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第二章『共存と滅亡の狭間で』
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「えぇ、悠介を誘拐した!?」
昨晩から戻ってこない悠介の身を案じていた修也の耳に衝撃の事実が舞い込んできた。
「そうだ。今貴様の息子は我々の手で預かっている」
明らかに変声機で声を変えていると思われる声が電話口の向こうから聞こえてきた。既にその正体が『賞金稼ぎ』であるということや警察に伝えれば預かった悠介を殺すという旨の脅しは受けていた。
「ど、どうすれば悠介を返してくれるんだ?」
修也は声を震わせながら問い掛けた。
しばらくの沈黙の後に変声機の男は淡々とした声で言った。
「貴様の持つ『メトロイドスーツ』のカプセルと貴様の娘が持つ『エンプレスト』のカプセル、そしてメトロポリス社が新たに開発した『ロトワング』の新式モデル『ゼノン』が入ったカプセルを持ってこい」
「『ゼノン』? 聞き覚えのない言葉だが、それはなんの名称だ?」
「惚けるな。我々は知っているんだぞ。貴様の会社が新たな対異星獣や宇宙海賊、そして新しく異星人を相手にするため開発したという『ゼノン』の存在を」
「そう言われても知らないものは知らないというしかないよ」
修也の言葉は事実だった。そもそも修也はメトロポリス社の英雄とはいってもあくまでも一社員に過ぎないのだ。
会社の詳しい事情など知るはずがなかった。
だが、電話口の向こうは修也の事情など知らないらしい。尊大な口調で一方的に修也を捲し立てていった。
「フン、まぁいい。繰り返しいうが、とにかく『メトロイドスーツ』と『エンプレスト」、そして『ゼノン』が入ったカプセルを三日後の正午までに市立図書館の側にある森林公園の中にある二本松の下に持ってこい。話はそれからだ」
と、電話を切った。その後で修也は携帯端末を置き、居間の椅子の上で難しい顔を浮かべながら深く考え込む様子を見せていた。
「あなた、悠介にもし何かあったら……私」
「大丈夫だ、ひろみ。悠介は私が必ず助け出すさ」
修也は落ち着かせるために久し振りに妻の名前を呼んだ。それからその妻の肩を優しく抱きながら言った。
「なんたって、私は奴らの襲撃も二度も退けたんだ。今更こんなことくらいで怯えたりはしないさ」
不安な状況にありながらも揃って優しく肩を引き寄せ合う二人とは対照的に麗俐は激しい後悔の念に襲われ、死んだような暗い顔を浮かべていた。
もし昨日夕食の後で真摯な話し合いに応じていれば悠介は誘拐されずに済んだかもしれない。
激しい自己嫌悪に襲われつつも今の自分にできることは何も見当たらなかった。
麗俐が後悔の念に苛まれていた時だ。あの交渉の時以来すっかりと仲良くなっていたマリーから何気ない会話がメッセージアプリに届いていた。
メッセージの内容は今度のサロンでのお茶会はどうするという他愛のないものだった。
だが、麗俐はその他愛ないメッセージの上に弟の誘拐の件、そして『ゼノン』についての問い掛けを行っていった。
『ゼノン』に関する問い掛けは難しかったのか、しばらくの間メッセージアプリからは返答が返ってこなかった。
だが、しばらくの時間が経過した後に先ほどとは対照的な真面目な回答が返ってきた。
『承知しました。私も養父に詳しい話を伺ってみようと思います』
今の自分にできることはこの程度のものしかない。なんとも心細い処置だが、やらないよりはマシだ。麗俐はそう思っていた。
だが、意外にもこの麗俐の機転をきかした処置がこの誘拐事件の展開を二転も三転もさせて全員の運命を大きく変えることになったのだが、このことは当の本人たちですら想像しなかったことであった。
一方でマリーを通して誘拐のことを知ったフレッドセンは呆然とした表情でマリーを見つめていた。
「……なるほど、そういったことがあったんですね。しかし迷惑な話だ」
突然社長室から近所にあるカフェテリアのテラス席へと呼び出されたフレッドセンは不機嫌な様子を隠すこともなく言った。
「えぇ、ですからお養父様に『ゼノン』のカプセルトイを貸していただきたいと思いまして」
「単刀直入に回答を申し上げましょう。私の返事はノーです」
