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フォー・カントリー・クロスレース編
井戸前の決闘 完結編
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銃弾の弾幕が荒野の街の上を飛び交う。カンカンと弾丸が互いにぶつかり合い地面に落ちていく音が私や目の前の男の耳に響いていく。
それだけではない。弾幕から現れた銃口が出なくなると、私とあの男は身を隠しながら、互いに銃を撃ち合っていく。
漢は井戸の陰に、私は広場の外れの家の陰に隠れながら、銃を撃ち合う。
互いに銃を撃ち合う中、二人ともこのままでは決着が付かないと考えたのだろう。
私が弾倉に新たに弾丸を装填して、物陰から飛び出すのと同時に、あの男も井戸から身を乗り出してから、広場へと飛び出す。
そして、互いの顔に銃を突き付け合う。
「良いぞッ!最高だッ!あんたは最高だよッ!今まで仕留めたどの犯罪者よりも、どの無政府主義者の過激派よりも、ずっと強いッ!このまま殺すのは惜しいよッ!」
「あら、私も同意見だわ!あなたとの戦いはどの賞金首と戦うよりも楽しいモノ!!」
男は私の意見に心からの笑みを浮かべて同意する。その顔がなんとも言えず楽しそうなので、私も思わずニッコリとしてしまう。
「そうかッ!なら、お前を殺す前にオレの名前を名乗っておかないとなッ!オレの名前はケイレブッ!ケイレブ・オーウェンだッ!」
「若い戦士?素敵なファミリーネームじゃあない!素敵だわ!」
「そいつぁ、どうもッ!」
ケイレブはお礼と同時に銃口を突きつけて、そこから三発ほどの弾丸を私に浴びせようとしてくる。
だが、私は地面を滑る事により、ケイレブの銃弾を交わし、そのまま彼の足元へと突っ込む。
足元を蹴られてふらついたのだろう。ケイレブは動揺の声を上げて地面に尻を付いてしまう。
私はそのまま銃口を倒れた男の頭に突き付けようとしたのだが、男はそのまま立ち上がり、私に頭突きを喰らわせようとしたのだが、そのまま後ろに足を踏み込んだ事により、ケイレブから頭突きを喰らわされずに済む。
そして、彼は立ち上がり、再度周りの空間に思わず芸術品として家に保存したくなる程、綺麗な紋章を周りの空間へと作り出し、そこから銃口を突き出す。
だが、私は左腕を奪ってケイレブから魔法を奪う。
同時に、もう一度弾幕から銃弾が放たれていく。
弾幕からの弾を二人とも、潜り抜け、横に走りながら銃を撃ち合っていく。
だが、決着というのはどんな戦いに付くものらしい。
走りながら銃を撃ち合う最中で、ケイレブの放った弾丸が私の右肩をかすめ、私の放った弾丸が彼の左足を撃ち、彼を転倒させたのだった。
ケイレブは地面の上で激しく転がり、彼は荒い息を吐きながら、ペンキをぶち撒けたかのような真っ赤な色の液体が流れている左足を眺めている。
「くそったれ、オレはこんな所で終わりなのかよ。悔しいぜ、ちくしょう……」
男は観念したのか、それとも覚悟を決めたのか、黙って両眼を瞑って私に撃ち殺されるのを待っていたらしいが、私は黙って彼に肩を貸して、立ち上がらせる。
その様子に男は信じられないと言わんばかりに目を見開いて、
「は、離せ……オレはお前の情けなんぞ受けない!」
だが、私は彼の抗議など受けない。
それどころか、彼に向かって自分が思うとびきりの可愛らしい笑顔を向けて、
「何言ってるのよ!あなたとの戦いはまだ終わっていないでしょう?あなたがまた元気になって、銃を振るえるようになったり、馬に乗れるようになったら、勝負しましょう?」
ケイレブはその言葉を聞くと、なぜか視線を逸らして顔を赤面させながら呟く。
「お前のそういう所が気に入らないんだ……オレの自由にならない……そんな所が……」
私は武器屋の店主に事情を話し、酒場の店主を救う事と、彼の渡してくれたマシンガンでこの街の悪党を全滅させた事を話した。
すると、武器屋の店主は目を輝かせて、
「やったッ!なら、後は任せときな!後で、村の若い奴に任せて、あんたはその彼氏を連れて、近くの街へ行きな」
「な、な、な、な、彼氏じゃあないです!」
