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モスト・オブ・デンジャラス・ゲーム編
白籠市の伝説
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孝太郎が青ざめた顔をしていると、絵里子が孝太郎の側にやって来て、
「信じられないかもしれないけれど、事実なのよ。逮捕する前に刈谷阿里耶が言ってなかった?この土地には何かが染み付いていると……」
孝太郎は姉の助言で全てを思い出す。あの時の刈谷阿里耶は何かを悟ったかのような微かな微笑を浮かべていた。
「あの微笑……刈谷阿里耶が何かを隠していたとでも?」
「若しくは何かを知っていた……と言うべきかしら?」
絵里子の言葉に孝太郎は思わずに身震いしてしまう。
まさか、映画『IT』に出てくるようなペニーワイズのような怪物がいるのだろうか。
いや、常識的に考えて有り得るわけがない。孝太郎が目を瞑ってその考えを打ち消すように首を横に振ろうとした時だ。
(いや、待てよ。思い返せば、少し前まで魔法なんてものは空想の産物にしか過ぎなかったんだ。今、オレ達が使っているものを200年ほど前の人たちに話してみろ?きっと、笑われるだろうな……)
孝太郎のこの哲学的な思考は更に続いていく。
(それに異世界なんてものも過去の世界に飛ぶことによって、判明した。今、あの異世界に行けるのかどうかは分からないが、今もある事は確かなんだ……怪物を否定する事なんて出来ないだろう)
孝太郎は強がるように口元を緩めてみせ、それから絵里子にこの白籠市に伝わる伝承は無いのかと問う。
「伝承?」
「ああ、怪談のようなものがあるかどうか知りたくてな」
絵里子は少しばかり携帯端末を触ったと思うと、すぐに唇を噛み締め。
「聞かない方がいいと思うな……」
躊躇いがちに呟く。
「いいから、教えてくれ……」
「……」
だが、絵里子は答えない。
「頼む! 教えてくれよ! 」
「……分かったわ、いいよく聞いて頂戴……この伝説は一番古い時代で、奈良時代いや、飛鳥時代から伝えられているんだけれど……」
絵里子の話によれば、飛鳥時代からこの土地には何か災いがあると噂されてきた。
噂というのは怪物。怪物の姿は色々な時代の様々な書物に記されており、その姿は定かではないらしい。
例えば、江戸時代に描かれた怪物の姿は凶悪な牛の姿であり、大正時代に描かれた書物には凶悪な馬の姿であったらしい。
また、1960年代にはこの地域で猿のような怪物を目撃されてから、頻繁に女性の行方不明者が出たらしい。
1980年代にも同様の目撃情報が挙げられ、その際にはこの地域における行方不明者の統計が倍増したらしい。これも同じく女性の犠牲者。
更には2010年代。この時代にも怪物の姿が目撃されていたらしい。
他の年代と同様にそれが目撃されてから、この地域における行方不明者の数が増加したらしい。
「怪物の正体は何だ?」
「分からないわ、だけれども……この怪物が何かを引き起こしている事は間違いないでしょうね……書いている文も全て推測……ともかく、この街が呪われているというのは間違いないでしょうね」
絵里子が携帯端末から目を離して、そう言うと、急に聡子が、
「あれ、おかしいな……あたしの聞いた伝承とは異なっているんだけれど……」
「聡子の聞いた伝承?」
「うん」
聡子が言うには怪物は戦国時代に存在したらしい、ある殿様の呪いらしい。
その殿様は小さいながらも、徳のある政治を行なっていたために、農民からは慕われており、また収穫を終えた後には城に農民を招いて宴会を行う程であったらしい。
だけれども、その殿様の領地を隣の国の北条氏を味方に付けた殿様が襲い、結果その土地の住民は殿様とその家来は元より、元の殿様の元に付いた農民とその家族すらも皆殺しにされたらしい。
そして、農民たちはその殿様にこき使われ続けて、死んでいった。
そんなある日のことだった。ある晩にその殿様が夢を見ると、まるで羅刹のような顔の元の殿様が現れ、こう告げたらしい。