フレッドセンはキッパリと言い放った。異常なまでの速さで言い放つその姿から見て躊躇いの「た」の字さえも見えなかった。
「ノー? なぜです?」
マリーは義憤というよりかは純粋な疑問からフレッドセンへと問い掛けた。
「テロリストに屈することになるからですよ。考えてもみなさい。どうして我が社が粋を集めて作り上げた強力なパワードスーツをどうしてテロリストに渡さなくてはならないんですか?」
フレッドセンは鋭い目でマリーを睨み付けながら言った。その視線には『なぜ、わざわざそんなことを言わせた』と言わんばかりの意思が含まれていたように感じた。
「ですよねー」
マリーは養父の非常ともいえる言葉を聞いても怒る様子も見せず、楽しげな顔を浮かべて養父の言葉に同調するように小さく首を縦に動かした。そればかりではない。
タイミングよく店員によって運ばれてきたアメリカンコーヒーを受け取り優雅な様子で啜っていた。
そんな物分かりの良い娘を満足気な目で見つめながらフレッドセンは言った。
「そうです。ですが、ここで大津さんの息子さんを見捨ててしまっては私が叩かれてしまいます。『ゼノン』を出さないわけにはいかないでしょう」
「お養父様、本当によろしいんですの?」
「やむを得ないでしょう。しかしテロリスト共に『ゼノン』を渡すつもりなどは毛頭ありません」
フレッドセンはまたしても堂々と言い切った。これはワンマンのやり手社長でなければ行うことができない仕草だろう。
「では、どうなさいますの?」
「簡単な話です。『ゼノン』を装着してテロリスト共を葬り去ればいいんです。その役割をあなたに任せたい」
「畏まりました」
養父からの頼みだ。養女であり、メトロポリス社専属の始末係であるマリーが断れるはずがなかった。丁寧な一礼を行い、『ゼノン』が奪われることを阻止する役割りを了承することになった。
これで準備は整えられた。マリーは養父との会話を終えると、その足で大津宅へと向かっていった。
マリーは息子を誘拐されて不安がる大津一家に向かって養父から言われた言葉を修也たちに聞こえがいいように少し捻じ曲げてから話を始めていった。
「そ、そうですか! 私と共にお嬢様がーー」
「えぇ、ご安心ください。必ずあなたの息子さんを助け出してみせますから」
マリーは先ほどの養父との会話で見せたような柔和な笑みを浮かべながら答えた。
「ありがとう! マリーさん!」
麗俐は嬉しさのあまりに涙を流しながらマリーに向かって抱き着いていった。
マリーはそんな『お友達』を優しく抱き締めていった。
ただ唯一、大津家の中でひろみだけがマリーを訝しげな目で見つめていた。
そんな妻の不審な様子に修也が気が付いたのはマリーを含めた『ロトワング』の装着者たち三人で奪還計画を立てていた時のことだった。
「どうしたんだ? ずっと険しい顔をして」
修也は両眉を上げながらひろみに向かって問い掛けた。
「ねぇ、あなた、私あのお嬢さん、信頼できそうにないの」
「どうして? マリーさんは私の転校にも力を貸してくれたし、学校でも力になってくれているよ」
麗俐はきょとんと口を開きながら問い掛けた。
「……あたしにはねぇ、あのお嬢さんがどこか怖いんだよ」
ひろみはマリーに全幅と言わずとも相当の信頼を寄せている夫と娘に対して釘を刺すように言った。
だが、肝心の夫はそんな妻の心境など知る由もなく、ひどく呑気な調子で問い掛けた。
「怖い? そんなまさか、あのお嬢様に限って」
「いいや、あたしにはあのお嬢さんが何か空っぽの容器に見せかけの魂を入れて無理やり喋らされているような気がするんだ」
「考え過ぎだよ。マリーさんは学校でも人気者だし、転校して不安になった私にもすごくよくしてくれてるよ」
麗俐は自身の実例を持ち出してマリーの擁護を始めていった。
だが、ひろみは黙ったままだった。その後は何も言わずに話し合いに夢中になって栄養カプセルを取るのも忘れていた二人にすっかりと遅くなってしまった昼食を用意していった。
昼食というよりかは少し重めの3時のおやつだと称した方が的確かもしれない。
作戦の話し合いに夢中になり、すっかりと腹を減らした二人の前に用意したのは炒めたばかりの炒飯に深い器に入ったワカメスープ、そして冷凍の唐揚げを添えたものだった。
どこか手を抜いたメニューのようだったが、そんなことはない。
炒飯を炒めるのにも手間暇をかけたし、ワカメスープもインスタントではなく、ちゃんと手で拵えたものだ。
