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人と異形とが争いを繰り広げる惑星『ボーガー』
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「皇帝陛下は諸君らとの謁見を認めるとのことである。交易に関してはその際にまとめて話してもらおう」
皇帝の使者として現れた男の言葉を前回ローマ帝国を思わせる国で覚えたというジョージがどこか横暴な態度を浮かべる使者の言葉を多少は柔らかくして翻訳して、仲間たちに向かって話していった。
しかし隠していても結局のところ態度というもので人というのは分かってしまうらしい。その横暴な態度や言葉に一行の中で一際腹を手立てたのは他ならぬ悠介だった。
悠介は使者の男が立ち去ったのを確認してからジョウジに向かって抗議の言葉を口にしていった。
「どうしてあいつはあんなに横暴なんですか! 皇帝からの使者だかなんだから知らないけどッ!」
「今更怒ることないじゃん。古代の中国と同じレベルなんだから仕方がないんじゃあないの?」
麗俐がゆっくりとした口調で窘めようとしたものの、悠介からは怒りの感情は取り払うことができなかったらしい。
悠介は不機嫌な顔を浮かべたまま拳を握り締めたかと思うと、地面の上に落ちていた草を適当に引き抜いた後に紙吹雪を散らすように誰もいない空気に向かって投げ付けた。
だが、虚しく地面の上へと舞い落ちていくだけだった。そんな悠介の肩を修也が優しく置いた。
「まぁ、社会に出たらこういうこともあるさ。それにここは昔の社会そのままだから、あの人があぁいう態度に出るのも仕方がないのかもしれないよ」
修也の言葉は正論だった。しかしそれでも悠介は納得できなかったらしい。未だに悔しそうな顔を浮かべて立ち去った跡を睨んでいた。
その後だ。一度スコーピオン号の中に戻って自室の中で悠介がオンラインで送られてくる課題を解いていた時のことだ。
スコーピオン号の外から大きな声で命令をかける声が聞こえてきた。
「天よりの使者とやら! 皇帝陛下は謁見を許可されたッ! すぐにでも支度をして都に向かうように!!」
なんという横暴な言い方だろうか。悠介はまたしても使者の男に対して反感を覚えた。
だが、近くの部屋で父親や姉が謁見に向かう準備をしている音を聞いて、服の詰め襟を整えて自分たちの荷物を持ってから同じように荷物を両手に抱えた父親の背後へと付き添っていった。
ジョウジとカエデも同じような宇宙服に身を包み、圧縮された土産の品やら交易の品を運んでいる姿が見えた。そんな彼らと共に兵士たちに先導されて都へと向かっていった。
『漢』を彷彿させるという大帝国の都は悠介が思っていたよりも栄えていた。巨大な城壁で守られるように囲まれた街の中には確かな活気というものが存在していた。
行き交う人々も笑顔と活力に溢れていた。服も大抵の人が絹で塗った服を着ていたし、染料の技術もすでに浸透しているのか、色とりどりの煌びやかな服が悠介の目を引いた。
新鮮な魚や野菜を卸している店の他に豚や鶏を売る店も存在している。豚や鶏がこの星に存在していることも驚いたが、何より魚が地球とほとんど変わらないものが置かれていることにも驚いた。
ただ、地球の中にもないような魚があるのは新鮮だった。3つ目の赤い鱗をした魚や反対に目が1つしかない青背の魚などはどのような料理に使うのか悠介には検討もつかなかった。
素晴らしいのは肉や魚といった食材ばかりではない。呉服問屋と思われる店では人々の中でも一層豪華な服を纏った主人と思われる恰幅の良い男性が自ら頭を下げながら太客と思われる男性を奉公人たちと共に送り出していた。
店頭の先で人々に向かって出されている玩具や小物に関しては地球では見たことがないような珍しいものばかりで、悠介はすっかりと虜になってしまった。
他にも別の国からやってきたと思われる曲芸師の男性が火を使った芸を見せていた。それ以外にも笛で蛇を操る男性や斬れないナイフを使って人々を驚かす手品師の女性の姿が見えた。人々は夢中になって拍手を送っている。
悠介が町を見学するのに夢中になっていた時だ。案内をしていた男が振り返り、悠介に向かって言った。
「どうだ? 我が帝国は素晴らしいだろう?」
言葉の意味が分からない悠介のために発した言葉をジョウジが慌てて翻訳していった。
「あっ、はい」
悠介は萎縮したように頭を掻きながら答えた。実際にその通りだった。
