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第二章『共存と滅亡の狭間で』
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大津麗俐は十七歳になる高校二年生だ。誕生日が5月の初頭だということもあって同級生の中では年上の方だということを誇りに思っていたし、成績はクラスの中でトップだった。
それでいて体育の成績が悪いわけでもない。むしろ彼女は放課後のフェンシング部において積極的に活動し、美しい汗を流し日夜充実した日々を過ごしていた。
そんな文武両道の令嬢ともいうような麗俐にとってのストレス発散方法はアンドロイドの女生徒を攻撃することだった。
アンドロイドの生徒は各学校に配備されたいわゆるいじめ防止用のサンドバッグであった。これは日本国のみならず世界各国の政府がいじめ防止のために導入した一種のいじめ対策法案であった。
とはいえ、アンドロイドには人権が認められてきた現在においてこれは大っぴらに言われることではない。
アンドロイドの生徒たちは一応生徒として扱われるものの、いじめ対応は人間のそれとは雲泥の差であった。
こうして暗黙のルールとして人間が多い学校に送り込まれたアンドロイドは男女問わずにサンドバッグとして扱われているのが現状だ。
それはどこの国でも同じであり、人間の抱える根本的な闇だといってもよかった。
もっともこんなことをしても根本的な解決にならないことは未だにいじめ事件が発生していることからもよく分かる。
他にもアンドロイドの権利問題からこうしたサンドバッグを止めるように動いている人間も多い。
だが、全国各地の学校のどこにいるのか分からないいじめっ子たちの凶行を阻止するためにはこうした手段を取るより他になかったのだ。
事実各地の学校に潜むいじめっ子たちはアンドロイドを標的にして虐めることで満足しており、いじめの件数は21世紀と比較して随分と減少していた。
麗俐は自らの悪しき行動を今更後悔するつもりはなかった。他の生徒とてやってきてることではないか。
彼女は心の中でそう吐き捨てていた、
しかし今回の場合はやり過ぎた。対象のアンドロイドを粉々に壊してしまったのだ。彼女がそのような暴挙に出た理由はきっかけは午前中に受けたグループディスカッションの授業がきっかけだった。
「やっぱり、私はこの考えは間違いだと思うな」
「うん。私も同じ意見だよ。第一この考え方だと他の人は付いてこないってば。こんな難しい意見だと人は付いてこないからね。しかもこの意見は乱暴過ぎる。普通の人は引くからね。私としてはこの意見は間違っているって言いたいな」
「流石は麗俐さん!」
「よし、私たちはその意見でいこう!」
取り巻きたちの賞賛を受けて気を良くしていたところだ。
「待ってください」
ここでいじめ防止用に導入されたアンドロイドが口を挟んできたのだ。
麗俐は自らの意見を遮られてしまったということもあって機嫌を損ねたらしい。
双眸を細め、鋭い目で睨みながらアンドロイドに向かって問い掛けた。
「じゃあ、あんたはどういう意見なのよ? 教えてよ」
「確かに、この方の意見は少し乱暴だとは思います。ですが、私としては完成された意見だと思うんです」
「フン、そりゃあアンドロイドのあんたにはそう思えるのかもしれないけどね。けど、人間とアンドロイドは違うのよ。あんただけが納得できても意味がないでしょ?」
この時の麗俐は寝起きのライオンのように機嫌が悪かっということもあり、どこか突っ掛かるような口調で問い掛けた。
「いいえ、大津さんは少し誤解をなされておられるようですよ。この理論は噛み砕いていけば一般の方にも説明することができます」
「どういう風に?」
「簡単な話です。この方が仰られた理論は少し乱暴ではあります。しかしそれに対する解説を入れ、噛み砕いていけばきっと理解していけるはずなんです」
「噛み砕いてってどんな風に?」
「例えば身近な例えを使うんです。スーパーやショッピングモールを使えば誰でも理解できるでしょ? そうした例えを上手く使って分からない人たちに理論を説いていけば全てとは言わずともおおむねは理解できます」
