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開発惑星『ベル』
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修也は何度目かに放った斬撃が弾き飛ばされてしまい絶望感を感じてしまった。
そればかりではない。不幸というものは続くものだ。『アストロン』の猛攻に押されてビームソードも水溜まりの中へと落ちていってしまった。
疲労や精神的な打撃も多く、修也の膝は崩れてしまいそのまま水溜まりの中に倒れてしまうことになった。
負けるたびに水を大量に浴びるのも嫌だった。大量の水が自身の涙を表しているかのように思えたからだ。
これでもう終わりだ。修也からは乾いた笑みが漏れていった。修也が兜の下で両目を閉じてこれまでの人生の回顧を始めていった。
それから恐る恐る両目を開いて修也が『アストロン』が握っている熱線を帯びた刃を見上げていた。これで頭をかち割られてしまうのだろう。と、考えていた時だ。自身の体が慌てて左横に飛んでいった。
どうやら身の危機を感じた体が無意識のうちに逃亡の道を選んだらしい。
その際に修也は水溜まりの中に落ちていたビームソードを拾い上げていった。
それを拾い上げていくと、両手に強く握り締めてもう一度勝てそうにない敵に向かっていった。
この時の修也は幼い頃に見た特撮ヒーロー番組の主人公になり切っていた。
幼い頃、テレビに映っていた特撮ヒーローは勝てそうにない敵を相手に果敢にも立ち向かっていっていた。
修也はそんなヒーローたちの背中を見て育っていたのだ。何も怖がる必要はない。
「お前たちにとって地球人というのは簡単に殺されるような弱い存在かもしれない!! だがな、人間には『愛』があるんだッ誰かを守りたいという『愛』! 大切な故郷を守りたいという『愛』がある限りお前たちにだって負けないんだぞッ!」
歳の割には無垢な幼稚園児のような言葉を使用してしまったことについては認めるしかあるまい。
だが、それでも修也はいとも簡単に惑星ベルに生息していた生き物たちの命を奪い取り、自分たちを野にいる虫か何かのように簡単に殺そうとする機動兵器に向かって言ってやりたかったのだ。
その時だ。いつもならば弾き返されるビームソードが『アストロン』の装甲の左肩を掠めたのだ。その時は特に狙いを定めたわけではなかった。やけくそになって勢いに任せた挙句、めちゃくちゃに剣を振っただけに過ぎなかったのだ。
だが、それでも装甲にヒビが入ったことは事実である。修也はその勢いに乗り、瞬時にヒビの割れた場所に向かってビームソードの突きによる攻撃を行った。
突きに出たビームソードは無事に『アストロン』が握っていた武器を無事に避け、先ほどのヒビにビームソードが突き刺さっていく。
この機会を逃してはならない。修也は水溜まりの上を勢いよく蹴り、辺り一面に水滴を撒き散らしながら飛び上がっていくと宙の上で弧を描き、そのままもう一度ヒビの入った箇所に勢いよくビームソードの先端を突き刺していった。
同時に突き刺さった箇所からは『アストロン』の体に電磁波が生じていった。バチバチと怪しい音が鳴り響いていった。そればかりではない。損傷した箇所から怪しげな黒い煙が立っていった。
これまでに感じたことがない事態が起こり、『アストロン』の中に組み込まれたパソコンも危機を感じたのか、修也はそのまま腕に弾き飛ばされてしまった。
水溜まりの中に落ちてしまったものの、先ほどまで感じていた『アストロン』に対する絶望感のような感情は修也の心のうちから消えていった。
後に残ったのは清々しい思い、希望に満ち溢れた格好の良い思いだけだった。
「来い。化け物」
修也は『アストロン』を指で誘い、挑発するほどの余裕が蘇ってきた。
『アストロン』はその単眼のカメラで修也の挑発を察したのだろう。急なスピードを上げて迫ってきた。
