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長男対槍の王子の対決!
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「おお!すごい!流石は義喜だッ!」
「まさか、お兄ちゃんにこんな力があったなんて……」
賞賛する二人を放って、義喜は一心不乱に槍の王子や亜人の少女たちに向かって無差別に音符の爆弾を作り出していく。
義喜の音符の爆弾にあたり、悲鳴を上げながら倒れていく勇者の一行。
なんという事だろうか。彼ら彼女らこそが正統なる主人公たちだというのに、自称ミュージシャンのつまらない力が怒りにより、増大した事により、成す術もなく蹂躙されていくではないか。
全員が吹き飛ばされた衝撃やら何やらで地面の上に横たわっている。
義喜の音符爆弾は彼ら彼女らの命を奪う事なく、戦闘不能へと追い込み、あっという間に父親と妹の敵を槍の王子一人に減らしていた。
それを見た高岩は鼻を高くしながら、槍の王子モームに向かって告げる。
「見たかッ!これが、家族の力だッ!家族から離れたお前にはわからんだろう!?」
「何が家族の力だッ!ほとんど、ヨシキの力じゃあねーかッ!」
モームは槍を構えながら高岩に向かって突っ込みを与えていく。
だが、その長男の力は無視できない。彼の作り出す音符型の爆弾はこれ以上ない程の性能を誇っているからである。
義喜は一心不乱に歌い続けながら、音符爆弾をモームに向かって放っていく。
爆弾が目の前へと迫る度に舌を打ち、全力で回避していくモーム。
だが、明らかに今の彼は義喜のみを相手にしているではないか。
完全に他の二人に関しては彼の頭の中からは疎外されている。
高岩はこの隙を逃さなかった。借り物ハンドを利用して、彼の槍を借りパクし、幾度も槍をモームへと投げていくではないか。
彼は二方面から迫る爆弾と槍とを回避していたが、何度目かに放たれた音符爆弾によって、足元のバランスが崩された事は致命的であった。
康輝はフラフラと足を動かしながら、地面の上へと仰向けに倒れ込む。
高岩はそして、憎悪のままにモームへと槍を突き立てようとしたが、何を思ったか、モームの頭の近くに槍を突き刺す。
彼は困惑するモームに向かって憎々しげに吐き捨てる。
「……かつてキミは菜穂子を愛していたんだってね?だから、今回は見逃してやるんだ。仮にも菜穂子が愛した人を殺したくはないからね」
「……偉そうな事を言いやがって、ラン○ーのような殺しの訓練はどうした?オレをそいつで殺してみろよ?」
モームは高岩を挑発したが、それは逆効果をもたらす事になった。彼は力強く頬を叩かれてしまう。
高岩は舌を打ち、モームの腹を思いっきり蹴り上げると、不機嫌そうに二人を連れて船へと戻っていく。
なぜか、不機嫌そうな顔を見せる高岩に対し、たまらなくなったのか、義喜は高岩に向かって話し掛けた。
「親父、どうしたんだよ?そんなにプリプリして」
「なんでもないさ」
口を尖らせながら言葉を返す高岩に対し、なぜかニヤニヤと笑う菜穂子。
義喜は揶揄うような笑顔を浮かべている菜穂子に対し、義喜は疑問を覚えて問い掛ける。
口を籠らせる義喜に対し、菜穂子は快活な声で答えた。
「お父さん。きっと焼いてるんだと思うよ。だって、あたしがかつては愛した人だもん。もう安心してって!あたしは今はお父さん一択だからッ!」
菜穂子はそう叫ぶと、甘えるように高岩の腕へと引っ付いていく。
義喜はそんな父娘を苦笑いを浮かべながら見つめていた。
「まさか、お兄ちゃんにこんな力があったなんて……」
賞賛する二人を放って、義喜は一心不乱に槍の王子や亜人の少女たちに向かって無差別に音符の爆弾を作り出していく。
義喜の音符の爆弾にあたり、悲鳴を上げながら倒れていく勇者の一行。
なんという事だろうか。彼ら彼女らこそが正統なる主人公たちだというのに、自称ミュージシャンのつまらない力が怒りにより、増大した事により、成す術もなく蹂躙されていくではないか。
全員が吹き飛ばされた衝撃やら何やらで地面の上に横たわっている。
義喜の音符爆弾は彼ら彼女らの命を奪う事なく、戦闘不能へと追い込み、あっという間に父親と妹の敵を槍の王子一人に減らしていた。
それを見た高岩は鼻を高くしながら、槍の王子モームに向かって告げる。
「見たかッ!これが、家族の力だッ!家族から離れたお前にはわからんだろう!?」
「何が家族の力だッ!ほとんど、ヨシキの力じゃあねーかッ!」
モームは槍を構えながら高岩に向かって突っ込みを与えていく。
だが、その長男の力は無視できない。彼の作り出す音符型の爆弾はこれ以上ない程の性能を誇っているからである。
義喜は一心不乱に歌い続けながら、音符爆弾をモームに向かって放っていく。
爆弾が目の前へと迫る度に舌を打ち、全力で回避していくモーム。
だが、明らかに今の彼は義喜のみを相手にしているではないか。
完全に他の二人に関しては彼の頭の中からは疎外されている。
高岩はこの隙を逃さなかった。借り物ハンドを利用して、彼の槍を借りパクし、幾度も槍をモームへと投げていくではないか。
彼は二方面から迫る爆弾と槍とを回避していたが、何度目かに放たれた音符爆弾によって、足元のバランスが崩された事は致命的であった。
康輝はフラフラと足を動かしながら、地面の上へと仰向けに倒れ込む。
高岩はそして、憎悪のままにモームへと槍を突き立てようとしたが、何を思ったか、モームの頭の近くに槍を突き刺す。
彼は困惑するモームに向かって憎々しげに吐き捨てる。
「……かつてキミは菜穂子を愛していたんだってね?だから、今回は見逃してやるんだ。仮にも菜穂子が愛した人を殺したくはないからね」
「……偉そうな事を言いやがって、ラン○ーのような殺しの訓練はどうした?オレをそいつで殺してみろよ?」
モームは高岩を挑発したが、それは逆効果をもたらす事になった。彼は力強く頬を叩かれてしまう。
高岩は舌を打ち、モームの腹を思いっきり蹴り上げると、不機嫌そうに二人を連れて船へと戻っていく。
なぜか、不機嫌そうな顔を見せる高岩に対し、たまらなくなったのか、義喜は高岩に向かって話し掛けた。
「親父、どうしたんだよ?そんなにプリプリして」
「なんでもないさ」
口を尖らせながら言葉を返す高岩に対し、なぜかニヤニヤと笑う菜穂子。
義喜は揶揄うような笑顔を浮かべている菜穂子に対し、義喜は疑問を覚えて問い掛ける。
口を籠らせる義喜に対し、菜穂子は快活な声で答えた。
「お父さん。きっと焼いてるんだと思うよ。だって、あたしがかつては愛した人だもん。もう安心してって!あたしは今はお父さん一択だからッ!」
菜穂子はそう叫ぶと、甘えるように高岩の腕へと引っ付いていく。
義喜はそんな父娘を苦笑いを浮かべながら見つめていた。
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