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水の惑星『カメーネ』
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「さてと、皆さん、準備は終わりましたね?」
ジョウジは宇宙船に乗り込んだ今回の乗組員たちを見回しながら言った。
「えぇ、しかし次はどこに行くんです?」
修也は紙コップの中に入ったコーヒーを片手にジョウジへと問い掛けた。
「はい。次に向かう惑星の名前は『カメーネ』という星です」
ジョウジはモニターの上に水で覆われた小さな規模の惑星を映し出してみせた。
「ジョウジさん、この星が『カメーネのですか?」
修也は好奇の目でジョウジへと問い掛けた。
「えぇ、星の面積の実に九割を海水が覆っている惑星です」
「きゅ、九割ですか!?」
修也は驚きのため思わず声を荒げてしまった。というのも九割が水の惑星であるというのならば冷静に考えて暮らせるはずがなかったからだ。
修也たちの暮らす母なる惑星『地球』の地表のうち七割が海だと言われている。
それでも暮らせているのは三割といわれる大陸面積の恩恵を受けていられるからだ。
現在地球の人口は人類が見つけた三つの植民惑星へと移住することで調整しているが、それでも残り三割の陸で養える人口は100億人が限界だと言われている。ここ100年で爆発的に増えたとはいえ、幸か不幸か地球の人口はまだ100億人には達していない。
巨大な大陸を持つ地球ですら100億人が限界なのだ。残りの9割が海の星など修也の頭では1億人をようやく生存させられる規模のものでしかないと考えていた。地球でいうところの古代のまま発展していないと言っていいかもしれない。
修也がそんなことを考えながら視線を上げると、そこには何かを言いたげな笑顔を浮かべるジョウジの姿が見えた。
人間の忠実な友であるアンドロイドはいかなる時でも人間の期待を裏切らないものであるらしい。自分たちは表情がないと言いながらも人間の表情で考えていることを推し測り、答えを言おうとしてくれているのだ。
ジョウジはものごとを教える際に浮かべがちな得意げな顔でモニターの上に人工のグラフが描かれた図形を映し出していった。
グラフの端に記されていた文字は100万という文字だった。
「ひゃ、100万!? たったそれだけしかいないのか!?」
大人しく説明を聞いていたはずの悠介は予想外の質問が繰り出されたことによって耐え切れなくなったのだろう。
たまりかねて椅子の上から立ち上がり、声を上げた。
「えぇ、ですから我が社はバラバラに集まっているところへ声を掛けるのではなく、この星の中で、もっとも繁栄している都市を商売の相手として目を付けております」
「その相手というのは?」
「この島にご注目ください」
ジョウジはそう言って表示したディスプレイを人差し指を使い拡大させていった。
すると、そこには荘重な雰囲気を漂わせる白亜の宮殿が立ち並んでいた。その周辺には肉体美を表す女性や男性の像が立ち並んでいた。
そればかりではない。人々の生活までもが綿密に映し出されていた。地球の技術力には満たないものの、舗装された石の道路や水道が存在し、多くの人々が行き交っていた。
道を歩く人々を相手にした露店も所狭しとばかりに並んでおり、その中には採れたてなのか、新鮮な色を浮かべた果物やら魚やらが並んでいた。
「これって世界史の授業で習った古代ギリシャの文明そのままじゃない!」
側でコーヒーの準備をしていた麗俐が口を挟んだ。麗俐の驚きを交えた声を聞いたジョウジは期待通りの反応が見れたとばかりに満足気な顔を浮かべながら首を小さく縦に動かした。それから大学の大教室で説明を続ける教師のように胸を張りながら解説を続けていく。
「これは西暦紀元前八世紀に地球上で見られた古代文明のものとまるで同じ光景です。彼らの生活様式や文明はかつての我々の祖先が歩んだものとほとんど同じなのですよ」
「となると、この星の中では紀元前八世紀の姿がそのまま再現されているということでしょうか?」
修也が素朴な疑問を呈した。