私は顔をそれこそ、耳まで真っ赤にして叫んだのだが、武器屋の店主は聞く耳を持たずに豪快に笑って、私と私の肩を貸しているケイレブを店から追い出す。
だが、私が店から出る前に店主はせめてものお礼と言わんばかりに、店の奥から強力な弾丸を使用する二連式の小型ピストルを手渡す。
店主は太陽のように眩しい笑顔を浮かべて、
「持ってきな。オレからの餞別だ。きっと、何かの役に立つ筈だぜ」
それが嬉しくて、私は微笑を浮かべて、
「ありがとう。大切にするね」
なぜか店主の男は顔を真っ赤にしていて、真っ赤に染まった耳を立派な体格の奥さんに引っ張られていたのは分からなかったのだが……。
すると、私が肩を貸しているケイネブが小さな声で、
「キミほど、無自覚な男たらしを見たことがないな。オレは」
男たらし?何を言っているのだろう。私は疑門を心の内に持ちながらも、彼を馬の背中に乗せて街を去っていく。
そして、この街の近くのチェックポイントに到着するや否やケイネブを病院に運び、ケイネブの件には触れる事なく、街の悪党と彼らが皇帝打倒を模索するテロリストと手を組んだ事を話していく。
単なる悪党だけではなく、テロリストと結んでいたというのならば、皇帝の直属の部下とされる警察隊や騎兵隊は動かざるを得ないだろう。
警察隊や騎兵隊は馬を動かして、私の指し示した街へと急ぐ。
ケイネブの件を私が喋らなかったためか、彼は幸いにも罪に問われる事はなかった。
弾丸の摘出手術をした医師にどうして、敵の弾ではなく、私の弾が当たっていたのかを問われたのだが、それは流れ弾が当たったためだと私が説明し、ケイネブも何も言わなかったために、それが事件の記録に記される事になったらしい。
翌日、手術を終え、病室の彼に別れを告げてレースに戻ろうとした時だ。
病室の白いベッドの上で彼はジッと私を眺めながら、
「まだ負けた訳じゃないぞ、オレは必ずお前にリターンマッチを申し込むからな」
「その意気よ。じゃあね」
と、私は手を振って扉から出ていく。
それから、私は地元の店で食料品や消耗品を購入してレースへと戻っていく。
帝国を駆け終えると、いよいよ共和国に入る。
東から始まり、南に終わるこのレースもいよいよ終盤に差し掛かるわけだ。
私は最後まで完走する事と、テロリストの拿捕を決意して馬を走らせていく。
それだけではない。弾幕から現れた銃口が出なくなると、私とあの男は身を隠しながら、互いに銃を撃ち合っていく。
漢は井戸の陰に、私は広場の外れの家の陰に隠れながら、銃を撃ち合う。
互いに銃を撃ち合う中、二人ともこのままでは決着が付かないと考えたのだろう。
私が弾倉に新たに弾丸を装填して、物陰から飛び出すのと同時に、あの男も井戸から身を乗り出してから、広場へと飛び出す。
そして、互いの顔に銃を突き付け合う。
「良いぞッ!最高だッ!あんたは最高だよッ!今まで仕留めたどの犯罪者よりも、どの無政府主義者の過激派よりも、ずっと強いッ!このまま殺すのは惜しいよッ!」
「あら、私も同意見だわ!あなたとの戦いはどの賞金首と戦うよりも楽しいモノ!!」
男は私の意見に心からの笑みを浮かべて同意する。その顔がなんとも言えず楽しそうなので、私も思わずニッコリとしてしまう。
「そうかッ!なら、お前を殺す前にオレの名前を名乗っておかないとなッ!オレの名前はケイレブッ!ケイレブ・オーウェンだッ!」
「若い戦士?素敵なファミリーネームじゃあない!素敵だわ!」
「そいつぁ、どうもッ!」
ケイレブはお礼と同時に銃口を突きつけて、そこから三発ほどの弾丸を私に浴びせようとしてくる。
だが、私は地面を滑る事により、ケイレブの銃弾を交わし、そのまま彼の足元へと突っ込む。
足元を蹴られてふらついたのだろう。ケイレブは動揺の声を上げて地面に尻を付いてしまう。
私はそのまま銃口を倒れた男の頭に突き付けようとしたのだが、男はそのまま立ち上がり、私に頭突きを喰らわせようとしたのだが、そのまま後ろに足を踏み込んだ事により、ケイレブから頭突きを喰らわされずに済む。
そして、彼は立ち上がり、再度周りの空間に思わず芸術品として家に保存したくなる程、綺麗な紋章を周りの空間へと作り出し、そこから銃口を突き出す。
だが、私は左腕を奪ってケイレブから魔法を奪う。
