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入学編
魔銃士育成学園の歪み
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「この本は面白いな。ジード」
ルイーダは図書室に置いてあった昔の小説を読みながら言った。
だが、当のジードは鬱蒼とした顔を浮かべて、目の前に座る自身の妻を見つめていた。
夫の顔色の悪さに気が付いたのか、ルイーダは本を閉じ、再び彼と向き合う。
「何をしておるのだ?我が夫よ。気になる事があるのならば、私に直と言えばよかろう」
それを聞いたジードは片眉を上げると、椅子の上から立ち上がって、彼女の顔に近付かんばかりの勢いで迫りながら告げる。
「……言ったなッ!なら、言ってやるぞ!!お前のせいで、生徒会執行委員会が動き出したんだよッ!」
「執行委員会だと、なんだ?それは?」
「知らないのかッ!この学園における生徒会の犬どもさッ!あいつらのせいで、何人の〈獲物〉の生徒が苦しめられているか……」
生徒執行委員会。通称、『幸運をもたらす取締官』は生徒会に準ずる生徒たちで構成され、それを率いるのは生徒会の一員である実行委員長であるとされる。
当然〈狩人〉クラスの生徒で構成されており、その中には一桁のメンバーさえいるという。
その役割は治安維持に託けた生徒会並びに学園の安定。
表向きは凶悪な魔銃士候補生の取り締まりであるが、実態は自分たちにとって危険な人物を拘束するためとされている。
ルイーダはそれを聞くと、黙って席の上から立ち上がり、こっそりと自身の仮初の夫に耳打ちする。
「面白いな。そのラッキーオフィサーとやらは何人で構成されている。見つけ次第、私が全て撲滅してやろう」
「ば、バカッ!そんな事ができるわけないだろ!?ラッキーオフィサーは〈狩人〉の中でも一流とされる魔銃士育成候補生ばかりで、エリート中のエリート。オレたちなんかにーー」
「確かに私はキミと同じ〈獲物〉の生徒だ。だがな、忘れたのか?私の事を。だから、そんな奴らなど恐るるに足りぬ。ゴブリンどもの首でも狩るかのようにあっさりと狩ってやろうではないか!」
ルイーダは自信満々に自身の事を指差す。
同時にジードの頭の中に『伝説の騎士』という言葉が思い起こされていく。
彼女にならば、ラッキーオフィサーなる人物とその制度を根絶できると思った、その時だ。
「ほぅ、あなたがあの伝説の女騎士と同じ名前を持つとされる編入生ですか?」
眼鏡をかけたギザな空気を醸し出す青年がそう尋ねた。
サメのように鋭い瞳に妙に高い鼻。丁寧な口調。
そのどれもが、ジードにはこの学園におけるエリートたちの突出した選民意識を体現したように思えてならない。
ジードは不快感に両眉を寄せていたが、彼の妻は構う事なくその男に微笑を見せていた。
「いかにもそうだが、あなたは?」
「ほぅ、〈獲物〉クラスの分際で、ラッキーオフィサーに名前を尋ねますか……まぁ、いいでしょう。私の名前はヨーゼフ・シュテルベルト。お気軽にヨーゼフとお呼びください」
「そうか、ならば、ヨーゼフ。この私に何の用だ?私は今、読書を遮られて非常に不愉快なのだが」
ルイーダの言葉にヨーゼフの両眉が下がる。同時に下唇を強く噛み締める様子をジードは目撃していた。
だが、彼はすぐにいつもの冷静沈着な笑顔を浮かべて、再び彼女に向かい合っていく。
「いえ、実はね、先程〈獲物〉クラスのあなた如きが我々、ラッキーオフィサーに何を言ったのかをもう一度、お尋ねしたくて、こうして、あなたの元にお伺いしたのです。よければ、私に教えてくれませんか?」
「一字一句全てその通りとは保証できぬが、もう一度、聞きたいのならば、貴様に教えてやろうか。ゴブリンどもの首をーー」
ルイーダが全てを発し終えるよりも前に彼女の目の前にて大きな雷鳴が轟き、その瞬間にルイーダの目の前に通常よりも小さな雷が直撃する。
目の前を見つめると、そこには頬の筋肉を引き攣らせるヨーゼフの姿。
「き、貴様のような三流の底辺女が我々、エリートになんだって?」
「狩るかのように狩ってやろうと言ったのだ。どうも、聞こえなかったらしいな」
「舐めやがって!いいだろう!ルイーダ・メルテロイ!オレはお前との間に決闘を申し込むッ!」
元々が静かな図書室であったためか、この図書室に読書に集まった生徒たちの間にざわめきが起きる。
