メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井

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漂流する惑星『サ・ザ・ランド』

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「それよりこれからどうしよう?」

 レーザーガンを構えたまま麗俐はオロオロとした様子で言った。

「決まってるだろ? お父さんに相談するんだよ」

 悠介の提案は今の自分たち野中で思いついた考えの中で、もっとも有効的な方法であるように思えた。実際麗俐はそれ以上の考えを頭の中で思い付かなかったし、策としては悠介の考えがこの場における自分たちにとって最善のものであるように思えた。

 悠介が麗俐の手を引いて、ホバークラフトの元まで向かっていく。こうなれば『善は急げ』だ。一刻も早くスコーピオン号の元へ戻り、自分たちが体験した戦闘を伝えなくてはならない。

 悠介が夢中になってホバークラフトを運転していた時のことだ。森から少し離れた岩場の陰で先ほどの姉弟が倒れている姿を確認した。

 いや、正確に言えば倒れているのは姉だけで、弟がそれを介抱するためしゃがんで横になっているというのが的確な表現だろう。

 しかし砂しか見当たらないような寂しい星なのだ。彼らにできる手当てなどたかが知れている。せいぜいスーツの上ポケットに入れていたハンカチを額に当ててやるのが関の山というところだ。

 哀れな姉弟の姿を見て思ったことがあったのか、はたまた乗りかかった船なので最後まで付き合おうと判断したのか、助けた以上は最後まで面倒を見るのが礼と考えたのか、悠介にも理由は分からなかった。

 ただ、唯一分かるのはここで見捨てて死ぬようなことがあれば寝覚めが悪いということだけだった。そのため麗俐は妹のアリサに肩を貸し、その護衛を悠介が担当することになった。
 移動時間の短縮にも繋がるのにホバークラフトを使用しなかったのはホバークラフトが四人乗りには対応していなかったからである。
 そのためわざわざ元の鞘の中へと戻す羽目になったのだ。

 この時カサスは元気に動くことができていたので、悠介はレーザーガンを貸し与え、彼自身にも自衛をするように促した。麗俐がアリサに肩を貸しているため戦うことができないので当然の処置であるが、それでもカサスは戦闘に関しては素人。対応できる場面などたかが知れている。

 必然的に戦力は半減されるので、悠介は夜間のデパート警備員のように全身まで神経を尖らせて宇宙船までの道を歩いて行ったのである。

 緊張からか、それとも疲労が影響しているのか、せっかくの翻訳機械を持っているにも関わらず、四人の中で会話というものは発生しなかった。

 無言のまま気まずい空気を引き摺って四人はスコーピオン号の前へと辿り着いた。

 カエデは船へと戻るなり、思わず驚きで目を見張らせていた。
 ここまで感情的に驚いてみせたのにも関わらず、見捨てるのは偲びなかったのだろう。入り口からタラップを下ろし、四人を船の中へと迎え入れた。

 弱り切ったアリサを抱えながら段が短いとはいえ急なタラップを登っていくというのはいかに強力なパワードスーツを身に付けていたとしてもかなりの体力を消耗させられたようだ。スコーピオン号の中に辿り着くなり、地面の上で大の字になって寝転んでみせた。

 もしこの場に母親がいれば「はしたない」と強い口調で窘められることは確実だろうが、今は一刻も早く休みたかったのだ。

 息を荒くする麗俐を見て、カエデも見るに見かねたのか、紙コップの中に冷水を淹れて持ってきた。
 戦闘やら運搬やらで疲弊し切っていた麗俐は天の助けだとばかりに紙コップを受け取り、一気に飲み干していった。

