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宇宙海賊ランツベルク一味
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修也は市役所で宇宙に旅立つための諸々の手続きを終えた後で市立の図書館へと向かっていた。
市立の図書館で借りた本を返しにきていたのだ。これで地球に残していた用事は全て終了となる。
宇宙に旅立つための許可は全て取り終えているし、本日の会社においての業務は全て終えている。残った時間は家族と共に自宅でのんびりと過ごさせてもらう予定だった。
通勤から帰る人たちを乗せた人混みに紛れながら電車に揺られながら修也は町田駅に辿り着いた。
しばらく駅から歩いて家に到着した。それからセキリュティを通過して玄関をくぐり、少しばかり書斎兼寝室でのんびりと過ごすことにした。
宇宙に旅立つとこの部屋で過ごすことはできなくなるので、最後の時間だとばかりに腕を伸ばしながらゆっくりと過ごしていく。
部屋の中にある安楽椅子に深く腰を埋めながらハードカバーの本を開いて、修也はここ一週間の出来事を振り返っていた。
国会議事堂を占領したソグとの戦いの後で修也は病院の中へと連れ込まれて、過労のため一日中眠っていたらしい。
その後は病院のベッドで眠りながらの尋問である。政府の偉い人物から質問を受け、それに対応する形で言葉を交わしていく自分。
ソグや『フォールアウト』との戦いは詳細に記録され、惑星ベルにおける彼との出会いも綿密に書き記されていった。
そうしてベッドの上に横たわりながらの尋問は一日中続くことになった。
個人的にはあれだけの大きな事件が起きたというのにも関わらず、尋問が一日で終わったというのは奇跡だと言うべきだろう。
修也の退院は尋問が終わった後の翌日のことであった。
それから後は再び無重力空間で無重力に慣れるための訓練や武器を使っての訓練である。
前回覚えたはずの座学や護身術の復習までさせられたのには本当に辟易してしまった。
最終訓練の日には空手の指導役でたる江田山から親子三人で絞られることになったのはいい思い出である。
江田山は女性である麗俐にも容赦なく指導したので、麗俐は殺意に満ちた目で江田山を睨んでいた。
が、そんな反抗的な態度がまた江田山の指導心を刺激したらしい。
麗俐は江田山に何度も投げ飛ばされる羽目になってしまった。
「ちくしょう。ぶっ殺してやる」
「やめなさい。確かに憎くなる気持ちはわかるが、そんなことを言ったら麗俐の品位まで疑われてしまうからね」
修也は帰りの電車の中で口汚い言葉を発した娘を親として窘めてみたものの、麗俐は気にする素振りを見せなかった。
それどころか、ますます強い口調で江田山を批判していった。
「分かった。分かった。愚痴や毒なら家で聞くからさ」
悠介がそう窘めたことで、麗俐はようやく正気を取り戻したらしい。
最終試験の日、麗俐はひろみが用意した豚の生姜焼きを食べながら愚痴を吐き出していた。
これに関しては家族全員が辟易していた。麗俐が構うことなく、どこまでも愚痴や毒を食卓の上で吐き出していたことが要因だった。
お陰でその日はどこか不味い空気が漂っていたまま夕食の時間は過ぎ去っていった。
その翌日は座学と無重量空間における射撃訓練のみだったので麗俐の口から愚痴が出るようなことはなかった。
そうした諸々のことがありつつも最終試験を三人で乗り越えることができたのは幸いであった。
最終日は悠介も麗俐も訓練ではなく、学校に登校していた。その代わりに修也は三人分の手続きを区役所で済ませていたのだ。
学校もしばらくは通うことができない。そのため学校に行っておくのはいいことである。そうした思いから修也は三人分の手続きを引き受けていたのだ。
修也がそんなことを考えていると、階下からチャイムが鳴る音が聞こえてきた。
どうやら二人が部活を終えて帰ってきたらしい。
もうそろそろ夕食の時間ということになるだろう。修也がハードカーバーの続きを読んでいた時のことだ。
階下からひろみの呼ぶ声が聞こえてきた。
「あなたー、ご飯よー」
「分かった。すぐに行く」
修也はそれまで読んでいたハードカバーを閉じ、台所へと向かっていった。
台所の机の上には唐揚げ定食が並べられていた。冷凍のものではなく、ひろみがわざわざ手作りで揚げてくれたものだ。
「どうしたんだ? こんなに丁寧に作ってくれて……」
