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水の惑星『カメーネ』
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ハーピーというのは古代ギリシャの神話に登場するアルゴナウタイというエピソードに登場する怪物の名である。
神話においては有翼の乙女もしくは人間の女性の頭を持った怪物の姿で登場する。
老人かつ男性である副官の男が使用するパワードスーツの名前としては不適格だと思われたが、そんなことはなかった。
カプセルを押した後に登場したのは蝙蝠のような翼を背中に広げ、猿のような体毛に覆われた装甲を纏った騎士であった。その姿であれば男性が纏っていても違和感は感じられない。
問題は女性と頭とされる頭部であったが、それに関しても問題はなかった。
兜は巨大な人喰い鳥と呼ばれるルフ鳥が女神の像を口にしているようなデザインしていたからだ。そこに女性らしさを感じさせるものは一切感じられなかった。
この悍ましい怪物は腰にビームサーベルともう一つ、ビームナイフを下げていた。
遠距離の武器を所有していない代わりに彼は近接戦闘に特化していたのだ。
悠介が兜の下で思わず冷や汗をかいた時だ。副官の男は既に地上スレスレを滑空して悠介へと迫ってきた。
悠介は咄嗟にレーザーガンを用いて対処しようと目論んだものの、ビーム光線は副官の男の体を逸れ、地面の下や空中へと飛んでいった。
そしてまごまごとしているうちに副官の男は悠介へと飛び掛かり、悠介を地面の上に押し倒したのだった。
その上で悠介を執拗に殴り付けていった。自身に挑発した若者を殴り倒すことに対して、この老人は楽しんでいる様すら見受けられた。
麗俐は弟が無惨に殴られている姿が耐えきれなくなったのか、自身のビームサーベルを振り上げながら副官の男へと斬りかかっていった。
だが、流石は歴戦の猛者というべきである。副官の男はすぐに麗俐の攻撃を見破り、地面の上から空の上へと飛び上がっていった。
麗俐はビームサーベルを腰に戻し、レーザーガンを使って上空にいた副官の男を撃ち落とそうと目論んだものの、悠介と同様に的が外れていくだけだった。
これに便乗し、修也もレーザーガンを使って副官の男を撃ち落とそうとしたが、勘によって呆気なく避けられてしまう羽目になった。
副官の男はしばらくの間はあてもなく空中の上を飛んでいたが、やがて自軍の元へと戻り、貴族の子弟たちからなる部下たちに向かって号令を飛ばしていった。
「全軍! 天よりの鎧を身に纏え! その上で賊どもを叩き潰してしまえ!」
その声を聞いた子弟たちが全員カプセルを取り出し、パワードスーツを纏っていった。骸骨を思わせるような白と黒のパワードスーツだ。兜に至っては骸骨の姿そのものである。
彼らが両手に握っている武器がビームサーベルやレーザーガン、ビームライフルといった近代的な武器ではなく、剣と盾であれば大昔の冒険映画に登場する骸骨の怪物の姿そのものだ。
「そ、そんな、こんなにパワードスーツを纏っている人物がいるなんて……」
側でビームポインターを構えていたジョウジは思わず絶句した。
ヴィシー財閥の周到な用意とこれだけのパワードスーツを用意できる財力とに、だ。
しかしここで戦いを止めるわけにもいかない。木の陰に身を隠し、ビームポインターを用いて大軍勢を迎え撃つことに決めた。
ビームポインターによってパワードスーツの心臓を撃ち抜くことでなんとか止めることができたような有様である。
カエデも同様の手段を使っていた。それでも撃ち逃してしまったような相手は絶対に出てくる。
目の前から迫ってきた時はビームサーベルを握り締めて近付いてきた相手の心臓を至近距離から撃ち抜いた。遠距離と近距離の違いではあるものの、冷静に対処すれば怖いことはなかった。
一方で足を引っ張っていたのはシーレである。彼女は必死になって矢をつがえていたのだが、彼女の矢はパワードスーツの装甲の前に弾き飛ばされてしまう羽目になったのだ。
ジョウジとカエデの両名はシーレを背後へと下がらせ、迫ってきた兵士たちを相手にしていた。
