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ホープ・オブ・マジシャンスクール編
マルセラ王女、大陸に降り立つ!
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「全くうるさい連中ね。あたしが王位第一継承者になった事の何が悪いというのかしら?ねぇ、パパ。早くあいつらを蹴散らしてよ」
「うむ、何をしておる!ノルテ!早くあいつらを追い払ってこぬか!」
ノルテと呼ばれた緑色の髪をした長髪の騎士は王からの御名を受け取ると、腰に下げていた剣を持って玉座を後にしていく。
それを見届けていた短い赤い髪の青年がノルテを呼び止めた。
「おい、この後に外に集まった国民を弾圧するつもりか?お前の推していた王女とやらは余程、人気が無いんだな」
その言葉にノルテは顔を赤く染めて、柱にもたれかかっていた青年の胸ぐらを掴む。
「余計なお世話だッ!お前に言われるつもりはないッ!」
彼はそういうと腰に下げていた剣の鞘を握り締めながら、入口へと向かう。
彼は途中、自分の主人であるマルセラ王女に新しく付き従った侍女、ジーン・グラドニアという女性とすれ違う。
新しく入ったメイドであるのだが、その腕は申し分がない程に完璧であり、尚且つマルセラのどの様な命令でも聞く有能な人間だった。
加えて、彼女のナイフの投げ技は神がかったものがあり、実際にそれでマルセラを狙う国内テロリストの一人を抹殺した事があった。
何でも、彼女は帝国の最下層、常に飢えている階級で育った聞いており、その投げナイフの術は生き延びるために身に付けたものだという。
だが、ノルテは信じられない。彼女のメイドとしての振る舞いはとてもこの宮殿で学んだだけの知識だとは思えない。
まるで、当初からどこかのメイドとして仕えていたとしか思えない。
だが、彼はまもなくそんな考えを抱いている場合ではないと思い知る。
実際に宮殿の前に集まった反マルセラ運動の気運の高まりによる大衆の数に圧倒された時、彼は自分の選択肢が間違いであったのではないのかと考えさせられてしまう。
彼が長銃を握りながら、目の前の大衆たちを追い散らしていると彼の前に一人の王国軍の特徴である青の中に白のタスキを右肩から左の腰に左肩から右腰にクロスさせた制服に王家の紋章の記された黒い帽子を被った男が群衆を掻き分けながら現れてノルテに一枚の書類を差し出す。
それを見た時にノルテは思わず呻き声を上げてしまう。彼は即座に宮殿へと戻り、自身の仕える国王と王女にウィンストン・セイライム王国とその他の三つの国家、すなわち南北大陸を支配する四大国家の紋章の記された紙を差し出したのだが、王は大陸の向こうの指導者たちから宛てられた手紙をいとも簡単に破り捨ててしまう。
「ふん、何がワシらの国が片付いておらんから、畏敬訪問を中止したいじゃ、絶対に予定は変更はせんぞ!!必ずこの訪問を成功させ、ワシの娘の可愛らしさを帝国やその他の国に伝えるのじゃ!」
「その通りよ。お父様……第一、そんな危険性があった方が刺激的な向こうの夏を楽しめそうじゃあない」
王女は意地悪く笑う。ノルテはそれを見て思わずこの身勝手な王女に嫌悪感を抱いてしまう。
大体、彼女は簡単にいうが、彼女の夏をあくまでも『刺激的な夏』で済ませるのは他の四大国家なのだ。
彼らは当然、彼女が来るとなれば、全力で彼女を守り通すだろう。
もし、彼女が自分の国で死んだとなれば、国の威信にも関わるであろうし、第一に彼女を猫のように可愛がる王が守りきれなかった国を激しく恨み、激しく非難するだろう。
加えて、彼が宗主国たる帝国に直訴したとすれば、帝国ものその件について干渉するに違いない。
だから、どの国も彼女の接待役にその国の重要人物に任せ、自分の国の要人と彼女を厳重に守らせようとするのだ。
ウィンストン・セイライムでは接待役をシンディ王女が務めるし、隣のニューヨーシャーでは平民を妃に迎えたという特異な王子、エリオットがマルセラの接待を妻と共に勤めるのだそうだ。
帝国を自称する四大国家の中の一番の野蛮な国では自称皇太子が務めるし、ニューロデムでは現在の大統領候補No.1と呼ばれる上院議員、クレストが務めるそうだ。
どこの国も警戒をMAXにするだろう。
だが、相手は国内の中でも一番のテロリスト『闇払いの騎士団』
