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宇宙海賊ランツベルク一味
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「お前たち! 動くな! ルドルフの命が惜しければ、オレの言うことを聞け!」
「わ、わかった。何をすればいい?」
部下の男が困惑した顔を浮かべながら問い掛けた。その問い掛けをジョウジが翻訳して修也の耳元に囁いていく。
ジョウジを介して意味を理解した修也は大きな声で叫んだ。当然その言葉は日本語である。
「まず、麗俐とカエデを連れて来い! それから悠介の応急手当てをしろ! 最後にオレたちから奪い取った積荷を返して、オレたちを解放しろ!」
修也の発した要求は海賊たちにも随分と譲歩したものだった。少なくとも通訳でその要求を忠実に伝えたジョウジにはそう思えた。
というのも、修也の要求は別にこれをきっかけに各国の警察に引き渡すわけでもなかったし、海賊たちからこれまでの略奪品を取ろうとしたものでもなかったのだ。
ただ、略奪前の状態に戻せと要求しているだけに過ぎない。修也からすればこれが今の自分たちの抱えている課題を全て解決し、物事を上手く収めるための最善策だったのだ。
だが、海賊たちはジョウジの通訳を聞くのと同時に修也を双眸に真白い光を宿して睨み付けていた。
前兆であるルドルフに至ってはジョウジの翻訳を聞きながら歯をギリギリと鳴らしていた。奪ったものに対して惜しむものがあったらしい。大きな声で怒鳴り散らすように手下たちへと訴え掛けていった。
「テメェら! こんな奴の要求を呑むんじゃあない!!」
「黙れッ! 命が惜しくないのか!?」
ジョウジによって意味を介した修也はヘルメット越しではありつつも、その首元にビームソードを突き付けながら脅すように問い掛けた。
「いいや、惜しくなんかないね。少なくとも敵に屈するのは軍人として恥ずべきものなんだぜ」
軍人? 修也はルドルフの顔を見ながら首を傾げていった。その顔は本当の軍人のように堂々とした顔を浮かべていた。
軍籍を剥奪されたというのにも関わらず、ルドルフはまだ軍人のつもりでいるらしい。
呆れて物も言えなかった。修也は溜息を吐いていった。
しかし呆れてはいたものの、腕を掴む力を緩めはしなかった。相変わらず修也に腕を掴まれて動けずにいる。
手下たちもボスを人質に取られれば動けずにいた。手下たちは舌を打ちながらも修也の要求に応えていった。
別の独房に捕らえていた麗俐とカエデの両名を連れてきた後で別の手下が応急手当ての用意を持って貨物室に現れた。
ジョウジが持ってきた応急手当ての箱を受け取り、『ロトワング』を解除した悠介の怪我を手当していった。
その後でジョウジは麗俐に『エンプレスト』のカプセルを渡した。
これで三人の持つ『ロトワング』が全て手元に戻ったことになる。安堵の顔を浮かべた修也たちの横で二名のアンドロイドが淡々と海賊たちに奪い取られた荷物を回収しているのが見えた。
しばらくの間、貨物室とスコーピオン号との往復が続いていたが、荷物が最終になるのと同時にカエデが一息を吐いて言った。
「これで後は外に出るだけですね」
「えぇ、先を急ぎましょう。なにせ五つも星をめぐらせなけれはなりませんしね」
ジョウジはそのまま両手に抱えて圧縮された荷物が入った箱や巨大鞄などを持って宇宙船の外へと向かっていった。
その後でカエデが続いていく。麗俐も手が空いていたが、彼女は荷物に詳しくなかったということや弟である悠介の具合を見ていたこともあって参加していなかったのだ。
ルドルフは首元にビームソードを突き付けられている状況にありながらも自分たちが奪ったはずの荷物が奪還されている場面を忌々しげに見つめていた。
「……クソッタレ」
ようやく口から出てきた言葉はなんの捻りもない罵声に過ぎなかった。
ようやく荷物を入れ替えたところでルドルフはそのまま宇宙船の外へと連れ出されていった。