もう駄目かと二人で覚悟を決めた時だ。
「ウォォォォォォ~!!」
と、雄叫びを上げながら悠介が拳を振り上げてシーレを害そうとした兵士を殴り飛ばしたのだった。
悠介の拳を受けた兵士は悲鳴を上げながら地面の上を転がっていった。
悠介は兜の下で荒い息を吐きながらレーザーガンを抜いた。レーザーガンでこのまま兵士たちを撃ち抜いていくのかと思われたが、幸いなことにレーザー光線で撃ち抜いたのは兵士の両足のみであった。
悠介によって足を撃ち抜かれた兵士たちは次々とバランスを崩して地面の上へと転倒していった。
それを見た修也と麗俐も同じ方法を取った。こうしてしばらくの間はパワードスーツで武装した兵士たちを相手に激しい抗争を繰り広げていたのだが、形成が逆転する羽目になったのは悠介の背後に隠れていたシーレの背後へ副官の男が飛んできた時のことだ。
副官の男はビームサーベルを抜き、ピンク色の刃を剥き出しにした後でシーレの元へと向かっていった。
「シーレッ!」
悠介は咄嗟にシーレを真横に突き飛ばし、副官の男のビームサーベルを自らの小手で受け止めたのだった。
ただし小手とはいっても強力なビームサーベルを受け止めるのには限界があった。
腕から大量の火花が上がっていくのが見えた。兜の下からは悠介の悲鳴が漏れている。
「ユウスケ!」
シーレは悠介のために弓矢を構えてそのまま副官の男を射た。
だが、肝心の矢はパワードスーツの強烈な装甲の前に弾き飛ばされてしまい地面の上に転がっていくだけだった。
「そ、そんな……」
シーレは納得がいかなかった。目の前では自分と同じ歳くらいの少年が自分を守るために戦ってくれている。
それに対して自分は何もできずに見ていることしかできないのだ。シーレが悔しげに拳を震わせていた時だ。
「シーレッ! 安心しろ! きみはおれが必ず守る! 絶対にな!」
悠介は日本語で叫んだ後にシーレを安心させるため親指を立ててみせた。その行為や言葉の意味はシーレには理解できなかったものの、彼が必死になって自分のために戦ってくれていることだけは分かった。
悠介の想いに応えるためシーレは必死になって今の自分にできることを考えた。その選択として取ったのは森の奥深くへと逃げることであった。
シーレが森の奥へと消えていくのを見た悠介は副官の男の腹部に向かって両足で飛び蹴りを喰らわせた。副官の男は腹部に蹴りを喰らい地面の上を転がっていった。
悠介は副官の男が転倒したのを見て、反撃に転じた。ビームソードを抜いて副官の男を戦闘不能の状態へと追い込もうとしていた。
だが、目の前から迫り来るビームソードを見ても動じる様子を見せずに副官の男はしゃがみ込んだ姿勢のまま自身のビームサーベルを用いて悠介からの攻撃を防いだ。
両者は激しい斬り合いを続けてはいたものの、経験と技量の差から次第に副官の男の方が有利になっていった。
悠介は無惨にも武器を弾き落とされ、自身の目の前にビームサーベルの剣先を突き付けられる羽目になってしまった。
「オレの言葉が分かるとも思えんが、そろそろ降伏したらどうだ? 今のお前ならオレの小姓くらいにはしてやるぞ」
副官の男の言葉など悠介が理解しているはずがなかった。ただ、日本刀のように鋭い目で副官の男を睨みつけるのみだった。
副官の男は悠介からアクションがなかったことを察し、そのまま悠介をビームサーベルでパワードスーツごと貫こうとしていた。ビームサーベルの先端がパワードスーツの装甲のあと少しにまで迫ってきた時のことだ。
悠介が副官の男の両足を勢いよく蹴り付けたのだった。兜の下で思わず苦痛に顔を歪めた時のことだ。
悠介がその場から起き上がり、男の兜ごとその顔を勢いよく右手の拳で殴り付けたのだった。
予想外の攻撃を受けたことによって地面の上へと倒れた男に対して悠介は二度と反撃することができないようにレーザーガンを抜き、男の手が握っていたビームサーベルを撃ち抜いて男の手から奪い取った。
武器を失った姿を見た悠介が安堵した時だ。男は勢いよく上がり、悠介の顔を勢いよく殴り付けた。
拳を喰らった悠介は思わず地面の上にレーザーガンを落としてしまったものの、幸いなことにその場で倒れるようなことはなかった。