二人ともそれを理解してからか、文句を言うどころか、ひろみに向かって感謝の言葉を投げ掛けていた。
これで力を付けて修練を行っていこう。そんなことを考えながら修也は炒飯を載せたスプーンを口に運んでいった。
昨晩から戻ってこない悠介の身を案じていた修也の耳に衝撃の事実が舞い込んできた。
「そうだ。今貴様の息子は我々の手で預かっている」
明らかに変声機で声を変えていると思われる声が電話口の向こうから聞こえてきた。既にその正体が『賞金稼ぎ』であるということや警察に伝えれば預かった悠介を殺すという旨の脅しは受けていた。
「ど、どうすれば悠介を返してくれるんだ?」
修也は声を震わせながら問い掛けた。
しばらくの沈黙の後に変声機の男は淡々とした声で言った。
「貴様の持つ『メトロイドスーツ』のカプセルと貴様の娘が持つ『エンプレスト』のカプセル、そしてメトロポリス社が新たに開発した『ロトワング』の新式モデル『ゼノン』が入ったカプセルを持ってこい」
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「そう言われても知らないものは知らないというしかないよ」
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会社の詳しい事情など知るはずがなかった。
だが、電話口の向こうは修也の事情など知らないらしい。尊大な口調で一方的に修也を捲し立てていった。
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と、電話を切った。その後で修也は携帯端末を置き、居間の椅子の上で難しい顔を浮かべながら深く考え込む様子を見せていた。
「あなた、悠介にもし何かあったら……私」
「大丈夫だ、ひろみ。悠介は私が必ず助け出すさ」
修也は落ち着かせるために久し振りに妻の名前を呼んだ。それからその妻の肩を優しく抱きながら言った。
「なんたって、私は奴らの襲撃も二度も退けたんだ。今更こんなことくらいで怯えたりはしないさ」
不安な状況にありながらも揃って優しく肩を引き寄せ合う二人とは対照的に麗俐は激しい後悔の念に襲われ、死んだような暗い顔を浮かべていた。
もし昨日夕食の後で真摯な話し合いに応じていれば悠介は誘拐されずに済んだかもしれない。
激しい自己嫌悪に襲われつつも今の自分にできることは何も見当たらなかった。
麗俐が後悔の念に苛まれていた時だ。あの交渉の時以来すっかりと仲良くなっていたマリーから何気ない会話がメッセージアプリに届いていた。
メッセージの内容は今度のサロンでのお茶会はどうするという他愛のないものだった。
だが、麗俐はその他愛ないメッセージの上に弟の誘拐の件、そして『ゼノン』についての問い掛けを行っていった。
『ゼノン』に関する問い掛けは難しかったのか、しばらくの間メッセージアプリからは返答が返ってこなかった。
だが、しばらくの時間が経過した後に先ほどとは対照的な真面目な回答が返ってきた。
『承知しました。私も養父に詳しい話を伺ってみようと思います』
今の自分にできることはこの程度のものしかない。なんとも心細い処置だが、やらないよりはマシだ。麗俐はそう思っていた。
だが、意外にもこの麗俐の機転をきかした処置がこの誘拐事件の展開を二転も三転もさせて全員の運命を大きく変えることになったのだが、このことは当の本人たちですら想像しなかったことであった。
一方でマリーを通して誘拐のことを知ったフレッドセンは呆然とした表情でマリーを見つめていた。
「……なるほど、そういったことがあったんですね。しかし迷惑な話だ」
突然社長室から近所にあるカフェテリアのテラス席へと呼び出されたフレッドセンは不機嫌な様子を隠すこともなく言った。
「えぇ、ですからお養父様に『ゼノン』のカプセルトイを貸していただきたいと思いまして」
「単刀直入に回答を申し上げましょう。私の返事はノーです」
フレッドセンはキッパリと言い放った。異常なまでの速さで言い放つその姿から見て躊躇いの「た」の字さえも見えなかった。
「ノー? なぜです?」
マリーは義憤というよりかは純粋な疑問からフレッドセンへと問い掛けた。