「だって三人とも宇宙に行っちゃうんだもん。私だって張り切っちゃうよ」
ひろみはそういって修也たちに向かって笑いかけた。それから腕によりをかけたと言う証拠を見せるためか、三人に向かって腕を捲ってみせた。
「ありがとう。お母さん、この唐揚げ本当に美味しいよ」
「うん、これでご飯五杯くらいはいけるかな」
麗俐と悠介がそれぞれ唐揚げを箸で掴みながら賞賛の言葉を口に出していった。
「ありがとう。絶対にまた宇宙から帰ってきてお母さんの唐揚げ食べてよね」
ひろみは子どもたちに向かって笑顔を向けていたものの、それはどこか弱々しい笑顔であった。
笑顔の中には自分以外の家族が全て宇宙へ旅立ってしまうことに対する不安があるのだろう。
そんな母親の苦悩がわかるとばかりに麗俐はご飯をよそおい、そのまま唐揚げをおかずにご飯を口にしていった。
悠介に至ってはご飯を二度もお代わりしていた。
二人とも出発前に少しでも笑顔を見せようと必死だったのだ。
修也は子どもたちの代わりに妻であるひろみの元に寄り掛かって、その肩を優しく摩っていった。
「なぁ、ひろみ。この後、二人で語らないか? 子どもたちは明日の用意があるだろうし」
「フフッ、あなたもあるでしょ?」
「少しくらいなら平気さ」
修也は食後にはここぞとばかりに親の権限を使うつもりでいた。
夕食の片付けが終わり、その後で今度は修也がひろみをもてなす番だった。
冷蔵庫から冷凍のおつまみを取り出し、その後で日本酒を取り出していく。
お猪口とお銚子を用意してその中に日本酒を注いでいった。この時のおつまみはさやいんげんと茄子の山椒醤油和えとイカの塩辛であった。
「さぁ、飲んでくれ、今日用意したのは『卑弥呼の舞』だ。一緒に楽しもうじゃあないか」
「ありがとう」
修也はお猪口からひろみの持つお銚子の中に酒を注いでいった。
勿体無いとばかりにゆっくりと口を付けていった。
イカの塩辛をそれぞれの箸で掴んだ後で山椒醤油の垂れた少し辛めのさやいんげんや茄子を口にしていった。
この時夫婦は出発前までの僅かな時間を楽しんだ。そのせいか、修也は出発当日に遅刻ギリギリという時間で目を覚ます羽目になってしまった。
息を切らした様子で空港を訪れた修也を二人のアンドロイドばかりか、子どもたちまでも軽蔑の目で修也を見つめていた。
「大津さん、どうも昨晩に飲み過ぎたみたいですね。悠介さんたちから聞きましたよ」
ジョウジは呆れたように言った。
「みたいだね。だって、お父さん、オレたちを部屋に帰らせた後もお母さんと酒を呑んでたし」
悠介の補足ともいえる説明を聞いて全員が呆れた目で修也を見つめていた。
「とにかく、急ぎましょう。今回の交易は初回の惑星も含めて、五つほど存在しておりますので、急いだ方がよろしいでしょう」
「五つも!?」
カエデの説明を聞いて修也は目を丸くしていた。
「えぇ、それに荷物ばかりではなく、人数も増えておりますので、前回よりも巨大な船で向かいます」
カエデは宇宙船発着場の隅に停まっていた大きなロケットを指しながら言った。
「前回のロケットの倍はある貨物室が存在するばかりではなく、各個人の個室や全員で使う食堂スペースが存在します。製造元も日本ではなく、アメリカから輸入した特製品だということです」
「あ、アメリカ製!? そんな上等なものを……その上、こ、個室まであるんですか!?」
前回の旅では惑星に停まった時以外の時間は宇宙船の椅子で眠りながら時間を過ごしていた修也からすればいたせり尽せりの設備だった。
豪華客船でも訪れているかのような心境であった。
「社長はこのロケットを『スコーピオン号』と名付けられました。蠍が狙った相手の体に毒を打ち込んだ確実に殺すように取り引きを成功させるためにそう名付けられたそうです」
カエデの説明を聞いて修也たちは思わず生唾を飲み込んでいった。
それから身体検査を済ませた一行はスーツケースを持ったまま『スコーピオン号』の中へと入っていった。
『スコーピオン号』は運転スペース、ミーティングルームも兼ねていると思われる食堂スペース、そして五人分の個室が用意されていた。
個室といってもベッドと衣装箪笥、机と椅子、そして窓が見えるだけの簡素な部屋であった。
初めて宇宙に出た悠介と麗俐は個室と聞いてホテルの部屋のように豪華な部屋を連想していたのか、少し落胆した様子を見せていたが、修也は不安を覚えるばかりだった。
あとがき
本日より『カプセルトイ』という記述を『カプセル』に表記統一させていただきます。
