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マスコミ・ウォーズ編
フェイク・アイドル作戦ーその③
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孝太郎が控え室へと向かって、歩いている時だった。彼にとって見覚えのある顔とすれ違う。
向こうは自分の存在に気が付かなかったようだったが……。
(橘か……アイツもこのテレビ局と契約していたんだったな、あの二つのテレビ番組にも常連だったっけ)
孝太郎がそう考えている途中だった。あの二つの番組が不人気であったもう一つの理由を思い返す。何でも、プロデューサーの鬼島は日本の初期のテレビ番組が好きで、それに倣ったテレビ番組を放送しているためだ。危険な企画以外にも、色々と問題のある企画を立ち上げて、放送し、それで何回も出演している芸能人たちは危険な目に遭わせれている。
実際にライオンの歯の歯を磨かせるなんて企画では、実際に芸能人が死亡しているのだ。無論、遺族は訴訟を起こしたが、テレビ局が鬼島を庇い、莫大な示談金を払い、告訴を取り下げさしたのだった。遺族からすれば、自分の子供は鬼島に殺されたも同然だったが、訴えられないのだ。
(だからこそ、おれのような警察官が派遣されたんだが……)
孝太郎は廊下に設置されている自動販売機にコインを投入し、缶ジュースを購入しながら呟く。ガタンと音を立てて、缶ジュースは取り出し口に現れる。孝太郎は缶ジュースを手に取り、その場で飲み始めたのだが……。
「あ~スタッフはそこで購入しちゃダメだよ、これはここを訪れるゲストのために設置されているんだから」
と、サングラスをかけた演出家と思われる人の良さそうな肥満体の男性に声をかけられ、孝太郎はジュースを飲むのを中断する。
「どうして、ダメなんですか?おれ、初日なんで、よく分からないんです」
「鬼島プロデューサーの方針でね、認められたタレントとプロデューサーしか購入して、飲んではダメなんだって」
人の良さそうと孝太郎が判断したのは当たっていたらしい。特に怒る様子も見せずに、ただ嗜めるようにだけ言っている。
「成る程、次からは気を付けますよ」
「そうしてくれよ、でないと鬼島の奴に殴られちまうよ」
そう言って、立ち去ろうとした人の良さそうな演出家を孝太郎は「待った! 」と呼び止めた。
「鬼島の奴はそんなに悪どいんですか?誰も逆らえないみたいですけど……」
「うん、そうなんだ……」
演出家の男は、何か後ろめたいものがあるように体をモジモジさせながら言った。
「一体アイツは何をしたら、こんなに力を付けているんです、いくら番組がこのテレビ局内で一番視聴率が高いと言っても、こんなやり方は……」
「アイツの背後には小島組が付いているからね」
「小島組ですか?」
小島組。有名なヤクザの一家で、鬼島の背後に彼らが付いているとなれば、誰も逆らえないのは当然と言えた。そして、孫の小島憲がアイドルとして活動しているのも。
「そうさ、アイツらが鬼島プロデューサーの用心棒として機能しているから、オレたちは何も言えないんだよ、例えどんなに危険な演出でも、止めることは許されないんだ」
「……」
孝太郎はその場で黙りこくってしまう。いずれ、鬼島はこの業界から消えしてしまうだろう。奴と小島組の金洗浄の現場さえ抑えられさえすれば……。
「ありがとうございます! 初心者のおれに色々と教えてくださって」
「ああ、気を付けろよ、キミはくれぐれも鬼島プロデューサーに気を付けてくれよ」
そう言って、弱々しく微笑する演出家の人に軽く手を振ってから、孝太郎は控え室へと足早に去っていく。
「はい、水」
柿谷淳一は孝太郎から受け取ったミネラルウォーターのペットボトルを乱暴に受け取ると、砂漠で遭難した人間のように一気に飲み干す。