「そ、それはダメだよ!死んだらどうするの!第一、学内における決闘は校則でーー」
同じくラッキーオフィサーなのか、はたまた、たまたま居合わせた〈狩人〉クラスの生徒かは知らないが、短く黒い髪に地味な風貌をしたジードやルイーダよりも少し歳下と思われる少年がヨーゼフを引き止めるが、彼はそんな少年の好意に対し、暴力で返し、彼の顔を思いっきり殴り倒したかと思うと、殴られたショックで地面の上に悶えている少年をヨーゼフの腹を力強く踏む。
その蹴りはまるで、紙屑でも踏むかのように乱雑であり、そこに人への配慮というものは存在していない。
それに憤りを感じたのか、ルイーダは剣の下に隠し持っていたと思われる自身の得物を取り出し、その剣先を突き付けていく。
「……よかろう。貴様の決闘を受けてやろうではないか。ただし、条件がある」
「条件だと?落ちこぼれの分際で一丁前に」
「まぁ、そうカッカするな。条件はもし、仮に貴様が惨めに命乞いをしたのならば、その命乞いを聞き入れる代わりに、その少年に詫びてもらおうというものだ」
それを聞いた瞬間にヨーゼフは今度は図書室の机を勢いよく蹴り付ける。
それから、鼻息をフゥフゥと上げていく。ようやく落ち着いたのを確認すると、静かにずり落ちた眼鏡を上げ、再度、ルイーダを睨み付ける。
それから、怒りを押し殺したような静かな声で先程の疑問に答える。
「……いいだろう。ただし、貴様が決闘で命乞いをした場合には……貴様を抱かせろッ!それも条件に入れてもらわないと困るぞ」
「下賎な奴だ。負けたとて、私がそのような事を言う筈もなかろうに」
「フッ、貴様はそうだろうな。だが、貴様の隣はどうだ?」
ヨーゼフの視線はルイーダの隣にいたジードを見やる。
ジードはその際に気まずくなったのか、慌てて視線を地面へと逸らす。
だが、すぐに視線を上げると、ルイーダに向かって向き直って言った。
「やっぱり、こんな馬鹿げた決闘をする必要はないよ!オレと一緒に逃げよう。どうしても、決闘を受け入れるっていうのなら、あいつのあの条件を受け入れろ!オレはキミに死んで欲しくないんだ……」
ジードは懸命にその手を伸ばしたが、ルイーダはそれに振り向きすらせずに、改めて、ヨーゼフと向き合う。
ルイーダは図書室に置いてあった昔の小説を読みながら言った。
だが、当のジードは鬱蒼とした顔を浮かべて、目の前に座る自身の妻を見つめていた。
夫の顔色の悪さに気が付いたのか、ルイーダは本を閉じ、再び彼と向き合う。
「何をしておるのだ?我が夫よ。気になる事があるのならば、私に直と言えばよかろう」
それを聞いたジードは片眉を上げると、椅子の上から立ち上がって、彼女の顔に近付かんばかりの勢いで迫りながら告げる。
「……言ったなッ!なら、言ってやるぞ!!お前のせいで、生徒会執行委員会が動き出したんだよッ!」
「執行委員会だと、なんだ?それは?」
「知らないのかッ!この学園における生徒会の犬どもさッ!あいつらのせいで、何人の〈獲物〉の生徒が苦しめられているか……」
生徒執行委員会。通称、『幸運をもたらす取締官』は生徒会に準ずる生徒たちで構成され、それを率いるのは生徒会の一員である実行委員長であるとされる。
当然〈狩人〉クラスの生徒で構成されており、その中には一桁のメンバーさえいるという。
その役割は治安維持に託けた生徒会並びに学園の安定。
表向きは凶悪な魔銃士候補生の取り締まりであるが、実態は自分たちにとって危険な人物を拘束するためとされている。
ルイーダはそれを聞くと、黙って席の上から立ち上がり、こっそりと自身の仮初の夫に耳打ちする。
「面白いな。そのラッキーオフィサーとやらは何人で構成されている。見つけ次第、私が全て撲滅してやろう」
「ば、バカッ!そんな事ができるわけないだろ!?ラッキーオフィサーは〈狩人〉の中でも一流とされる魔銃士育成候補生ばかりで、エリート中のエリート。オレたちなんかにーー」
「確かに私はキミと同じ〈獲物〉の生徒だ。だがな、忘れたのか?私の事を。だから、そんな奴らなど恐るるに足りぬ。ゴブリンどもの首でも狩るかのようにあっさりと狩ってやろうではないか!」
ルイーダは自信満々に自身の事を指差す。
同時にジードの頭の中に『伝説の騎士』という言葉が思い起こされていく。
彼女にならば、ラッキーオフィサーなる人物とその制度を根絶できると思った、その時だ。