また、本日より『カプセルトイ』と記された場所を『カプセル』と表記させていただこうと思います。
市立の図書館で借りた本を返しにきていたのだ。これで地球に残していた用事は全て終了となる。
宇宙に旅立つための許可は全て取り終えているし、本日の会社においての業務は全て終えている。残った時間は家族と共に自宅でのんびりと過ごさせてもらう予定だった。
通勤から帰る人たちを乗せた人混みに紛れながら電車に揺られながら修也は町田駅に辿り着いた。
しばらく駅から歩いて家に到着した。それからセキリュティを通過して玄関をくぐり、少しばかり書斎兼寝室でのんびりと過ごすことにした。
宇宙に旅立つとこの部屋で過ごすことはできなくなるので、最後の時間だとばかりに腕を伸ばしながらゆっくりと過ごしていく。
部屋の中にある安楽椅子に深く腰を埋めながらハードカバーの本を開いて、修也はここ一週間の出来事を振り返っていた。
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その後は病院のベッドで眠りながらの尋問である。政府の偉い人物から質問を受け、それに対応する形で言葉を交わしていく自分。
ソグや『フォールアウト』との戦いは詳細に記録され、惑星ベルにおける彼との出会いも綿密に書き記されていった。
そうしてベッドの上に横たわりながらの尋問は一日中続くことになった。
個人的にはあれだけの大きな事件が起きたというのにも関わらず、尋問が一日で終わったというのは奇跡だと言うべきだろう。
修也の退院は尋問が終わった後の翌日のことであった。
それから後は再び無重力空間で無重力に慣れるための訓練や武器を使っての訓練である。
前回覚えたはずの座学や護身術の復習までさせられたのには本当に辟易してしまった。
最終訓練の日には空手の指導役でたる江田山から親子三人で絞られることになったのはいい思い出である。
江田山は女性である麗俐にも容赦なく指導したので、麗俐は殺意に満ちた目で江田山を睨んでいた。
が、そんな反抗的な態度がまた江田山の指導心を刺激したらしい。
麗俐は江田山に何度も投げ飛ばされる羽目になってしまった。
「ちくしょう。ぶっ殺してやる」
「やめなさい。確かに憎くなる気持ちはわかるが、そんなことを言ったら麗俐の品位まで疑われてしまうからね」
修也は帰りの電車の中で口汚い言葉を発した娘を親として窘めてみたものの、麗俐は気にする素振りを見せなかった。
それどころか、ますます強い口調で江田山を批判していった。
「分かった。分かった。愚痴や毒なら家で聞くからさ」
悠介がそう窘めたことで、麗俐はようやく正気を取り戻したらしい。
最終試験の日、麗俐はひろみが用意した豚の生姜焼きを食べながら愚痴を吐き出していた。
これに関しては家族全員が辟易していた。麗俐が構うことなく、どこまでも愚痴や毒を食卓の上で吐き出していたことが要因だった。
お陰でその日はどこか不味い空気が漂っていたまま夕食の時間は過ぎ去っていった。
その翌日は座学と無重量空間における射撃訓練のみだったので麗俐の口から愚痴が出るようなことはなかった。
そうした諸々のことがありつつも最終試験を三人で乗り越えることができたのは幸いであった。
最終日は悠介も麗俐も訓練ではなく、学校に登校していた。その代わりに修也は三人分の手続きを区役所で済ませていたのだ。
学校もしばらくは通うことができない。そのため学校に行っておくのはいいことである。そうした思いから修也は三人分の手続きを引き受けていたのだ。
修也がそんなことを考えていると、階下からチャイムが鳴る音が聞こえてきた。
どうやら二人が部活を終えて帰ってきたらしい。
もうそろそろ夕食の時間ということになるだろう。修也がハードカーバーの続きを読んでいた時のことだ。
階下からひろみの呼ぶ声が聞こえてきた。
「あなたー、ご飯よー」
「分かった。すぐに行く」
修也はそれまで読んでいたハードカバーを閉じ、台所へと向かっていった。
台所の机の上には唐揚げ定食が並べられていた。冷凍のものではなく、ひろみがわざわざ手作りで揚げてくれたものだ。
「どうしたんだ? こんなに丁寧に作ってくれて……」
「だって三人とも宇宙に行っちゃうんだもん。私だって張り切っちゃうよ」
ひろみはそういって修也たちに向かって笑いかけた。それから腕によりをかけたと言う証拠を見せるためか、三人に向かって腕を捲ってみせた。