同時に、もう一度弾幕から銃弾が放たれていく。
弾幕からの弾を二人とも、潜り抜け、横に走りながら銃を撃ち合っていく。
だが、決着というのはどんな戦いに付くものらしい。
走りながら銃を撃ち合う最中で、ケイレブの放った弾丸が私の右肩をかすめ、私の放った弾丸が彼の左足を撃ち、彼を転倒させたのだった。
ケイレブは地面の上で激しく転がり、彼は荒い息を吐きながら、ペンキをぶち撒けたかのような真っ赤な色の液体が流れている左足を眺めている。
「くそったれ、オレはこんな所で終わりなのかよ。悔しいぜ、ちくしょう……」
男は観念したのか、それとも覚悟を決めたのか、黙って両眼を瞑って私に撃ち殺されるのを待っていたらしいが、私は黙って彼に肩を貸して、立ち上がらせる。
その様子に男は信じられないと言わんばかりに目を見開いて、
「は、離せ……オレはお前の情けなんぞ受けない!」
だが、私は彼の抗議など受けない。
それどころか、彼に向かって自分が思うとびきりの可愛らしい笑顔を向けて、
「何言ってるのよ!あなたとの戦いはまだ終わっていないでしょう?あなたがまた元気になって、銃を振るえるようになったり、馬に乗れるようになったら、勝負しましょう?」
ケイレブはその言葉を聞くと、なぜか視線を逸らして顔を赤面させながら呟く。
「お前のそういう所が気に入らないんだ……オレの自由にならない……そんな所が……」
私は武器屋の店主に事情を話し、酒場の店主を救う事と、彼の渡してくれたマシンガンでこの街の悪党を全滅させた事を話した。
すると、武器屋の店主は目を輝かせて、
「やったッ!なら、後は任せときな!後で、村の若い奴に任せて、あんたはその彼氏を連れて、近くの街へ行きな」
「な、な、な、な、彼氏じゃあないです!」
私は顔をそれこそ、耳まで真っ赤にして叫んだのだが、武器屋の店主は聞く耳を持たずに豪快に笑って、私と私の肩を貸しているケイレブを店から追い出す。
だが、私が店から出る前に店主はせめてものお礼と言わんばかりに、店の奥から強力な弾丸を使用する二連式の小型ピストルを手渡す。
店主は太陽のように眩しい笑顔を浮かべて、
「持ってきな。オレからの餞別だ。きっと、何かの役に立つ筈だぜ」
それが嬉しくて、私は微笑を浮かべて、
「ありがとう。大切にするね」
なぜか店主の男は顔を真っ赤にしていて、真っ赤に染まった耳を立派な体格の奥さんに引っ張られていたのは分からなかったのだが……。
すると、私が肩を貸しているケイネブが小さな声で、
「キミほど、無自覚な男たらしを見たことがないな。オレは」
男たらし?何を言っているのだろう。私は疑門を心の内に持ちながらも、彼を馬の背中に乗せて街を去っていく。
そして、この街の近くのチェックポイントに到着するや否やケイネブを病院に運び、ケイネブの件には触れる事なく、街の悪党と彼らが皇帝打倒を模索するテロリストと手を組んだ事を話していく。
単なる悪党だけではなく、テロリストと結んでいたというのならば、皇帝の直属の部下とされる警察隊や騎兵隊は動かざるを得ないだろう。
警察隊や騎兵隊は馬を動かして、私の指し示した街へと急ぐ。
ケイネブの件を私が喋らなかったためか、彼は幸いにも罪に問われる事はなかった。
弾丸の摘出手術をした医師にどうして、敵の弾ではなく、私の弾が当たっていたのかを問われたのだが、それは流れ弾が当たったためだと私が説明し、ケイネブも何も言わなかったために、それが事件の記録に記される事になったらしい。
翌日、手術を終え、病室の彼に別れを告げてレースに戻ろうとした時だ。
病室の白いベッドの上で彼はジッと私を眺めながら、
「まだ負けた訳じゃないぞ、オレは必ずお前にリターンマッチを申し込むからな」
「その意気よ。じゃあね」
と、私は手を振って扉から出ていく。
それから、私は地元の店で食料品や消耗品を購入してレースへと戻っていく。
帝国を駆け終えると、いよいよ共和国に入る。
東から始まり、南に終わるこのレースもいよいよ終盤に差し掛かるわけだ。
私は最後まで完走する事と、テロリストの拿捕を決意して馬を走らせていく。
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