「ッハー! 助かった! これどこで買ったんだ?」
「近くのコンビニだよ、それよりもどうだった、仕事の方は?」
その言葉を聞くなり、淳一の顔つきがそれまでの心底疲れ切ったという顔を引っ込め、真剣な表情で孝太郎の会話に答え始める。
「法律スレスレの仕事ばかりだよ、腹を何回も叩かれたり、真冬なのにドブ川を泳がされたりな……」
「で、例のやつをくっ付ける事には成功したのか?」
その言葉を聞くなり、淳一は人差し指と親指で小さな丸を作りながら、チャシャ猫のようにニンマリとした笑顔を浮かべながら言った。
「オーケーよ、ドブ川の撮影の時によろけた振りをしてから、アイツの胸ポケットに付けやったよ! 」
「お前な、アイツが帰って服を脱いだ時とかに、例の存在に気が付いたら、どうするんだ?二度とそんな作戦は実行できなくなるんだぜ、いや、それ以上にアイツからおれ達は刑事だと疑われるかもしれないんだ」
「大丈夫だってー! おれさぁ~小耳に挟んじゃったのよ、アイツと小島組の連中が今晩に料亭の『麻村殿』で話すって事を……おれがただドブ川でバタついているだけだと思ったか?」
淳一は腕を組みながら、勝ち誇ったような笑みを見せている。孝太郎としては別に勝負をした覚えはないのだが。
「その情報が確実ならば、鬼島はもう終わりだな、ヤクザたちとの取引がおれ達の耳に突き抜けになるんだから」
「そうだな、こいつはすごいや」
淳一は感心したように、ネジのように小さなものを見つめている。
実はこれは共和国警察が最新の魔法と科学技術を駆使した盗撮器であり、マークした人物の服や帽子等にくっ付ける事により、どんな位置からでも話が聞けるという仕組みになっており、更にはその話を手元の再生機。
つまり、淳一が持っている機械で録音もできるのだ。孝太郎はこれを初めて見た時には、科学と魔法の進歩は日夜進歩しているのだなと感心したのだった。
「おれは今日は上がっていい事になってるからな、お前送ってくれや」
「分かったよ」
孝太郎は座っていた畳の上から重い腰を上げて、車に向かって行く。
その日の夜は孝太郎と姉の絵里子とで、『麻村殿』で開かれている謀議の様に耳を澄ませていた。
鬼島が料亭の椅子に座った音が聞こえた。いよいよ、始まるようだ。
「鬼島さん、あんたには本当に世話になってるよ、で、今度の番組によぉ~女の芸能人を、それも大量に組長の孫つまり、憲に回してやってくれよ」
「女が欲しくなったのか?」
鬼島の柄の悪そうな声が聞こえてくる。
「いいや、憲は最近トラブルを起こしちまってね、大きな見せ場が欲しいんだよ、女ファンというのは王子様に憧れるもんだよ」
「あんたの話を要約すると、女の芸能人を守る役目を憲に与えろというんだな?」
「その通りよ」
ヤクザの男が満面の笑みを浮かべている姿が、バッジの向こうの二人にも容易に再生できた。
「で、その芸能人は何人欲しいんだ?」
「15人くらいかな、筋書きはこうだよ、あんたの無茶な企画に三流のアイドルでも、素人の女でも無人島に連れて行き、そこに置き去りにするんだ。そこで、山火事を起こさせる、そこに巨大なヨットに乗った小島憲が現れるんだ」
「悪くないな、だが、こちらの金洗浄は引き受けてくれるんだろうな?」
と、鬼島の相手を疑うような声が聞こえるが……。
「問題はないさ、万が一あんたの脱税の証拠を公表されたら困るのは、おれ達でもあるんだからな、株の不正取引みたいな、非合法的な方法で資金を調達しているから、あんたは大きなマンションに住んだら、スポーツカーを買ったりしてんだろ?」
「否定はしないよ、素人の方は近々オーディションを開く予定だから、そこで何人かのアイドル好きな女を選んでおくよ」
「頼もしい限りだな」
と、ここで二人の会話は途切れる。イヤホンを外した孝太郎は微笑みながら、姉に尋ねる。
「さてと、オーディションに参加するかい?姉貴?」
