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皇帝の星『オクタヴィル』
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「ギィヤァァァァァ~!!!」
これまでに聞いたことがないような規模のグロテスクな大声が大広間の中に広がっていった。
そしてそのまま仰向けの姿勢でタイルの敷き詰められた床の上へと落下していった。
修也は落ちていくレーザーガンを抜き、横たわったガーゴイルに対して躊躇なく発砲した。強力な熱戦が発射されたことにより、ガーゴイルはトドメを刺されることになった。
ガーゴイルが倒される光景を見て目を丸くしていたのは皇帝たちだった。
ガーゴイルは皇帝たちからすれば手強い魔物だ。倒すとなれば大勢の兵士や棋士を必要とする強敵である。それを目の前にいる得体の知れない鎧を身に付けた護衛役の男はいとも簡単に倒してしまった。
皇女は子どもであることや強い憧れの感情を護衛役の男に抱いたとはいえ無邪気な拍手を送ってみせた。
ただ、大人たちは異なった反応を見せた。無論彼らは大人である。それ相応の腹芸も身に付けている年だ。表向きは素直な賞賛の姿勢を見せた。
だが、その内実として皇太子エルは護衛役の男に深い危機感を抱いていたし、大人の皇女と皇妃は互いに震え上がっていた。
一方で皇帝は宇宙からの使節団のいう護衛役の男を家臣として熱望した。それは巨大な帝国を統べる皇帝として当然の反応であった。
もしガーゴイルをたった一人で倒すような力を持った男がこの手に手に入るというのならばそれはダクティアナ帝国にとって大きな戦力となる。
次の大陸諸侯会議と呼ばれる王たちの会議において大きなカードとしての力を発揮することになるだろう。ダクティアナ帝国は世界の覇者として相応しい力を手に入れることになる。
皇帝は和かな笑みを浮かべながら護衛役の男に向かって言った。
「大義であった。護衛役のオオツとか言ったな。この化け物の後始末はわしらの手でするから今日はもう帰って休むがよい。そして明日の昼にもう一度ここに来るがよい。その時またわしにその力のことを話してほしい」
護衛役の男がダクティアナ帝国の言葉を理解できぬことは知っていた。
だが、ジョウジという男はダクティアナ帝国の言語を喋ることができた。それ故にそのジョウジが護衛役の男に向かって通訳を行なっている姿が見えた。
「そ、それって私が皇帝を怒らせてしまったということでしょうか?」
「大津さん、今回の戦いで長机をかなり壊していましたからね。もしかすれば皇帝がそれに怒って帰れと言っているのかもしれません」
「で、ですが、皇帝は私にまたお昼を一緒にしたいと言っています!もしかすれば何か別のいい話がーー」
「改めてその場で交易打ち切りを宣告するつもりなのかもしれませんよ」
修也は言葉に詰まった。反論が思い付かなかったのだ。
もしメトロポリス社に莫大な利益をもたらしているオクタヴィルとの交易が打ち切りになるようなことになれば修也はフレッドセンの怒りに触れ、メトロポリス社をクビになることは間違いなかった。
これは皇帝の本来抱いていた意図とは真逆の解釈で二人は言葉を捉えてしまったのである。
「ど、どうしましょうか?」
「落ち着いてください。大津さん。とにかく、皇帝を刺激しないようにしてください。なにせ皇帝は気が短いことで有名なんですから」
「は、はい」
ジョウジの言葉を聞いた修也は思わず生唾を飲み込んだ。明日の皇帝の気分次第で自身の人生が大きく決まってくるのだ。
明日の昼の会談で選択肢を間違えるようなことがあれば間違いなく自分の首は飛ぶ。
取り敢えず今のところは大人しく指示に従ってこの大広間から出ていった方がいいだろう。
そう判断した修也が扉の方へと向かおうとした時だ。二枚の扉が勢いよく開かれ、一人の男が現れた。