「良いか、儂は幼き姫のみならずに儂の領民にまで手をかけた、お前とお前の領民たちを皆殺しにしてくれるッ!お前は必ず殺してやるッ!お前の味方となった、北条とて例外ではないぞ! 」
その時の殿様は震えるばかりだったと言う。
そして、その殿様がその夢を見てから、僅か2日後に病に倒れて亡くなり、更にその殿様の領地でも伝染病によって農民が死んでいった。
それだけではない、その呪いの宣言を受けてから、20年後に……。
「小田原征伐が起きたのか?」
「ご名答! あんたのご先祖様が国内で最後に起こした戦だよね?あの戦いは凄まじかったらしいね?そして戦いの末に関東一の力を誇った北条氏は格下げされ、代わりに徳川氏が関東のリーダーとなった。ここまでは日本史に乗ってる通りだろ?」
「ああ」
「問題はその後、徳川氏がこの土地を納めるようになっても、不思議なことに毎年、この地域では大量の行方不明者が出てるらしいよ。噂によると殿様とその領民が自分たちの土地に住むのを許していないから、こんな事が起きてるらしいよ」
絵里子の話を聞いてから、孝太郎は生前にどんな善行を積んでいようが、かつての殿様は地獄に堕ちるべき人物であろうと考えた。
侵略を行なった殿様とその家臣を狙うのは当然の権利だろう。殿様の背後関係となっていた北条氏を関東の大大名の地位から引きずり下ろしたのもまだ理解できる。
だが、その後のことは断固として許容できるものではない。
後から入ってきた人々には何の関係もない事柄ではないか。孝太郎は強い怒りに駆られるのと同時に例の殿様に対する失望のようなものを感じていた。
どうして、彼はそんな事をするのだろう、と。
孝太郎はフゥと小さな溜息を吐いてから、出口に向かおうとすると、
「へん、お前らさっきから聞いてりゃあ、勝手な事ばっかり言いやがって……怪物に殿様の呪い?そんなものあるわけねーだろ」
柿谷淳一が煽るような微笑を浮かべて、入口の方に立っていた。
孝太郎はあえて「聞いていたのか?」とは問わない。彼の主張を聞いてやりたいからだ。それは姉や他の仲間も同じようで、目を細くしつつも、一斉に聞き耳を立てていた。
淳一もそれが分かったのだろう。右肩をすくめながら、得意げに話していく。
「田山浩三郎以外の他の行方不明者の事は単なる、失踪とかだろう。それに殿様の呪い?そんなもんあるわけねーだろ。そんな呪いが発動しているんなら、北条氏の血を引いているオレや弟はどうなるんだよッ!」
くっくっと笑い出す淳一とは対照的に孝太郎は眉をひそめながら、
「お前後北条氏の末裔だったのか?」
「あん、話してなかったか?と言ってもお前や政治家の徳川のように直径じゃあないよ。死んだお袋の家が北条家に連なる家だっただけさ」
孝太郎は思わずに閉口してしまう。これ程までにかつての戦国武将の子孫がこの土地に集まっているとは……。
孝太郎は本当に何かの因果律によって集められたのでは、と疑ってしまう。
(問題はその因果律とやらが何なのだろうか、と言う事だな。オレからすれば本当にその伝説の殿様が関わっているのかも、と思ってしまうな)
孝太郎がそう考えていた時だ。携帯端末が鳴り響く。
孝太郎は部屋にいた4人に許可を得てから、電話に出ると、そこからはあの忌々しい声が聞こえてくる。
「久し振りね、孝太郎くん」
「ッ……石川葵」
石川葵。宇宙究明学会の女性幹部であり、兵器担当開発者にして教祖昌原道明の愛人。
拘置所では携帯端末は使えない筈ではなかったのだろうか。
孝太郎の疑念が頭の中を渦巻いていると、「どうしてなのかって、分からないって顔をしていると思うから、説明してあげるわ」
それからの葵の言葉は到底信じられないものばかりであった。
東京都知事の手引きにより出所した事。それが自分だけではなく他の幹部も釈放された事。
全て、淳一の情報を裏付けるものであった。
「お前はどうしてオレにそんな事を教えたんだ?」
「そうね……あたしがゲームをしたかったからかな」
ゲーム?孝太郎はふざけるなと怒鳴り付けたくなってしまう。
だが、詳しい情報を聞き出すために敢えて葵の提案に乗ってやる事にする。
「いいだろう……だが、ゲームとやらをする前にお前の動機を聞いておきたいんだが」
