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モスト・オブ・デンジャラス・ゲーム編
中村孝太郎の微笑ーその⑥
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孝太郎が誰もいない教会の中を見渡していた時だ。
携帯端末のバイブ音が響くのを確かに感じた。
孝太郎は恐らく石川葵からの電話からだろうと、教会を出て近くの教会の庭の中で応答する。
「もしもし」
『オレだよ、孝太郎。柿谷淳一だ』
孝太郎は電話口の向こうの相手の声に思わず拍子抜けしてしまう。
「淳一か?どうした?」
『ああ、お前が1人で爆弾を捜索していると言う噂を聞いてな、お前の姉ちゃんがその事をずっと心配してて、オレに電話を掛けさせやがった』
電話口の向こうから溜息が聞こえてきそうだ。
孝太郎は苦笑しながら、
「まあ、姉貴ならそれくらいはしそうだよな……あの人はあの時からオレの事だけを考えてくれるようになった……」
と、孝太郎の「あの時」という言葉が気になったのだろう。淳一は電話口の向こうでしかめ面を浮かべながら、
『ずっーと気になっていたんだけどよぉ~お前とお前の姉ちゃんに過去に何があったんだ?オレは気がかりで仕方ないんだ。例えばだ……過去に何か……そうだな』
上手い言葉が見当たらないらしく言葉を濁らせている電話口の向こうで頭を抱える淳一の姿が目に浮かぶ。
孝太郎が苦笑していると、
『そうだッ!お互いの価値観を変える事があったとか!?そうなんじゃあないのか?』
どうして、人の過去に踏み込んでくるのだろう。孝太郎はそんな言葉を必死に飲み込む。
そして代わりに、
「お前には関係がない事さ、それに今はそんな事を話す時間でもない……だがな、淳一……姉貴にはこう伝えてくれよ『記憶の中でずっと2人は生きていける』とな……例え、オレが爆弾で吹っ飛んじまっても大勢の人を守って死ねるんだ、悔いは無いよ……」
我ながら遺言のような言葉だ、孝太郎はそう思いながら慌てふためいた様子で孝太郎に向かって叫んでいる淳一の電話を切る。
孝太郎はそれから教会の周りを覆う刑務所の塀のように巨大な壁にもたれかかる。
とにかく、今は体を休めたい。
これは嘘偽りのない孝太郎の本音だった。
「納得がいかないわッ! 」
現職の東京都知事三原青子は携帯端末に向かって自らの怒りの言葉を叩きつけたが、電話口の向こうの相手は一向に答える様子は見せない。
それどころか、ますます笑い続ける始末であった。
「あなたね……あの書類がどんなに重要なものなのか分かっているの!?それを守るためにあなたに爆弾の作り方を習って、自葵党の爆弾犯に教えたんでしょ!?それなのに……」
三原青子は都知事室の窓ガラスに左手を震わせる自分の姿がある事に気がつく。
いつも自分はこんな風に拳を震わせていたのだろうか。
それとも、電話口の向こうの石川葵なる女の所為なのだろうか。
青子は自分が一度電話を切ってどちらに怒っているのかを問い詰めたい気分に陥ってしまう。
だが、そうはせずに更に深く葵を追求していく。
「あなたね……分かってるの?あなたの今いる場所を警察に教えたら、あんたは即座に逮捕されるわよ! 怖いでしょ?捕まったんなら、死刑は確実よ。あなたは宇宙究明学会の三大事件全てに関与しているんだから……」
葵は電話口の向こうで必死な様子で携帯端末に向かって怒鳴り付けている三原青子の様子を想像して笑い出す。
すると、笑っていたためだろうか。怒った声で、
『何を笑っているのよ!?』
「あらら、ごめんなさいね。あたしったら……悪気は無かったのよ。お詫びにどうしてゲームの報酬にあなたの不正を示す証拠ともう1つの不利な証拠を残したのかを説明してあげる」
葵は自慢のポニーテルを弄り、得意げな表情を浮かべながら煽るように言う。
「何よ! 上から目線でッ!」
三原青子の怒りがここまで伝わってくるかのようである。
