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第二章『共存と滅亡の狭間で』
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「テメェ! 生意気なんだよ! 人殺しのくせに! 何様のつもりだ!?」
駅のホームに備えられたトイレの端で愛太郎は悠介の肩を強く突き飛ばしながら叫んだ。
「人殺し? なんのことだよ」
悠介は事実無根だとばかりに何度も問い掛けた質問をもう一度愛太郎に向かって投げ掛けた。
「惚けるな。お前のことだよ。電子ニュース見たぜ、お前を誘拐してたアンドロイドのうち一体を破壊したんだろ? アンドロイドはなぁ、今じゃほとんど人間と変わらない扱いってことを忘れてねぇか?」
愛太郎は低い声を出して言った。
「だからどうしたっていうんだよ? あの場合は倒さなきゃオレが倒されてたんだぜ」
悠介の言葉は正論だった。事実あの事件はその日のうちに正当防衛だと結論付けられ、調書も取られなかった。
「嘘を吐くな!」
だが、愛太郎は法も秩序も無視して自身の感情だけで力任せに悠介をトイレの壁の中へとぶつけた後にその腹を思いっきり殴っていった。
悠介は愛太郎の拳を受けてゴホゴホッと弱々しい息を吐いていった。
だが、容赦することなく何度もその腹に向かって拳を落とし続けていった。
悠介はそのまま耐えきれなくなり、地球の重力に引っ張られ、トイレの床タイルの上に倒れていこうとした。
だが、愛太郎はそれすらも許さなかった。悠介の服の襟の部分を引っ張り上げたかと思うと、執拗に悠介の腹に向かって攻撃を繰り出していった。
悠介の腹は一応バスケットボールで鍛えていたということもあって腹筋は割れていたし、そこそこに頑丈な腹をしていてはいた。
それでもボクサーやプロレスラーではない。執拗な攻撃には耐え切ることができず、悠介は殴られるたびに小さな悲鳴を上げていった。
弱っていく悠介の姿を見て愛太郎は却って面白く思えたのかもしれない。愉悦感のような思いさえ胸に抱いていたのかもしれない。
性格の悪い愛太郎はニヤニヤと笑いながら悠介へと拳を繰り出していった。悠介がとうとう涙を流しそうになった時だ。
「な、何をやってるんだッ!」
と、扉の向こうから利用者と思われる中年の男の声が聞こえた。それを見た愛太郎は慌ててその場から止めに入った利用者を突き飛ばしてトイレを後にしていった。
利用者は弱った様子の悠介に手を差し伸ばし、助け起こすと一部始終を聞こうとしていた。
だが、悠介としてはあまり話したいことではなかった。そのため『喧嘩で殴っただけだ』と釈明を入れ、そのままトイレを逃げるように後にした。後はまた愛太郎に捕まらないように警察署まで走っていくだけだった。
自分よりも少し先にトイレから抜け出した愛太郎に捕まらないように祈りながら悠介は警察署へと駆けていった。
幸いなことに駅の中で愛太郎に捕まえられるようなことはなかった。それでも恐怖心が勝ち、全力疾走で警察署へと駆け込んでいった。
警察署では息を切らした様子の悠介を見て尋常ではないと判断したのだろう。
両肩で息を切らしている悠介に向かってペットポトルに入った水を差し出しながら事情を問い掛けた。
「実は、大変なことが起きたんです」
悠介はトイレの中で起きたことやそれに繋がる自身のいじめの話を捜査員たちに語っていった。
だが、肝心の捜査員たちからの返事は味気ないものであった。
「うーん。そうは言ってもねぇ、証拠はあるの?」
「え、駅の監視カメラを見てください!」
悠介は声を張り上げながら言った。
「でもそこでは暴行とやらはされてないよね?」
捜査員は何気ない口調で言った。その顔は被害を受けている悠介を嘲笑っているかのようだった。
「こ、この傷が証拠です!」
悠介は服を捲り上げ、自らの負傷した腹部を見せながら言った。その腹部には青タンと呼ばれる深い傷が見えていた。その他にもこれまでのいじめで付いたと思われる細かい傷が付着していた。
だが、傷だらけの姿を見ても肝心の捜査員からの反応は味気ないものであった。
相変わらずの嫌味な口調で捜査員は見下ろすように言った。
「でも、その傷はキミがあのアンドロイドとの戦いで付着したかもしれないでしょ?」
「そ、そんな!」
「キミねぇ、虚偽の訴えをしたらどうなるか知ってる?虚偽罪だよ。100年前からこの法律はずっーと変わってないの。そりゃあね、日本だって法治国家である以上は時代の流れに沿って付け加えたり、消したりするものはあるよ。でも嘘を吐いたらダメだというのはその頃から変わってないんだよ。キミ、もし嘘だった場合は責任が持てるの?」
捜査員は面倒なことにならないように諭すように説教を行っているつもりでいた。事実捜査員は100年前の事例という歴史的事実を持ち出したことで自身が優れた討論者であるという自負に酔っていた。
だが、当人である悠介は困惑するばかりであった。そればかりではない。弱りきった表情を浮かべながら、
(……何を言っているんだ?こいつらは?)