「あ、ありがとう」

「いえ、それよりもここにいらっしゃる御二方は?」

「カサスさんとアリサさんだよ。二人とも別の惑星から来たの」

「別の惑星?」

 カエデの顔色が変わった。麗俐は確かにキッチンスペースに設けられた小さな椅子の上に座って息を整える古いワンピースの女性を『別の惑星の人間』だと表したのである。

『別の惑星の人間』ということは自分たちがワームホールによって運び込まれた未知の天体にも人間が住む惑星が存在している証明ということだ。

 つまり、椅子の上で休んでいる女性を頼り、高性能の宇宙船をあてがってもらうこと、もしくは自分たちの宇宙船により高度な技術を付けてもらうことができるかもしれない。

 カエデの中に希望が生じていく。それは地球に帰ることができるという喜びによって生まれた一筋の光のようなものだ。

 唐突に神の手により希望を与えられたカエデは身を乗り出して疲れ切っている女性にその身の上を問い掛けようとしたが、疲れ切っていることから話を聞くことは難しそうだった。
 それに無理やり話を聞き出すというのは尋問の方としては下の策であるといえる。

 古来より警察官が凶悪犯から自白を引き出す際には暴力や脅しに訴え掛けるよりも相手の情に訴え掛けることが重要であるという話をカエデは思い出した。

 昔読んだ昭和時代を記したデータによれば警察官でも好感を持たれるのは前者の警察官よりも後者の警察官であったとされ、平成時代の前半までは警察官の手本として褒められることが多かった。刑事ドラマ等で描かれる模範的な警察官もそうした人間ばかりなのだ。

 カエデは地球への帰還を急ぐ心のうちにいる自分に向かって、そのように言い聞かせてから彼女への懐柔を図った。

 自己紹介や身の上話を終えてアリサに身の上を明かした後で、修也たちに許可を取ってから惑星ボーガーで購入した菓子を渡したり、貴重なコーヒーを自ら淹れるなど友好的な態度を示すことで彼女の心を絆そうとしていたのである。

 カエデからの温かいもてなしを受けた彼女は徐々に冷えていた心も溶けていったのか、礼を言えるほどは落ち着いてきたのである。

 だが、ここで慌ててはならない。カエデはあくまでも世間話や冗談を通して彼女の警戒心というものを解かなくてはならなかった。

「ある人が道を歩いてしましてね。そこに水が入った赤い洗面器を乗せた男と出会ったんです。男は疑問に思い、なぜ洗面器を頭に乗せているのかと尋ねました。すると男はーー」

「あっ、おれ、その話知ってる! 確か、オチはーー」

「オチを言ったら小咄にならないだろ? 悠介が気に入ってるのは分かるけど、それをカエデさんの話を遮ってまで話すべきじゃないと思うな」

 横で話を聞いていた修也はオチを知っていて、ゲラゲラと笑いながら茶々を入れた悠介を冷静な声で諫めたのであった。

 父親から諭されたことで悠介は自身が調子に乗っていたことを思い返したらしい。両耳を赤く染め上げながら言い返すこともなく地面の上に視線を向けた。

「ごめんなさい。アリサさん」

「いいえ、気にしないでください。しかし地球のアンドロイドはこんなにも優しいんですね。ホーテンス星のアンドロイドとは大違い……」

 アリサは細い目で窓の外を見つめながら言った。アリサの話を聞くのと同時に
 修也の両眉が寄った。

「ホーテンス星のアンドロイド? それは?」

「私たちの星を急に攻撃してきた宇宙人の名前です。そのアンドロイドは私たちを狩るための猟犬ですよ」

「それはまた穏やかではありませんな。全くもって人間がやることだとは思えない。良心の呵責はないのでしょうか?」

 修也の言葉を聞いたアリサはフッと小馬鹿にするような笑いをこぼした。
 それから声を低くして吐き出すように言った。

「良心? 奴らからすればそんな言葉はとっくの昔に頭の中から消し去ってしまったんでしょうね。いや、そもそも産まれた時にはもうなかったと見るのが自然でしょう」

 その言葉を聞いて修也は悠介と麗俐の二人を探す傍らで見た壁画のことを思い返していく。

 忘れ去られたように砂漠の上へ打ち捨てられた石の壁画には良心の呵責も感じられない恐ろしい宇宙人がこの星にいた人々を虐殺したという記録があったのだが、その首謀者がホーテンス星人であったのならば辻褄は合う。