「ダメよ。動機は最後に聞くものなのよ。刑事ドラマでもお約束でしょ?」
孝太郎は葵の自分を煽る顔が目に浮かぶようだった。
「信じられないかもしれないけれど、事実なのよ。逮捕する前に刈谷阿里耶が言ってなかった?この土地には何かが染み付いていると……」
孝太郎は姉の助言で全てを思い出す。あの時の刈谷阿里耶は何かを悟ったかのような微かな微笑を浮かべていた。
「あの微笑……刈谷阿里耶が何かを隠していたとでも?」
「若しくは何かを知っていた……と言うべきかしら?」
絵里子の言葉に孝太郎は思わずに身震いしてしまう。
まさか、映画『IT』に出てくるようなペニーワイズのような怪物がいるのだろうか。
いや、常識的に考えて有り得るわけがない。孝太郎が目を瞑ってその考えを打ち消すように首を横に振ろうとした時だ。
(いや、待てよ。思い返せば、少し前まで魔法なんてものは空想の産物にしか過ぎなかったんだ。今、オレ達が使っているものを200年ほど前の人たちに話してみろ?きっと、笑われるだろうな……)
孝太郎のこの哲学的な思考は更に続いていく。
(それに異世界なんてものも過去の世界に飛ぶことによって、判明した。今、あの異世界に行けるのかどうかは分からないが、今もある事は確かなんだ……怪物を否定する事なんて出来ないだろう)
孝太郎は強がるように口元を緩めてみせ、それから絵里子にこの白籠市に伝わる伝承は無いのかと問う。
「伝承?」
「ああ、怪談のようなものがあるかどうか知りたくてな」
絵里子は少しばかり携帯端末を触ったと思うと、すぐに唇を噛み締め。
「聞かない方がいいと思うな……」
躊躇いがちに呟く。
「いいから、教えてくれ……」
「……」
だが、絵里子は答えない。
「頼む! 教えてくれよ! 」
「……分かったわ、いいよく聞いて頂戴……この伝説は一番古い時代で、奈良時代いや、飛鳥時代から伝えられているんだけれど……」
絵里子の話によれば、飛鳥時代からこの土地には何か災いがあると噂されてきた。
噂というのは怪物。怪物の姿は色々な時代の様々な書物に記されており、その姿は定かではないらしい。
例えば、江戸時代に描かれた怪物の姿は凶悪な牛の姿であり、大正時代に描かれた書物には凶悪な馬の姿であったらしい。
また、1960年代にはこの地域で猿のような怪物を目撃されてから、頻繁に女性の行方不明者が出たらしい。
1980年代にも同様の目撃情報が挙げられ、その際にはこの地域における行方不明者の統計が倍増したらしい。これも同じく女性の犠牲者。
更には2010年代。この時代にも怪物の姿が目撃されていたらしい。
他の年代と同様にそれが目撃されてから、この地域における行方不明者の数が増加したらしい。
「怪物の正体は何だ?」
「分からないわ、だけれども……この怪物が何かを引き起こしている事は間違いないでしょうね……書いている文も全て推測……ともかく、この街が呪われているというのは間違いないでしょうね」
絵里子が携帯端末から目を離して、そう言うと、急に聡子が、
「あれ、おかしいな……あたしの聞いた伝承とは異なっているんだけれど……」
「聡子の聞いた伝承?」
「うん」
聡子が言うには怪物は戦国時代に存在したらしい、ある殿様の呪いらしい。
その殿様は小さいながらも、徳のある政治を行なっていたために、農民からは慕われており、また収穫を終えた後には城に農民を招いて宴会を行う程であったらしい。
だけれども、その殿様の領地を隣の国の北条氏を味方に付けた殿様が襲い、結果その土地の住民は殿様とその家来は元より、元の殿様の元に付いた農民とその家族すらも皆殺しにされたらしい。
そして、農民たちはその殿様にこき使われ続けて、死んでいった。
そんなある日のことだった。ある晩にその殿様が夢を見ると、まるで羅刹のような顔の元の殿様が現れ、こう告げたらしい。
「良いか、儂は幼き姫のみならずに儂の領民にまで手をかけた、お前とお前の領民たちを皆殺しにしてくれるッ!お前は必ず殺してやるッ!お前の味方となった、北条とて例外ではないぞ! 」
その時の殿様は震えるばかりだったと言う。