腰布一枚を纏った筋肉隆々の男だ。全身から湧き上がった筋肉は見る人を圧倒させていた。唯一顔だけは騎士が合戦で着けるような巨大な黒い兜を纏っていたために分からなかったが、それでも只者ではないということが分かる。
その男は扉を開くのと同時に部屋の中を一瞥していった。筋肉隆々の男はその中にガーゴイルの死体が横たわっていたことに気が付いた。
ガーゴイルの死体を見ていくのと同時に彼はワナワナと拳を震わせていった。同時にその大きくて巨大な拳を壁に向かって打ち付けていった。
男の拳が壁に叩き付けられていくのと同時に部屋全体が大きな振動に揺られていく。
パラパラと天井から埃が落ちてくるほどだった。その様子を見た広間の人々は全員唖然とした目で男を見つめていたが、人々を無視して王の元へと向かっていった。
「陛下ッ! ガーゴイルに襲われたというのならばなぜ私を呼ばなんだ!?」
「落ち着け、神に選ばれし男よ。お前に声を掛けなかったのは我々が広間から出ることができなかったからだ。できていたのならばすぐにお前を呼んでーー」
「いいや違うッ!」
筋肉隆々の男はもう一度壁を強く叩き付けて国王を強制的に黙らせると、大きな声で吠えるように自身の考えを叫んでいった。
「陛下は私のことがお嫌いなのでしょう!?だから私を呼ばなかったんだッ!」
「落ち着け、誰がお前を嫌っているというのだね?」
皇帝は呆れたように言った。
「あんたやあんたの息子のエルだよッ!」
筋肉隆々の男は腹から振り絞ったと思われる声を張り上げながら皇帝を威嚇していった。
勢いもよく張りのある声に押されてすっかりと押し黙ってしまった皇帝を相手に筋肉隆々の男は自身の巨大な胸筋に手を当て大きな声で話していた。
「あんたは私に約束したじゃあないか! ヒードルを倒したら娘をお前にやって王族してやるんだとッ!」
ヒードルというのが何であるのかは分からない。だが、皇帝が約束を反故にしたことは事実である。
怒りで我を忘れてしまったのか、筋肉隆々の男は皇帝の胸ぐらを掴み上げていく。
「このクソ野郎がッ!」
「ま、待ってください!暴力はいけません!!」
修也は慌てて引き返し、筋肉隆々の男の元へと向かっていった。
修也が放ったのは日本語である。当然ながら筋肉隆々の男は言葉の意味を知らない。
だが、必死になって呼び止めようとする様子だけは筋肉隆々の男にも伝わったに違いない。
筋肉隆々の男は腕を大きく払って修也を振り払ってダクティアヌ帝国語で叫んだ。
「うるせぇ! テメェはすっこんでろ!」
勢いよく払われたことによって修也は地面の上に叩き付けられてしまった。
叩きつけられてしまった修也の元に向かって駆け付けてきたのは一番下の皇女だった。地面の上に倒れながら呻き声を上げていた修也の体を優しく抱き起こしていった。
修也を優しく抱き起こした後に皇女は両目を尖らせながら筋肉隆々の男を睨みながら叫んだ。
「乱暴はおよしなさい! この人はあなたを止めようとしただけなのですよッ!それなのにあんな非道なことをするなんて……あなたは野蛮人よッ!」
「何? それが婚約者に向かっていう言葉か?」
筋肉隆々の男はその兜の下で子どもである皇女を睨みながら近付いていった。
なんということだろう。兜を被った筋肉の化け物ような男が妻に指名したのは子どもの方だったのだ。修也は悍ましいものを見る目で男を見つめていた。
だが、そんなことに配慮することもなく男は皇女の元へと近付いていった。
「婚約者に対して失礼な言葉を吐くような女にはそれ相応の報いを受けさせてやらないとな」
明らかな異常事態だというのに、周りにいた大人たちは男からの報復が怖くて動けずにいた。
それ故に皇女も助けを期待していなかった。覚悟を決めて両目を瞑っていく。