「あたしは顔が割れてるでしょ?参加させるのなら、聡子と明美だわ」
「白籠駅で刈谷阿里耶と久方彩香の護送をかって出たのは失敗だったな」
と、言いながらも孝太郎は微笑を止めてはいなかった。
向こうは自分の存在に気が付かなかったようだったが……。
(橘か……アイツもこのテレビ局と契約していたんだったな、あの二つのテレビ番組にも常連だったっけ)
孝太郎がそう考えている途中だった。あの二つの番組が不人気であったもう一つの理由を思い返す。何でも、プロデューサーの鬼島は日本の初期のテレビ番組が好きで、それに倣ったテレビ番組を放送しているためだ。危険な企画以外にも、色々と問題のある企画を立ち上げて、放送し、それで何回も出演している芸能人たちは危険な目に遭わせれている。
実際にライオンの歯の歯を磨かせるなんて企画では、実際に芸能人が死亡しているのだ。無論、遺族は訴訟を起こしたが、テレビ局が鬼島を庇い、莫大な示談金を払い、告訴を取り下げさしたのだった。遺族からすれば、自分の子供は鬼島に殺されたも同然だったが、訴えられないのだ。
(だからこそ、おれのような警察官が派遣されたんだが……)
孝太郎は廊下に設置されている自動販売機にコインを投入し、缶ジュースを購入しながら呟く。ガタンと音を立てて、缶ジュースは取り出し口に現れる。孝太郎は缶ジュースを手に取り、その場で飲み始めたのだが……。
「あ~スタッフはそこで購入しちゃダメだよ、これはここを訪れるゲストのために設置されているんだから」
と、サングラスをかけた演出家と思われる人の良さそうな肥満体の男性に声をかけられ、孝太郎はジュースを飲むのを中断する。
「どうして、ダメなんですか?おれ、初日なんで、よく分からないんです」
「鬼島プロデューサーの方針でね、認められたタレントとプロデューサーしか購入して、飲んではダメなんだって」
人の良さそうと孝太郎が判断したのは当たっていたらしい。特に怒る様子も見せずに、ただ嗜めるようにだけ言っている。
「成る程、次からは気を付けますよ」
「そうしてくれよ、でないと鬼島の奴に殴られちまうよ」
そう言って、立ち去ろうとした人の良さそうな演出家を孝太郎は「待った! 」と呼び止めた。
「鬼島の奴はそんなに悪どいんですか?誰も逆らえないみたいですけど……」
「うん、そうなんだ……」
演出家の男は、何か後ろめたいものがあるように体をモジモジさせながら言った。
「一体アイツは何をしたら、こんなに力を付けているんです、いくら番組がこのテレビ局内で一番視聴率が高いと言っても、こんなやり方は……」
「アイツの背後には小島組が付いているからね」
「小島組ですか?」
小島組。有名なヤクザの一家で、鬼島の背後に彼らが付いているとなれば、誰も逆らえないのは当然と言えた。そして、孫の小島憲がアイドルとして活動しているのも。
「そうさ、アイツらが鬼島プロデューサーの用心棒として機能しているから、オレたちは何も言えないんだよ、例えどんなに危険な演出でも、止めることは許されないんだ」
「……」
孝太郎はその場で黙りこくってしまう。いずれ、鬼島はこの業界から消えしてしまうだろう。奴と小島組の金洗浄の現場さえ抑えられさえすれば……。
「ありがとうございます! 初心者のおれに色々と教えてくださって」
「ああ、気を付けろよ、キミはくれぐれも鬼島プロデューサーに気を付けてくれよ」
そう言って、弱々しく微笑する演出家の人に軽く手を振ってから、孝太郎は控え室へと足早に去っていく。
「はい、水」
柿谷淳一は孝太郎から受け取ったミネラルウォーターのペットボトルを乱暴に受け取ると、砂漠で遭難した人間のように一気に飲み干す。
「ッハー! 助かった! これどこで買ったんだ?」
「近くのコンビニだよ、それよりもどうだった、仕事の方は?」
その言葉を聞くなり、淳一の顔つきがそれまでの心底疲れ切ったという顔を引っ込め、真剣な表情で孝太郎の会話に答え始める。