そして、その殿様がその夢を見てから、僅か2日後に病に倒れて亡くなり、更にその殿様の領地でも伝染病によって農民が死んでいった。
それだけではない、その呪いの宣言を受けてから、20年後に……。
「小田原征伐が起きたのか?」
「ご名答! あんたのご先祖様が国内で最後に起こした戦だよね?あの戦いは凄まじかったらしいね?そして戦いの末に関東一の力を誇った北条氏は格下げされ、代わりに徳川氏が関東のリーダーとなった。ここまでは日本史に乗ってる通りだろ?」
「ああ」
「問題はその後、徳川氏がこの土地を納めるようになっても、不思議なことに毎年、この地域では大量の行方不明者が出てるらしいよ。噂によると殿様とその領民が自分たちの土地に住むのを許していないから、こんな事が起きてるらしいよ」
絵里子の話を聞いてから、孝太郎は生前にどんな善行を積んでいようが、かつての殿様は地獄に堕ちるべき人物であろうと考えた。
侵略を行なった殿様とその家臣を狙うのは当然の権利だろう。殿様の背後関係となっていた北条氏を関東の大大名の地位から引きずり下ろしたのもまだ理解できる。
だが、その後のことは断固として許容できるものではない。
後から入ってきた人々には何の関係もない事柄ではないか。孝太郎は強い怒りに駆られるのと同時に例の殿様に対する失望のようなものを感じていた。
どうして、彼はそんな事をするのだろう、と。
孝太郎はフゥと小さな溜息を吐いてから、出口に向かおうとすると、
「へん、お前らさっきから聞いてりゃあ、勝手な事ばっかり言いやがって……怪物に殿様の呪い?そんなものあるわけねーだろ」
柿谷淳一が煽るような微笑を浮かべて、入口の方に立っていた。
孝太郎はあえて「聞いていたのか?」とは問わない。彼の主張を聞いてやりたいからだ。それは姉や他の仲間も同じようで、目を細くしつつも、一斉に聞き耳を立てていた。
淳一もそれが分かったのだろう。右肩をすくめながら、得意げに話していく。
「田山浩三郎以外の他の行方不明者の事は単なる、失踪とかだろう。それに殿様の呪い?そんなもんあるわけねーだろ。そんな呪いが発動しているんなら、北条氏の血を引いているオレや弟はどうなるんだよッ!」
くっくっと笑い出す淳一とは対照的に孝太郎は眉をひそめながら、
「お前後北条氏の末裔だったのか?」
「あん、話してなかったか?と言ってもお前や政治家の徳川のように直径じゃあないよ。死んだお袋の家が北条家に連なる家だっただけさ」
孝太郎は思わずに閉口してしまう。これ程までにかつての戦国武将の子孫がこの土地に集まっているとは……。
孝太郎は本当に何かの因果律によって集められたのでは、と疑ってしまう。
(問題はその因果律とやらが何なのだろうか、と言う事だな。オレからすれば本当にその伝説の殿様が関わっているのかも、と思ってしまうな)
孝太郎がそう考えていた時だ。携帯端末が鳴り響く。
孝太郎は部屋にいた4人に許可を得てから、電話に出ると、そこからはあの忌々しい声が聞こえてくる。
「久し振りね、孝太郎くん」
「ッ……石川葵」
石川葵。宇宙究明学会の女性幹部であり、兵器担当開発者にして教祖昌原道明の愛人。
拘置所では携帯端末は使えない筈ではなかったのだろうか。
孝太郎の疑念が頭の中を渦巻いていると、「どうしてなのかって、分からないって顔をしていると思うから、説明してあげるわ」
それからの葵の言葉は到底信じられないものばかりであった。
東京都知事の手引きにより出所した事。それが自分だけではなく他の幹部も釈放された事。
全て、淳一の情報を裏付けるものであった。
「お前はどうしてオレにそんな事を教えたんだ?」
「そうね……あたしがゲームをしたかったからかな」
ゲーム?孝太郎はふざけるなと怒鳴り付けたくなってしまう。
だが、詳しい情報を聞き出すために敢えて葵の提案に乗ってやる事にする。
「いいだろう……だが、ゲームとやらをする前にお前の動機を聞いておきたいんだが」
「ダメよ。動機は最後に聞くものなのよ。刑事ドラマでもお約束でしょ?」
孝太郎は葵の自分を煽る顔が目に浮かぶようだった。
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