と、嬉々とした表情で自身の弁舌に酔いしれている捜査員を親の仇でも睨むかのような目で睨み付けていた。
ここにきて警察の事なかれ主義という最悪の手技が発動したような気がした。
悠介は溜息を吐いてから楽しそうに長々とした話を繰り返している捜査員を遮り、悠介は失望を露わにした声で言った。
「すいません。もういいです」
その一言には自身を助けてくれない目の前の捜査員並びに警察組織に対する怒りと失望の感情が入り混じっていた。
情けない捜査員と組織を相手に肩を落としたまま警察署を後にした。どうでもよくなった悠介は捜査員たちからのどんな質問にも快く答えていた。
そのため調書がスムーズに進み、通常の時間よりも早く帰れることになったのだ。携帯端末を眺めると、携帯端末に表示された電子時計は正午を告げていた。
悠介は腹の虫を抑えるために栄養剤を口の中に放り込む。ガリガリとひとしきり噛んだ後にゴクリと噛み砕く。
いつも通りなんの味もしない。美味くもなければ不味くもないといういつもの味だ。
時間が保障されているにも関わらず、適当な飲食店やら喫茶店やらで昼食を食べなかったのは一刻も早く自宅に戻りたかったからだ。
悠介は全てを忘れて自宅で眠りたかった。眠って愛太郎から受けた傷のことを忘れたかった。
悠介がフラフラとしながら電車に乗り込んだ。電車の中で眠ろうかとも考えたが、上手く眠ることができなかった。
そのために電車の窓から流れる景色を見つめていると、電車のホームが見えてきた。
自身の最寄り駅の電車だ。そこには逃げたまま学校や部活をサボっていたのか、制服姿のままアイスクリームを片手にベンチの上で談笑する紗希と愛太郎の姿が見えた。
二人でいちゃつく姿を見るたびに悠介は心の中で怒りの感情が沸々と湧き起こっていた。
そして気が付けば電車から降りていき、ベンチの上で談笑する二人の元へと近付いていった。
フラフラと近付いてくる悠介の姿に二人は当初気が付かない素振りを見せていたのだが、直前まで来たところでようやくその存在に気が付いたのだろう。
愛太郎はニヤニヤと嘲笑いながら、紗希は汚物でも見るかのような目で悠介を見下ろしていた。
だが、悠介はそんな二人になど構うことなく声を震わせながら問い掛けた。
「なぁ、紗希、どうしてだよ? どうしてそんな奴と付き合ってるんだよ?」
悠介は大きく手を広げて信じられないと言わんばかりに両目を見開きながら問い掛けた。
「何って、紗希の方からオレに告白してきたんだぜ」
愛太郎はニヤニヤとした笑みを浮かべ、小馬鹿にしたような口調で言った。
「嘘だッ!」
愛太郎の言葉を信じたくなかった悠介はそう叫んだ後で、首を大きく横に振って愛太郎の言葉を否定しようとしていた。
「本当だよ。紗希がさぁ、やっぱりオレのことが好きだって言ってきたんだよ。なぁ、紗希?」
「そうだよ。だいたいあんたはもうバスケ部のエースどころか、バスケ部のお荷物じゃん」
「そうだよ、お前のせいでうちのバスケ部は白い目で見られてるんだぞッ!」
愛太郎はそう叫ぶと悠介の腹部を強く叩いていった。その時に悠介の懐から『ゼノン』が入ったカプセルがこぼれ落ちた。
悠介は拾い上げようとする愛太郎を押し除け、奪われまいとばかりに慌ててカプセルを拾い上げた。
「なんだよ、これ? 薬か?」
「違う。これは例のパワードスーツだよッ!」
「へぇ~、じゃあオレにも見せてくれよ」
「嫌だ!」
ハッキリとした拒絶の意思を聞いて愛太郎は怒りの感情が湧き上がってきたらしい。カプセルトイを強く握り締める悠介の腹を蹴り飛ばし、カプセルトイを奪おうとしていた。
ここまでくれば愛太郎もどこか意地にもなっていた部分があったのかもしれない。
だが、それ以上に格下になった悠介が自分に逆らったということが許せなかったものだと思われた。
意固地になった愛太郎はますますムキになって悠介の手からカプセルを奪い取ろうとしていた。
だが、その前に悠介はカプセルを押した。そして『ゼノン』の装甲を纏ったまま愛太郎へと襲い掛かっていった。
駅のホームに備えられたトイレの端で愛太郎は悠介の肩を強く突き飛ばしながら叫んだ。
「人殺し? なんのことだよ」
悠介は事実無根だとばかりに何度も問い掛けた質問をもう一度愛太郎に向かって投げ掛けた。