自分に問い掛けた男から受けた無礼な態度は既に記憶の奥底へと追いやられてしまったらしい。悠介はヘラヘラと笑いながら答えた。
ジョウジから言葉を伝えられた男は勝ち誇ったように口元に笑みを浮かべながら言った。
「我が帝国は世界の中でもっとも栄えた国といっても過言ではないのだ。世界の国が帝の元へと挨拶に向かい、貢ぎ物を送る……どうだ? このような国が貴君らの星にあるか?」
「い、いえありません」
悠介は事を荒立てないためか、はたまた本気でそう思ったのか、否定の言葉を口に出した。
「フッ、そうだろう。滞在している間はせいぜい我が国を楽しむといい」
「あ、ありがとうございます。ええと……」
「おお、そうだ。まだ名乗っておらなんだな。わしの名は孫本初。宮廷においては使者たちの饗応役を仰せつかっておる」
この時悠介は単に頭を下げただけであったが、修也とジョウジ、そしてカエデの三名は『本初』という名前を聞いた時に驚きを隠せないような顔を浮かべていた。
興味がない悠介や麗俐は知らなかったが、『本初』というのは『三国志』において曹操孟徳と対立し、天下を争った袁紹の字と同じであったというのが原因だ。
元々袁紹は『漢』帝国でも4代にわたって三公という要職に就いた人物を排出したとされる袁家の出身であったが、本人は妾の腹から産まれたため、その後は実力で袁家の当主へと成り上がり、冀州を掌握した後に北部を手に入れたという屈指の実力者である。
もちろん彼は『三国志』に登場する袁紹本人ではない。
だが、それと同じ字を与えられているのだからこの星でも何かしらの役割を果たす可能性はある。3人の間に緊張が走っていく。
そんな3人の事情などつゆとも知らずに悠介は本初の指さす方向を見つめながら興味深そうに目を輝かせていた。
本初が何やら解説をするたびにジョウジが解説を行わなければならなかったのだが、先ほどの考えが頭に浮かんでしまい翻訳を伝え忘れることもしばしばだった。
やがて自分たちを見下ろすような巨大な門が現れた。22世紀の地球では中国の保存区域か『三国志』や『水滸伝』の挿絵でしか見ることができない大きくて頑丈な見張り台を兼ねた城のような建物が載った門なのだ。しかもご丁寧なことに城門は皇帝やその一族を守るためか、頑丈な鉄鋼で作られた柵によって行く手を塞がれている。これでは城の中には入れない。
どうしようかと修也が不安に思っていた時だ。本初が修也たちを放って城門の前へと向かっていった。
本初は城門の前にたどり着くと、この国の言葉で見張り台にいる見張りに向かって呼び掛けた。
すると、ゴゴゴゴと大きな音を上げながら柵が開いていった。
「こっちだ。早く来い」
と、男の指示で修也たちは後について行かされることになった。
城門をくぐった先に待ち構えていたのは辺り一面に広がる石畳の床だった。これまでに訪問したどの星の宮殿と比較しても目立つような飾りは何一つ置かれていない。
しかし見開かれている場所であるというのに汚れも傷も一切見当たらない。人間が生活を行う上では必要不可欠だというのに……。
ここまできたところで修也は気が付いた。汚れも傷もないところに綺麗な石畳を置いて人々を歩かせるという状態を保ち続けるというのが最高な贅沢なのだ、と。地球における中国の歴代皇帝が暮らしていたように極めて豪華な宮殿の中でこの星の皇帝も暮らしているのだ。
修也が呆気に取られていると、先導している本初から急かされることになった。
修也は慌てて本初へと着いて行った。
長い石段を登り、その上にある謁見の間と呼ばれる部屋に向かっていった。
謁見の間には目立った紅色の柱があちこちに建てられ、その隙間から政治家と思われる男性たちがこちらの様子をある者は恐れたような顔で、ある者は敵意に満ちた顔で見つめていることに気が付いた。
修也たちが玉座の間へと連れて行かれると、そこには芸術品かと見間違うほどの絢爛な金色の背もたれに鮮やかな朱色で染められた座り心地の良さそうなクッションで作られた玉座が見えた。
その上には竜の紋様が記された藍色の外衣を身に纏った皇帝の姿があった。
すだれのついた黒色の冠を被った少年のような幼い顔立ちをした男だ。
本初により皇帝の前では跪くことを余儀なくされたが、それでも他の星からやってきたということもあってこっそりと見つめることは許された。
皇帝の顔が分析できたのはこの国のいや、この星の人々にはできない特権ともいえる権利のおかげだった。
そんなことを考えていると、童顔に相応しい若さに溢れた声で言った。