「テロリストに屈することになるからですよ。考えてもみなさい。どうして我が社が粋を集めて作り上げた強力なパワードスーツをどうしてテロリストに渡さなくてはならないんですか?」
フレッドセンは鋭い目でマリーを睨み付けながら言った。その視線には『なぜ、わざわざそんなことを言わせた』と言わんばかりの意思が含まれていたように感じた。
「ですよねー」
マリーは養父の非常ともいえる言葉を聞いても怒る様子も見せず、楽しげな顔を浮かべて養父の言葉に同調するように小さく首を縦に動かした。そればかりではない。
タイミングよく店員によって運ばれてきたアメリカンコーヒーを受け取り優雅な様子で啜っていた。
そんな物分かりの良い娘を満足気な目で見つめながらフレッドセンは言った。
「そうです。ですが、ここで大津さんの息子さんを見捨ててしまっては私が叩かれてしまいます。『ゼノン』を出さないわけにはいかないでしょう」
「お養父様、本当によろしいんですの?」
「やむを得ないでしょう。しかしテロリスト共に『ゼノン』を渡すつもりなどは毛頭ありません」
フレッドセンはまたしても堂々と言い切った。これはワンマンのやり手社長でなければ行うことができない仕草だろう。
「では、どうなさいますの?」
「簡単な話です。『ゼノン』を装着してテロリスト共を葬り去ればいいんです。その役割をあなたに任せたい」
「畏まりました」
養父からの頼みだ。養女であり、メトロポリス社専属の始末係であるマリーが断れるはずがなかった。丁寧な一礼を行い、『ゼノン』が奪われることを阻止する役割りを了承することになった。
これで準備は整えられた。マリーは養父との会話を終えると、その足で大津宅へと向かっていった。
マリーは息子を誘拐されて不安がる大津一家に向かって養父から言われた言葉を修也たちに聞こえがいいように少し捻じ曲げてから話を始めていった。
「そ、そうですか! 私と共にお嬢様がーー」
「えぇ、ご安心ください。必ずあなたの息子さんを助け出してみせますから」
マリーは先ほどの養父との会話で見せたような柔和な笑みを浮かべながら答えた。
「ありがとう! マリーさん!」
麗俐は嬉しさのあまりに涙を流しながらマリーに向かって抱き着いていった。
マリーはそんな『お友達』を優しく抱き締めていった。
ただ唯一、大津家の中でひろみだけがマリーを訝しげな目で見つめていた。
そんな妻の不審な様子に修也が気が付いたのはマリーを含めた『ロトワング』の装着者たち三人で奪還計画を立てていた時のことだった。
「どうしたんだ? ずっと険しい顔をして」
修也は両眉を上げながらひろみに向かって問い掛けた。
「ねぇ、あなた、私あのお嬢さん、信頼できそうにないの」
「どうして? マリーさんは私の転校にも力を貸してくれたし、学校でも力になってくれているよ」
麗俐はきょとんと口を開きながら問い掛けた。
「……あたしにはねぇ、あのお嬢さんがどこか怖いんだよ」
ひろみはマリーに全幅と言わずとも相当の信頼を寄せている夫と娘に対して釘を刺すように言った。
だが、肝心の夫はそんな妻の心境など知る由もなく、ひどく呑気な調子で問い掛けた。
「怖い? そんなまさか、あのお嬢様に限って」
「いいや、あたしにはあのお嬢さんが何か空っぽの容器に見せかけの魂を入れて無理やり喋らされているような気がするんだ」
「考え過ぎだよ。マリーさんは学校でも人気者だし、転校して不安になった私にもすごくよくしてくれてるよ」
麗俐は自身の実例を持ち出してマリーの擁護を始めていった。
だが、ひろみは黙ったままだった。その後は何も言わずに話し合いに夢中になって栄養カプセルを取るのも忘れていた二人にすっかりと遅くなってしまった昼食を用意していった。
昼食というよりかは少し重めの3時のおやつだと称した方が的確かもしれない。
作戦の話し合いに夢中になり、すっかりと腹を減らした二人の前に用意したのは炒めたばかりの炒飯に深い器に入ったワカメスープ、そして冷凍の唐揚げを添えたものだった。
どこか手を抜いたメニューのようだったが、そんなことはない。
炒飯を炒めるのにも手間暇をかけたし、ワカメスープもインスタントではなく、ちゃんと手で拵えたものだ。
二人ともそれを理解してからか、文句を言うどころか、ひろみに向かって感謝の言葉を投げ掛けていた。
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