「惚けるな。お前のことだよ。電子ニュース見たぜ、お前を誘拐してたアンドロイドのうち一体を破壊したんだろ? アンドロイドはなぁ、今じゃほとんど人間と変わらない扱いってことを忘れてねぇか?」
愛太郎は低い声を出して言った。
「だからどうしたっていうんだよ? あの場合は倒さなきゃオレが倒されてたんだぜ」
悠介の言葉は正論だった。事実あの事件はその日のうちに正当防衛だと結論付けられ、調書も取られなかった。
「嘘を吐くな!」
だが、愛太郎は法も秩序も無視して自身の感情だけで力任せに悠介をトイレの壁の中へとぶつけた後にその腹を思いっきり殴っていった。
悠介は愛太郎の拳を受けてゴホゴホッと弱々しい息を吐いていった。
だが、容赦することなく何度もその腹に向かって拳を落とし続けていった。
悠介はそのまま耐えきれなくなり、地球の重力に引っ張られ、トイレの床タイルの上に倒れていこうとした。
だが、愛太郎はそれすらも許さなかった。悠介の服の襟の部分を引っ張り上げたかと思うと、執拗に悠介の腹に向かって攻撃を繰り出していった。
悠介の腹は一応バスケットボールで鍛えていたということもあって腹筋は割れていたし、そこそこに頑丈な腹をしていてはいた。
それでもボクサーやプロレスラーではない。執拗な攻撃には耐え切ることができず、悠介は殴られるたびに小さな悲鳴を上げていった。
弱っていく悠介の姿を見て愛太郎は却って面白く思えたのかもしれない。愉悦感のような思いさえ胸に抱いていたのかもしれない。
性格の悪い愛太郎はニヤニヤと笑いながら悠介へと拳を繰り出していった。悠介がとうとう涙を流しそうになった時だ。
「な、何をやってるんだッ!」
と、扉の向こうから利用者と思われる中年の男の声が聞こえた。それを見た愛太郎は慌ててその場から止めに入った利用者を突き飛ばしてトイレを後にしていった。
利用者は弱った様子の悠介に手を差し伸ばし、助け起こすと一部始終を聞こうとしていた。
だが、悠介としてはあまり話したいことではなかった。そのため『喧嘩で殴っただけだ』と釈明を入れ、そのままトイレを逃げるように後にした。後はまた愛太郎に捕まらないように警察署まで走っていくだけだった。
自分よりも少し先にトイレから抜け出した愛太郎に捕まらないように祈りながら悠介は警察署へと駆けていった。
幸いなことに駅の中で愛太郎に捕まえられるようなことはなかった。それでも恐怖心が勝ち、全力疾走で警察署へと駆け込んでいった。
警察署では息を切らした様子の悠介を見て尋常ではないと判断したのだろう。
両肩で息を切らしている悠介に向かってペットポトルに入った水を差し出しながら事情を問い掛けた。
「実は、大変なことが起きたんです」
悠介はトイレの中で起きたことやそれに繋がる自身のいじめの話を捜査員たちに語っていった。
だが、肝心の捜査員たちからの返事は味気ないものであった。
「うーん。そうは言ってもねぇ、証拠はあるの?」
「え、駅の監視カメラを見てください!」
悠介は声を張り上げながら言った。
「でもそこでは暴行とやらはされてないよね?」
捜査員は何気ない口調で言った。その顔は被害を受けている悠介を嘲笑っているかのようだった。
「こ、この傷が証拠です!」
悠介は服を捲り上げ、自らの負傷した腹部を見せながら言った。その腹部には青タンと呼ばれる深い傷が見えていた。その他にもこれまでのいじめで付いたと思われる細かい傷が付着していた。
だが、傷だらけの姿を見ても肝心の捜査員からの反応は味気ないものであった。
相変わらずの嫌味な口調で捜査員は見下ろすように言った。
「でも、その傷はキミがあのアンドロイドとの戦いで付着したかもしれないでしょ?」
「そ、そんな!」
「キミねぇ、虚偽の訴えをしたらどうなるか知ってる?虚偽罪だよ。100年前からこの法律はずっーと変わってないの。そりゃあね、日本だって法治国家である以上は時代の流れに沿って付け加えたり、消したりするものはあるよ。でも嘘を吐いたらダメだというのはその頃から変わってないんだよ。キミ、もし嘘だった場合は責任が持てるの?」
捜査員は面倒なことにならないように諭すように説教を行っているつもりでいた。事実捜査員は100年前の事例という歴史的事実を持ち出したことで自身が優れた討論者であるという自負に酔っていた。
だが、当人である悠介は困惑するばかりであった。そればかりではない。弱りきった表情を浮かべながら、
(……何を言っているんだ?こいつらは?)