「全てがそっくりそのものというわけではありませんが、ほとんど同じだといっても過言ではありません」
ハキハキと喋るジョウジの口からは嘘や偽りといったものは感じさせられなかった。
いや、そもそもいくら『感情』を持ったところで人間のように嘘を吐くことは難しいはずだ。修也はそう考えていた。
「この水の惑星で我々が取り引きを行うのは水の惑星の中で最大の島を支配するクレタリア王国と呼ばれる巨大王国です」
「クレタリア王国ですね?」
「えぇ、前回の交易の時にクレタリア王国並びに島内における共通語は叩き込みましたので、私もカエデも通訳に関しては問題はありませんよ」
ジョウジは麗俐が持ってきたコーヒーを片手に淡々と言った。
だが、すぐに顔を顰めていった。
「どうしたんですか?」
「ただ、今回クレタリア王国の方で少しきな臭いことが起こりましてね。今回の交易にそれが影響しないかが心配です」
コーヒーを啜るジョウジの両眉が微かに上がっていった。麗俐のコーヒーの味がまたよくなかったのか、はたまた先ほど口にした『きな臭い』こととやらを思い出したのか、或いはその両方であるのか、ジョウジがはっきりと言葉を出さなかったので修也には分からなかった。
情勢のことなど気にしてはいられない。自分たちが危惧するのは今回の交易のことだけでいいのだ。
修也が神妙な面持ちでジョウジの言葉を待っていた時のことだ。
悠介が授業中のように手を挙げてジョウジへと問い掛けた。
「ねぇ、ジョウジさん。もし、カメーネで化け物にでも襲われたらどうするつもり?」
「あなた方には最新式の『ロトワング』を渡していますよね? それを使ってください」
「まぁ、そうなるよな。あんたらは戦闘用の機械じゃないんだし」
冷たい言い方に苛立ちを覚えたのか、悠介は少しぶっきらぼうな口調で言葉を返した。
「やめなさい。悠介」
修也は咄嗟に息子の非礼を窘めた。
「構いませんよ。それよりも向こうで何があったとしてもやむを得ない場合を除いては『ロトワング』の力を用いないでください。向こうの政治体制へいたずらに干渉することは社長も好みませんし、何よりもカメーネの歴史に深く影響を与えてしまうことになりかねません」
「なんだよ、オレが余計なことをすると言いたいのか?」
父親に怒られたこともあってか、悠介は先ほどよりも強い口調だった。
「やめなさい」
修也はいつもより強い口調で息子を窘めた。父親から睨まれれば流石の悠介も引っ込まざるを得なかったらしい。
不満そうに歯を軋ませながらも大人しく椅子の上へと腰を掛けていった。
修也は血気盛んな息子の反応を受けて溜息を吐くしかなかった。
そうした一通りの説明を終えてから宇宙船は惑星『カメーネ』へと向かっていった。
ワープ機能もあったことから宇宙船はあっという間に水の惑星『カメーネ』の前へと辿り着いた。
『カメーネ』は映像通り表面の9割が水に覆われた水の惑星であった。
そのところどころに地球でいうところのオーストラリア大陸を思わせるような大きな島があるだけで地球のような巨大な大陸は影も形もない。
あとは小さな無人島が忘れ去られたように点在しているだけだ。
修也たち一行が固唾を飲みながら『カメーネ』の景色を眺めていると、宇宙船が『カメーネ』の重力に引っ張られていったのか、徐々に下方向へと落ちていくのが感じられた。
ジョウジとカエデはそんな状況にありながらも慌てる様子も見せずに宇宙船を操作して『カメーネ』の中にある巨大な島の真ん中へと宇宙船を降下させた。
巨大な宇宙船がエンジンから風圧を発しながら草原の上へと落ちていったためか、周囲に草が舞い散り、その場にいたはずの動物たちが慌てて退散するという光景が見受けられた。
「ここが、『カメーネ』なんですね?」
「えぇ、その通りです。惑星『カメーネ』において最大の国家クレタリア王国の王都より少し離れた森林の出口です」
「いやぁ、なんというか文明が発達していないこともあってか、地球よりも綺麗な光景ですなぁ」
外に降りた修也は『カメーネ』が持つ自然の呆気に取られてか、思わずどうでもいいような言葉を口走ってしまった。
一同はくだらないことを喋った修也の態度を呆れたような表情で見つめていた。