そしてそのまま男との壮絶な殴り合いへと至っていったのだった。
神話においては有翼の乙女もしくは人間の女性の頭を持った怪物の姿で登場する。
老人かつ男性である副官の男が使用するパワードスーツの名前としては不適格だと思われたが、そんなことはなかった。
カプセルを押した後に登場したのは蝙蝠のような翼を背中に広げ、猿のような体毛に覆われた装甲を纏った騎士であった。その姿であれば男性が纏っていても違和感は感じられない。
問題は女性と頭とされる頭部であったが、それに関しても問題はなかった。
兜は巨大な人喰い鳥と呼ばれるルフ鳥が女神の像を口にしているようなデザインしていたからだ。そこに女性らしさを感じさせるものは一切感じられなかった。
この悍ましい怪物は腰にビームサーベルともう一つ、ビームナイフを下げていた。
遠距離の武器を所有していない代わりに彼は近接戦闘に特化していたのだ。
悠介が兜の下で思わず冷や汗をかいた時だ。副官の男は既に地上スレスレを滑空して悠介へと迫ってきた。
悠介は咄嗟にレーザーガンを用いて対処しようと目論んだものの、ビーム光線は副官の男の体を逸れ、地面の下や空中へと飛んでいった。
そしてまごまごとしているうちに副官の男は悠介へと飛び掛かり、悠介を地面の上に押し倒したのだった。
その上で悠介を執拗に殴り付けていった。自身に挑発した若者を殴り倒すことに対して、この老人は楽しんでいる様すら見受けられた。
麗俐は弟が無惨に殴られている姿が耐えきれなくなったのか、自身のビームサーベルを振り上げながら副官の男へと斬りかかっていった。
だが、流石は歴戦の猛者というべきである。副官の男はすぐに麗俐の攻撃を見破り、地面の上から空の上へと飛び上がっていった。
麗俐はビームサーベルを腰に戻し、レーザーガンを使って上空にいた副官の男を撃ち落とそうと目論んだものの、悠介と同様に的が外れていくだけだった。
これに便乗し、修也もレーザーガンを使って副官の男を撃ち落とそうとしたが、勘によって呆気なく避けられてしまう羽目になった。
副官の男はしばらくの間はあてもなく空中の上を飛んでいたが、やがて自軍の元へと戻り、貴族の子弟たちからなる部下たちに向かって号令を飛ばしていった。
「全軍! 天よりの鎧を身に纏え! その上で賊どもを叩き潰してしまえ!」
その声を聞いた子弟たちが全員カプセルを取り出し、パワードスーツを纏っていった。骸骨を思わせるような白と黒のパワードスーツだ。兜に至っては骸骨の姿そのものである。
彼らが両手に握っている武器がビームサーベルやレーザーガン、ビームライフルといった近代的な武器ではなく、剣と盾であれば大昔の冒険映画に登場する骸骨の怪物の姿そのものだ。
「そ、そんな、こんなにパワードスーツを纏っている人物がいるなんて……」
側でビームポインターを構えていたジョウジは思わず絶句した。
ヴィシー財閥の周到な用意とこれだけのパワードスーツを用意できる財力とに、だ。
しかしここで戦いを止めるわけにもいかない。木の陰に身を隠し、ビームポインターを用いて大軍勢を迎え撃つことに決めた。
ビームポインターによってパワードスーツの心臓を撃ち抜くことでなんとか止めることができたような有様である。
カエデも同様の手段を使っていた。それでも撃ち逃してしまったような相手は絶対に出てくる。
目の前から迫ってきた時はビームサーベルを握り締めて近付いてきた相手の心臓を至近距離から撃ち抜いた。遠距離と近距離の違いではあるものの、冷静に対処すれば怖いことはなかった。
一方で足を引っ張っていたのはシーレである。彼女は必死になって矢をつがえていたのだが、彼女の矢はパワードスーツの装甲の前に弾き飛ばされてしまう羽目になったのだ。
ジョウジとカエデの両名はシーレを背後へと下がらせ、迫ってきた兵士たちを相手にしていた。
もう駄目かと二人で覚悟を決めた時だ。
「ウォォォォォォ~!!」
と、雄叫びを上げながら悠介が拳を振り上げてシーレを害そうとした兵士を殴り飛ばしたのだった。
悠介の拳を受けた兵士は悲鳴を上げながら地面の上を転がっていった。