「おい、いつになったらオレを解放するんだ?」
ルドルフは機嫌が悪そうに英語で修也を怒鳴っていたものの、修也は英語を理解していない。
そのため耳を貸すこともなくルドルフを宇宙船へと引き摺っていた。
その後を追ってフェイスヘルメットを被ったルドルフの部下たちが追いかけてくるのが見えた。
海賊船の甲板の上では仲間たちが次々と『スコーピオン号』の中へと消えていくのが見えた。
後に残っていたのは修也とジョウジの二名だけであった。
修也は自分たちを追ってきた手下たちの前でルドルフを突き飛ばして解放しようとしていた。
だが、その際にルドルフは手下の元に向かわずに飛び掛かって修也を襲っていった。予定外の反応に修也は対処することができず地面の上に押し倒されてしまった。修也が握っていたビームソードが空中の上を飛んでいった。
「う、うわぁ」
と、情けない悲鳴が漏れていった。悲鳴を上げたままルドルフが覆い被さり、馬乗りになっていた。それから拘束された時のお返しだとばかりに強烈な右フックを浴びせていった。
顎に強烈な一撃を喰らった修也は悲鳴を上げて地面の上に倒れ込んだ。
だが、ルドルフは修也の口から漏れた弱々しい声を聞いても容赦することなく、人質にされた屈辱を晴らさんとばかりにタコ殴りにしていった。
ジョウジはそれを見かねたのか、ビームライフルを構えてルドルフの命を狙っていった。
だが、その背後にいた手下たちはビームライフルを構えながらジョウジを狙っていた。
ジョウジは銃口を見て思わずビームライフルを落としてしまいそうになった。ギリギリのところで踏み止まったのはアンドロイドとしての冷静な面が働いたからだった。
ここで恐怖心に囚われ、銃を落としてしまえばルドルフを狙えるという有利な立ち位置も失ってしまうことになり、より一層の不利な状態へと陥ってしまうことになるのだ。
ジョウジはそのことだけは避けたかった。
ジョウジは警告の意図も含めて馬乗りになっているルドルフに向かって銃口を構えていった。
自分にできることはこれだけしかない。後は修弥の活躍に期待するしかなかった。修也が自力でルドルフを乗り切ることを祈るしかできなかったのだ。
ジョウジの祈願も虚しく、修也はルドルフに殴られ続けていた。
このままではパワードスーツが壊れかねない。修也は命の危機を感じ取っていた。
その時だ。修也は自らの頭をルドルフの頭にぶつけて頭痛を生じさせることに成功した。頭突きを喰らったことによってフラフラとしたルドルフの頭部に向かって修也は勢いよく拳をぶつけていった。
勢いのある拳を受けたルドルフは悲鳴を上げながら地面の上へと倒れ込んでいった。
その隙を逃すことなく、修也はルドルフを跳ね除けてそのままお返しとばかりに腹を勢いよく蹴り付けていった。
「や、野郎! よくもボスを!」
黒色の戦闘スーツに身を包んだルドルフの手下たちは真っ黒なフェイスヘルメットの下で眉間に皺を寄せながらビームライフルを突き付けていった。
ジョウジは今こそが反撃の機会だとばかりにビームライフルの引き金を引いて次々と甲板の上に居た宇宙海賊たちの頭を撃ち抜いていった。
海賊たちは悲鳴を上げながら無重力の世界へと飛ばされていった。頑丈なフェイスヘルメットを被っていても強烈な熱線までは防ぎきれないということだろう。
ジョウジは威嚇のためもう一度ビームライフルの銃口を構えていった。
「ちくしょう! よくもオレの仲間を!」
ルドルフはそれまでの武器にしていた電流鞭の代わりとして腰に下げていたビームソードを抜いて修也の元へと向かっていった。
自らに向かって襲い掛かってきたルドルフに対して修也は残っていたレーザーガンを取り出し、その引き金を引いていった。
レーザー光線は心臓や頭部といった箇所には直撃しなかったが、肩や膝などの箇所にはレーザー光線が直撃していった。