本日より不定期更新で連載を再開させていただきます。不定期なので更新は一本のみの上、バラバラの形になりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
ジョウジは宇宙船に乗り込んだ今回の乗組員たちを見回しながら言った。
「えぇ、しかし次はどこに行くんです?」
修也は紙コップの中に入ったコーヒーを片手にジョウジへと問い掛けた。
「はい。次に向かう惑星の名前は『カメーネ』という星です」
ジョウジはモニターの上に水で覆われた小さな規模の惑星を映し出してみせた。
「ジョウジさん、この星が『カメーネのですか?」
修也は好奇の目でジョウジへと問い掛けた。
「えぇ、星の面積の実に九割を海水が覆っている惑星です」
「きゅ、九割ですか!?」
修也は驚きのため思わず声を荒げてしまった。というのも九割が水の惑星であるというのならば冷静に考えて暮らせるはずがなかったからだ。
修也たちの暮らす母なる惑星『地球』の地表のうち七割が海だと言われている。
それでも暮らせているのは三割といわれる大陸面積の恩恵を受けていられるからだ。
現在地球の人口は人類が見つけた三つの植民惑星へと移住することで調整しているが、それでも残り三割の陸で養える人口は100億人が限界だと言われている。ここ100年で爆発的に増えたとはいえ、幸か不幸か地球の人口はまだ100億人には達していない。
巨大な大陸を持つ地球ですら100億人が限界なのだ。残りの9割が海の星など修也の頭では1億人をようやく生存させられる規模のものでしかないと考えていた。地球でいうところの古代のまま発展していないと言っていいかもしれない。
修也がそんなことを考えながら視線を上げると、そこには何かを言いたげな笑顔を浮かべるジョウジの姿が見えた。
人間の忠実な友であるアンドロイドはいかなる時でも人間の期待を裏切らないものであるらしい。自分たちは表情がないと言いながらも人間の表情で考えていることを推し測り、答えを言おうとしてくれているのだ。
ジョウジはものごとを教える際に浮かべがちな得意げな顔でモニターの上に人工のグラフが描かれた図形を映し出していった。
グラフの端に記されていた文字は100万という文字だった。
「ひゃ、100万!? たったそれだけしかいないのか!?」
大人しく説明を聞いていたはずの悠介は予想外の質問が繰り出されたことによって耐え切れなくなったのだろう。
たまりかねて椅子の上から立ち上がり、声を上げた。
「えぇ、ですから我が社はバラバラに集まっているところへ声を掛けるのではなく、この星の中で、もっとも繁栄している都市を商売の相手として目を付けております」
「その相手というのは?」
「この島にご注目ください」
ジョウジはそう言って表示したディスプレイを人差し指を使い拡大させていった。
すると、そこには荘重な雰囲気を漂わせる白亜の宮殿が立ち並んでいた。その周辺には肉体美を表す女性や男性の像が立ち並んでいた。
そればかりではない。人々の生活までもが綿密に映し出されていた。地球の技術力には満たないものの、舗装された石の道路や水道が存在し、多くの人々が行き交っていた。
道を歩く人々を相手にした露店も所狭しとばかりに並んでおり、その中には採れたてなのか、新鮮な色を浮かべた果物やら魚やらが並んでいた。
「これって世界史の授業で習った古代ギリシャの文明そのままじゃない!」
側でコーヒーの準備をしていた麗俐が口を挟んだ。麗俐の驚きを交えた声を聞いたジョウジは期待通りの反応が見れたとばかりに満足気な顔を浮かべながら首を小さく縦に動かした。それから大学の大教室で説明を続ける教師のように胸を張りながら解説を続けていく。
「これは西暦紀元前八世紀に地球上で見られた古代文明のものとまるで同じ光景です。彼らの生活様式や文明はかつての我々の祖先が歩んだものとほとんど同じなのですよ」
「となると、この星の中では紀元前八世紀の姿がそのまま再現されているということでしょうか?」
修也が素朴な疑問を呈した。
「全てがそっくりそのものというわけではありませんが、ほとんど同じだといっても過言ではありません」