だが、いつまで経っても拳は飛んでこない。皇女が恐る恐る両目を開くと、修也が皇女の膝の上から立ち上がり、壁となって立ち塞がった。
これまでに聞いたことがないような規模のグロテスクな大声が大広間の中に広がっていった。
そしてそのまま仰向けの姿勢でタイルの敷き詰められた床の上へと落下していった。
修也は落ちていくレーザーガンを抜き、横たわったガーゴイルに対して躊躇なく発砲した。強力な熱戦が発射されたことにより、ガーゴイルはトドメを刺されることになった。
ガーゴイルが倒される光景を見て目を丸くしていたのは皇帝たちだった。
ガーゴイルは皇帝たちからすれば手強い魔物だ。倒すとなれば大勢の兵士や棋士を必要とする強敵である。それを目の前にいる得体の知れない鎧を身に付けた護衛役の男はいとも簡単に倒してしまった。
皇女は子どもであることや強い憧れの感情を護衛役の男に抱いたとはいえ無邪気な拍手を送ってみせた。
ただ、大人たちは異なった反応を見せた。無論彼らは大人である。それ相応の腹芸も身に付けている年だ。表向きは素直な賞賛の姿勢を見せた。
だが、その内実として皇太子エルは護衛役の男に深い危機感を抱いていたし、大人の皇女と皇妃は互いに震え上がっていた。
一方で皇帝は宇宙からの使節団のいう護衛役の男を家臣として熱望した。それは巨大な帝国を統べる皇帝として当然の反応であった。
もしガーゴイルをたった一人で倒すような力を持った男がこの手に手に入るというのならばそれはダクティアナ帝国にとって大きな戦力となる。
次の大陸諸侯会議と呼ばれる王たちの会議において大きなカードとしての力を発揮することになるだろう。ダクティアナ帝国は世界の覇者として相応しい力を手に入れることになる。
皇帝は和かな笑みを浮かべながら護衛役の男に向かって言った。
「大義であった。護衛役のオオツとか言ったな。この化け物の後始末はわしらの手でするから今日はもう帰って休むがよい。そして明日の昼にもう一度ここに来るがよい。その時またわしにその力のことを話してほしい」
護衛役の男がダクティアナ帝国の言葉を理解できぬことは知っていた。
だが、ジョウジという男はダクティアナ帝国の言語を喋ることができた。それ故にそのジョウジが護衛役の男に向かって通訳を行なっている姿が見えた。
「そ、それって私が皇帝を怒らせてしまったということでしょうか?」
「大津さん、今回の戦いで長机をかなり壊していましたからね。もしかすれば皇帝がそれに怒って帰れと言っているのかもしれません」
「で、ですが、皇帝は私にまたお昼を一緒にしたいと言っています!もしかすれば何か別のいい話がーー」
「改めてその場で交易打ち切りを宣告するつもりなのかもしれませんよ」
修也は言葉に詰まった。反論が思い付かなかったのだ。
もしメトロポリス社に莫大な利益をもたらしているオクタヴィルとの交易が打ち切りになるようなことになれば修也はフレッドセンの怒りに触れ、メトロポリス社をクビになることは間違いなかった。
これは皇帝の本来抱いていた意図とは真逆の解釈で二人は言葉を捉えてしまったのである。
「ど、どうしましょうか?」
「落ち着いてください。大津さん。とにかく、皇帝を刺激しないようにしてください。なにせ皇帝は気が短いことで有名なんですから」
「は、はい」
ジョウジの言葉を聞いた修也は思わず生唾を飲み込んだ。明日の皇帝の気分次第で自身の人生が大きく決まってくるのだ。
明日の昼の会談で選択肢を間違えるようなことがあれば間違いなく自分の首は飛ぶ。
取り敢えず今のところは大人しく指示に従ってこの大広間から出ていった方がいいだろう。
そう判断した修也が扉の方へと向かおうとした時だ。二枚の扉が勢いよく開かれ、一人の男が現れた。
腰布一枚を纏った筋肉隆々の男だ。全身から湧き上がった筋肉は見る人を圧倒させていた。唯一顔だけは騎士が合戦で着けるような巨大な黒い兜を纏っていたために分からなかったが、それでも只者ではないということが分かる。