葵は更に微笑を浮かべながら、
「まあまあ、落ち着いて聞いてよ……これはあなたへのゲームでもあるのよ」
『ゲームですって?』
「ええ、いい……あなたの不正を示す証拠はこれからあたしが中村孝太郎に提示する暗号の場所に証拠と一緒に爆弾を設置しているの……ただの爆弾じゃあないわ、街一つを吹き飛ばす程の大きさの爆弾よ。ああ、安心して中心部には仕掛けていない、と明記しておくわよ」
ホッという溜息が聞こえてくる。自分が爆弾に巻き込まれない事を知って安堵したのだろう。
葵はつくづく卑怯な人ね、という言葉を飲み込んで話を続ける。
「それでね、その爆弾が作動すればあなたの不正を示す証拠も全部ボカーンというわけよ……ただし、その場合はその街の住人も爆弾に巻き込まれちゃうけど……あなたの不正を隠すためだけに大勢の人が死ぬのよ?まあ、良心の呵責に負けて孝太郎を止めなくてもいいのよ……その場合はあなたが終わるけど……」
『待って! やるわ! あたしに暗号の事を教えて……』
どうやら乗ってきたらしい。葵はまた煽るようにクックっと笑いながら、
「なら、出すわよ……暗号は『まずはタバコから』この国最悪の法律と言ってもいい禁煙法に関与した言葉よ。そうだわ、ここで大ヒントを出してあげましょう! 白籠市のアンタッチャブルの最初の活躍よ! どう、ここまで来たなら分かるでしょ?ちなみにさっき孝太郎に電話を掛けた時には『白籠市のアンタッチャブルの最初の活躍』という言葉は教えていないから、期待していいわよ」
葵はそう言って電話を切った。それから部屋に掛けてあった茶色の地味なクローゼットから白衣を取り出し、ブラウスとタイトスカートいうOL風の衣装の上に羽織る。
それから、この安アパートのせめてもの慰めと言わんばかりに付いている台所の収容棚からナイフを取り出す。
もし、中村孝太郎が暗号に気が付いたのならば……。
葵は邪悪な笑みを浮かべた。
自分は誰にも利用されない。三原青子も自分を支配していたようで反対に支配されていたのだ。
三原青子を唆し、このような一大事件を引き起こした、自分こそが近代日本における最悪の女のなのではないかと考えて、興奮で全身を震わせる。
まるで、日本神話において高天原から葦原の中津国にへ派遣された天稚彦を騙して偵察を命じられた雉を射殺させるように唆した天探女のよう。
葵はナイフを握り締めて高笑いを始めた。
「思い出すな、白籠市のアンタッチャブルの最初の事件を……」
孝太郎は遠い目で今から自分が向こう元刈谷組の密造タバコの製造工場に目を向ける。
淳一の電話の後にかかってきた『まずはタバコから』という言葉は恐らく白籠市のアンタッチャブルの最初の事件ーー刈谷組の密造タバコ製造工場襲撃事件の事を言っているのだろう。
孝太郎は最初から死を覚悟していた。
恐らく、最後のゲームの場所であろうから、葵は何かしらの用意をしていると考えていたから。
孝太郎は意を決して、あの時のようにかつての密造タバコの製造工場の扉を蹴る。
それから、異空間の武器庫からリボルバーを取り出す。
リボルバーを構えながら孝太郎は廃工場を見渡す。
そこには製造に使っていたと思われるレーンがあった。
そして、レーンばかりが並ぶ工場の上には工場長の部屋と思われるオフィスが見える。
孝太郎はかつての密造タバコ製造の責任者はどこに居たのかを推測する。
あの時の責任者はあの部屋から出てきたはずだ。葵は自分の思い出を利用してこのゲームを思い付いたとすれば、自分が刑事になってから、記録上の最初の『敵』が出てきた場所に爆弾を置くはずだ。
孝太郎は自分の推理を信じ、責任者の部屋に入室する。
そして、そこには一つのボストンバックが置かれていた。
孝太郎は慌てて茶色の少しばかり大きいボストンバッグを開ける。
そこには予想通りにタイマー付きの爆弾と何枚かの書類が入っていた。
「やはり、あの女の言う通りだ……三原青子の不正を記す書類と爆弾があった……」
孝太郎は再確認して、葵が少しばかり前に電話で喋った事が真実だ認識する。