光線の直撃を受けたルドルフがもがき苦しんでいるのが見えた。修也はその隙を逃すことなく、レーザーガンを突き付けながら甲板の上で体をのたうち回らせるルドルフの元へと向かっていった。
「わ、わかった。何をすればいい?」
部下の男が困惑した顔を浮かべながら問い掛けた。その問い掛けをジョウジが翻訳して修也の耳元に囁いていく。
ジョウジを介して意味を理解した修也は大きな声で叫んだ。当然その言葉は日本語である。
「まず、麗俐とカエデを連れて来い! それから悠介の応急手当てをしろ! 最後にオレたちから奪い取った積荷を返して、オレたちを解放しろ!」
修也の発した要求は海賊たちにも随分と譲歩したものだった。少なくとも通訳でその要求を忠実に伝えたジョウジにはそう思えた。
というのも、修也の要求は別にこれをきっかけに各国の警察に引き渡すわけでもなかったし、海賊たちからこれまでの略奪品を取ろうとしたものでもなかったのだ。
ただ、略奪前の状態に戻せと要求しているだけに過ぎない。修也からすればこれが今の自分たちの抱えている課題を全て解決し、物事を上手く収めるための最善策だったのだ。
だが、海賊たちはジョウジの通訳を聞くのと同時に修也を双眸に真白い光を宿して睨み付けていた。
前兆であるルドルフに至ってはジョウジの翻訳を聞きながら歯をギリギリと鳴らしていた。奪ったものに対して惜しむものがあったらしい。大きな声で怒鳴り散らすように手下たちへと訴え掛けていった。
「テメェら! こんな奴の要求を呑むんじゃあない!!」
「黙れッ! 命が惜しくないのか!?」
ジョウジによって意味を介した修也はヘルメット越しではありつつも、その首元にビームソードを突き付けながら脅すように問い掛けた。
「いいや、惜しくなんかないね。少なくとも敵に屈するのは軍人として恥ずべきものなんだぜ」
軍人? 修也はルドルフの顔を見ながら首を傾げていった。その顔は本当の軍人のように堂々とした顔を浮かべていた。
軍籍を剥奪されたというのにも関わらず、ルドルフはまだ軍人のつもりでいるらしい。
呆れて物も言えなかった。修也は溜息を吐いていった。
しかし呆れてはいたものの、腕を掴む力を緩めはしなかった。相変わらず修也に腕を掴まれて動けずにいる。
手下たちもボスを人質に取られれば動けずにいた。手下たちは舌を打ちながらも修也の要求に応えていった。
別の独房に捕らえていた麗俐とカエデの両名を連れてきた後で別の手下が応急手当ての用意を持って貨物室に現れた。
ジョウジが持ってきた応急手当ての箱を受け取り、『ロトワング』を解除した悠介の怪我を手当していった。
その後でジョウジは麗俐に『エンプレスト』のカプセルを渡した。
これで三人の持つ『ロトワング』が全て手元に戻ったことになる。安堵の顔を浮かべた修也たちの横で二名のアンドロイドが淡々と海賊たちに奪い取られた荷物を回収しているのが見えた。
しばらくの間、貨物室とスコーピオン号との往復が続いていたが、荷物が最終になるのと同時にカエデが一息を吐いて言った。
「これで後は外に出るだけですね」
「えぇ、先を急ぎましょう。なにせ五つも星をめぐらせなけれはなりませんしね」
ジョウジはそのまま両手に抱えて圧縮された荷物が入った箱や巨大鞄などを持って宇宙船の外へと向かっていった。
その後でカエデが続いていく。麗俐も手が空いていたが、彼女は荷物に詳しくなかったということや弟である悠介の具合を見ていたこともあって参加していなかったのだ。
ルドルフは首元にビームソードを突き付けられている状況にありながらも自分たちが奪ったはずの荷物が奪還されている場面を忌々しげに見つめていた。
「……クソッタレ」
ようやく口から出てきた言葉はなんの捻りもない罵声に過ぎなかった。
ようやく荷物を入れ替えたところでルドルフはそのまま宇宙船の外へと連れ出されていった。
「おい、いつになったらオレを解放するんだ?」
ルドルフは機嫌が悪そうに英語で修也を怒鳴っていたものの、修也は英語を理解していない。
そのため耳を貸すこともなくルドルフを宇宙船へと引き摺っていた。