ハキハキと喋るジョウジの口からは嘘や偽りといったものは感じさせられなかった。
いや、そもそもいくら『感情』を持ったところで人間のように嘘を吐くことは難しいはずだ。修也はそう考えていた。
「この水の惑星で我々が取り引きを行うのは水の惑星の中で最大の島を支配するクレタリア王国と呼ばれる巨大王国です」
「クレタリア王国ですね?」
「えぇ、前回の交易の時にクレタリア王国並びに島内における共通語は叩き込みましたので、私もカエデも通訳に関しては問題はありませんよ」
ジョウジは麗俐が持ってきたコーヒーを片手に淡々と言った。
だが、すぐに顔を顰めていった。
「どうしたんですか?」
「ただ、今回クレタリア王国の方で少しきな臭いことが起こりましてね。今回の交易にそれが影響しないかが心配です」
コーヒーを啜るジョウジの両眉が微かに上がっていった。麗俐のコーヒーの味がまたよくなかったのか、はたまた先ほど口にした『きな臭い』こととやらを思い出したのか、或いはその両方であるのか、ジョウジがはっきりと言葉を出さなかったので修也には分からなかった。
情勢のことなど気にしてはいられない。自分たちが危惧するのは今回の交易のことだけでいいのだ。
修也が神妙な面持ちでジョウジの言葉を待っていた時のことだ。
悠介が授業中のように手を挙げてジョウジへと問い掛けた。
「ねぇ、ジョウジさん。もし、カメーネで化け物にでも襲われたらどうするつもり?」
「あなた方には最新式の『ロトワング』を渡していますよね? それを使ってください」
「まぁ、そうなるよな。あんたらは戦闘用の機械じゃないんだし」
冷たい言い方に苛立ちを覚えたのか、悠介は少しぶっきらぼうな口調で言葉を返した。
「やめなさい。悠介」
修也は咄嗟に息子の非礼を窘めた。
「構いませんよ。それよりも向こうで何があったとしてもやむを得ない場合を除いては『ロトワング』の力を用いないでください。向こうの政治体制へいたずらに干渉することは社長も好みませんし、何よりもカメーネの歴史に深く影響を与えてしまうことになりかねません」
「なんだよ、オレが余計なことをすると言いたいのか?」
父親に怒られたこともあってか、悠介は先ほどよりも強い口調だった。
「やめなさい」
修也はいつもより強い口調で息子を窘めた。父親から睨まれれば流石の悠介も引っ込まざるを得なかったらしい。
不満そうに歯を軋ませながらも大人しく椅子の上へと腰を掛けていった。
修也は血気盛んな息子の反応を受けて溜息を吐くしかなかった。
そうした一通りの説明を終えてから宇宙船は惑星『カメーネ』へと向かっていった。
ワープ機能もあったことから宇宙船はあっという間に水の惑星『カメーネ』の前へと辿り着いた。
『カメーネ』は映像通り表面の9割が水に覆われた水の惑星であった。
そのところどころに地球でいうところのオーストラリア大陸を思わせるような大きな島があるだけで地球のような巨大な大陸は影も形もない。
あとは小さな無人島が忘れ去られたように点在しているだけだ。
修也たち一行が固唾を飲みながら『カメーネ』の景色を眺めていると、宇宙船が『カメーネ』の重力に引っ張られていったのか、徐々に下方向へと落ちていくのが感じられた。
ジョウジとカエデはそんな状況にありながらも慌てる様子も見せずに宇宙船を操作して『カメーネ』の中にある巨大な島の真ん中へと宇宙船を降下させた。
巨大な宇宙船がエンジンから風圧を発しながら草原の上へと落ちていったためか、周囲に草が舞い散り、その場にいたはずの動物たちが慌てて退散するという光景が見受けられた。
「ここが、『カメーネ』なんですね?」
「えぇ、その通りです。惑星『カメーネ』において最大の国家クレタリア王国の王都より少し離れた森林の出口です」
「いやぁ、なんというか文明が発達していないこともあってか、地球よりも綺麗な光景ですなぁ」
外に降りた修也は『カメーネ』が持つ自然の呆気に取られてか、思わずどうでもいいような言葉を口走ってしまった。
一同はくだらないことを喋った修也の態度を呆れたような表情で見つめていた。
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