「面をあげよ」
これで修也たちはようやく喋ることが許されたのである。ジョウジが箱を開いて商品の解説を始めていった。
皇帝の使者として現れた男の言葉を前回ローマ帝国を思わせる国で覚えたというジョージがどこか横暴な態度を浮かべる使者の言葉を多少は柔らかくして翻訳して、仲間たちに向かって話していった。
しかし隠していても結局のところ態度というもので人というのは分かってしまうらしい。その横暴な態度や言葉に一行の中で一際腹を手立てたのは他ならぬ悠介だった。
悠介は使者の男が立ち去ったのを確認してからジョウジに向かって抗議の言葉を口にしていった。
「どうしてあいつはあんなに横暴なんですか! 皇帝からの使者だかなんだから知らないけどッ!」
「今更怒ることないじゃん。古代の中国と同じレベルなんだから仕方がないんじゃあないの?」
麗俐がゆっくりとした口調で窘めようとしたものの、悠介からは怒りの感情は取り払うことができなかったらしい。
悠介は不機嫌な顔を浮かべたまま拳を握り締めたかと思うと、地面の上に落ちていた草を適当に引き抜いた後に紙吹雪を散らすように誰もいない空気に向かって投げ付けた。
だが、虚しく地面の上へと舞い落ちていくだけだった。そんな悠介の肩を修也が優しく置いた。
「まぁ、社会に出たらこういうこともあるさ。それにここは昔の社会そのままだから、あの人があぁいう態度に出るのも仕方がないのかもしれないよ」
修也の言葉は正論だった。しかしそれでも悠介は納得できなかったらしい。未だに悔しそうな顔を浮かべて立ち去った跡を睨んでいた。
その後だ。一度スコーピオン号の中に戻って自室の中で悠介がオンラインで送られてくる課題を解いていた時のことだ。
スコーピオン号の外から大きな声で命令をかける声が聞こえてきた。
「天よりの使者とやら! 皇帝陛下は謁見を許可されたッ! すぐにでも支度をして都に向かうように!!」
なんという横暴な言い方だろうか。悠介はまたしても使者の男に対して反感を覚えた。
だが、近くの部屋で父親や姉が謁見に向かう準備をしている音を聞いて、服の詰め襟を整えて自分たちの荷物を持ってから同じように荷物を両手に抱えた父親の背後へと付き添っていった。
ジョウジとカエデも同じような宇宙服に身を包み、圧縮された土産の品やら交易の品を運んでいる姿が見えた。そんな彼らと共に兵士たちに先導されて都へと向かっていった。
『漢』を彷彿させるという大帝国の都は悠介が思っていたよりも栄えていた。巨大な城壁で守られるように囲まれた街の中には確かな活気というものが存在していた。
行き交う人々も笑顔と活力に溢れていた。服も大抵の人が絹で塗った服を着ていたし、染料の技術もすでに浸透しているのか、色とりどりの煌びやかな服が悠介の目を引いた。
新鮮な魚や野菜を卸している店の他に豚や鶏を売る店も存在している。豚や鶏がこの星に存在していることも驚いたが、何より魚が地球とほとんど変わらないものが置かれていることにも驚いた。
ただ、地球の中にもないような魚があるのは新鮮だった。3つ目の赤い鱗をした魚や反対に目が1つしかない青背の魚などはどのような料理に使うのか悠介には検討もつかなかった。
素晴らしいのは肉や魚といった食材ばかりではない。呉服問屋と思われる店では人々の中でも一層豪華な服を纏った主人と思われる恰幅の良い男性が自ら頭を下げながら太客と思われる男性を奉公人たちと共に送り出していた。
店頭の先で人々に向かって出されている玩具や小物に関しては地球では見たことがないような珍しいものばかりで、悠介はすっかりと虜になってしまった。
他にも別の国からやってきたと思われる曲芸師の男性が火を使った芸を見せていた。それ以外にも笛で蛇を操る男性や斬れないナイフを使って人々を驚かす手品師の女性の姿が見えた。人々は夢中になって拍手を送っている。
悠介が町を見学するのに夢中になっていた時だ。案内をしていた男が振り返り、悠介に向かって言った。
「どうだ? 我が帝国は素晴らしいだろう?」
言葉の意味が分からない悠介のために発した言葉をジョウジが慌てて翻訳していった。
「あっ、はい」
悠介は萎縮したように頭を掻きながら答えた。実際にその通りだった。
自分に問い掛けた男から受けた無礼な態度は既に記憶の奥底へと追いやられてしまったらしい。悠介はヘラヘラと笑いながら答えた。
ジョウジから言葉を伝えられた男は勝ち誇ったように口元に笑みを浮かべながら言った。