後はこの爆弾の事を伝えるだけだ。
そう考えて孝太郎は白籠署に電話を掛けた。
携帯端末のバイブ音が響くのを確かに感じた。
孝太郎は恐らく石川葵からの電話からだろうと、教会を出て近くの教会の庭の中で応答する。
「もしもし」
『オレだよ、孝太郎。柿谷淳一だ』
孝太郎は電話口の向こうの相手の声に思わず拍子抜けしてしまう。
「淳一か?どうした?」
『ああ、お前が1人で爆弾を捜索していると言う噂を聞いてな、お前の姉ちゃんがその事をずっと心配してて、オレに電話を掛けさせやがった』
電話口の向こうから溜息が聞こえてきそうだ。
孝太郎は苦笑しながら、
「まあ、姉貴ならそれくらいはしそうだよな……あの人はあの時からオレの事だけを考えてくれるようになった……」
と、孝太郎の「あの時」という言葉が気になったのだろう。淳一は電話口の向こうでしかめ面を浮かべながら、
『ずっーと気になっていたんだけどよぉ~お前とお前の姉ちゃんに過去に何があったんだ?オレは気がかりで仕方ないんだ。例えばだ……過去に何か……そうだな』
上手い言葉が見当たらないらしく言葉を濁らせている電話口の向こうで頭を抱える淳一の姿が目に浮かぶ。
孝太郎が苦笑していると、
『そうだッ!お互いの価値観を変える事があったとか!?そうなんじゃあないのか?』
どうして、人の過去に踏み込んでくるのだろう。孝太郎はそんな言葉を必死に飲み込む。
そして代わりに、
「お前には関係がない事さ、それに今はそんな事を話す時間でもない……だがな、淳一……姉貴にはこう伝えてくれよ『記憶の中でずっと2人は生きていける』とな……例え、オレが爆弾で吹っ飛んじまっても大勢の人を守って死ねるんだ、悔いは無いよ……」
我ながら遺言のような言葉だ、孝太郎はそう思いながら慌てふためいた様子で孝太郎に向かって叫んでいる淳一の電話を切る。
孝太郎はそれから教会の周りを覆う刑務所の塀のように巨大な壁にもたれかかる。
とにかく、今は体を休めたい。
これは嘘偽りのない孝太郎の本音だった。
「納得がいかないわッ! 」
現職の東京都知事三原青子は携帯端末に向かって自らの怒りの言葉を叩きつけたが、電話口の向こうの相手は一向に答える様子は見せない。
それどころか、ますます笑い続ける始末であった。
「あなたね……あの書類がどんなに重要なものなのか分かっているの!?それを守るためにあなたに爆弾の作り方を習って、自葵党の爆弾犯に教えたんでしょ!?それなのに……」
三原青子は都知事室の窓ガラスに左手を震わせる自分の姿がある事に気がつく。
いつも自分はこんな風に拳を震わせていたのだろうか。
それとも、電話口の向こうの石川葵なる女の所為なのだろうか。
青子は自分が一度電話を切ってどちらに怒っているのかを問い詰めたい気分に陥ってしまう。
だが、そうはせずに更に深く葵を追求していく。
「あなたね……分かってるの?あなたの今いる場所を警察に教えたら、あんたは即座に逮捕されるわよ! 怖いでしょ?捕まったんなら、死刑は確実よ。あなたは宇宙究明学会の三大事件全てに関与しているんだから……」
葵は電話口の向こうで必死な様子で携帯端末に向かって怒鳴り付けている三原青子の様子を想像して笑い出す。
すると、笑っていたためだろうか。怒った声で、
『何を笑っているのよ!?』
「あらら、ごめんなさいね。あたしったら……悪気は無かったのよ。お詫びにどうしてゲームの報酬にあなたの不正を示す証拠ともう1つの不利な証拠を残したのかを説明してあげる」
葵は自慢のポニーテルを弄り、得意げな表情を浮かべながら煽るように言う。
「何よ! 上から目線でッ!」
三原青子の怒りがここまで伝わってくるかのようである。
葵は更に微笑を浮かべながら、
「まあまあ、落ち着いて聞いてよ……これはあなたへのゲームでもあるのよ」
『ゲームですって?』