「法律スレスレの仕事ばかりだよ、腹を何回も叩かれたり、真冬なのにドブ川を泳がされたりな……」
「で、例のやつをくっ付ける事には成功したのか?」
その言葉を聞くなり、淳一は人差し指と親指で小さな丸を作りながら、チャシャ猫のようにニンマリとした笑顔を浮かべながら言った。
「オーケーよ、ドブ川の撮影の時によろけた振りをしてから、アイツの胸ポケットに付けやったよ! 」
「お前な、アイツが帰って服を脱いだ時とかに、例の存在に気が付いたら、どうするんだ?二度とそんな作戦は実行できなくなるんだぜ、いや、それ以上にアイツからおれ達は刑事だと疑われるかもしれないんだ」
「大丈夫だってー! おれさぁ~小耳に挟んじゃったのよ、アイツと小島組の連中が今晩に料亭の『麻村殿』で話すって事を……おれがただドブ川でバタついているだけだと思ったか?」
淳一は腕を組みながら、勝ち誇ったような笑みを見せている。孝太郎としては別に勝負をした覚えはないのだが。
「その情報が確実ならば、鬼島はもう終わりだな、ヤクザたちとの取引がおれ達の耳に突き抜けになるんだから」
「そうだな、こいつはすごいや」
淳一は感心したように、ネジのように小さなものを見つめている。
実はこれは共和国警察が最新の魔法と科学技術を駆使した盗撮器であり、マークした人物の服や帽子等にくっ付ける事により、どんな位置からでも話が聞けるという仕組みになっており、更にはその話を手元の再生機。
つまり、淳一が持っている機械で録音もできるのだ。孝太郎はこれを初めて見た時には、科学と魔法の進歩は日夜進歩しているのだなと感心したのだった。
「おれは今日は上がっていい事になってるからな、お前送ってくれや」
「分かったよ」
孝太郎は座っていた畳の上から重い腰を上げて、車に向かって行く。
その日の夜は孝太郎と姉の絵里子とで、『麻村殿』で開かれている謀議の様に耳を澄ませていた。
鬼島が料亭の椅子に座った音が聞こえた。いよいよ、始まるようだ。
「鬼島さん、あんたには本当に世話になってるよ、で、今度の番組によぉ~女の芸能人を、それも大量に組長の孫つまり、憲に回してやってくれよ」
「女が欲しくなったのか?」
鬼島の柄の悪そうな声が聞こえてくる。
「いいや、憲は最近トラブルを起こしちまってね、大きな見せ場が欲しいんだよ、女ファンというのは王子様に憧れるもんだよ」
「あんたの話を要約すると、女の芸能人を守る役目を憲に与えろというんだな?」
「その通りよ」
ヤクザの男が満面の笑みを浮かべている姿が、バッジの向こうの二人にも容易に再生できた。
「で、その芸能人は何人欲しいんだ?」
「15人くらいかな、筋書きはこうだよ、あんたの無茶な企画に三流のアイドルでも、素人の女でも無人島に連れて行き、そこに置き去りにするんだ。そこで、山火事を起こさせる、そこに巨大なヨットに乗った小島憲が現れるんだ」
「悪くないな、だが、こちらの金洗浄は引き受けてくれるんだろうな?」
と、鬼島の相手を疑うような声が聞こえるが……。
「問題はないさ、万が一あんたの脱税の証拠を公表されたら困るのは、おれ達でもあるんだからな、株の不正取引みたいな、非合法的な方法で資金を調達しているから、あんたは大きなマンションに住んだら、スポーツカーを買ったりしてんだろ?」
「否定はしないよ、素人の方は近々オーディションを開く予定だから、そこで何人かのアイドル好きな女を選んでおくよ」
「頼もしい限りだな」
と、ここで二人の会話は途切れる。イヤホンを外した孝太郎は微笑みながら、姉に尋ねる。
「さてと、オーディションに参加するかい?姉貴?」
「あたしは顔が割れてるでしょ?参加させるのなら、聡子と明美だわ」
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