これが平時であればメタリックな青い装甲をしたロボットが迫り来ればその恐怖感で思わず足を含めるに違いなかった。
だが、今の修也の頭に『逃走』の二文字は存在しなかった。同時に『敗北』の二文字も浮かんでこなかった。
頭にあったのはどうやって迫り来る敵を迎え撃ち、勝利を収めるのかということだけだった。
修也はすれ違い様にビームソードを振るい、『アストロン』から黒い煙が出た左肩の箇所に向かって勢いよく突き刺したのだった。
いかに強力なグレン星の戦闘用ロボットであったとしても四度も強力なビームソードに貫かれてしまっては耐えられなかったのだろう。左肩は不穏な音を立てた後に黒い煙を上げていき音を立てて爆発していった。
修也はその小規模な爆発に巻き込まれ、水溜まりの上へと落ちていったが、すぐに起き上がった。
水には濡れたものの一方的に倒されていた当初に感じていた時のような不快感は感じていなかった。
むしろ快感さえ覚えていた。例えるのならば子どもの頃に体験したプールでの飛び込みの際に感じたような爽快感だった。
そんな愉快な感覚に陥っていた修也とは対照的に怒りの念を募らせていったのは『アストロン』の方だったに違いなかった。
もちろんロボットに感覚などあるはずがない。それでも修也は心の中でいい気味だとは思っていた。
『アストロン』は当然ながら何も言わなかった。感情に任せて暴れ狂うこともなかった。その代わりと言わんばかりに装甲を開いて先ほどベルドクガニたちを吹き飛ばしたような巨砲を出していった。
エネルギーを充填させ、発射準備を整えていく。もしこの場にレーザーガンがあるのならば準備を整える巨砲の砲口に向かって引き金を引いて破壊することができたに違いない。
そうすれば戦いは今よりも有利な形で進み、これから危険を冒すこともなかったに違いない。
しかし現実にはレーザーガンを手放してしまい、今の修也の手元に残る武器はビームソードのみだ。
やむを得ず、修也はビームソードを両手に握り締めながら『アストロン』のへと向かっていった。そしてその上に飛び上がり、砲口に向かってビームソードを突き刺したのだった。
『アストロン』の砲口に修也のビームソードが突き刺さり、充填していたエネルギーが逆行していった。
『アストロン』はエネルギーの逆行に耐え切れず、白い光を全身から放っていったかと思うとたちまちのうちに大きな音を立てて爆散していった。
それがグレン星の誇る戦闘用ロボットの最期だった。修也はそこから逃れることもできずに爆発に巻き込まれてしまうことになった。
爆風に体を吹き飛ばされ、湿地帯と湿地帯の合間にある地面の上を勢いよく転がっていった。それに乗じて『メトロイドスーツ』の上には大量の土煙が付着していった。子どもが悪戯で泥を投げられたかのようだった。
だが、それでも転がったことにより衝撃を緩和できたらしい。奇跡的に修也は傷一つ負っていなかった。
修也はホッと溜息を吐いて『メトロイドスーツ』を解除した。
結局惑星ベルでの戦いでレーザーガンもビームソードも失ってしまうことになったが、これで自分や仲間たちの命を守ることができたと考えれば安いものだ。
修也が満足気な顔を浮かべながら来た道を引き返そうとした時だ。
「あらら、もう帰っちゃうのかな?」
と、背後から聞いたことがない声が聞こえてきた。しかしそれはハッキリとした日本語だった。修也が恐る恐る振り返ると、そこには黒い上着に青色のジーンズ、深い帽子といった地球で見られるような服を着た男が立っていた。
黒い帽子を被っているものの、その隙間から見える涼しげな両目は彼の容姿端麗な姿を想像させるのには十分であった。
「キミは誰だ?」
修也はそんな容姿端麗な青年に向かってカプセルを突き付けながら問い掛けた。正直にいえば『アストロン』との激闘の直後だ。
体に疲労や傷がないかと言われればそれは嘘になる。正直にいえばもう一戦と誰かに言われるようかことがあれば問答無用で倒れてしまいかねないほどだった。
