり、ラインハルトの目の前へと迫っていく。
そのまま、強烈な一撃を喰らわせようとしたのだが、彼はルイーダの拳を自身の手で防ぐと、そのままもう片方の空いた手で彼女を襲っていく。
幸いにも、ルイーダはその拳をもう片方の手の肘を突き出す事により防いで、それが自身の体を襲う事を防いだのである。
ラインハルトは自身の特殊な状況を察した。利き腕が彼女の拳を捕らえ、逆にそうでない方の手が彼女に捕らえられているという状況はどうあがいても抜け出せない。
ラインハルトは内心で舌を打ち、一度、手を離した後で、後方へと逃亡しようとしたのだが、ルイーダはそれを許さない。
拳に込めた力を強めていくのである。ラインハルトは獲物を求める狩人のような執念深さに恐怖を覚え、彼はルイーダに繰り出していた拳を離していく。
結果として、それが功を奏したらしい。
彼女はバランスが崩れた事に対応できずに、足元をふらつかせてしまう。
ラインハルトは勝利を確信した笑みを浮かべる。そのまま真下から拳を突き上げていくのだが、ルイーダは直前で踏み留まり、身を逸らすと、そのまま返す刀でと言わんばかりに、ラインハルトの顔に強烈な一撃を喰らわせていく。
ラインハルトは叫び声を上げて、地面の上を転がっていく。
その一撃は彼の仲間たちが体験したように重い一撃であったのだ。
彼は悲鳴を上げて、地面の上を転がっていく。
だが、エリックなどと違うのは殴られたショックを引き摺らない点にあるだろう。
彼は朝食の用意が出来た時のように素早く起き上がると、再び自身の魔法を込めた弾丸を放った事だろう。
無論、彼は疑似高速魔法を利用しているので、その弾丸もスロモーションに放たれているのが目に見えるが、これも策略なのである。
ルイーダはあの弾丸など避けられると高を括っているだろう。
だが、それが罠。一番危うい考えなのである。
ラインハルトが生徒会の切り札と言われる所以はスローモーションとなっている物や人を触れる事により、自身が触れる事により、元のスピードに戻す事にあるのだ。
避けられると思ったルイーダが蜂の巣にされて死ぬ姿はさぞ滑稽だろう。
その高慢な鼻柱をそれで叩き折って、地獄へと叩き落とす。
これ程までに愉快な事があるだろうか。
ラインハルトの中の笑みが隠し切れなくなった時だ。
突然、赤黒い炎が弾丸の前に放たれて、全ての弾丸が消え去っていく。
「な、何ィィィィィ~!!!」
「貴様はどうやら、あの弾丸に何か仕込んでいたらしいな。だが、それも燃やしてしまえば、終わりだ。二度と、この決闘で私が貴様に殺される事はあるまい」
ラインハルトが慌てて、引き金を引こうとしたものの、どうやら、弾切れをおこしてしまったらしい。
カチカチと虚しい音が校庭の中に鳴り響いていく。
「こ、こんなバカなッ!」
「終わりだ」
ルイーダは口元に勝利を確信した笑みを浮かべると、そのまま真っ直ぐにラインハルトの顔へとその拳を叩き込む。
彼は悲鳴を上げて後方へと吹き飛んでいく。
同時に、歓声が上がっていく。全員が悟ったのだ。生徒会支配の終焉を。
そして、これから始まる期待に満ちた新たなる学園生活を。
周りに詰め掛けていた生徒たちに捕縛されたラインハルトはそのまま彼が所属する寮の地下室へと処分される事になった。
クレメンティーネ・ズィーベンもエリック・フォン・クロージックも同様の憂き目に遭うらしい。
唯一の例外は討論会からの戦いの際に心を入れ替えたコルネリアだけ。
ヨーゼフや他の生徒たちも例外なく、これまでの恨みとばかりに小突き回されながら、地下室へと連れられていく。
翌日、生徒会支配の終焉はエックハルトの記事により、特集されて大々的に知らされる事になった。
同時に、生徒会制度もルイーダの直談判により修正される事になったという。
「これからの生徒会長は学校の成績や家柄などといったものに拘らずに、生徒により、直接の投票によって決める事にしよう。これならば、誰でも生徒会長になれるからな」
この提案は生徒会を倒したルイーダにより提案された事により、教師や理事長たちは承認せざるを得ない。
この新制度の下に新らたに生徒会長に就任し、圧倒的な歓声を持って迎えられたのがルイーダ・メルテロイである。
「諸君、我らと共にこの学園を、いいや、世界そのものを変えていこうではないかッ!世界を元の正しく清い世界へと戻すために共に戦っていこうではないかッ!」
新生徒会長就任の演説は熱狂的な拍手と賛辞の言葉により迎えられ、彼女は騎士という名称に相応しい威風堂々たらん態度でそれに答えたのだ。
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