その男は扉を開くのと同時に部屋の中を一瞥していった。筋肉隆々の男はその中にガーゴイルの死体が横たわっていたことに気が付いた。
ガーゴイルの死体を見ていくのと同時に彼はワナワナと拳を震わせていった。同時にその大きくて巨大な拳を壁に向かって打ち付けていった。
男の拳が壁に叩き付けられていくのと同時に部屋全体が大きな振動に揺られていく。
パラパラと天井から埃が落ちてくるほどだった。その様子を見た広間の人々は全員唖然とした目で男を見つめていたが、人々を無視して王の元へと向かっていった。
「陛下ッ! ガーゴイルに襲われたというのならばなぜ私を呼ばなんだ!?」
「落ち着け、神に選ばれし男よ。お前に声を掛けなかったのは我々が広間から出ることができなかったからだ。できていたのならばすぐにお前を呼んでーー」
「いいや違うッ!」
筋肉隆々の男はもう一度壁を強く叩き付けて国王を強制的に黙らせると、大きな声で吠えるように自身の考えを叫んでいった。
「陛下は私のことがお嫌いなのでしょう!?だから私を呼ばなかったんだッ!」
「落ち着け、誰がお前を嫌っているというのだね?」
皇帝は呆れたように言った。
「あんたやあんたの息子のエルだよッ!」
筋肉隆々の男は腹から振り絞ったと思われる声を張り上げながら皇帝を威嚇していった。
勢いもよく張りのある声に押されてすっかりと押し黙ってしまった皇帝を相手に筋肉隆々の男は自身の巨大な胸筋に手を当て大きな声で話していた。
「あんたは私に約束したじゃあないか! ヒードルを倒したら娘をお前にやって王族してやるんだとッ!」
ヒードルというのが何であるのかは分からない。だが、皇帝が約束を反故にしたことは事実である。
怒りで我を忘れてしまったのか、筋肉隆々の男は皇帝の胸ぐらを掴み上げていく。
「このクソ野郎がッ!」
「ま、待ってください!暴力はいけません!!」
修也は慌てて引き返し、筋肉隆々の男の元へと向かっていった。
修也が放ったのは日本語である。当然ながら筋肉隆々の男は言葉の意味を知らない。
だが、必死になって呼び止めようとする様子だけは筋肉隆々の男にも伝わったに違いない。
筋肉隆々の男は腕を大きく払って修也を振り払ってダクティアヌ帝国語で叫んだ。
「うるせぇ! テメェはすっこんでろ!」
勢いよく払われたことによって修也は地面の上に叩き付けられてしまった。
叩きつけられてしまった修也の元に向かって駆け付けてきたのは一番下の皇女だった。地面の上に倒れながら呻き声を上げていた修也の体を優しく抱き起こしていった。
修也を優しく抱き起こした後に皇女は両目を尖らせながら筋肉隆々の男を睨みながら叫んだ。
「乱暴はおよしなさい! この人はあなたを止めようとしただけなのですよッ!それなのにあんな非道なことをするなんて……あなたは野蛮人よッ!」
「何? それが婚約者に向かっていう言葉か?」
筋肉隆々の男はその兜の下で子どもである皇女を睨みながら近付いていった。
なんということだろう。兜を被った筋肉の化け物ような男が妻に指名したのは子どもの方だったのだ。修也は悍ましいものを見る目で男を見つめていた。
だが、そんなことに配慮することもなく男は皇女の元へと近付いていった。
「婚約者に対して失礼な言葉を吐くような女にはそれ相応の報いを受けさせてやらないとな」
明らかな異常事態だというのに、周りにいた大人たちは男からの報復が怖くて動けずにいた。
それ故に皇女も助けを期待していなかった。覚悟を決めて両目を瞑っていく。
だが、いつまで経っても拳は飛んでこない。皇女が恐る恐る両目を開くと、修也が皇女の膝の上から立ち上がり、壁となって立ち塞がった。
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