と、嬉々とした表情で自身の弁舌に酔いしれている捜査員を親の仇でも睨むかのような目で睨み付けていた。
ここにきて警察の事なかれ主義という最悪の手技が発動したような気がした。
悠介は溜息を吐いてから楽しそうに長々とした話を繰り返している捜査員を遮り、悠介は失望を露わにした声で言った。
「すいません。もういいです」
その一言には自身を助けてくれない目の前の捜査員並びに警察組織に対する怒りと失望の感情が入り混じっていた。
情けない捜査員と組織を相手に肩を落としたまま警察署を後にした。どうでもよくなった悠介は捜査員たちからのどんな質問にも快く答えていた。
そのため調書がスムーズに進み、通常の時間よりも早く帰れることになったのだ。携帯端末を眺めると、携帯端末に表示された電子時計は正午を告げていた。
悠介は腹の虫を抑えるために栄養剤を口の中に放り込む。ガリガリとひとしきり噛んだ後にゴクリと噛み砕く。
いつも通りなんの味もしない。美味くもなければ不味くもないといういつもの味だ。
時間が保障されているにも関わらず、適当な飲食店やら喫茶店やらで昼食を食べなかったのは一刻も早く自宅に戻りたかったからだ。
悠介は全てを忘れて自宅で眠りたかった。眠って愛太郎から受けた傷のことを忘れたかった。
悠介がフラフラとしながら電車に乗り込んだ。電車の中で眠ろうかとも考えたが、上手く眠ることができなかった。
そのために電車の窓から流れる景色を見つめていると、電車のホームが見えてきた。
自身の最寄り駅の電車だ。そこには逃げたまま学校や部活をサボっていたのか、制服姿のままアイスクリームを片手にベンチの上で談笑する紗希と愛太郎の姿が見えた。
二人でいちゃつく姿を見るたびに悠介は心の中で怒りの感情が沸々と湧き起こっていた。
そして気が付けば電車から降りていき、ベンチの上で談笑する二人の元へと近付いていった。
フラフラと近付いてくる悠介の姿に二人は当初気が付かない素振りを見せていたのだが、直前まで来たところでようやくその存在に気が付いたのだろう。
愛太郎はニヤニヤと嘲笑いながら、紗希は汚物でも見るかのような目で悠介を見下ろしていた。
だが、悠介はそんな二人になど構うことなく声を震わせながら問い掛けた。
「なぁ、紗希、どうしてだよ? どうしてそんな奴と付き合ってるんだよ?」
悠介は大きく手を広げて信じられないと言わんばかりに両目を見開きながら問い掛けた。
「何って、紗希の方からオレに告白してきたんだぜ」
愛太郎はニヤニヤとした笑みを浮かべ、小馬鹿にしたような口調で言った。
「嘘だッ!」
愛太郎の言葉を信じたくなかった悠介はそう叫んだ後で、首を大きく横に振って愛太郎の言葉を否定しようとしていた。
「本当だよ。紗希がさぁ、やっぱりオレのことが好きだって言ってきたんだよ。なぁ、紗希?」
「そうだよ。だいたいあんたはもうバスケ部のエースどころか、バスケ部のお荷物じゃん」
「そうだよ、お前のせいでうちのバスケ部は白い目で見られてるんだぞッ!」
愛太郎はそう叫ぶと悠介の腹部を強く叩いていった。その時に悠介の懐から『ゼノン』が入ったカプセルがこぼれ落ちた。
悠介は拾い上げようとする愛太郎を押し除け、奪われまいとばかりに慌ててカプセルを拾い上げた。
「なんだよ、これ? 薬か?」
「違う。これは例のパワードスーツだよッ!」
「へぇ~、じゃあオレにも見せてくれよ」
「嫌だ!」
ハッキリとした拒絶の意思を聞いて愛太郎は怒りの感情が湧き上がってきたらしい。カプセルトイを強く握り締める悠介の腹を蹴り飛ばし、カプセルトイを奪おうとしていた。
ここまでくれば愛太郎もどこか意地にもなっていた部分があったのかもしれない。
だが、それ以上に格下になった悠介が自分に逆らったということが許せなかったものだと思われた。
意固地になった愛太郎はますますムキになって悠介の手からカプセルを奪い取ろうとしていた。
だが、その前に悠介はカプセルを押した。そして『ゼノン』の装甲を纏ったまま愛太郎へと襲い掛かっていった。
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