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島に登る詐欺怪人
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高岩一家は巨人を倒し、財宝を奪い取ると、そのまま船に乗り、魔王の城へと向かう。
だが、なぜか巨人から奪い取った財宝は島から出た際に消し飛んでいた。
「あ、あれ!?なんで!?」
そう声を荒げるのは高岩。当然だろう。彼からすれば、命懸けで手に入れた財宝が船から消失してしまっていたのだから。
「こ、これはどういう事だ!?」
「お、オレが聞きてぇよ!なんで、宝が消えてんだよ!?」
「義喜ッ!お前がちょろまかしたんじゃあないのか!?」
「んなわけあるかッ!」
高岩と義喜による親子喧嘩が暫く続いた後に菜穂子が口を挟む。
「いや、そもそも、こんな狭い船の中で宝を隠すのは無理じゃね?」
お互いに顔を見合わせて納得しているところで、神からの声が聞こえたので、二人は一気に天空を睨む。
「そ、そうか!わかったぞ!貴様の仕業か!?」
「いかにも、お前が取った財宝は一部は貧しい人に配り、一部は借金の返済に充てたぞ!そして、残った分は洞窟に戻したッ!」
「き、貴様ッ!あれはオレの宝だぞよくもそんな勝手な事をッ!」
「黙れッ!卑劣な手で巨人を殺し、奪い取ったものをオレのものだと!?貴様、どこまで性根が腐っておる!まるで、東京湾の底に沈んでおる藻のようじゃな」
神の言葉に高岩は何も言えなかった。押し黙る彼を他所に、神は話を続けていく。
「これまでは一応は大目に見ておったが、お主らのクズ行動にも限度があるッ!だから、今回はこんな処分を取らせてもらったのじゃ!」
「ふざけるな!ジジイ!オレの財宝を返せッ!」
だが、神はそれ以上は喋る気も起きなかったのか、言葉は返ってこなかった。
高岩は不服そうに頬を顰めながら、黙ってオールを漕いでいく。
義喜や菜穂子も同様に不満そうな顔を浮かべながら、交代で舵を取っていく。
交代で舵を取る事、数時間。
高岩一家の前に島らしきものが見えてきた。
島の中央部には山があり、その周辺には多くの豊富な森林が聳え立っている。
「ここなんかいいんじゃあないのか?」
「そうだよね。休憩にもピッタリだしさ」
「じゃあ、上陸するとするか」
高岩は舵を用いて、船を島の沿岸部へと寄せ、砂の上に乗り上げさせた後に全員で島の中を進む。
島の上空には多くの鳥が飛び交っており、その鳴き声がその下を歩く高岩一家の耳の中で残響していく。
「随分と鳥の声がうるさいな」
「だよな。この鳥どもどうにかならねぇかな」
義喜は不満気に呟く。こんな状況では頭の中で作詞作曲もできないからだろうか。
だが、そんな義喜の心中など鳥は当然、察しない。
またしても、一家三人の耳を襲う。
だが、なぜか巨人から奪い取った財宝は島から出た際に消し飛んでいた。
「あ、あれ!?なんで!?」
そう声を荒げるのは高岩。当然だろう。彼からすれば、命懸けで手に入れた財宝が船から消失してしまっていたのだから。
「こ、これはどういう事だ!?」
「お、オレが聞きてぇよ!なんで、宝が消えてんだよ!?」
「義喜ッ!お前がちょろまかしたんじゃあないのか!?」
「んなわけあるかッ!」
高岩と義喜による親子喧嘩が暫く続いた後に菜穂子が口を挟む。
「いや、そもそも、こんな狭い船の中で宝を隠すのは無理じゃね?」
お互いに顔を見合わせて納得しているところで、神からの声が聞こえたので、二人は一気に天空を睨む。
「そ、そうか!わかったぞ!貴様の仕業か!?」
「いかにも、お前が取った財宝は一部は貧しい人に配り、一部は借金の返済に充てたぞ!そして、残った分は洞窟に戻したッ!」
「き、貴様ッ!あれはオレの宝だぞよくもそんな勝手な事をッ!」
「黙れッ!卑劣な手で巨人を殺し、奪い取ったものをオレのものだと!?貴様、どこまで性根が腐っておる!まるで、東京湾の底に沈んでおる藻のようじゃな」
神の言葉に高岩は何も言えなかった。押し黙る彼を他所に、神は話を続けていく。
「これまでは一応は大目に見ておったが、お主らのクズ行動にも限度があるッ!だから、今回はこんな処分を取らせてもらったのじゃ!」
「ふざけるな!ジジイ!オレの財宝を返せッ!」
だが、神はそれ以上は喋る気も起きなかったのか、言葉は返ってこなかった。
高岩は不服そうに頬を顰めながら、黙ってオールを漕いでいく。
義喜や菜穂子も同様に不満そうな顔を浮かべながら、交代で舵を取っていく。
交代で舵を取る事、数時間。
高岩一家の前に島らしきものが見えてきた。
島の中央部には山があり、その周辺には多くの豊富な森林が聳え立っている。
「ここなんかいいんじゃあないのか?」
「そうだよね。休憩にもピッタリだしさ」
「じゃあ、上陸するとするか」
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島の上空には多くの鳥が飛び交っており、その鳴き声がその下を歩く高岩一家の耳の中で残響していく。
「随分と鳥の声がうるさいな」
「だよな。この鳥どもどうにかならねぇかな」
義喜は不満気に呟く。こんな状況では頭の中で作詞作曲もできないからだろうか。
だが、そんな義喜の心中など鳥は当然、察しない。
またしても、一家三人の耳を襲う。
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