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長男怒る!彼の前で楽器を馬鹿にする事なかれ
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「うるさい!黙ってろ!バカ兄貴!」
菜穂子はいつもの調子で、傍から茶々を入れる前世の兄に向かって突っ込みを入れたのだが、背後で短剣を構えている妹は後ろ髪を掴み上げて、強制的にこちらへと意識を戻させた。
「お姉様、バカと煽りたいのはこちらですわ。今からたっぷりとツケを払ってもらいますから」
「み、見逃してよ……あたしたち、たった二人の姉妹でしょ!?」
「縁を切られた時点で、あなたとは姉妹でもなんでもございませんよ」
容赦のない切り返しに菜穂子はとうとう涙目になってしまう。
だが、モームこと北村康輝は高岩を屈服させると、人差し指を突き付けながら、彼女の前世での罪を追求していく。
「あぁ、そうか、お前何かと思ったら、このジジイの娘のナオコだろ?匿名掲示板だと、散々、オレを煽りやがって」
「あっ、いや、アレはあんたがお父さんを虐めるから……」
「虐めるだと?」
モームは菜穂子を睨むと、声を震わせながら彼女の父親の悪行を周りの人々にぶち撒けていく。
一部のわからない単語はあれども、なんにせよ、高岩が最低の犯罪者であり、その共犯が菜穂子である事は知れ渡ったらしい。
だが、高岩と菜穂子の顔色は青色を通り越し、紫色へと変貌しているものの、義喜この状態でもしれっとした顔を浮かべている。
だが、モームは未だに平然とした顔でヘラヘラと笑っている義喜にもその怒りを爆発させていく。
「おい、義喜ッ!お前、確か、親父が無心した金で学校に通わせてもらって?ギター買ってもらって?それでいて、海外旅行にまで行かせてもらったんだっけ?それで返す言葉が『関係ない』だと?やっぱり、寄生虫の子は寄生虫だなッ!」
義喜はその問いに対しても苦しい笑みを浮かべるばかりである。
その笑顔が怒りの起爆剤となったのか、モームは目の前で声を上げて、彼を詰っていく。
「お前もさぁ、何を被害者面をしてるんだよ。くだらない楽器に金を使う暇があるのならば、その金を馬鹿親父の借金の返済に充てろよ。バカ面の妖怪がッ!モアイみたいな顔をして、ヘラヘラと笑いながら下手なギターを弾きやがってッ!」
この時に義喜の両眉が引き攣ったのを菜穂子は垣間見た。同時に、高岩も。
二人は希望を見出した。楽器を馬鹿にされて気を害した義喜に。
義喜は無言で背中からバイオリンを下ろし、音符爆弾をモームやかつての盾の仲間たちだけを中心に当てていく。
その爆弾の強力の度合いはこれまでのものとは比較にならない。
その音符爆弾を作り上げた時の義喜の形相はといえば修羅のようであったという。
菜穂子はいつもの調子で、傍から茶々を入れる前世の兄に向かって突っ込みを入れたのだが、背後で短剣を構えている妹は後ろ髪を掴み上げて、強制的にこちらへと意識を戻させた。
「お姉様、バカと煽りたいのはこちらですわ。今からたっぷりとツケを払ってもらいますから」
「み、見逃してよ……あたしたち、たった二人の姉妹でしょ!?」
「縁を切られた時点で、あなたとは姉妹でもなんでもございませんよ」
容赦のない切り返しに菜穂子はとうとう涙目になってしまう。
だが、モームこと北村康輝は高岩を屈服させると、人差し指を突き付けながら、彼女の前世での罪を追求していく。
「あぁ、そうか、お前何かと思ったら、このジジイの娘のナオコだろ?匿名掲示板だと、散々、オレを煽りやがって」
「あっ、いや、アレはあんたがお父さんを虐めるから……」
「虐めるだと?」
モームは菜穂子を睨むと、声を震わせながら彼女の父親の悪行を周りの人々にぶち撒けていく。
一部のわからない単語はあれども、なんにせよ、高岩が最低の犯罪者であり、その共犯が菜穂子である事は知れ渡ったらしい。
だが、高岩と菜穂子の顔色は青色を通り越し、紫色へと変貌しているものの、義喜この状態でもしれっとした顔を浮かべている。
だが、モームは未だに平然とした顔でヘラヘラと笑っている義喜にもその怒りを爆発させていく。
「おい、義喜ッ!お前、確か、親父が無心した金で学校に通わせてもらって?ギター買ってもらって?それでいて、海外旅行にまで行かせてもらったんだっけ?それで返す言葉が『関係ない』だと?やっぱり、寄生虫の子は寄生虫だなッ!」
義喜はその問いに対しても苦しい笑みを浮かべるばかりである。
その笑顔が怒りの起爆剤となったのか、モームは目の前で声を上げて、彼を詰っていく。
「お前もさぁ、何を被害者面をしてるんだよ。くだらない楽器に金を使う暇があるのならば、その金を馬鹿親父の借金の返済に充てろよ。バカ面の妖怪がッ!モアイみたいな顔をして、ヘラヘラと笑いながら下手なギターを弾きやがってッ!」
この時に義喜の両眉が引き攣ったのを菜穂子は垣間見た。同時に、高岩も。
二人は希望を見出した。楽器を馬鹿にされて気を害した義喜に。
義喜は無言で背中からバイオリンを下ろし、音符爆弾をモームやかつての盾の仲間たちだけを中心に当てていく。
その爆弾の強力の度合いはこれまでのものとは比較にならない。
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