「ほぅ、あなたがあの伝説の女騎士と同じ名前を持つとされる編入生ですか?」
眼鏡をかけたギザな空気を醸し出す青年がそう尋ねた。
サメのように鋭い瞳に妙に高い鼻。丁寧な口調。
そのどれもが、ジードにはこの学園におけるエリートたちの突出した選民意識を体現したように思えてならない。
ジードは不快感に両眉を寄せていたが、彼の妻は構う事なくその男に微笑を見せていた。
「いかにもそうだが、あなたは?」
「ほぅ、〈獲物〉クラスの分際で、ラッキーオフィサーに名前を尋ねますか……まぁ、いいでしょう。私の名前はヨーゼフ・シュテルベルト。お気軽にヨーゼフとお呼びください」
「そうか、ならば、ヨーゼフ。この私に何の用だ?私は今、読書を遮られて非常に不愉快なのだが」
ルイーダの言葉にヨーゼフの両眉が下がる。同時に下唇を強く噛み締める様子をジードは目撃していた。
だが、彼はすぐにいつもの冷静沈着な笑顔を浮かべて、再び彼女に向かい合っていく。
「いえ、実はね、先程〈獲物〉クラスのあなた如きが我々、ラッキーオフィサーに何を言ったのかをもう一度、お尋ねしたくて、こうして、あなたの元にお伺いしたのです。よければ、私に教えてくれませんか?」
「一字一句全てその通りとは保証できぬが、もう一度、聞きたいのならば、貴様に教えてやろうか。ゴブリンどもの首をーー」
ルイーダが全てを発し終えるよりも前に彼女の目の前にて大きな雷鳴が轟き、その瞬間にルイーダの目の前に通常よりも小さな雷が直撃する。
目の前を見つめると、そこには頬の筋肉を引き攣らせるヨーゼフの姿。
「き、貴様のような三流の底辺女が我々、エリートになんだって?」
「狩るかのように狩ってやろうと言ったのだ。どうも、聞こえなかったらしいな」
「舐めやがって!いいだろう!ルイーダ・メルテロイ!オレはお前との間に決闘を申し込むッ!」
元々が静かな図書室であったためか、この図書室に読書に集まった生徒たちの間にざわめきが起きる。
「そ、それはダメだよ!死んだらどうするの!第一、学内における決闘は校則でーー」
同じくラッキーオフィサーなのか、はたまた、たまたま居合わせた〈狩人〉クラスの生徒かは知らないが、短く黒い髪に地味な風貌をしたジードやルイーダよりも少し歳下と思われる少年がヨーゼフを引き止めるが、彼はそんな少年の好意に対し、暴力で返し、彼の顔を思いっきり殴り倒したかと思うと、殴られたショックで地面の上に悶えている少年をヨーゼフの腹を力強く踏む。
その蹴りはまるで、紙屑でも踏むかのように乱雑であり、そこに人への配慮というものは存在していない。
それに憤りを感じたのか、ルイーダは剣の下に隠し持っていたと思われる自身の得物を取り出し、その剣先を突き付けていく。
「……よかろう。貴様の決闘を受けてやろうではないか。ただし、条件がある」
「条件だと?落ちこぼれの分際で一丁前に」
「まぁ、そうカッカするな。条件はもし、仮に貴様が惨めに命乞いをしたのならば、その命乞いを聞き入れる代わりに、その少年に詫びてもらおうというものだ」
それを聞いた瞬間にヨーゼフは今度は図書室の机を勢いよく蹴り付ける。
それから、鼻息をフゥフゥと上げていく。ようやく落ち着いたのを確認すると、静かにずり落ちた眼鏡を上げ、再度、ルイーダを睨み付ける。
それから、怒りを押し殺したような静かな声で先程の疑問に答える。
「……いいだろう。ただし、貴様が決闘で命乞いをした場合には……貴様を抱かせろッ!それも条件に入れてもらわないと困るぞ」
「下賎な奴だ。負けたとて、私がそのような事を言う筈もなかろうに」
「フッ、貴様はそうだろうな。だが、貴様の隣はどうだ?」
ヨーゼフの視線はルイーダの隣にいたジードを見やる。
ジードはその際に気まずくなったのか、慌てて視線を地面へと逸らす。
だが、すぐに視線を上げると、ルイーダに向かって向き直って言った。
「やっぱり、こんな馬鹿げた決闘をする必要はないよ!オレと一緒に逃げよう。どうしても、決闘を受け入れるっていうのなら、あいつのあの条件を受け入れろ!オレはキミに死んで欲しくないんだ……」
ジードは懸命にその手を伸ばしたが、ルイーダはそれに振り向きすらせずに、改めて、ヨーゼフと向き合う。
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