「我が帝国は世界の中でもっとも栄えた国といっても過言ではないのだ。世界の国が帝の元へと挨拶に向かい、貢ぎ物を送る……どうだ? このような国が貴君らの星にあるか?」
「い、いえありません」
悠介は事を荒立てないためか、はたまた本気でそう思ったのか、否定の言葉を口に出した。
「フッ、そうだろう。滞在している間はせいぜい我が国を楽しむといい」
「あ、ありがとうございます。ええと……」
「おお、そうだ。まだ名乗っておらなんだな。わしの名は孫本初。宮廷においては使者たちの饗応役を仰せつかっておる」
この時悠介は単に頭を下げただけであったが、修也とジョウジ、そしてカエデの三名は『本初』という名前を聞いた時に驚きを隠せないような顔を浮かべていた。
興味がない悠介や麗俐は知らなかったが、『本初』というのは『三国志』において曹操孟徳と対立し、天下を争った袁紹の字と同じであったというのが原因だ。
元々袁紹は『漢』帝国でも4代にわたって三公という要職に就いた人物を排出したとされる袁家の出身であったが、本人は妾の腹から産まれたため、その後は実力で袁家の当主へと成り上がり、冀州を掌握した後に北部を手に入れたという屈指の実力者である。
もちろん彼は『三国志』に登場する袁紹本人ではない。
だが、それと同じ字を与えられているのだからこの星でも何かしらの役割を果たす可能性はある。3人の間に緊張が走っていく。
そんな3人の事情などつゆとも知らずに悠介は本初の指さす方向を見つめながら興味深そうに目を輝かせていた。
本初が何やら解説をするたびにジョウジが解説を行わなければならなかったのだが、先ほどの考えが頭に浮かんでしまい翻訳を伝え忘れることもしばしばだった。
やがて自分たちを見下ろすような巨大な門が現れた。22世紀の地球では中国の保存区域か『三国志』や『水滸伝』の挿絵でしか見ることができない大きくて頑丈な見張り台を兼ねた城のような建物が載った門なのだ。しかもご丁寧なことに城門は皇帝やその一族を守るためか、頑丈な鉄鋼で作られた柵によって行く手を塞がれている。これでは城の中には入れない。
どうしようかと修也が不安に思っていた時だ。本初が修也たちを放って城門の前へと向かっていった。
本初は城門の前にたどり着くと、この国の言葉で見張り台にいる見張りに向かって呼び掛けた。
すると、ゴゴゴゴと大きな音を上げながら柵が開いていった。
「こっちだ。早く来い」
と、男の指示で修也たちは後について行かされることになった。
城門をくぐった先に待ち構えていたのは辺り一面に広がる石畳の床だった。これまでに訪問したどの星の宮殿と比較しても目立つような飾りは何一つ置かれていない。
しかし見開かれている場所であるというのに汚れも傷も一切見当たらない。人間が生活を行う上では必要不可欠だというのに……。
ここまできたところで修也は気が付いた。汚れも傷もないところに綺麗な石畳を置いて人々を歩かせるという状態を保ち続けるというのが最高な贅沢なのだ、と。地球における中国の歴代皇帝が暮らしていたように極めて豪華な宮殿の中でこの星の皇帝も暮らしているのだ。
修也が呆気に取られていると、先導している本初から急かされることになった。
修也は慌てて本初へと着いて行った。
長い石段を登り、その上にある謁見の間と呼ばれる部屋に向かっていった。
謁見の間には目立った紅色の柱があちこちに建てられ、その隙間から政治家と思われる男性たちがこちらの様子をある者は恐れたような顔で、ある者は敵意に満ちた顔で見つめていることに気が付いた。
修也たちが玉座の間へと連れて行かれると、そこには芸術品かと見間違うほどの絢爛な金色の背もたれに鮮やかな朱色で染められた座り心地の良さそうなクッションで作られた玉座が見えた。
その上には竜の紋様が記された藍色の外衣を身に纏った皇帝の姿があった。
すだれのついた黒色の冠を被った少年のような幼い顔立ちをした男だ。
本初により皇帝の前では跪くことを余儀なくされたが、それでも他の星からやってきたということもあってこっそりと見つめることは許された。
皇帝の顔が分析できたのはこの国のいや、この星の人々にはできない特権ともいえる権利のおかげだった。
そんなことを考えていると、童顔に相応しい若さに溢れた声で言った。
「面をあげよ」
これで修也たちはようやく喋ることが許されたのである。ジョウジが箱を開いて商品の解説を始めていった。
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