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新たなる敵はパワハラボス!?〜高岩よ、奮闘せよ!〜
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魔王軍幹部のトルスを倒して以来、平穏な日々が続き、高岩一家は揃いも揃ってダラけきっていた。いや、態度が弛んでいたといってもいいだろう。
高岩は相変わらず、手袋を眺めて部屋の奥でニヤニヤとしているし、菜穂子は自室のベッドの上に横たわりながら、雑誌を読む日々。
唯一、義喜だけは音楽活動のために外出しているが、それの収入は殆どないに等しい。
おおよそ、そんな日々が数ヶ月も続いた後に、義喜がようやく行動を起こす。
「親父!このままだと、オレら死ぬまでこんな事をする羽目になっちまうぞ!」
「いいじゃあないか、それで……このままここに引きこもって、一日を平穏に過ごす。それの何が悪いんだ?」
「よかないよ!このままのんびりと過ごしてて、親父が死んだら、オレも菜穂子も地獄行きって事を忘れてねぇか!?」
義喜の切羽詰まった様子を見て、高岩もようやく本来の使命を思い出したらしい。
大きな声を上げて、背中にバイオリンを背負った義喜の両肩を強く揺さぶっていく。
「冗談じゃあないぞ!おい、後いくら必要なんだ?」
「ここまでで、半分は減ったぞ。後は魔王軍の幹部を三人も討伐すれば、前世での借金はなくなるでな」
義喜の代わりに天井から神の声が聞こえた。
それを聞いた高岩は目の色を変えて、義喜に残りの魔王軍の幹部の情報を問う。
義喜は酒場で仕入れた魔王軍幹部の情報を高岩に向かって話していく。
「その話によれば、そいつはひどい性悪らしいぜ」
義喜の話によれば、パワハラは当たり前だという。そればかりではない。そのパワハラがあまりにもひどく、時には部下を殺してしまうのだという。
「……もしかして、そいつって、どこぞの有名、鬼のボスみたいな外見してない?」
菜穂子の問い掛けに対して、義喜は残念そうに首を横に振る。
「いいや、流石に外見までは出回ってなかったよ」
だが、断片的な特徴はわかったらしい。なんでも、白い中折れ帽子にそこから髪の毛を出し、真っ白なスーツで全身を覆っているらしい。
その上に、黒のコートを羽織っているらしい。
「いや、完璧にあの鬼のラスボスでしょ!?」
菜穂子の突っ込みが家の中に響いていく。
「鬼のラスボスというのは?」
高岩は土下座謝罪の日に異世界に転移したため、かつて、日本のみならず世界をも圧巻させた有名な鬼退治の漫画の事を知らない。
義喜にその事を問うのも当然といえるだろう。
義喜は要点を抑えながら、その漫画の事を父に向かって教えていく。
「成る程、その鬼のボスが魔王軍の幹部って事になるわけだな?」
「まだ確定じゃねーけどな。けど、話を聞く限りはその可能性が高いぜ」
「となると、かなり厄介じゃあない?ほら、あいつ鬼の部下とか出すし」
「あぁ、確か、上弦だとか下弦とかそんな奴だよな?」
「月の名前とは洒落ているじゃあないか」
高岩は半ば感心するように言った。
「まぁ、そういう漫画だからな。けど、その特徴が中々に厄介なんだよなぁ」
義喜は漫画の事を思い出したのか、ぼやきながら言った。
高岩は相変わらず、手袋を眺めて部屋の奥でニヤニヤとしているし、菜穂子は自室のベッドの上に横たわりながら、雑誌を読む日々。
唯一、義喜だけは音楽活動のために外出しているが、それの収入は殆どないに等しい。
おおよそ、そんな日々が数ヶ月も続いた後に、義喜がようやく行動を起こす。
「親父!このままだと、オレら死ぬまでこんな事をする羽目になっちまうぞ!」
「いいじゃあないか、それで……このままここに引きこもって、一日を平穏に過ごす。それの何が悪いんだ?」
「よかないよ!このままのんびりと過ごしてて、親父が死んだら、オレも菜穂子も地獄行きって事を忘れてねぇか!?」
義喜の切羽詰まった様子を見て、高岩もようやく本来の使命を思い出したらしい。
大きな声を上げて、背中にバイオリンを背負った義喜の両肩を強く揺さぶっていく。
「冗談じゃあないぞ!おい、後いくら必要なんだ?」
「ここまでで、半分は減ったぞ。後は魔王軍の幹部を三人も討伐すれば、前世での借金はなくなるでな」
義喜の代わりに天井から神の声が聞こえた。
それを聞いた高岩は目の色を変えて、義喜に残りの魔王軍の幹部の情報を問う。
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「その話によれば、そいつはひどい性悪らしいぜ」
義喜の話によれば、パワハラは当たり前だという。そればかりではない。そのパワハラがあまりにもひどく、時には部下を殺してしまうのだという。
「……もしかして、そいつって、どこぞの有名、鬼のボスみたいな外見してない?」
菜穂子の問い掛けに対して、義喜は残念そうに首を横に振る。
「いいや、流石に外見までは出回ってなかったよ」
だが、断片的な特徴はわかったらしい。なんでも、白い中折れ帽子にそこから髪の毛を出し、真っ白なスーツで全身を覆っているらしい。
その上に、黒のコートを羽織っているらしい。
「いや、完璧にあの鬼のラスボスでしょ!?」
菜穂子の突っ込みが家の中に響いていく。
「鬼のラスボスというのは?」
高岩は土下座謝罪の日に異世界に転移したため、かつて、日本のみならず世界をも圧巻させた有名な鬼退治の漫画の事を知らない。
義喜にその事を問うのも当然といえるだろう。
義喜は要点を抑えながら、その漫画の事を父に向かって教えていく。
「成る程、その鬼のボスが魔王軍の幹部って事になるわけだな?」
「まだ確定じゃねーけどな。けど、話を聞く限りはその可能性が高いぜ」
「となると、かなり厄介じゃあない?ほら、あいつ鬼の部下とか出すし」
「あぁ、確か、上弦だとか下弦とかそんな奴だよな?」
「月の名前とは洒落ているじゃあないか」
高岩は半ば感心するように言った。
「まぁ、そういう漫画だからな。けど、その特徴が中々に厄介なんだよなぁ」
義喜は漫画の事を思い出したのか、ぼやきながら言った。
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