「ええ、いい……あなたの不正を示す証拠はこれからあたしが中村孝太郎に提示する暗号の場所に証拠と一緒に爆弾を設置しているの……ただの爆弾じゃあないわ、街一つを吹き飛ばす程の大きさの爆弾よ。ああ、安心して中心部には仕掛けていない、と明記しておくわよ」
ホッという溜息が聞こえてくる。自分が爆弾に巻き込まれない事を知って安堵したのだろう。
葵はつくづく卑怯な人ね、という言葉を飲み込んで話を続ける。
「それでね、その爆弾が作動すればあなたの不正を示す証拠も全部ボカーンというわけよ……ただし、その場合はその街の住人も爆弾に巻き込まれちゃうけど……あなたの不正を隠すためだけに大勢の人が死ぬのよ?まあ、良心の呵責に負けて孝太郎を止めなくてもいいのよ……その場合はあなたが終わるけど……」
『待って! やるわ! あたしに暗号の事を教えて……』
どうやら乗ってきたらしい。葵はまた煽るようにクックっと笑いながら、
「なら、出すわよ……暗号は『まずはタバコから』この国最悪の法律と言ってもいい禁煙法に関与した言葉よ。そうだわ、ここで大ヒントを出してあげましょう! 白籠市のアンタッチャブルの最初の活躍よ! どう、ここまで来たなら分かるでしょ?ちなみにさっき孝太郎に電話を掛けた時には『白籠市のアンタッチャブルの最初の活躍』という言葉は教えていないから、期待していいわよ」
葵はそう言って電話を切った。それから部屋に掛けてあった茶色の地味なクローゼットから白衣を取り出し、ブラウスとタイトスカートいうOL風の衣装の上に羽織る。
それから、この安アパートのせめてもの慰めと言わんばかりに付いている台所の収容棚からナイフを取り出す。
もし、中村孝太郎が暗号に気が付いたのならば……。
葵は邪悪な笑みを浮かべた。
自分は誰にも利用されない。三原青子も自分を支配していたようで反対に支配されていたのだ。
三原青子を唆し、このような一大事件を引き起こした、自分こそが近代日本における最悪の女のなのではないかと考えて、興奮で全身を震わせる。
まるで、日本神話において高天原から葦原の中津国にへ派遣された天稚彦を騙して偵察を命じられた雉を射殺させるように唆した天探女のよう。
葵はナイフを握り締めて高笑いを始めた。
「思い出すな、白籠市のアンタッチャブルの最初の事件を……」
孝太郎は遠い目で今から自分が向こう元刈谷組の密造タバコの製造工場に目を向ける。
淳一の電話の後にかかってきた『まずはタバコから』という言葉は恐らく白籠市のアンタッチャブルの最初の事件ーー刈谷組の密造タバコ製造工場襲撃事件の事を言っているのだろう。
孝太郎は最初から死を覚悟していた。
恐らく、最後のゲームの場所であろうから、葵は何かしらの用意をしていると考えていたから。
孝太郎は意を決して、あの時のようにかつての密造タバコの製造工場の扉を蹴る。
それから、異空間の武器庫からリボルバーを取り出す。
リボルバーを構えながら孝太郎は廃工場を見渡す。
そこには製造に使っていたと思われるレーンがあった。
そして、レーンばかりが並ぶ工場の上には工場長の部屋と思われるオフィスが見える。
孝太郎はかつての密造タバコ製造の責任者はどこに居たのかを推測する。
あの時の責任者はあの部屋から出てきたはずだ。葵は自分の思い出を利用してこのゲームを思い付いたとすれば、自分が刑事になってから、記録上の最初の『敵』が出てきた場所に爆弾を置くはずだ。
孝太郎は自分の推理を信じ、責任者の部屋に入室する。
そして、そこには一つのボストンバックが置かれていた。
孝太郎は慌てて茶色の少しばかり大きいボストンバッグを開ける。
そこには予想通りにタイマー付きの爆弾と何枚かの書類が入っていた。
「やはり、あの女の言う通りだ……三原青子の不正を記す書類と爆弾があった……」
孝太郎は再確認して、葵が少しばかり前に電話で喋った事が真実だ認識する。
後はこの爆弾の事を伝えるだけだ。
そう考えて孝太郎は白籠署に電話を掛けた。
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