だが、そんな心境を隠して修也は両目で相手を睨み付けていた。
しかしその男は鬼ような形相で怒る修也を面白がるように両手を叩いて喜ぶ姿を見せていた。
そればかりではない。不幸というものは続くものだ。『アストロン』の猛攻に押されてビームソードも水溜まりの中へと落ちていってしまった。
疲労や精神的な打撃も多く、修也の膝は崩れてしまいそのまま水溜まりの中に倒れてしまうことになった。
負けるたびに水を大量に浴びるのも嫌だった。大量の水が自身の涙を表しているかのように思えたからだ。
これでもう終わりだ。修也からは乾いた笑みが漏れていった。修也が兜の下で両目を閉じてこれまでの人生の回顧を始めていった。
それから恐る恐る両目を開いて修也が『アストロン』が握っている熱線を帯びた刃を見上げていた。これで頭をかち割られてしまうのだろう。と、考えていた時だ。自身の体が慌てて左横に飛んでいった。
どうやら身の危機を感じた体が無意識のうちに逃亡の道を選んだらしい。
その際に修也は水溜まりの中に落ちていたビームソードを拾い上げていった。
それを拾い上げていくと、両手に強く握り締めてもう一度勝てそうにない敵に向かっていった。
この時の修也は幼い頃に見た特撮ヒーロー番組の主人公になり切っていた。
幼い頃、テレビに映っていた特撮ヒーローは勝てそうにない敵を相手に果敢にも立ち向かっていっていた。
修也はそんなヒーローたちの背中を見て育っていたのだ。何も怖がる必要はない。
「お前たちにとって地球人というのは簡単に殺されるような弱い存在かもしれない!! だがな、人間には『愛』があるんだッ誰かを守りたいという『愛』! 大切な故郷を守りたいという『愛』がある限りお前たちにだって負けないんだぞッ!」
歳の割には無垢な幼稚園児のような言葉を使用してしまったことについては認めるしかあるまい。
だが、それでも修也はいとも簡単に惑星ベルに生息していた生き物たちの命を奪い取り、自分たちを野にいる虫か何かのように簡単に殺そうとする機動兵器に向かって言ってやりたかったのだ。
その時だ。いつもならば弾き返されるビームソードが『アストロン』の装甲の左肩を掠めたのだ。その時は特に狙いを定めたわけではなかった。やけくそになって勢いに任せた挙句、めちゃくちゃに剣を振っただけに過ぎなかったのだ。
だが、それでも装甲にヒビが入ったことは事実である。修也はその勢いに乗り、瞬時にヒビの割れた場所に向かってビームソードの突きによる攻撃を行った。
突きに出たビームソードは無事に『アストロン』が握っていた武器を無事に避け、先ほどのヒビにビームソードが突き刺さっていく。
この機会を逃してはならない。修也は水溜まりの上を勢いよく蹴り、辺り一面に水滴を撒き散らしながら飛び上がっていくと宙の上で弧を描き、そのままもう一度ヒビの入った箇所に勢いよくビームソードの先端を突き刺していった。
同時に突き刺さった箇所からは『アストロン』の体に電磁波が生じていった。バチバチと怪しい音が鳴り響いていった。そればかりではない。損傷した箇所から怪しげな黒い煙が立っていった。
これまでに感じたことがない事態が起こり、『アストロン』の中に組み込まれたパソコンも危機を感じたのか、修也はそのまま腕に弾き飛ばされてしまった。
水溜まりの中に落ちてしまったものの、先ほどまで感じていた『アストロン』に対する絶望感のような感情は修也の心のうちから消えていった。
後に残ったのは清々しい思い、希望に満ち溢れた格好の良い思いだけだった。
「来い。化け物」
修也は『アストロン』を指で誘い、挑発するほどの余裕が蘇ってきた。
『アストロン』はその単眼のカメラで修也の挑発を察したのだろう。急なスピードを上げて迫ってきた。
これが平時であればメタリックな青い装甲をしたロボットが迫り来ればその恐怖感で思わず足を含めるに違いなかった。
だが、今の修也の頭に『逃走』の二文字は存在しなかった。同時に『敗北』の二文字も浮かんでこなかった。