悠介は兜の下で荒い息を吐きながらレーザーガンを抜いた。レーザーガンでこのまま兵士たちを撃ち抜いていくのかと思われたが、幸いなことにレーザー光線で撃ち抜いたのは兵士の両足のみであった。
悠介によって足を撃ち抜かれた兵士たちは次々とバランスを崩して地面の上へと転倒していった。
それを見た修也と麗俐も同じ方法を取った。こうしてしばらくの間はパワードスーツで武装した兵士たちを相手に激しい抗争を繰り広げていたのだが、形成が逆転する羽目になったのは悠介の背後に隠れていたシーレの背後へ副官の男が飛んできた時のことだ。
副官の男はビームサーベルを抜き、ピンク色の刃を剥き出しにした後でシーレの元へと向かっていった。
「シーレッ!」
悠介は咄嗟にシーレを真横に突き飛ばし、副官の男のビームサーベルを自らの小手で受け止めたのだった。
ただし小手とはいっても強力なビームサーベルを受け止めるのには限界があった。
腕から大量の火花が上がっていくのが見えた。兜の下からは悠介の悲鳴が漏れている。
「ユウスケ!」
シーレは悠介のために弓矢を構えてそのまま副官の男を射た。
だが、肝心の矢はパワードスーツの強烈な装甲の前に弾き飛ばされてしまい地面の上に転がっていくだけだった。
「そ、そんな……」
シーレは納得がいかなかった。目の前では自分と同じ歳くらいの少年が自分を守るために戦ってくれている。
それに対して自分は何もできずに見ていることしかできないのだ。シーレが悔しげに拳を震わせていた時だ。
「シーレッ! 安心しろ! きみはおれが必ず守る! 絶対にな!」
悠介は日本語で叫んだ後にシーレを安心させるため親指を立ててみせた。その行為や言葉の意味はシーレには理解できなかったものの、彼が必死になって自分のために戦ってくれていることだけは分かった。
悠介の想いに応えるためシーレは必死になって今の自分にできることを考えた。その選択として取ったのは森の奥深くへと逃げることであった。
シーレが森の奥へと消えていくのを見た悠介は副官の男の腹部に向かって両足で飛び蹴りを喰らわせた。副官の男は腹部に蹴りを喰らい地面の上を転がっていった。
悠介は副官の男が転倒したのを見て、反撃に転じた。ビームソードを抜いて副官の男を戦闘不能の状態へと追い込もうとしていた。
だが、目の前から迫り来るビームソードを見ても動じる様子を見せずに副官の男はしゃがみ込んだ姿勢のまま自身のビームサーベルを用いて悠介からの攻撃を防いだ。
両者は激しい斬り合いを続けてはいたものの、経験と技量の差から次第に副官の男の方が有利になっていった。
悠介は無惨にも武器を弾き落とされ、自身の目の前にビームサーベルの剣先を突き付けられる羽目になってしまった。
「オレの言葉が分かるとも思えんが、そろそろ降伏したらどうだ? 今のお前ならオレの小姓くらいにはしてやるぞ」
副官の男の言葉など悠介が理解しているはずがなかった。ただ、日本刀のように鋭い目で副官の男を睨みつけるのみだった。
副官の男は悠介からアクションがなかったことを察し、そのまま悠介をビームサーベルでパワードスーツごと貫こうとしていた。ビームサーベルの先端がパワードスーツの装甲のあと少しにまで迫ってきた時のことだ。
悠介が副官の男の両足を勢いよく蹴り付けたのだった。兜の下で思わず苦痛に顔を歪めた時のことだ。
悠介がその場から起き上がり、男の兜ごとその顔を勢いよく右手の拳で殴り付けたのだった。
予想外の攻撃を受けたことによって地面の上へと倒れた男に対して悠介は二度と反撃することができないようにレーザーガンを抜き、男の手が握っていたビームサーベルを撃ち抜いて男の手から奪い取った。
武器を失った姿を見た悠介が安堵した時だ。男は勢いよく上がり、悠介の顔を勢いよく殴り付けた。
拳を喰らった悠介は思わず地面の上にレーザーガンを落としてしまったものの、幸いなことにその場で倒れるようなことはなかった。
そしてそのまま男との壮絶な殴り合いへと至っていったのだった。
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