彼らは今までの統計から殆どがそれ相応の実力を持って襲撃に訪れており、唯一の例外が例の新人の侍女のナイフで殺された女騎士くらいだろうか。
しかし、何処まで嫌われているのだろう。ノルテは担ぎ上げた身でありながら、対象を間違えてしまったと重い溜息を吐く。
こんな事ならば、第二王女が王位継承者となり、女王となった方が遥かにマシではないか。
ノルテは宮殿の前に訪れた大衆たちを見ながら思った。
「下男の服というのは慣れんな。ましてや今回は単なる奉公ではなく、他所の国の王女の護衛なのだろう?」
ケネスは普段、ピーターが着ているような礼服に身を包みながら尋ねる。
しかし、ピーターも似合っていると思われたのだが、ケネスもそれに負けず劣らずだ。
黒色の蝶ネクタイに黒のスリーピースーツ。そして黒色のベスト。
何処をどう見ても彼は完璧なお付きだ。私は感心しながら眺めていた。
まぁ、かくいう私も今日は家でボニーが着るような黒色のワンピースに白色のエプロンという格好であるのだが……。
一応は学校を休みになってからは今年のフォー・カントリー・クロスレースを見る暇さえも抑えてメイドの作法と喋り方についての講習を受けたのだ。
私は宮殿のメイドからその手ほどきを受ける際に、あの港町で出会ったメイドにして帝国の首席死刑執行官であるジェーン・グラントの事を思い返す。
彼女はこれ程までの完璧な作法や腕を磨くためにどれ程の苦労をしたのだろう、と。
そう考えると彼女が少しだけ大きく見えてしまう。そんな事を考えつつも何とか一ヶ月の勉強期間を終え、とうとうマルセラ王女を出迎える日となった。
私とケネスは足の下に銃を仕込み、いざという時に備えて出迎えに臨んだ。
港町、ボストラムの大きな港に大陸の向こうの王家の紋章の描かれた蒸気船が来航し、寄港するのと同時に真っ白な梯子が降ろされ、先に緑色の髪をした甲冑の男が降りたかと思うと、次に紫色の髪をした意地の悪そうな顔をした少女が降り立つ。
彼女は慇懃無礼な態度で最初の出迎えに訪れた政府の高官に当たり、次に同様の態度で妹に握手を求めた。
妹は苦笑しながらも彼女の握手を受け取り、彼女の畏敬訪問を歓迎する旨を伝えた。
だが、畏敬訪問というのが形の上にだけにしか見えないのはどう見てもあの王女の態度にあるだろう。
私は不快に感じながらも、王女のお付きとしてケネスと共に丁寧に頭を下げた。
「うむ、何をしておる!ノルテ!早くあいつらを追い払ってこぬか!」
ノルテと呼ばれた緑色の髪をした長髪の騎士は王からの御名を受け取ると、腰に下げていた剣を持って玉座を後にしていく。
それを見届けていた短い赤い髪の青年がノルテを呼び止めた。
「おい、この後に外に集まった国民を弾圧するつもりか?お前の推していた王女とやらは余程、人気が無いんだな」
その言葉にノルテは顔を赤く染めて、柱にもたれかかっていた青年の胸ぐらを掴む。
「余計なお世話だッ!お前に言われるつもりはないッ!」
彼はそういうと腰に下げていた剣の鞘を握り締めながら、入口へと向かう。
彼は途中、自分の主人であるマルセラ王女に新しく付き従った侍女、ジーン・グラドニアという女性とすれ違う。
新しく入ったメイドであるのだが、その腕は申し分がない程に完璧であり、尚且つマルセラのどの様な命令でも聞く有能な人間だった。
加えて、彼女のナイフの投げ技は神がかったものがあり、実際にそれでマルセラを狙う国内テロリストの一人を抹殺した事があった。
何でも、彼女は帝国の最下層、常に飢えている階級で育った聞いており、その投げナイフの術は生き延びるために身に付けたものだという。
だが、ノルテは信じられない。彼女のメイドとしての振る舞いはとてもこの宮殿で学んだだけの知識だとは思えない。
まるで、当初からどこかのメイドとして仕えていたとしか思えない。
だが、彼はまもなくそんな考えを抱いている場合ではないと思い知る。
実際に宮殿の前に集まった反マルセラ運動の気運の高まりによる大衆の数に圧倒された時、彼は自分の選択肢が間違いであったのではないのかと考えさせられてしまう。
彼が長銃を握りながら、目の前の大衆たちを追い散らしていると彼の前に一人の王国軍の特徴である青の中に白のタスキを右肩から左の腰に左肩から右腰にクロスさせた制服に王家の紋章の記された黒い帽子を被った男が群衆を掻き分けながら現れてノルテに一枚の書類を差し出す。