「ありがとう。お母さん、この唐揚げ本当に美味しいよ」
「うん、これでご飯五杯くらいはいけるかな」
麗俐と悠介がそれぞれ唐揚げを箸で掴みながら賞賛の言葉を口に出していった。
「ありがとう。絶対にまた宇宙から帰ってきてお母さんの唐揚げ食べてよね」
ひろみは子どもたちに向かって笑顔を向けていたものの、それはどこか弱々しい笑顔であった。
笑顔の中には自分以外の家族が全て宇宙へ旅立ってしまうことに対する不安があるのだろう。
そんな母親の苦悩がわかるとばかりに麗俐はご飯をよそおい、そのまま唐揚げをおかずにご飯を口にしていった。
悠介に至ってはご飯を二度もお代わりしていた。
二人とも出発前に少しでも笑顔を見せようと必死だったのだ。
修也は子どもたちの代わりに妻であるひろみの元に寄り掛かって、その肩を優しく摩っていった。
「なぁ、ひろみ。この後、二人で語らないか? 子どもたちは明日の用意があるだろうし」
「フフッ、あなたもあるでしょ?」
「少しくらいなら平気さ」
修也は食後にはここぞとばかりに親の権限を使うつもりでいた。
夕食の片付けが終わり、その後で今度は修也がひろみをもてなす番だった。
冷蔵庫から冷凍のおつまみを取り出し、その後で日本酒を取り出していく。
お猪口とお銚子を用意してその中に日本酒を注いでいった。この時のおつまみはさやいんげんと茄子の山椒醤油和えとイカの塩辛であった。
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「ありがとう」
修也はお猪口からひろみの持つお銚子の中に酒を注いでいった。
勿体無いとばかりにゆっくりと口を付けていった。
イカの塩辛をそれぞれの箸で掴んだ後で山椒醤油の垂れた少し辛めのさやいんげんや茄子を口にしていった。
この時夫婦は出発前までの僅かな時間を楽しんだ。そのせいか、修也は出発当日に遅刻ギリギリという時間で目を覚ます羽目になってしまった。
息を切らした様子で空港を訪れた修也を二人のアンドロイドばかりか、子どもたちまでも軽蔑の目で修也を見つめていた。
「大津さん、どうも昨晩に飲み過ぎたみたいですね。悠介さんたちから聞きましたよ」
ジョウジは呆れたように言った。
「みたいだね。だって、お父さん、オレたちを部屋に帰らせた後もお母さんと酒を呑んでたし」
悠介の補足ともいえる説明を聞いて全員が呆れた目で修也を見つめていた。
「とにかく、急ぎましょう。今回の交易は初回の惑星も含めて、五つほど存在しておりますので、急いだ方がよろしいでしょう」
「五つも!?」
カエデの説明を聞いて修也は目を丸くしていた。
「えぇ、それに荷物ばかりではなく、人数も増えておりますので、前回よりも巨大な船で向かいます」
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「前回のロケットの倍はある貨物室が存在するばかりではなく、各個人の個室や全員で使う食堂スペースが存在します。製造元も日本ではなく、アメリカから輸入した特製品だということです」
「あ、アメリカ製!? そんな上等なものを……その上、こ、個室まであるんですか!?」
前回の旅では惑星に停まった時以外の時間は宇宙船の椅子で眠りながら時間を過ごしていた修也からすればいたせり尽せりの設備だった。
豪華客船でも訪れているかのような心境であった。
「社長はこのロケットを『スコーピオン号』と名付けられました。蠍が狙った相手の体に毒を打ち込んだ確実に殺すように取り引きを成功させるためにそう名付けられたそうです」
カエデの説明を聞いて修也たちは思わず生唾を飲み込んでいった。
それから身体検査を済ませた一行はスーツケースを持ったまま『スコーピオン号』の中へと入っていった。
『スコーピオン号』は運転スペース、ミーティングルームも兼ねていると思われる食堂スペース、そして五人分の個室が用意されていた。
個室といってもベッドと衣装箪笥、机と椅子、そして窓が見えるだけの簡素な部屋であった。
初めて宇宙に出た悠介と麗俐は個室と聞いてホテルの部屋のように豪華な部屋を連想していたのか、少し落胆した様子を見せていたが、修也は不安を覚えるばかりだった。
あとがき
本日より『カプセルトイ』という記述を『カプセル』に表記統一させていただきます。
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