取り巻きの数人は納得したような顔を浮かべていた。麗俐は悔しくて下唇を噛んでいた。
何より日頃から虐めている相手に手も足も出ないという事実は麗俐にとって拷問にも劣るような苦痛と悔しさだった。
授業中ワナワナと震えていた麗俐であったが、休み時間を告げる始業のベルが鳴り響いていったのかと思うと、麗俐は強引に虐めていた生徒の腕を引っ張っていき、校舎へと連れていこうとした。
しかしその前の踊り場でアンドロイドの生徒は麗俐の腕を振り払い、踊り場で麗俐を鋭い目で見つめていた。
「あんた、何のつもり? 何があってあんなことを言ったのよ」
「それは大津さんの意見に違和感持ったからです。違和感があれば異議を唱えて討論を交わす。その上全員で納得した意見を結論として発表する。それがディスカッションというものでしょう?」
「ふざけないでよッ!」
麗俐はこの時アンドロイドの少女が生意気にも正論を吐いたことに対する報復として軽く突き飛ばしただけだった。
これまで麗俐は幼い頃から戯れに友達を突き飛ばしてきたし、兄ともよくふざけて突き飛ばし合っていたが、それもよくあることだった。それにいつも麗俐はストレス解消の目的でアンドロイドの少女に突っかかってよく突き飛ばしていた。
本当によくあることだったのだ。
麗俐としてもまさかこれで相手が大変なことになるとは思いもしなかった。
勢いよく突き飛ばされたアンドロイドの生徒は地面の上を転がっていきそしてバラバラの機械へと変わっていってしまったのである。
地面の上に叩き付けられた際には大きな音が生じていったので物音を聞き付けた他の生徒や教師たちが階段に駆け付けてきた。
これでは生徒や教師たちからの包囲網から逃げることもできない。観念した麗俐は駆け付けた教師に一部始終を話すことに決めた。
もちろん自身にとって不利なことは話す必要はなかった。都合のいいように話を捻じ曲げ、アンドロイドの生徒が危害を加えようとしたから正当防衛で突き飛ばした。そう言いたかった。
だが、父親の修也は麗俐が嘘をしゃべっているということをしっかりと見抜いていた。
両目を凄ませながら麗俐を睨んでいった。
「本当にそうなのか?」
「しつこいなぁ、そう言ってるじゃん!」
「いじめ対策用のアンドロイドが人間を害したという話はこれまでに聞いたこともないぞ。お前嘘を吐いているんじゃあないのか?」
「嘘なんて言ってないってば!」
麗俐は長椅子の上から激昂して立ち上がっていった。そうして逆ギレをする姿が却って怪しかった。
怪しまれないように行なった行動が修也を確信に追い込んだのである。修也は両目を鋭く剣のように尖らせて威圧感を持たせるため低い声で言った。
「麗俐、本当のことをお父さんに言いなさい」
「だから今言ったのが本当のことだよ」
麗俐はあくまでもシラを切り通すつもりらしい。修也から視線を背けていた。
「……そうか」
修也は重い溜息を吐いて椅子の上から立ち上がっていった。それと同時に麗俐の担任だという中年の男性教師に向かって今後のことを相談していった。
教師に向かって平謝りの姿勢で謝っていた。
「ちょ、ちょっと! お父さん!」
娘である自分を無視して教師と何やら語り合う姿を見て麗俐は不満に思ったのか、椅子の上から立ち上がっていった。
だが、修也は娘の声など無視して教師との話のみを続けていった。
無視を決めて自分を居ない存在として扱う態度に麗俐は強い衝撃を受けた。
麗俐は父親が初めて娘の存在を無視したということになる。そのことを錯覚した時、麗俐は果てしない後悔の念に襲われた。自分はとんでもない過ちを犯してしまった。そんな後悔の念が頭の中を強く過っていた。
その後で修也は電子メモ帳に教師から言われるがままに何かの数字をメモしていた。
いや、あれは恐らく銀行口座の番号だろう。麗俐が壊してしまったアンドロイドの代金を弁償する場面なのだろう。
もう一度教師に向かって平謝り行う修弥であったが、すぐに麗俐の元に来て和かな口調で言った。
「麗俐、今日はもう帰ってもいいって先生が言ってくれてぞ。このまま帰ろうか」
「うん」
普通ならば惨めな姿を晒し、そのまま取り巻きたちに弁明することなく帰宅するなど考えられなかった。不思議なことに抵抗というものを感じなかった。
憑き物が落ちたように大人しくなった麗俐は素直に首を縦に動かした。