その後を追ってフェイスヘルメットを被ったルドルフの部下たちが追いかけてくるのが見えた。
海賊船の甲板の上では仲間たちが次々と『スコーピオン号』の中へと消えていくのが見えた。
後に残っていたのは修也とジョウジの二名だけであった。
修也は自分たちを追ってきた手下たちの前でルドルフを突き飛ばして解放しようとしていた。
だが、その際にルドルフは手下の元に向かわずに飛び掛かって修也を襲っていった。予定外の反応に修也は対処することができず地面の上に押し倒されてしまった。修也が握っていたビームソードが空中の上を飛んでいった。
「う、うわぁ」
と、情けない悲鳴が漏れていった。悲鳴を上げたままルドルフが覆い被さり、馬乗りになっていた。それから拘束された時のお返しだとばかりに強烈な右フックを浴びせていった。
顎に強烈な一撃を喰らった修也は悲鳴を上げて地面の上に倒れ込んだ。
だが、ルドルフは修也の口から漏れた弱々しい声を聞いても容赦することなく、人質にされた屈辱を晴らさんとばかりにタコ殴りにしていった。
ジョウジはそれを見かねたのか、ビームライフルを構えてルドルフの命を狙っていった。
だが、その背後にいた手下たちはビームライフルを構えながらジョウジを狙っていた。
ジョウジは銃口を見て思わずビームライフルを落としてしまいそうになった。ギリギリのところで踏み止まったのはアンドロイドとしての冷静な面が働いたからだった。
ここで恐怖心に囚われ、銃を落としてしまえばルドルフを狙えるという有利な立ち位置も失ってしまうことになり、より一層の不利な状態へと陥ってしまうことになるのだ。
ジョウジはそのことだけは避けたかった。
ジョウジは警告の意図も含めて馬乗りになっているルドルフに向かって銃口を構えていった。
自分にできることはこれだけしかない。後は修弥の活躍に期待するしかなかった。修也が自力でルドルフを乗り切ることを祈るしかできなかったのだ。
ジョウジの祈願も虚しく、修也はルドルフに殴られ続けていた。
このままではパワードスーツが壊れかねない。修也は命の危機を感じ取っていた。
その時だ。修也は自らの頭をルドルフの頭にぶつけて頭痛を生じさせることに成功した。頭突きを喰らったことによってフラフラとしたルドルフの頭部に向かって修也は勢いよく拳をぶつけていった。
勢いのある拳を受けたルドルフは悲鳴を上げながら地面の上へと倒れ込んでいった。
その隙を逃すことなく、修也はルドルフを跳ね除けてそのままお返しとばかりに腹を勢いよく蹴り付けていった。
「や、野郎! よくもボスを!」
黒色の戦闘スーツに身を包んだルドルフの手下たちは真っ黒なフェイスヘルメットの下で眉間に皺を寄せながらビームライフルを突き付けていった。
ジョウジは今こそが反撃の機会だとばかりにビームライフルの引き金を引いて次々と甲板の上に居た宇宙海賊たちの頭を撃ち抜いていった。
海賊たちは悲鳴を上げながら無重力の世界へと飛ばされていった。頑丈なフェイスヘルメットを被っていても強烈な熱線までは防ぎきれないということだろう。
ジョウジは威嚇のためもう一度ビームライフルの銃口を構えていった。
「ちくしょう! よくもオレの仲間を!」
ルドルフはそれまでの武器にしていた電流鞭の代わりとして腰に下げていたビームソードを抜いて修也の元へと向かっていった。
自らに向かって襲い掛かってきたルドルフに対して修也は残っていたレーザーガンを取り出し、その引き金を引いていった。
レーザー光線は心臓や頭部といった箇所には直撃しなかったが、肩や膝などの箇所にはレーザー光線が直撃していった。
光線の直撃を受けたルドルフがもがき苦しんでいるのが見えた。修也はその隙を逃すことなく、レーザーガンを突き付けながら甲板の上で体をのたうち回らせるルドルフの元へと向かっていった。
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