 かつてこの星に足を踏み入れたホーテンス星人は原住民から略奪と虐殺の両方を行い、その後に絶滅へと追い込んだ後で人間狩りゲームをこの星を舞台にして行なっていると考えれば全てが繋がってくるのだ。『点と線が繋がった』とはよく言ったものである。

 ホーテンス星人とやらは科学技術の発展と引き換えに本来生物が持つべき感情というものを料理の最中に出る生ごみのように三角コーナーの中にあっさりと捨ててしまったような非情な宇宙人なのだ。

 逆に言えば機械を利用するつもりであったのにも関わらず、逆に機械から支配されてしまったと考えれば納得もいく。アリサが良心がないと評したのも機械に脳まで奪われたと考えれば自然である。

 だが、いかに愚かな結末であったとしても同情を寄せることなどしない。

 彼らは非人道的な人間狩りゲームを繰り広げ、あまつさえ一つの星の人間や生き物をその手で絶滅へと追い込んだのだ。

 怒りこそ湧いてくれども胸を痛めることは一切なかった。

 修也はむしろ、そんな非道な宇宙人に星を荒らされ、人間狩りゲームなどに参加させられたアリサに深く同情していた。
 気が付けば修也は拳を強く握り締めながらアリサへ強く訴え掛けていた。

「大丈夫です!! あなた方は必ず我々が守ってみせますよ! どうか大船に乗ったつもりで安心してください!!」

 自身の胸を叩いて安心させるように叫んだ修也の手を引っ張ったのは悠介だった。
 悠介は修也を引っ張ると、小さな声で耳に向かって囁いていく。

「ちょっと、父さん。あんなこと安請け合いしていいの? おれとお姉ちゃんが遭遇した敵は本当に強かったんだぜ。奉天将軍よりも怖いと感じたんだ」

 悠介からの報告を始めて聞いた修也は当初あった興奮が引いて冷静になったのか、慌てた顔を見せた。

 だが、アリサの安堵した顔を見ると、今更撤回するわけにもいかないだろう。
 そのことを悠介に向かって震えながら伝えた時のことだ。

「お父さんったら可愛い女の子に甘いんだから」

 横で話を聞いていた麗俐は冷ややかな視線を送りながら言った。
 それに対して修也は情けなく頭を掻いて誤魔化すばかりであった。

「地球に帰ったらお母さんにこのこと言ってやろっと」

 悠介は先ほどの仕返しだとばかりに意地の悪い笑みを浮かべながら言った。

「やめてくれ、地球に帰るなり、このことがバレたらお母さんとお父さんが喧嘩してしまうだろ?」

「自業自得じゃん」

 麗俐は両手を腰に当てて呆れたように言った。子どもたちの冷たい態度に修也は失望を隠せなかったのか、がっくりと両肩を落とした。

 その時だ。麗俐の部屋の前で見張り兼看護師役を担っていたジョウジがキッチンスペースへと現れたのである。

「すいません。いいですか。先ほど麗俐さんや悠介さんと共に入られた未知の惑星の方の中にアリサさんという方がいらっしゃいますよね?」

「はい、私がアリサですが、何か御用ですか?」

 アリサは突然入ってきた名前だけしか知らなかったアンドロイドの呼びかけに対して慌てることもなく答えた。

「先ほど、我々が保護したファティマさんという方がうわ言で何度も『アリサ』という名前を口にしておりまして、もしかしたらここにいらっしゃらないかと思いまして……」

「アリサは私です! すぐに向かいます!」

 アリサは椅子の上から立ち上がったかと思うと、そのままジョウジの背後についてファティマが眠る麗俐の元へと向かっていく。
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