だが、麗俐が連れて行かれた先は自宅ではなく、高校の近くに設置された喫茶店だった。
古民家風のこじんまりとした今時珍しいと喫茶店であった。麗俐は修也に連れられるまま喫茶店の中へと入っていった。
それでいて体育の成績が悪いわけでもない。むしろ彼女は放課後のフェンシング部において積極的に活動し、美しい汗を流し日夜充実した日々を過ごしていた。
そんな文武両道の令嬢ともいうような麗俐にとってのストレス発散方法はアンドロイドの女生徒を攻撃することだった。
アンドロイドの生徒は各学校に配備されたいわゆるいじめ防止用のサンドバッグであった。これは日本国のみならず世界各国の政府がいじめ防止のために導入した一種のいじめ対策法案であった。
とはいえ、アンドロイドには人権が認められてきた現在においてこれは大っぴらに言われることではない。
アンドロイドの生徒たちは一応生徒として扱われるものの、いじめ対応は人間のそれとは雲泥の差であった。
こうして暗黙のルールとして人間が多い学校に送り込まれたアンドロイドは男女問わずにサンドバッグとして扱われているのが現状だ。
それはどこの国でも同じであり、人間の抱える根本的な闇だといってもよかった。
もっともこんなことをしても根本的な解決にならないことは未だにいじめ事件が発生していることからもよく分かる。
他にもアンドロイドの権利問題からこうしたサンドバッグを止めるように動いている人間も多い。
だが、全国各地の学校のどこにいるのか分からないいじめっ子たちの凶行を阻止するためにはこうした手段を取るより他になかったのだ。
事実各地の学校に潜むいじめっ子たちはアンドロイドを標的にして虐めることで満足しており、いじめの件数は21世紀と比較して随分と減少していた。
麗俐は自らの悪しき行動を今更後悔するつもりはなかった。他の生徒とてやってきてることではないか。
彼女は心の中でそう吐き捨てていた、
しかし今回の場合はやり過ぎた。対象のアンドロイドを粉々に壊してしまったのだ。彼女がそのような暴挙に出た理由はきっかけは午前中に受けたグループディスカッションの授業がきっかけだった。
「やっぱり、私はこの考えは間違いだと思うな」
「うん。私も同じ意見だよ。第一この考え方だと他の人は付いてこないってば。こんな難しい意見だと人は付いてこないからね。しかもこの意見は乱暴過ぎる。普通の人は引くからね。私としてはこの意見は間違っているって言いたいな」
「流石は麗俐さん!」
「よし、私たちはその意見でいこう!」
取り巻きたちの賞賛を受けて気を良くしていたところだ。
「待ってください」
ここでいじめ防止用に導入されたアンドロイドが口を挟んできたのだ。
麗俐は自らの意見を遮られてしまったということもあって機嫌を損ねたらしい。
双眸を細め、鋭い目で睨みながらアンドロイドに向かって問い掛けた。
「じゃあ、あんたはどういう意見なのよ? 教えてよ」
「確かに、この方の意見は少し乱暴だとは思います。ですが、私としては完成された意見だと思うんです」
「フン、そりゃあアンドロイドのあんたにはそう思えるのかもしれないけどね。けど、人間とアンドロイドは違うのよ。あんただけが納得できても意味がないでしょ?」
この時の麗俐は寝起きのライオンのように機嫌が悪かっということもあり、どこか突っ掛かるような口調で問い掛けた。
「いいえ、大津さんは少し誤解をなされておられるようですよ。この理論は噛み砕いていけば一般の方にも説明することができます」
「どういう風に?」
「簡単な話です。この方が仰られた理論は少し乱暴ではあります。しかしそれに対する解説を入れ、噛み砕いていけばきっと理解していけるはずなんです」
「噛み砕いてってどんな風に?」
「例えば身近な例えを使うんです。スーパーやショッピングモールを使えば誰でも理解できるでしょ? そうした例えを上手く使って分からない人たちに理論を説いていけば全てとは言わずともおおむねは理解できます」
取り巻きの数人は納得したような顔を浮かべていた。麗俐は悔しくて下唇を噛んでいた。
何より日頃から虐めている相手に手も足も出ないという事実は麗俐にとって拷問にも劣るような苦痛と悔しさだった。