頭にあったのはどうやって迫り来る敵を迎え撃ち、勝利を収めるのかということだけだった。
修也はすれ違い様にビームソードを振るい、『アストロン』から黒い煙が出た左肩の箇所に向かって勢いよく突き刺したのだった。
いかに強力なグレン星の戦闘用ロボットであったとしても四度も強力なビームソードに貫かれてしまっては耐えられなかったのだろう。左肩は不穏な音を立てた後に黒い煙を上げていき音を立てて爆発していった。
修也はその小規模な爆発に巻き込まれ、水溜まりの上へと落ちていったが、すぐに起き上がった。
水には濡れたものの一方的に倒されていた当初に感じていた時のような不快感は感じていなかった。
むしろ快感さえ覚えていた。例えるのならば子どもの頃に体験したプールでの飛び込みの際に感じたような爽快感だった。
そんな愉快な感覚に陥っていた修也とは対照的に怒りの念を募らせていったのは『アストロン』の方だったに違いなかった。
もちろんロボットに感覚などあるはずがない。それでも修也は心の中でいい気味だとは思っていた。
『アストロン』は当然ながら何も言わなかった。感情に任せて暴れ狂うこともなかった。その代わりと言わんばかりに装甲を開いて先ほどベルドクガニたちを吹き飛ばしたような巨砲を出していった。
エネルギーを充填させ、発射準備を整えていく。もしこの場にレーザーガンがあるのならば準備を整える巨砲の砲口に向かって引き金を引いて破壊することができたに違いない。
そうすれば戦いは今よりも有利な形で進み、これから危険を冒すこともなかったに違いない。
しかし現実にはレーザーガンを手放してしまい、今の修也の手元に残る武器はビームソードのみだ。
やむを得ず、修也はビームソードを両手に握り締めながら『アストロン』のへと向かっていった。そしてその上に飛び上がり、砲口に向かってビームソードを突き刺したのだった。
『アストロン』の砲口に修也のビームソードが突き刺さり、充填していたエネルギーが逆行していった。
『アストロン』はエネルギーの逆行に耐え切れず、白い光を全身から放っていったかと思うとたちまちのうちに大きな音を立てて爆散していった。
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爆風に体を吹き飛ばされ、湿地帯と湿地帯の合間にある地面の上を勢いよく転がっていった。それに乗じて『メトロイドスーツ』の上には大量の土煙が付着していった。子どもが悪戯で泥を投げられたかのようだった。
だが、それでも転がったことにより衝撃を緩和できたらしい。奇跡的に修也は傷一つ負っていなかった。
修也はホッと溜息を吐いて『メトロイドスーツ』を解除した。
結局惑星ベルでの戦いでレーザーガンもビームソードも失ってしまうことになったが、これで自分や仲間たちの命を守ることができたと考えれば安いものだ。
修也が満足気な顔を浮かべながら来た道を引き返そうとした時だ。
「あらら、もう帰っちゃうのかな?」
と、背後から聞いたことがない声が聞こえてきた。しかしそれはハッキリとした日本語だった。修也が恐る恐る振り返ると、そこには黒い上着に青色のジーンズ、深い帽子といった地球で見られるような服を着た男が立っていた。
黒い帽子を被っているものの、その隙間から見える涼しげな両目は彼の容姿端麗な姿を想像させるのには十分であった。
「キミは誰だ?」
修也はそんな容姿端麗な青年に向かってカプセルを突き付けながら問い掛けた。正直にいえば『アストロン』との激闘の直後だ。
体に疲労や傷がないかと言われればそれは嘘になる。正直にいえばもう一戦と誰かに言われるようかことがあれば問答無用で倒れてしまいかねないほどだった。
だが、そんな心境を隠して修也は両目で相手を睨み付けていた。
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