それを見た時にノルテは思わず呻き声を上げてしまう。彼は即座に宮殿へと戻り、自身の仕える国王と王女にウィンストン・セイライム王国とその他の三つの国家、すなわち南北大陸を支配する四大国家の紋章の記された紙を差し出したのだが、王は大陸の向こうの指導者たちから宛てられた手紙をいとも簡単に破り捨ててしまう。
「ふん、何がワシらの国が片付いておらんから、畏敬訪問を中止したいじゃ、絶対に予定は変更はせんぞ!!必ずこの訪問を成功させ、ワシの娘の可愛らしさを帝国やその他の国に伝えるのじゃ!」
「その通りよ。お父様……第一、そんな危険性があった方が刺激的な向こうの夏を楽しめそうじゃあない」
王女は意地悪く笑う。ノルテはそれを見て思わずこの身勝手な王女に嫌悪感を抱いてしまう。
大体、彼女は簡単にいうが、彼女の夏をあくまでも『刺激的な夏』で済ませるのは他の四大国家なのだ。
彼らは当然、彼女が来るとなれば、全力で彼女を守り通すだろう。
もし、彼女が自分の国で死んだとなれば、国の威信にも関わるであろうし、第一に彼女を猫のように可愛がる王が守りきれなかった国を激しく恨み、激しく非難するだろう。
加えて、彼が宗主国たる帝国に直訴したとすれば、帝国ものその件について干渉するに違いない。
だから、どの国も彼女の接待役にその国の重要人物に任せ、自分の国の要人と彼女を厳重に守らせようとするのだ。
ウィンストン・セイライムでは接待役をシンディ王女が務めるし、隣のニューヨーシャーでは平民を妃に迎えたという特異な王子、エリオットがマルセラの接待を妻と共に勤めるのだそうだ。
帝国を自称する四大国家の中の一番の野蛮な国では自称皇太子が務めるし、ニューロデムでは現在の大統領候補No.1と呼ばれる上院議員、クレストが務めるそうだ。
どこの国も警戒をMAXにするだろう。
だが、相手は国内の中でも一番のテロリスト『闇払いの騎士団』
彼らは今までの統計から殆どがそれ相応の実力を持って襲撃に訪れており、唯一の例外が例の新人の侍女のナイフで殺された女騎士くらいだろうか。
しかし、何処まで嫌われているのだろう。ノルテは担ぎ上げた身でありながら、対象を間違えてしまったと重い溜息を吐く。
こんな事ならば、第二王女が王位継承者となり、女王となった方が遥かにマシではないか。
ノルテは宮殿の前に訪れた大衆たちを見ながら思った。
「下男の服というのは慣れんな。ましてや今回は単なる奉公ではなく、他所の国の王女の護衛なのだろう?」
ケネスは普段、ピーターが着ているような礼服に身を包みながら尋ねる。
しかし、ピーターも似合っていると思われたのだが、ケネスもそれに負けず劣らずだ。
黒色の蝶ネクタイに黒のスリーピースーツ。そして黒色のベスト。
何処をどう見ても彼は完璧なお付きだ。私は感心しながら眺めていた。
まぁ、かくいう私も今日は家でボニーが着るような黒色のワンピースに白色のエプロンという格好であるのだが……。
一応は学校を休みになってからは今年のフォー・カントリー・クロスレースを見る暇さえも抑えてメイドの作法と喋り方についての講習を受けたのだ。
私は宮殿のメイドからその手ほどきを受ける際に、あの港町で出会ったメイドにして帝国の首席死刑執行官であるジェーン・グラントの事を思い返す。
彼女はこれ程までの完璧な作法や腕を磨くためにどれ程の苦労をしたのだろう、と。
そう考えると彼女が少しだけ大きく見えてしまう。そんな事を考えつつも何とか一ヶ月の勉強期間を終え、とうとうマルセラ王女を出迎える日となった。
私とケネスは足の下に銃を仕込み、いざという時に備えて出迎えに臨んだ。
港町、ボストラムの大きな港に大陸の向こうの王家の紋章の描かれた蒸気船が来航し、寄港するのと同時に真っ白な梯子が降ろされ、先に緑色の髪をした甲冑の男が降りたかと思うと、次に紫色の髪をした意地の悪そうな顔をした少女が降り立つ。
彼女は慇懃無礼な態度で最初の出迎えに訪れた政府の高官に当たり、次に同様の態度で妹に握手を求めた。
妹は苦笑しながらも彼女の握手を受け取り、彼女の畏敬訪問を歓迎する旨を伝えた。
だが、畏敬訪問というのが形の上にだけにしか見えないのはどう見てもあの王女の態度にあるだろう。
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