授業中ワナワナと震えていた麗俐であったが、休み時間を告げる始業のベルが鳴り響いていったのかと思うと、麗俐は強引に虐めていた生徒の腕を引っ張っていき、校舎へと連れていこうとした。
しかしその前の踊り場でアンドロイドの生徒は麗俐の腕を振り払い、踊り場で麗俐を鋭い目で見つめていた。
「あんた、何のつもり? 何があってあんなことを言ったのよ」
「それは大津さんの意見に違和感持ったからです。違和感があれば異議を唱えて討論を交わす。その上全員で納得した意見を結論として発表する。それがディスカッションというものでしょう?」
「ふざけないでよッ!」
麗俐はこの時アンドロイドの少女が生意気にも正論を吐いたことに対する報復として軽く突き飛ばしただけだった。
これまで麗俐は幼い頃から戯れに友達を突き飛ばしてきたし、兄ともよくふざけて突き飛ばし合っていたが、それもよくあることだった。それにいつも麗俐はストレス解消の目的でアンドロイドの少女に突っかかってよく突き飛ばしていた。
本当によくあることだったのだ。
麗俐としてもまさかこれで相手が大変なことになるとは思いもしなかった。
勢いよく突き飛ばされたアンドロイドの生徒は地面の上を転がっていきそしてバラバラの機械へと変わっていってしまったのである。
地面の上に叩き付けられた際には大きな音が生じていったので物音を聞き付けた他の生徒や教師たちが階段に駆け付けてきた。
これでは生徒や教師たちからの包囲網から逃げることもできない。観念した麗俐は駆け付けた教師に一部始終を話すことに決めた。
もちろん自身にとって不利なことは話す必要はなかった。都合のいいように話を捻じ曲げ、アンドロイドの生徒が危害を加えようとしたから正当防衛で突き飛ばした。そう言いたかった。
だが、父親の修也は麗俐が嘘をしゃべっているということをしっかりと見抜いていた。
両目を凄ませながら麗俐を睨んでいった。
「本当にそうなのか?」
「しつこいなぁ、そう言ってるじゃん!」
「いじめ対策用のアンドロイドが人間を害したという話はこれまでに聞いたこともないぞ。お前嘘を吐いているんじゃあないのか?」
「嘘なんて言ってないってば!」
麗俐は長椅子の上から激昂して立ち上がっていった。そうして逆ギレをする姿が却って怪しかった。
怪しまれないように行なった行動が修也を確信に追い込んだのである。修也は両目を鋭く剣のように尖らせて威圧感を持たせるため低い声で言った。
「麗俐、本当のことをお父さんに言いなさい」
「だから今言ったのが本当のことだよ」
麗俐はあくまでもシラを切り通すつもりらしい。修也から視線を背けていた。
「……そうか」
修也は重い溜息を吐いて椅子の上から立ち上がっていった。それと同時に麗俐の担任だという中年の男性教師に向かって今後のことを相談していった。
教師に向かって平謝りの姿勢で謝っていた。
「ちょ、ちょっと! お父さん!」
娘である自分を無視して教師と何やら語り合う姿を見て麗俐は不満に思ったのか、椅子の上から立ち上がっていった。
だが、修也は娘の声など無視して教師との話のみを続けていった。
無視を決めて自分を居ない存在として扱う態度に麗俐は強い衝撃を受けた。
麗俐は父親が初めて娘の存在を無視したということになる。そのことを錯覚した時、麗俐は果てしない後悔の念に襲われた。自分はとんでもない過ちを犯してしまった。そんな後悔の念が頭の中を強く過っていた。
その後で修也は電子メモ帳に教師から言われるがままに何かの数字をメモしていた。
いや、あれは恐らく銀行口座の番号だろう。麗俐が壊してしまったアンドロイドの代金を弁償する場面なのだろう。
もう一度教師に向かって平謝り行う修弥であったが、すぐに麗俐の元に来て和かな口調で言った。
「麗俐、今日はもう帰ってもいいって先生が言ってくれてぞ。このまま帰ろうか」
「うん」
普通ならば惨めな姿を晒し、そのまま取り巻きたちに弁明することなく帰宅するなど考えられなかった。不思議なことに抵抗というものを感じなかった。
憑き物が落ちたように大人しくなった麗俐は素直に首を縦に動かした。
だが、麗俐が連れて行かれた先は自宅ではなく、高校の近くに設置された喫茶店だった。
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